刀牙道 第7話 本部以蔵



ついに本部が復活した。
何か宮本武蔵の復活がどうでもよくなるくらいのインパクトだ。
それほど本部は待ち望まれている!
本部 is GOD!


「すまんが失敗した」

さて、格闘家一同を集めて開口一番徳川光成は謝罪する。
むしろ、土下座する。
どうやら宮本武蔵のクローニングに失敗したらしい。
いや、それは無理だろう。
格闘家たちはそんな当たり前のことを言って徳川光成をなだめる。
寡黙かつ好戦的なジャックだってこれには不可能だと言っている。
読者的にはアンタのゲロも十分ファンタジーなのですが。

さて、成り行きはどうあれ徳川邸に格闘家一同が集まった。
ならばやることはひとつ。
バーベキューの支度が開始される。
妙に料理が美味しそうなのがバキだ。
今回のバーベキューも美味しそうである。
料理漫画へシフトか?

「徳川邸に武闘家数名……勝負でしょう」

ここで本部が問題発言をした!
一体、何をする気なんだ! 死ぬぞ、お前!
たしかに徳川邸は勝負の場所になりやすいけど、そういう問題でもないでしょう。
その発言にみんなキレかける。
あの千春でさえ今日は穏便に肉を分けたりしていたというのに波乱が起きかねる。

まず、本部の前に立ち塞がったのが金竜山だった。
まさかの再登場である。
チャンピオン的には相撲の地位ってけっこう高いはずなのに、バキではけっこう冷遇されていますよね。
今日の金竜山はバンテージを巻いてやる気満々だ。
中には金属でも仕込んでいるのか?

本部に唐突にやってきたリベンジマッチである。
というか、この人、金竜山に負けたんだよな。
しかも、力士の小指は強いという基礎知識を見落として負けた。
この時点で再起不能だよ。

「相撲をやる気はないぜ」

そう言って本部が付けたのがグラブだった。
ボクシングかよ!?
いや、アンタの敗因はそこじゃないから!
だが、グラブごしの打撃はピクル以上!
そんなことを自分で解説しながら金竜山と3R(アマチュアボクシングのラウンド数)戦いきって判定勝ちした。
延々とアウトボクシングを行って判定勝ちを狙うボクシングらしいと言えばボクシングらしい立ち回りだが実に腑に落ちない勝ち方だった。

「金竜山が敗れたか」

「奴は四天王の中でも最弱……」

「本部如きに敗れるなど四天王の面汚しもいいところよ」

そう言ってバーベキューの材料を入れていた冷蔵庫から3人の戦士が現れる。
ロブ・ロビンソン、李猛虎、マイク・クインだ。
どいつもこいつも微妙!
全部1回戦負けである。金竜山以下である。
マイク・クインなんてどうして最大トーナメントに出られたのかさえ怪しい。

だが、本部の気に当てられて闘争心剥き出しとなっている。
今のこいつらはやる気だけはあるぞ!
例えるならガンダムUCのリディ少尉である。
どうにもならんな。
八つ裂きにされるところだが、本部が相手だからそれはないか。

なお、その他格闘家はバーベキューに専念している。
刃牙とジャックの仲睦まじい姿は違和感があるがこみ上げるものもある。

「よつどもえ……戦場(いくさば)ではよくあることじゃわい」

ねーよ!
そんな乱戦がよくある戦場なんてどこだ。
雀荘か?
何か本部ってけっこう雀荘に行っていそうなイメージなんですよね。
趣味というか、わりと真面目に生活費を稼ぐために。
麻雀ならけっこう強そうだ。理論は凄いんだし。
……運はないが。

というか、この3人は同志っぽいのに勝手に敵同士にしやがって。
本部の話術に騙されたのか、みんなで睨み合っている。
チョロいな。

「すまんの皆の衆」
「宮本武蔵の復活には失敗したが本命には成功した」


ここで口を挟むのが徳川光成であった。
そう、徳川光成は宮本武蔵のクローニングには失敗したがある人物のクローニングには成功していた。
それが全盛期のアイアン・マイケルだ!
だが、ハゲ! ハゲってるぞ、アイアン・マイケル!
つまり、刑務所時代が全盛期なのか?
一番ダメな時期じゃねえか。

「ボクシング……初めて立ち会うな」
「武器を使わせてもらうぜ」


そう言って刀を構える本部である。
全力だ。
そして、卑怯だ。
むしろ、アンタ、ボクシングと初めてってダメじゃん。50歳迎えてそれはねえよ。

「柔術カラ進化シタノガ剣術……」
「ナラコッチモ本気ヲ出サセテモラオウ」


ならばアイアン・マイケルも勘違いしながら武器を取り出す。
大剣ことクレイモアだ。
グラブを付けたままクレイモアを構えている。
ボクシングと剣術が組み合わせたまったく新しい格闘術がアイアン・マイケル流だった。

これには本部も分が悪いか?
いや、本部もグラブを付けたまま日本刀を構えている!
条件は五分と五分だ。
第7話にして最大の対戦が始まろうとしている。
次回へ続かない。


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