刃牙道感想 第190話「おさばら」



刃牙が刀を持った!
この人、わりと遠慮なく武器を使う人である。
その精神はダークサイドに染まっている。
今なら警察を虐殺するぞ!
……警察虐殺編ってどんな意味があったんだろね。
誰か岩間の仇を取ってくれ。


刃牙は刀を持った。そして、武蔵にも刀を持たせた。
これでフェア!
むしろ、小刀の方を手にした俺の方が不利!
そう言わんばかりだ。

「剣もないまま幾度も斬られてる」

あー! 痛い! このツッコミは痛すぎる!
素手の武蔵に圧倒されているというのに、刀を持たせればその差はさらに広がるだろう。
無謀そのものである。
なので、武蔵は突っ込むのであった。

「本身も抜かぬまま」「屠っちゃ気の毒すぎる」

あー! イタい! この返しはイタすぎる!
そして、まさかの返しがこれである。
イキっている。堂々とイキっている。
ここに来て本気じゃなかったアピールである。 こういうところを見ると最近の若者って感じがする。
気が付くとムエタイ戦士が気を失っているかもしれない。

観戦している格闘家たちは本気じゃなかったアピールよりも屠るという言葉に驚愕する。
刃牙が本気じゃないと言い出すのは何かいつものことの気もしますからね。
対して屠る宣言はなかなか聞く機会がない。
まぁ、シコルスキーやJr.を屠ろうとしたけどな!
刃牙は殺ろうと思えば殺る人間なのだ。

刃牙の屠る宣言にはオリバ、千春、郭海皇、鎬兄弟、克巳が驚愕している。
おい、昂昇! アンタ、聞いてるじゃん!
間近で聞かされたじゃん!
あの時はさほど驚いていなかったように思えたけど……
てっきり本気レベルが低いかと思っていたら、マジだったのかとビックリしているのだろうか。
それともボコボコにされているのに屠るとか言い出した姿勢にビックリしているのか?
刃牙は改めて武蔵の殺害宣言をする。
対して武蔵は斬って登りつめると宣言するのだった。
この言葉に対して刃牙は斬って登れる場所じゃないことと、武蔵自身それを知っていると推測する。
押忍、このやり取りはもうやっていると思います、押忍。
花山が運ばれた後に殺すこと、斬り登る時代じゃないこと、武蔵がこのことを知っていると自分から言っている。 武蔵が素手でも強かったり、既出情報の再確認が多い戦いである。

現代は斬り登る時代ではない。
烈を斬殺した時に賞賛の声があがらず通報されたことからも明らかだ。
一方で刃牙と勇次郎の戦いが多くの人間に敬意を表されたように素手ならば評価される。
現代は殴り登る時代なのだ!

武蔵がこのことに気付いていれば身の振り方が大分変わっていただろうに……
出世欲よりも斬殺欲が上回ってしまった結果が今の境遇なのか? これに関してはみっちゃんはこのことを教えなかったのが悪いか。
つまり、諸悪の根源は徳川光成。間違いない。

ともあれ、武蔵は生かして帰さない。
刃牙は決意を固めて刀を振りかぶる。
人差し指だけで支持し他の指は大きく広げる持ち方は武蔵のそれであった。
これに素早く反応する本部はさすがである。
こうして驚いている分にはいいんですけどね、本部。

そして、刃牙は刀を振る! 投げる!
武蔵の握りを斬るためではなく投げるために使った。
武蔵の真似は結局何だったんだ?
何ともフェイントみたいな展開が続くのであった。
刃牙ほどの筋力で投げたのだから第三者からはまったく見えない速度である。
だが、武蔵はキャッチする。それもわざわざ刃の部分を掴む。
本部や花山の時に同じことをされたけど掴んでいる。
投げた刀を掴むことはお茶の子さいさいということか。

だが、何故、刃を掴んだのか。
過去の例のように柄の部分を掴んだ方が安全そうなんだけど……
余裕か、それとも力の差を見せつけるためのアピールか。

「武蔵さん 信じていたよ…」
「アンタならきっと止めるッッ」
「結果―――」
「両手とも塞がってくれる……ッッ」


だが、刀は囮。
掴んで両手が塞がった瞬間を狙った刃牙のハイキックが決まった。
何度も見切られてきた刃牙の蹴りだが、ついにやっと武蔵にヒットするのだった。
というか、刃牙は妙に蹴りにこだわっている気もする。
蹴りをDISられたのがそんなに不服だったのか。
武蔵は武器からの格闘戦にはちょっと弱い。
あの本部にも蹴られている。 武蔵は蹴りの有用性に疑問視しているのは、戦国時代においてあまり使われなかったこともあるのだろう。
そうなると武器と蹴りの組み合わせは未知のコンビネーションなのかも。
この蹴りを受けて武蔵から魂が抜け出るような表現がされる。
そして、刀を手放してダウンするのだった。
対して刃牙は手放した刀をキャッチして突き立てれば勝ちの状態で有利だ。
このまま、刀を突き刺して決着か?
それともこれも武蔵得意の擬態なのか?
次回へ続く。


刃牙の蹴りがヒットした!
攻略法は両手が塞がっている間に攻撃することだったのだ!
いや、それでいいのか?
ともあれ、武蔵が刀を抜いていないから成功した奇襲であった。

刃牙は刀を攻めに使うことができた。
問題は武蔵の刀にどう対抗するかなのだが。
この人、エア刀に斬られ放題だし……

しかし、現代格闘技の寵児のはずなのに、やっていることが現代格闘技らしくない。
刀を投げて蹴るを現代格闘技と呼ぶのはちょっと……
でも、槍で突いて蹴る古武術の方が怪しいか?
つまり、今の刃牙は本部流を継承している……?