刃牙道 第26話 少年(ぼん)



刃牙と武蔵が戦う! ……のか?
戦わないことには定評のある刃牙だ。
水に火を点けるようなものだ。
上手く水素に分解すれば爆発するかもしれないが、そうなることは稀だ。
本当に戦うのか……?


「お前らホントにヤル気か!!?」

とここでみっちゃんがいきなり水を差した!
アンタが突っ込みますか、アンタが。
まさか、刃牙VS武蔵を水泡と帰すのはみっちゃんの手によるのか。
予想外からの不意打ちだ。

そんなことを言い出したのはもったいないという理由からだった。
まぁ、たしかにもったいない。
地下闘技場のチャンピオンに伝説の剣豪である。
古今の最強が集う試合なんて大舞台でやるべきだろう。

だが、そんなことを言い出すとそれを理由に戦わなくなる。
刃牙は少しでもチャンスがあったら戦わない。
戦わないことに関しては英雄なのだ。
ほら、FF5でも逃げるほど攻撃力が上がる武器があったじゃろ?

「少年(ぼん)」「ぬしゃどう思う」

「どう思う?」
「へッ」「どうもこうも…外へ誘い出したのはそっちだぜ」


だが、今の刃牙は逃げない!
一応、連載再開だからって無視していませんかね?
連載再開直後にクソ野郎っぷりを見せたから、今更格好付けなくてもいいと思うのですが……
歴代読者ならお前のクズっぷりは十分に知ってるぞ。

そんな刃牙に興味が湧いたのか、武蔵は徳川光成に刃牙が何者なのかを問う。
武蔵とは「この国随一の実力者を」と約束している。
なので、刃牙を持ってきたのだろう。
何やかんやでみっちゃんの行動は誠意あるものだ。
ちゃんと約束を果たしている。
これで加藤や本部を持ってこられたら武蔵は怒ってもいい。
いや、本部戦が待ち望まれてはいるのですがね……

それに対して刃牙の見立てを聞くと質問を質問で返すのがみっちゃんだった。
一応、地下闘技場のヒール……もといヒーローである。
伝説の剣豪が刃牙をどう評価するのかは興味があるところだろう。

「有馬や秋山あたりじゃ勝負にもならんだろうな」「んン〜〜〜……………さしずめ」

吉良吉影ならキレているところだが、意外と楽しんで刃牙を評価する武蔵であった。
有馬は有馬喜平、秋山は秋山新左衛門のことだ。
有馬喜平は武蔵が13歳の頃に初めて決闘した相手だ。
秋山新左衛門は16歳の頃に戦っている。
刃牙の戦力は素手ながらその2人を凌駕するということか。
さすがではある。

でも、逆に言えば2人共、まだ未熟だった時分の武蔵でも勝てた相手ということだ。
もちろん、刃牙が幼少期に花山やガイアと戦ったように、有馬も秋山も一流かもしれないが。
しかし、比較を考える辺り、戦国時代は強者揃いだったのか?

と、その隙を突いて刃牙がハイキックを放つ。
刃牙が得意とする廻し蹴りだ。
相手の隙を遠慮なく突く。
範馬刃牙は実戦派でもあるぞ。
ちと小物っぽくもあるが。

が、武蔵にハイキックがかわされる。
それだけでなく軸足を掴まれて持ち上げられる。
刃牙を軽々と持ち上げるパワーはもちろん、軸足を簡単に掴む身のこなしも恐ろしい。

「琉球か少年(ぼん)
「まだ立ち会ったことはないが」
「琉球に足蹴りを技とする「術」があると聞く」


武蔵が生きていた頃には蹴りがメジャーではなかったようだ。
ピクルでさえ蹴っていたのに……
ピクルは烈戦では蹴っていなかったので、烈の蹴りを真似ただけかもしれないけど。
琉球=沖縄の蹴りを技としている武術は空手だろうか。

持ち上げられても刃牙は立っている。
その状態から蹴りを放つが、軸足を握られ簡単に体勢を崩してしまう。
あの刃牙が激痛に苦しんでいることから、武蔵の握力は相当高いことが伺える。

