範馬刃牙 第31話 1+1+1=?



アイアン・マイケルが危ないッッッ。
冒頭から頬・延髄・ボディの3箇所を同時に蹴られる
格闘技の範疇にない同時攻撃にアイアン・マイケルは大ダメージを受ける。
やられ顔が負け犬顔だ。
今のアイアン・マイケルは雄弁に敗北を物語っている。

マウスたちは3人がかりでアイアン・マイケルを蹴り続ける。
とにかく蹴り続ける。
3方向からの攻撃ということもあるが、アイアン・マイケルは防御することもできず食らいっぱなしだ。
テコンドー使いの李猛虎に蹴られまくっただけあり、蹴り対策ができていない。
なら、蹴りには蹴りで対抗だ。
大地を蹴るんだ!今すぐ刃牙とゲバルのいる部屋まで逃げろ!

(いいのか……?)
(こんなことがあっていいのか………?)
(偉大なチャンピオンだったマイケルの顔を―――― 足で蹴るなんて)
(世界中を熱狂させた)
(歴史的ボクサーの)
(顔を蹴る!)
(彼ら3人に――――――)
(そんな資格があるのか!!?)


アイアン・マイケルの無様なやられっぷりに部長がついに感情移入してしまった
どうやらファンだったようだ。
だから、過剰に評価していたんですね?
今のアイアン・マイケルは世界を熱狂させたチャンピオンじゃありませんよ。
ムエタイをやっていてもおかしくない噛ませなんですよ。
そのあたりに早く気付いてくださいよ。

マウスたちの猛攻に耐えかねたアイアン・マイケルは背中を向けて逃げ出す
逃げる姿がやたら似合うのだが、3方向から蹴られるという不利なポジションを維持するのは得策ではない。
この状況では最良の答えといえる。
そんなわけで一度距離を離し、壁の隅に背を向ける後退のできない通常なら不利なポジションを取る。

(それだッッッ)
(3人を正面に置くことに成功したッ)
(やってやれッッッチャンプッ)


背中に壁を置けば3方向から攻撃されることはないッッ。
なら、条件は五分だッッッ。
アイアン・マイケルの苦境の末に導き出した唯一の勝機だ。
拳を構え、上体を揺らす。ボクサーの構えだ。
投獄される以前のアイアン・マイケルが帰ってきた。
だったらイケるぜ!

ナルホド バカではない…
お偉大なボクサーに敬意を表して
我々も――



マウスたちはまったく焦ることなく、アイアン・マイケル同様ボクシングの構えを取る。
口元には笑みがある。
アイアン・マイケルの取った策がまったく怖くない証拠だ。
対するアイアン・マイケルは冷や汗を流している。
お前、やられる前から負ける準備をしてどうする

(やってみるがいいさッ やれるものならなッッ)

唯一のアイアン・マイケルデレである部長が必死なって応援する。
本当にやれるものならやってほしいところだ。
…アイアン・マイケルが。

構えるアイアン・マイケルを前に、マウスたちは恒例の解説が始める。
アイアン・マイケルはアゴを徹底的に守るピーカーブースタイルを基本に、ウィービングやダッキングなどの動きを混ぜることで完璧な防御を実現しているらしい。
超高速のジャブの打ち合いをするアイアン・マイケルなら、素人のパンチなどかすりもしないだろう。
もっとも、バキ世界においてジャブなんて速さの指標にしかすぎないのだが。
勇次郎なんてジャブよりも速いハイキックがデフォです。

そんなスタイルを 本能にまで刷り込まれている超一流を相手に――


マウスの一人が指を鳴らす。
同時に3人同時にパンチだ!
正面から顔面を狙ったパンチをかわすことには成功した。
だが、左右からのパンチはクリーンヒットしてしまう。
…って、左右?
壁際を位置どった意味がないじゃないか。
アイアン・マイケルはドジッ子だ。

クリーンヒットしたことにより、3流のパンチといえどアイアン・マイケルは怯む。
そこに顔面へ左右と正面からの3方向からやってくるパンチがまたもクリーンヒットする。
これだけでは当然済ますことなく、マウスたちは殴り続ける。
顔面も、ボディも、リバーも殴り放題だ。

いかがかな? 同時ワン・ツー・スリー
いかに素早く動こうが……… 1つの動作でかわせるパンチはたった1つ
同時に3つのパンチを出せば2つは当たる
三流のパンチでも
クリーンヒットすりゃ 君でも倒れる


アイアン・マイケル以上のシンプル理論だ。
3つ同時にパンチを打てば、2つは当たる。
2つ武器を持てば攻撃力2倍!
2倍のジャンプで攻撃力2倍!
3倍の回転で攻撃力3倍だ!
重い物の方が落下速度が速いんだ!
時間を戻すには地球を逆回転させてしまえばいいんだよ!

さて…… ボクシングは終了(おわり)だ

マウスの一人がアイアン・マイケルにしがみつき、腕と脚の動きを封じる。
動けなくなったアイアン・マイケルを残った二人が蹴りまくる
範馬じゃない限り逆転できないくらい、大ピンチだ!
このまま、沈んでしまうのかアイアン・マイケル!
そんなわけで次回に続くのだ。
あと、今回まったく台詞がないぞ!
それでいいのか、アイアン・マイケル。


アイアン・マイケルはマウスたちの攻めに対応できずボコボコにされている。
何だか守りに入っているから、何もかもが悪い方向に行きついているような気がする。
攻めればパンチの1発や2発は当たると思うし、そのパンチでKOできる可能性もある。
3人がかりだからといっても、防御能力はさほど変わらないだろう。

マウスたちは個々の能力はそれほど高くないようなので、守りよりも攻めを重視して個々を撃破していれば、けっこう結果は変わっていたと思う。
アイアン・マイケルは逃げ癖がついてしまったのか?
逃げ癖はともかく、負け癖はあると思うが。
なんというか、「いいよ、俺。絶対負けるから」というオーラが見える。
決定的な負けをしていないのにこのオーラは不思議だ。
やっぱり、全盛期の妄想体がバキにやられたのが影響か?
他人に見えるほどのイメージですよ。他人に影響を及ぼしても何ら不思議ではない。


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