範馬刃牙 第209話 火事の鉄則



今回の扉絵は独歩だ!
達人の次は武神の出番なのだろうか。
年配者ほど危険度が高いな。
人の知能を持った猛獣ってこいつらのことか?


前回、ヤクザをいなした渋川先生は路地裏に避難していた。
汗をダラダラと流して息切れしている。
戦っている最中ですら見ることの出来ない貴重なカットだ。
やっぱり、老人の身で全力ダッシュはキツかったのか?
法の目から逃れるということは、戦うよりも労力を要するのかもしれない。

(そのうち捕まっちまうぜ こんなこと繰り返してちゃよう………………)

今回は逃げることが出来た。
だが、こんなことを繰り返していればやがて目を付けられる。
そもそも、和服で合気道を使う老人という時点で正体がバレバレだ
園田警視正なんかが真夜中に老人が暴力を振るう噂を聞いたら、一発で渋川先生を思い浮かべてしまうだろう。

しかも、口ぶりからして達人は常習犯なのだろうか。
ちょっと餓えすぎだ。門下生との模擬戦では満足出来ないというのか。
死刑囚たちもこんなことを繰り返して、犯罪者となってしまったのだろうか。

それにしても不当な暴力を行うと逮捕されるという概念がバキ世界にあったのが驚きだ。
格闘家及びそれに準ずる人間は治安の管轄外にいると思ったのに…
達人だって全力ダッシュしますよ、そりゃあ。

さて、焼き鳥屋台に場面が移る。
二人のチンピラ、一人のハゲ、一人の眼帯と帽子の男がそこにいる。
確実に一人は独歩だ。
それ以外の客も扱いに困る人たちだ。
焼き鳥屋は不幸だな。

独歩とチンピラは話している。
チンピラは独歩を空手のタツジンと煽っている。
どうやら、独歩がチンピラたちに何か言ったようだ。
独歩も殺生本能(キラーインスティンクト)を抑えられていない一人なのか?

チンピラたちは面白がって独歩を煽っていく。
相手の戦力を見抜けぬとは…何たる惰弱だ。
チンピラの体つきはそれなりに太い。筋肉がある。
だからこそ、思わず調子に乗っているのだろうか。

「喧嘩に至っては 神の領域だね」

独歩は自画自賛する。
自分のことをここまで持ち上げるのも珍しい気がする。
何となく連載初期の独歩が戻ってきた気がする。
俺の精神テンションは今! 連載初期時代にもどっているッ!
独歩が作中最強人物だったあの当時にだッ!
そんなあの頃の独歩が一番危険度が高かった。
餓えた虎殺しは遠慮なく加藤を弄るぞ!

チンピラたちも喧嘩上等の人間だった。
限りなく自然な不自然な流れで喧嘩をする流れになる。
それを諫めるのは同席していたハゲの男だ。
この男は独歩の戦力に気付いているのだろうか。
あるいは独歩本人だと…

でも、ハゲと言われて歯牙にもかけられない。
ハゲの扱いが悪いな。
刃牙もハゲといって看守を煽ったことがあったな(第27話)。
ハゲに厳しい世界だ。

こうして喧嘩を行うことになった。
餓えているのは愚地独歩だけなく、チンピラもだった。
立ち上がったチンピラは座ったままの独歩を見下ろす。

「なにしてンのオッさん」
「始まっちまったぜ ケンカ」


〜〜〜〜ッッッ。
こいつ、ヨーイドンがないと走れないタイプか!?
ここは遠慮なく仕掛けるべきだろう。
無論、それが独歩に通じるワケがないが、それくらいはやらないと喧嘩商売屋として失格だろう。

そんなことを思っていたら、真横からチンピラが殴られる
殴ったのはハゲの客だ。まさかの乱入者だった。
そして、ヨーイドンがなくとも開始(はじ)められる武道家だ。
この一発でチンピラの一人がダウンする。

