範馬刃牙 第2話 その人の子


[何してるかって?]
[………………………………]
[イヤァ………………………]
[親父とチョットもめててさ]


連載第2回目ッ!
そして、2回連続巻頭カラーという暴挙ッ!!

イブニングに餓狼伝の連載がある事実を板垣先生は忘れていそうだ。
そのうちトーンが貼られていない松尾象山や設定画のグレート辰巳が出てきそうだ。


高校の前で小学生と思われる子供が身体を震わせていた。
背後からは嘲笑するような声の群れだ。
いじめっ子といじめられっ子の関係なのだろう。
高校へ行かせるいじめだ。うん、間接的ないじめだ。俺だったら泣く。

「知ってるか………?」「ここ……」
「怪物がいるんだって」


いじめっ子3人衆(眼鏡・タレ目・坊主)のうちのリーダー格っぽいタレ目が言う。
とりあえず、3人のうち坊主はソリの入った髪形といいまったく開いていない目といい、とても子供には見えない。

「叔父さんが言ってた」
「世界一強い高校生だって…」

範馬刃牙のことか?
そうと知っていじめられっ子を向かせたこいつら、なかなかタチが悪い。
やめてくれェッ!勘弁してくれェッ!ってくらいのハードポルノを見せられるぞ。
あんなのを幼少期に見せられたら、絶対にEDになる。

にしても、世界一強い高校生がいると言っても、今日日のジャリガキはまず信じません。
よほど説得力のある叔父さんなんだろうな。
…どういう叔父さん何だろう?
刃牙?のことを知っている以上、格闘技関係者なのは間違いなさそう。
そして、刃牙の格闘家はみんな濃いから、説得力十分だッッ。


「ボク…?」
「俺らに用って…」


いじめられっ子はとりあえず不良たちに囲まれていた。
しかも、下足箱のある場所でだ。
魔王を倒すために城に入ったら、その瞬間いきなり大ピンチに陥ってしまった。
なお、不良の中にはチョビヒゲがいる
前回のMr.サマンといい、2話連続でチョビヒゲが登場した。
これは何かの前触れか?
多分、何でもないだろうけど。

「届けもの?」

不良たちは3人でいじめられっ子を凝視する。
小学生と高校生の身長の差は約1.5倍あるらしい。
そして、1.5倍も背が高い相手の威圧感は相当のモノだ。
それがチョビヒゲだったら、なおのこと怖い。
とても高校生に見えないから怖い。

不良たちの口ぶりからすると、いじめられっ子が呼びつけたようだ。
…どうやって呼び出したのだろうか?
名指しか?名指しだとしたら、いじめられっ子が不良の名前を知っているのはおかしいし…

「だッらァァッッッッッ」

いじめられっ子が突然吠えたッッ!!
でも、「だッらァァッッッッッ」なんてテクニカルな叫び声を子供はあげません
普通なら「うわああああ!!」とかだ。
だが、あえて「だッらァァッッッッッ」なのが板垣イズムといえる。
とりあえず、ハリーポッターに出てくる子供たちが「だッらァァッッッッッ」と叫ぶ姿を想像しておきましょう。
できませんか、そうですか。

いじめられっ子(以下だッらァァッッッッッ)はぎこちない動きでナイフを取り出した
でも、構えが素人だ。
不良たちは驚くどころか大爆笑する。
「殴り込みだよコイツ」「ツブしにきたンだよ ここをッ」と完全に嘗めている。
だが、だッらァァッッッッッだ。
嘗めればだッらァァッッッッッされるぞ、いやまじで。

「イ…イチ…バン」
「強い……人を……だせ………くだ…さ…い」


だッらァァッッッッッは涙ぐみながら要求を伝えた。
それに対して、不良たちは急に真面目な顔をする。
さっきまでのふざけた態度から一変した。
子供に対しても真摯な態度で向き合っている。
そして、だッらァァッッッッッに多摩川に世界一強い高校生を連れて行くと約束する。

「ただしボウヤ…」
「世界一のことも多摩川のこともこれは本気(マジ)なんだ」
「約束違えるとえれぇことになるぜ」


不良(チョビヒゲ)はだッらァァッッッッッに対して、一切の嘘を込めずに伝える。
(この時点では刃牙だと明らかになっていないが)刃牙の影響力のすさまじさがわかる。
…というか、いつの間にか完全に正体がバレている。
まぁ、今の刃牙は社会的地位とかそういうのにまったく興味なさそうだし、秘密を保守するつもりもないんだろうな。


そして、だッらァァッッッッッといじめっ子は多摩川に集結する。
子供らしくチャンバラごっこだ。
いまどきの子供はそんなことをやらないような気がしないでもないが、無視。

そんな平和な時の中、突如坊主が冷や汗を流す。
土手には高校生が子供たちに向かってきたのだった。

(来たッッ)
(本当に来たッ)(世界最強の高校生ッ)
オレと戦いにッッ)


予想通り範馬刃牙だった。
制服を着ているということは、ちゃんと学業に励んでいるようだ。
まぁ、サボっていた可能性もなきにしもあらずだが。

刃牙の雰囲気に蹴落とされたのか、いじめっ子たちは一目散に逃げる。
残ったのはナイフを取り出しただッらァァッッッッッだけだった。

「範馬刃牙だ」

(正直……オレが想像していたより…………)
(ずっと小さな世界一だった)


子供だからといって嘗めることなく、刃牙は対峙する。
だッらァァッッッッッ(本名鮎川ルミナ)はナイフを持ったまま、呆然とする。
刃牙の背丈の小ささが予想外だったようだが。
まぁ、怪物高校生といえば身長10mくらいの男塾3号生筆頭を連想してしまいがちだけど。

[生まれて初めて見る]
[ホンモノの筋肉]
[見る間に――――見る間にバキさんは]
[オレにもワカるほど]
[世界一になった!]


刃牙は上着を脱ぎ捨てタンクトップ1枚になる。
それに伴い驚異の肉体が晒され、そして刃牙の(イメージ)身長が大きくなる。
鮎川ルミナ視点で見た刃牙の身長は3mを越えているほどだ。

「本気でやらせてもらう」

刃牙、戦闘モードに入る。
って、おおおおおおおおおいッ!!
子供相手に本気ですか。
範馬刃牙容赦せん。
遠慮なく金的を打つに違いあるまいと思いつつ、そんなことをしたら勇次郎と同じだ。
刃牙は勇次郎との決戦を前にして、勇次郎に心身ともに近づきつつあるのか?
次回、刃牙はどうするのだろうか。
注目だ。
地球の裏側で勇次郎がやたらデカい獲物を狩っている時に、主人公は子供を相手に本気で戦っている。
この変な感覚は無視しておこう。

あと、子供でも刃牙に挑戦できた。
だというのに、追い払われたJr.はとても悲しい。
Jr.もナイフを持って挑めば良かったのに。
まぁ、金的を食らって、踏みつけられて、挙句チョークスリーパーされる運命は変わらないだろうけど。


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