範馬刃牙 第37話 共通点と相違点



オリバとゲバルが対峙した。
主人公とライバルが対峙するがごとくだ。
そこで後ろで黙っているのはどうよ範馬刃牙。

「いい貌だ」
「虚勢を張らず――――威嚇をしない…かと言って思い上がってもいない」
「今持っている度量実力をそのまま貌に出るにまかせる」
「やれそうでやれるものじゃない」
「小規模とはいえ――――若くして国一つ立ち上げるだけのことはある」


虚勢を張らず威嚇をしない思い上がってもいなく、今持っている度量実力をそのまま貌に出す…
アイアン・マイケルのことか?
再登場以降、自分のどうしようもない立場を顔に出しっぱなしだ。哀愁すら漂う。
刃牙も完全に背景になっているから、そのまま顔に出している具体例かもしれない。

「一流の人格 一流の頭脳 一流のリーダーシップという神からのギフトがありながら」
「ゲバル… 君には大きな欠点がある」
「そして俺もな…」


一流の人格、一流の頭脳、一流のリーダーシップ…
どれも刃牙にはない要素だ。
もう完全にギャラリーになってるし。
多分、ここからバキを見た人は主人子をゲバルだと勘違いすることは間違いないだろう。

「俺たちはいい歳して喧嘩に敗けたくない」(ゲバル)
「幼年から少年となり少年を経て青年となり」(オリバ)
「その成長過程のどこかに置き去られるハズの「喧嘩に勝利(かち)たい」という決定的未熟」(ゲバル)
「大人になり………… キャンディを欲しくなくなった」(オリバ)
「鬼ごっこをしなくなり ベーゴマをやめた メンコも集めなくなった」(ゲバル)
[それでもなお](オリバ)
[それでもなお](ゲバル)
[喧嘩だけが残った](同時)


すげぇ!
シンクロ演説だ!!
刃牙とアイアン・マイケルはただじっと聞き入るだけだ。
口を挟む暇すらない。
挟んだらひどい目に遭いそうだが。
特にアイアン・マイケル。
ところでベーゴマとかメンコとかってお前どこの東京下町生まれだ?

だが、ここでオリバはゲバルと自分を比べた際に決定的な差があると言う。
それは「誰(た)がために戦う」といったものだ。
オリバは過去「人を強くするのに愛以外あるものかと」と言った。
それ以降、ずっと放置されてきたがここでやっと伏線回収だ!!

「戦うために何かが……誰かが必要――――」
「それはむしろ弱味だというのが持論だ」


お前それで良いのか?
大統領だろアンタッ!!
あ、でも、今現在国を捨ててるな。問題なしだ。
…一流のリーダーシップで嘘じゃないか?

「敗けるぜオマエ……」

オリバはお前筋肉でボコるわ宣言をした。
ゲバルにとって衝撃的のはずだが、微笑で返す。
余裕たっぷりだ。
刃牙が勇次郎にこんなことを言われれば冷や汗をダラダラ流すのは確実だな。
あれ?そういえば勇次郎は?

「誰(た)がために戦う……君は……」

「そりゃあモチロン」
「カワイイ彼女のためさはぁと」


女のために戦う宣言だ!
ゲバルたちはただただ唖然とする。
刃牙も唖然とするが、お前も数年前までは女のために戦っていただろ。
それがゲバル理論になったから、梢江を捨てたのか?
オリバの熱意にほだされて梢江再登場とか止めてください。

「何が出てくるかと思いきや……」
「女かよ」
「惚れた女の前で―――――――」
「「ボクちゃん強いでしょはぁと」………ってか」


シコルスキーが刃牙にこんなことを言っていればなぁ…と思ったのは秘密だ。
オリバ理論には不服のようで、それが極まったのかいきなり襲い掛かろうとする。
お前ら、刃牙の目の前で戦うのか!?
刃牙が加藤に、アイアン・マイケルが末堂になってしまう。
要するに驚き役になってしまうじゃないか!

が、ゲバルとオリバの激突を刃牙が間に入って止めた
一瞬の早業だ。
最近身に付けた存在感のなさを逆に活かした技なのだろう。
多分。

「お二人がともに…」
「サイコーの好敵手(ライバル)として強敵として」
「ここに出逢ったことを 心から祝福…………って」
「テメエら俺を嘗めてンのかよッッッ」


放置され続けていたから、ついに刃牙がキレた
アイアン・マイケルと同じ空気を漂わせていれば、放置されるのも道理なわけだが、それでもキレる。
今キレなきゃ、ただの驚き役になっていたところだ。
キレても道化に見えるだけなのは無視だ。

盛り上がる二人に空気を読まない乱入を果たしたところで今回の刃牙は終わり。
何とか主人公の威厳を保とうとしているのはわかるけど、これって加藤の立ち位置だよなぁ。
独歩とドリアンが因縁を燃やす中に乱入してひどい目にあったように、刃牙もひどい目に遭うのか?
アイアン・マイケル並みに厄いぞ!


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