第273話 完成


はい、後半です。
正直、一本目でほぼ全ての気力を奪われていますが
このダメ主人公め…

ニィヤァ〜〜〜〜〜〜……ッッ

勇次郎は闘技場へ降り立つ。
そして、鬼笑いだ。
相変わらず、笑顔が怖い。
『〜』を使っているのに『ッ』を付けているし、迫力十分だ。
こんな笑顔の人と出逢ったら、間違いなく失禁する。

ギン

笑ったと思ったら、今度は刃牙をまっすぐに見つめる。
何だか何かを閃いた小学生のような顔だ。
にしても、表情豊かだ。
さすが、地上最強の親馬鹿。

「飯を食らい…………」
「気を食らい」
「喜びを食らい」
「悲しみを食らい」
「愛を食らい」
「嘲りを食らい」
「女体を食らい」

始まった。
勇次郎の演説タイムだ。
戦うことも、話すことも大好きな勇次郎だ。
相手が息子ならば、なおのことだ。
たまにはジャックを思い出してあげてください。
あと「愛」と「女体」は食らったのは間違いだった気がする。
少なくとも読者的には大失敗だ。

それはともかく、Jr.は傍らで身体をくの字に曲げて倒れているだけのオブジェと化している。
ライバル候補だった人がそれでいいんスか?
なんか、ものすごい株の落ち方だ。
ちょっと前までさんざん話を盛り上げようとしていたのに、いざ戦ったらもうこれだ。
範馬はやっぱり巨凶だ。
関わると肉体だけでなく、役者的にも大ダメージを与える。

「繰り返すうちに」
「取るに足らぬハズだった」
「脆弱なる子猫はいつしか」
「俺の視線をも受け止める獅子へと進化を遂げ」
「更なる変貌を諦めず」
「更なる熟成を諦めず」

演説は止まらない。
演説の量と親馬鹿度は比例するわけではないが、この場合は比例しているんだろうなぁ。
でも、ツッコミどころは満載だ。
視線を受け止めたのはいいけど、肝心要の刃牙の視線はやる気ないし
というか、刃牙君。
勇次郎と郭海皇の戦いを傍らで冷や汗を流しながら見ていただけだったのはどこのどいつだ?
読者が見ていない間に急成長したようだ。
この成長っぷりを読者に見せてもらいたかった。
あ、SAGAばっかりで強くなったというなら勘弁な。

「おお…」
(み……)
「お……」
(認めているッッ)
(勇次郎(オーガ)が刃牙を敵として認めている)

刃牙のここ数年の成長を見てきたご老公は震える。
でも、「おお…」とか言うと介護が必要な人に見える。
というか、敵として認められるだけなら本部にだって達成していた
問題はその後なのだ。
まぁ、敵として認められていなかったちょっと前までよりは進歩したといえなくもない。
あ、もちろん、比較してみての進歩です。

「やがて俺のとして完成を見る」

あ、やっぱり餌か。
というか、餌じゃなきゃ困る。

「もう歳なのかな……」
「俺は闘いたいっつってんだぜ」
「耳遠いのかい…」

今日の刃牙は不遜だ。いつにもまして不遜だ。
勇次郎に対して不遜だ。
それ以上に読者に対して不遜だ
次の人気投票では1位脱落は間違いないな。
なお、Jr.はやっぱりオブジェのままです。

「ハネッ返りはすなわち鮮度」
「よくぞそこまで芳醇になりおおせた」
「喰うに値する」

喰うだけなら(おそらく)格闘技経験0の刃牙ママですら達成している。
スゴいのかスゴくないのか、よくわからない。
というか、アンタ、この台詞を13歳の刃牙に対しても言ってなかったか?
あー、やっぱり、歳かもしれない。
記憶力悪いのかい…

「言いつけを守り」
「いい仕事をしているようだなお嬢ちゃん」
「引き続き――――飽き果てさせるな」

今度は梢江に対してこの台詞だ。
…やっぱり、刃牙がチャンピオンに出てこなかった間はSAGAっていたんですね
とことん無駄なところは情熱的な二人だ。
読者的には、嬉しくとも何ともない。

「光成ッッ」
「報せを待つッッ」

勇次郎退場ッッ。
あ、決めるのはご老公なのですね。
なんか、ものすごい展開に脳をついていかない。
頭に血が上っているだけなのかもしれないが。

そんなわけで二本立て終了。
次号へ続く。
相変わらずJr.はオブジェのままだ。
…こいつ、結局何だったんだろう?

 

いよいよ刃牙と勇次郎の戦いが始まろうとしている。
最終回予告付きの不吉な勝負だ。
でも、多分、このままだと刃牙は負ける。
負けてもらわなきゃ困る。
勇次郎を倒すにはオリバや郭海皇などの実力者も余裕で倒せなければならないだろう。
それが今の刃牙にできるのか?
できるのなら俺は怒る。チャンピオンを引き裂く。
まぁ、このまま勝負にはならないだろうなぁ。
このまま勝負になったら、普通に困る。

Jr.は見事な沈み方だった。
今考えると金的を食らってあんな顔をした時点で勝負ありだ。
あんなギャグをやって逆転できるなんて無理だ。
にしても、武神や達人のお墨付きはいったい何だったんだろう?
くそぉ。くそぉ。くそぉ。くそぉ。くそぉ。
あとJr.に見せ場があるとしたら、刃牙が勇次郎との試合直前に準備運動を担当してあげるくらいだ。
そして、刃牙敗北後に勇次郎に「テメェらも格闘家のはしくれなら〜」とボコボコにされる。
つまりはユリーと同様の役どころだ。
こいつ、やっぱりロシア人じゃないか?


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