「ハゲはねェだろ」

あ、根に持っていたんだ。ハゲのこと。
ハゲの怒りはマグマの如し。
チンピラが軽々しく触れられるものじゃない。

こうして、ハゲの客はもう一人の男の腕を掴む。
小手返しであっという間に崩され、投げられる。
そして、コンクリートの地面に頭をぶつける
危険度の高い一撃だ。達人といい、無遠慮だ。

さらに当てないとはいえ踏みつけを行って追い打ちだ。
最初の小手返しの時点で意識を失っていただろう。
これで二重に意識を失ったに違いない。
独歩の相手はチンピラではなくこの客だったようだ。

「タチが悪いにもほどがある 街の喧嘩自慢相手に腕を振るうレベルではないハズだ」
「愚地独歩さん」


ハゲの客は独歩のことを知っていた。
先ほどの立ち回りから武道の心得があることは間違いない。

しかし、この人は寂海王に似ている。
ハゲといいヒゲの形といい、そっくりだ。
違う部分は表情の険しさとヒゲの黒さだ。
もしや、ダークサイドに堕ちた寂海王か?
ヒゲは毛染めしました。

「おたくは………?」

「心瞑活殺流 船井 零」


って、独歩ちゃん、知らないのかよ。
ハゲの人は寂海王ではなく船井零という者らしい。
心瞑活殺流…初めて出る名前だ。
本部流柔術並みのローカル武術なのだろうか。
胡散臭い辺り、空拳道に似ているな。

夜の公園で武術家二人…勝負でしょう。
船井は何も語らず動き始める。
姿勢を低くしながらの後蹴りだ。動き始めたのは独歩よりも速い。
ダイナミックなモーションの不意打ちである。
闘争においては不意打ちもあり。船井は紛れもない武道家だ。

だが、独歩もその動きに反応する。
初動は遅れたものの、素早く腰を落とし拳を放つ。
船井の後蹴りとは異なり、小さいモーションだ。
だからこそ、船井の不意打ちに対応出来たのだろう。

独歩の人差し指一本拳は船井の人中にピンポイントで突き刺さる。
急所の王道中の王道が人中だ。
バキ世界では金的の次にメジャーとも言える急所だ。
だが、その必殺率は驚くほど低い。

人中を突いたのは以下の数戦だ。

刃牙VS花山(効果なし)
加藤VSドリアン(効果なし)
烈VSドリアン(一発KO)
龍書文VSオリバ(効果なし)

何と25%の成功率だ。
でも、ピクルタックルの成功率も25%なんだよな。
必殺としては妥当な数字なのだろうか。

そんな人中を突かれ、船井は一発で白目を剥く
どうやら武神が人中を放てばひと味違うらしい。
こうして突発的に始まった武道家同士の戦いに決着は付いた。
独歩ちゃんは倒れた船井を放って歩き出す。
…放っておくんだ。
両者合意の上の勝負だったからか、渋川先生のようにはしたなく走るような真似はしない。
ズボンの裾は乱さないように、上着は翻らせないように、ゆっくり歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、警察から逃れるために走り去るなどといった、はしたない武道家など存在していようはずもない。

(そのうちブッ殺しちまうぜ…)
(こんなことを繰り返しちゃよう…)


独歩は渋川先生と同じように己の殺生本能(キラーインスティンクト)に危機感を感じていた。
このまま、餓えたままだとマズい…
自分もマズいが一般人もマズい
猛獣並み、いやそれ以上の戦力を持った人間が、日々生け贄を求めて彷徨う…
タチの悪いことに狡猾だ。ただ暴れて終わることなく、きちんと逃げ道を用意している。

