戦姫絶唱シンフォギアXV EPISODE01 人類史の彼方から



八千八声だよ! TVシリーズ最終作シンフォギアXV!
2年に1度のパレードが開催。
世界的ですものね。乗るしかない。このビッグウェーブに。
9月までシリーズ再放送もやっているので振り返ろう!





出だしは遙か彼方より。
ナスターシャ教授が旅立ったフロンティアの区画に酷似した部屋が映し出される。
特にエネルギーに満ちた水晶体はそのままだ。
同じくフロンティアの一区画なのだろうか。
あのギャグみたいな絵面で宇宙へ旅立ったのはナスターシャ教授だけではなかったのだ……




「システム……オールグリーン……ッ!」
「ネットワークジャマーの実行まで300カウント……」
「これで……ッ!」


おそらくは先史文明期の人間、エンキ(名前はEDより)は右胸に穴が空いている、左腕を失っていると瀕死の重傷を負っていた。
先ほど描かれた血に濡れた壁を見る限り、この制御室に辿り着くまでに何者かに襲撃されこれほどの傷を負っていたのだろう。
それでも決死の覚悟で端末を操作、起動させている。
エンキは命を賭けるだけの何かを背負っていることが窺える




そして、映し出されるのは月である。
おそらくエンキは月遺跡の起動、つまりはバラルの咒詛を起動させたのだろう。
人間たちの不和を呼び先史文明期を滅亡へと導いた要因はエンキにある……?



「だが……すまない……」
「僕たちには全てを説明するだけの時間も……言葉も……もはや失われて……ッ!」
「赦して欲しい……フィーネ――……」


そして、エンキは果てる。
フィーネの名を最後に遺したことからフィーネにほど近い人物なのだろう。
こうして大きな謎を残してプロローグは終わるのだった……

さて、ここからちょっと考察。
フィーネの話ではカストディアンが増長した人類を裁くために、用語集では力を増した人類を叩くためにバラルの咒詛を起動、統一言語を奪っている。
フィーネの発言と用語集はややニュアンスは異なると言えば異なるが、フィーネの恋はフィーネ個人の目的、あるいは比喩であり、そのために人類全体を動かしていたとすれば矛盾はない。
カストディアンを怒らせてしまった!はフィーネのミクロな視点であり、カストディアンが人類に脅威を感じた!は惑星全体で見たマクロな視点なワケダ。

が、この場面を見る限りではここまでに提示された事実と噛みあっていない。
カストディアンじゃなくエンキがバラルの咒詛を起動させている。
いや、エンキが親人類派のカストディアン一族の可能性は普通にあるけど。
エンキは神の名前でもあるわけだし。

エンキはネットワークジャマーと言っていることからバラルの咒詛とは別物なのかも。
「言葉が失われた」ということから既にバラルの咒詛が起動しているかもしれないし、だとしたらエンキが施したのはバラルの咒詛に対する何らかの干渉の可能性も十分にある。
でも、エンキは言葉を乱した神でもある。
それを考えると直球でバラルの咒詛を起動させた?
何にせよエンキの行為は(フィーネの視点からすれば)フィーネへの背信であることは間違いない。

それにしてもこのエンキ。
青髪に失われた左腕……
どことなくWA1の主人公、ロディを彷彿とさせる。 この左腕はどうなったんだろうねー。
何かアガートラームって左腕が元となっているらしいデスよ!
謎に包まれたアガートラームの正体にエンキが関わっているとかあるんデスか?
デース! デース! デース!



さて、そんなわけで現代。
地球連邦製の戦艦が氷河の中を突き進む。
相変わらず派手である。忍ぶ気がない。
まぁ、忍者はみんなそうだよ。



「情報と観測データを照合する限り、棺とはやはり先史文明期の遺跡と推察されますが……」

出だしに従ってか、いきなり先史文明期ネタだ!
先史文明期に何かがあったとは何度も聞かされたけど、先史文明期の遺産が出てくるのはフロンティア以来でわりと久し振りだ。
かなり派手なチフォージュシャトーがあったりしたけどアレは現代の建造物?なワケダ。
今までほとんど描かれなかった先史文明期のネタがXVには多そうデスね。
第1期で匂わせてからついにやっとこの時が来たと言うべきか。



「ボストーク氷底湖内のエネルギー反応飛躍ッ! 数値の上昇止まりませんッ!」

「来るか……ッ!」
「総員ッ! 棺の浮上に備えるんだッ!!」


南極にあるボストーク氷底湖に先史文明期の遺跡、棺があるようだ。
謎ポエムの棺が浮上するというのは比喩ではなくそのものズバリだった。
そして、その棺の浮上に当たるのがS.O.N.G.の任務であった。




「寒いぃッ! しばれる~ッ!!」
「どこの誰だよぅ、南半球は夏真っ盛りとか言ってたのはぁッ!」


「デースッ!!」

しばれるとシンフォギアでわりと頻用される北海道の方言を言いながら、南極の夏は1月。
そして、作中の現在時刻は12月であることが後の描写で示唆されるし、真夏と言える範囲だろう。
つまり、あらすじや謎ポエムに出てきた真夏という単語は真夏の南極が舞台という意味だったワケダ。
わりと直球に変化球デスな……