「変わったことをする……………」
「立ち合いの最中というのに」
「自ら好んで安定の欠く片足に……」


蹴りがダメ出しされた!
これでは現代格闘技の多くが困ったことになるぞ。
刃牙も蹴りそのものがダメ出しされる日が来るとは思わなかっただろう。
かつて蹴りがないとボクシングをダメ出ししたからなおさらだ。

逆に言えばボクシングは蹴りがないということがむしろ強みなのだ!
蹴りのない格闘技を学ぶために、来週からいきなり烈ボクシング編が始まってもまったくおかしくないぞ。
アイアン・マイケルが復活しても違和感はない。

さて、武蔵は軸足を握る。
メッチャいたがる刃牙さんである。
うーむ、相変わらずいいリアクションをするな。
しかも、いたがりながらも空中で直立を維持している。
無駄にバランスがいい男だ。片手で刃牙を持っている武蔵も凄いが、こっちも凄い。無駄な方向に。

「果たして…………持つか………?」

相手は子供とはいえ勝負。
そんなわけで武蔵は必殺へ移る。
刃牙を刀に見立て第22話のように振りかぶる。
みっちゃんの脳裏に浮かぶのは切断された刀である。
刃牙の脚がスポーンと抜けちゃうのか……?

でも、みっちゃんや。
刃牙がこんな感じに投げられるということはけっこうある。
記憶に新しいドレスはもちろん(範馬刃牙第288話)、オリバにも投げられている。(範馬刃牙第67話
そんなに心配せんでも……
これらの前例を考えれば武蔵のパワーは勇次郎やオリバに匹敵するということか。

というわけで、一切の加減をせず武蔵は刃牙を地面に叩き付ける。
さすが戦場に生きた男。
子供が相手でも加減をしない。
ちゃんと受け身を取っているから大丈夫だろうか。
ドレスやオリバスローに耐えた刃牙だから、いかに武蔵が相手とはいえ、いかに凄絶な投げとはいえ、これくらいで倒れるほど……

「並みの剣よりは」「マシに出来とる」

倒れたー! あっさり倒れたぁー!
恐ろしいまでの安定感だ。
未知の強者と出逢ったら、とりあえず不覚を取るのが伝統である。

柳にやられたように、ゲバルとオリバにやられたように、ピクルにやられたように。
最大トーナメントを優勝した刃牙に敵はいない。
毒が裏返り全盛期になった刃牙に敵はいない。
オリバに力で勝った刃牙に敵はいない。
そうちょっとだけ思わせつつもあっさりと不覚を取るのが刃牙である。
そして、今回も勇次郎と互角に渡り合った刃牙に敵はいないと思わせて不覚を取った。
恐ろしいまでの安定感だ。
大事なことなので2回言いました。

武蔵は刃牙を一蹴した。
この国随一の強者をあっさりと倒しやがって。
ならば、ここからが武蔵戦線の本番か。
格闘家たちが武蔵に挑めるぞ!
ここから年末にあるであろう2話同時掲載へ向けてのんびりし始めるのは勘弁願いたい。
次回へ続く。


刃牙敗北!
まぁ、いつものことですな。
そんなわけで次へ行こう。

武蔵は蹴りをDISった。
バキ世界で蹴りを使わないことをダメ出しされるのはよくあることだが、蹴りを使うことをダメ出しされるのは珍しいな。
勇次郎だってたくさん蹴っているというのに……
武蔵の真意や戦い方が気になるところだ。

武蔵は素手でも十分強いようだ。
これなら刀の心配はしなくてもいいな。
しかし、自分そのものが刃の真意はわからず終いだ。
相手を剣のように扱うからというわけではないだろうて。

蹴りをダメ出しされたということは拳しか使わないファイターの出番かもしれない。
そう、(忘れられかけている)ボルトの出番はここなのだ!
まぁ、蹴らなきゃいいというものでもありませんがね。
アイアン・マイケルが出てきても小馬鹿にされて終わります。

あるいはここで蹴りに命を賭けるファイターがプライドを賭けて武蔵に挑むかもしれない。
そう、蹴りと言えばあの格闘技だ!
ムエタイ!
蹴りの真髄を武蔵に見せつけるぞ!
なお、並みの刀以下なのでぽっきり折れます。




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