範馬刃牙 第63話 平伏す



オリバは刃牙に散々言われてしまった。
殴り返せばいいのに、ついつい丸め込まれてしまった。
このままでは地位が危うい。
とりあえず、殴ろう。
というか、殴れば全てが丸く済む
言ってもわからぬ範馬には暴力しかない。
勇次郎クラスが相手の場合、反撃されるかもしれないが、刃牙なら大丈夫のはずだ。

で、オリバは所長と二人きりで話をしていた。
所長はオリバの望みが試合だとすぐに気付く。

「君やゲバルが外に出られることと バキの外出は意味が違う」
「君やゲバルの外出は立場の強さによるもの」
「一方バキ・ハンマのそれは――」

「坊やの強さの方が より純粋(ピュア)だと」


――という噂が漂っているため、オリバの狙いをすぐに察することができたようだ。
まともな格闘家と戦っていない野郎のどこが純粋(ピュア)なんだ。
というか、脱走だけなら死刑囚にだってできるんだ。
あまり自慢にならない。

「範馬刃牙」が連載されてから1年以上過ぎたが、刃牙は本格バトルを一度もこなしていない。
それでいいのか、主人公。
カマキリと戦うには戦ったけど…
あれは妄想だからなぁ…

「我がアリゾナ刑務所が世界へ向けて発信する 一大格闘イベント!」
「伝説のアメリカ最強の男ビスケット・オリバが 地上最強の少年バキ・ハンマを迎え撃つ」


思わずオリバは刃牙との試合をテレビ放映すると言ってしまう。
さすがの所長も断りそうだったが…「スバラシイ」と賛辞の嵐だった
馬鹿か、テメエ!
テレビ放映なんかしてしまったら闇の存在であったアンチェインが露わになりまくる。
オリバに恨みを持つ人間も多くいるはずだ。何とかなりそうだけど、殺される可能性が飛躍的に高まってしまう。
…オリバは実は頭が弱いのかもしれない。


で、オリバはマリアさんに逢いに行く。
何とマリアさんの体型は天然のそれではなく、病に侵され薬物の投与によって、超肥満体になったらしい。
…病気を治す代わりに副作用として太る薬ってあるのかなぁ…
むしろ、不健康になっている気がします。

マリアさんは不幸にもかつての美しさを失ってしまった。
だが、マリアさんは揺るがない。
自慢であり、最大の魅力であった美しさを失ってもなお、マリアさんはマリアさんであろうとしているのだった。
この人もアンチェインだった。
アンチェインな性格にオリバは惚れたのだろうか。
ただ、頑固なだけの気もするが、ここまで容姿が崩れてしまっても、以前と変わらぬ態度で生きているのは立派な頑固といえるだろう。

「オオォォオオォ」

マリアさんは落ち目のオリバを抱擁した。
これで勇気百倍かもしれない。
なんか叫んでいるけどSAGAっているのだろうか?
刃牙との試合の最中に、ヤングチャンピオンとチャンピオンREDでマリアSAGAを掲載する作戦か!?
ないないそれはない。

「君の望みをかなえよう」
「2週間後だ」
「おまえの名は全米に知れ渡る」

「ワカっちゃいねェなミスターチェイン」


オリバは自ら試合の日取りを刃牙に伝える。
そして、刃牙は相変わらずの減らず口だ。
刃牙とオリバの実力は大きく離れているんですよ。
今までの感想で度々述べてきたけど、実力差があるのになんでこの人はこんなに偉そうなんだろう?

ついに刃牙とオリバの試合が決まった。
幾多のライバルを倒すことでオリバへの挑戦権を得て試合に至るというよりも、オリバを怒らせて挑戦権を得てしまった。
なんか主人公らしくない。
試合が決まったのはいいけど、それでいいのかって感じがする。

とりあえず、現時点で刃牙の勝率は0%に等しいだろう。
何せパンチが全然通用せず、挙句の果て1発で気絶させられたくらいだ。
これで勝てると思える方がおかしい。
でも、刃牙は範馬だからなぁ…
範馬が目覚めればどうにかなってしまいそうで怖い。オリバは自慢の頭脳で今すぐ範馬対策を練る必要がありそうだ。
とりあえずは一流のライフル射撃手を用意しておこう。
いや、それは刃牙が用意しかねないのが怖いが。


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