もう達人は保護されている、というのは死語だな。
いや、猛獣も絶滅危惧種なら保護されるか。
早く独歩たちを隔離しないと危険だ。

そうなると徳川光成の企みは非常に有益だ。
間違いなく戦士たちの餓えを満たしてくれるだろう。
罪なき一般人に危害が及ぶ確率が減る。
喜ばしいことだ。

でも、こうして懐かしキャラに脚光が浴びせられていくと嬉しいかもしれない。
そろそろ鎬昂昇やガイアがスポットライトに照らされてもいいんじゃないだろうか。
ガイアの餓えを満たす方法とか刺激が強そうで素敵だ。
次回へ続く。


格闘家たちの餓えは止まらない。
誰か止めてやれよ。
いい加減第2回最大トーナメント開いてやれよ。
でも、烈をひとりぼっちにしたまま、開催するのは酷だな。
とりあえず、烈はボクシングをさっさと片付けようか。

今回は久しぶりの新キャラが現れた。
心瞑活殺流船井零だ。
現れたと同時に使い捨てられるのだろうか。
ちょっとかわいそうだな、心瞑活殺流。

しかし、船井が弱かったとはあまり思えない。
船井の立ち回りは実戦を知る男の立ち回りだ。
いかんせん相手が悪かった。
いや、人中一発で落ちたしやっぱり弱いのか?
でも、独歩の人中だしなぁ…
いまいち船井の実力が測りがたいな。

もしかしたら、船井は伏線なのかもしれない。
船井の兄は寂海王!
寂海王が独歩に挑むのだ。
前代未聞かもしれないハゲ対決だ。
愚地流空手と空拳道、極限の激突をする。
あ、船井と寂海王は名字違うのは無視で。

まぁ、普通に船井の弟子が独歩に復讐戦を誓うとか。
船井壱や船井弐、船井参などの船井の名を継ぐ者が現れるのだ。
難点は船井零が一番強そうってことだ。
だって、零だよ零。
零(ゼロ)ではなく零(れい)って読むんだけど。

バキ世界では古武術系の格闘技はあまり脚光を浴びない。
それだけに古武術っぽい心瞑活殺流は題材としては面白いかもしれない。
船井の立ち回りを見るに心瞑活殺流は打撃も投げもありらしい。
これを披露して戦うとなるとなかなか映える絵になりそうだ。
古代からの人間が出たから、今度は古来からの拳法が襲来か?
…原始人はインパクトが強すぎたよな。

そして、警察がヤバいことが明らかになった。
警察は格闘家に不介入。そう思っていた時期が俺にもありました。
こんなことが続けば警察としても本腰を入れざるを得ない。
格闘家根絶を目的とするグラップラーマイスター4人が現れたりして。
警察の身内とも言える渋川先生が問題を起こしているだけに、並みの方法では解決出来ないのだ。

でも、警察に捕まることを心配していたけど、どうやっても捕まりそうにない。
だって、死刑囚ですら警察の手から逃れていた。
心配するのは神心会門下生だけで十分だ!
あ、でも、渋川先生はあまり体力がないという疑惑が生まれた。
本気で追い回されれば厳しいかも。

警察はスペックの件で重火器の導入を検討した。
そして、実戦配備された重火器が達人に火を噴くかもしれない。
ガトリングVS合気!
もう何を競うんだか。

もしかして、烈も殺生本能(キラーインスティンクト)が抑えられなくなってボクシングを贄に選んだのか?
リングならば合法的に殺生本能(キラーインスティンクト)を満たせる。
ならばよし!
問題はボクシング界には烈の殺生本能(キラーインスティンクト)を満たさせる人がいなそうなことなんだよなー。
普通人なら死んでいたレベルの攻撃をして、初めて烈の殺生本能(キラーインスティンクト)は満たされる。

そんな餓えに餓えた格闘家が溢れる中、何だか刃牙は幸せそうだ。
リアルシャドー勇次郎と蜜月を過ごしている(普通人にとってそれが幸せなのかはわからないが)。
梢江だっているよ(普通人にとってそれが幸せなのかはわからないが)。
格闘家たちの餓えが全部刃牙に向かっちゃえばいいのに。



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