この辺の南極ネタは某アニメで手に入れた知識からデスかね?
だが、よもや戦いの舞台に持ち込むとは……
こいつ、南極を何だと思っているんだ。



「夏だって寒いのが結局南極だ」
「ギアを纏えば断熱フィールドでこのぐらい――」


「結局」と「南極」をかける高度な言語センスを見せながらギアには断熱フィールドがあることが示唆される。
まったく意識することがないけどギアはほぼ半裸だ。けっこう破廉恥なのだ。
まったく意識することがないけど。(最近はマシになってきたけど)意識しなすぎてスケベな薄い本もロクに作られねえ。
で、バルベルデみたいな高湿高温そうな環境でも問題なく戦えていたのもこの断熱フィールドの影響だろうか。
地形や状況に左右されずポテンシャルを発揮できる汎用性を持つのがシンフォギアなワケダ。





「なかなかどうして……」
「心胆寒からしめてくれる……」


突然のビーム!
運良くヘリには命中しなかった。
が、南極の雲に風穴を開けるほどの破壊力を見せる。
これには百戦錬磨の防人も戦慄する。
防人語で驚かれるから大したことにないように思えるけど一歩間違えれば死んでいた。
シンフォギア世界は超人ばかりに見えて聖詠の間に撃たれれば黒服にだって負けかねないし、フィーネだって不意打ちで銃撃を食らえば致命傷を負うのだ。




「あれが、あんなのが浮上する棺……」
「切ちゃん、棺って何だっけ……?」


「常識人には酷なことを訊かないで欲しいのデースッ!」

で、散々話題に出た棺。
遺跡とかじゃなくてメッチャロボットでした。
それも運動性に劣る代わりに装甲が厚いスーパー系。
HPが10万は楽に越えていそう。

常識とは違う棺の姿に切歌も返答に困るのだった。
これは切歌が棺の意味を知らない バカ 非常識人という意味ではなく、棺の常識から外れた存在を常識人の切歌が知る由はないという意味だと思うデスよ、多分。
AXZ第10話で血涙流すほどに表現したように暁切歌は常識的な思考を持った常識人なんデスよ……てがみデスよ……



「いつだって想定外など『想定内』ッ!」
「行くわよッ!!」


遺跡と聞いていたらまさかのスーパーロボットだった。
想定外にもほどがある。
されど想定外など想定内!
幾多もの激戦 とセレナぁ を潜り抜けたマリアは脅威にも怖じ気付くことなく皆を鼓舞する。
おお、心強い。この人、まるで頼れる美人なお姉さんみたいだぁ……
ここでシンフォギアGを見るとただの優しいマリアになれるぞ!





そして、出陣!
シンフォギア恒例の落下しながらの変身だ! 1クールにつき最低1回は行う落下変身(とか言いながら2回くらいはやってる気はする)
ヘリによる現場への急行からの素早く戦闘を行うためには落下変身は必須技能なのだろう。
経験の浅い無印響でさえやっていたしね。

で、この落下の時の組み合わせが今回のカップリングなのだろうか。
ひびマリ、クリきりは目新しいけどつばしらはAXZからの続投デスな。
まぁ、気分で変わったりしそうデスが。
AXZはキャラ同士の関係性に焦点を当てた物語だったけど、XVではまた違って部分に焦点を当てそうだし。




「Balwisyall nescell gungnir tron――」

そんなわけで、恒例の聖詠!
同時に映し出されるのはラピス・フィロソフィカス!
AXZの最終局面でサンジェルマンのスペルキャスター、つまりはラピスの力を利用してリビルドしており、XVのギアはそのリビルドしたギアを引き続き使っている。
このリビルドの過程でラピスの力、特性を継承したのだろうか。 うーむ、錬金術士たちの生きてきた結晶、ラピスがこういう形で遺るなんて……いきなり泣かせにきやがった……
カリオストロこと蒼井翔太はポプテピピックのおかげでとんでもないことになってるけどな……

ついでにアガートラームの特性にエネルギーの制御と再配置がある。
この特性を活かしてラピスの力をギアに引き継がせたのかも。
縁の下の力持ちのマリア。





そして、変身開始!
………………ッ! このシルエットは無印の変身バンクだ!
最終作にして初代の意匠を持ち込む。
ラピスといいあまりにも憎い演出である。





だが、無印に留まらない。
楽譜をバックにした引き気味のアングルはG!





ヘキサゴンのパーツと足から始まる変身はGX!
これはシリーズファンには熱い演出……!





そして、恒例の演舞!
かなりカメラを引いたアングルは今までにないXVならではの味付けだ。
オマージュに留まらない新しさを見せていくのも高ポイントである。




無印第1話を彷彿とさせる巨大メカの勃発!
メカアピールを積極的に押し出してくるとファウストローブ(錬金術)とはまた違うシンフォギアって感じがしますな。





まだ続く! AXZの型式番号!
引き続いての「SG03′ Gungnir」。
当たり前だけど変化なしデスな。




脚部メカを一度展開してから分解、再構成!
この辺は分解と再構築の錬金術テイストだろうか。
ラピスといいXVギアは錬金術要素を孕んでいる?




「SYSTEM ALL GREEN」から「NORMAL OPERATION」の表示!
続くメカ系な演出が盛り上げる盛り上げる。
……大変言いにくいのですが、そこに計器の表示を出されても確認できないと思います。
しかし、NORMAL OPERATIONとは……NORMALではないOPERATIONもあるのか……?
まぁ、ACにおけるシステム通常モードみたいなものかもしれないけどね!



胸のコンバーターも派手になった!
コンバーターのデザインはGXにおけるギアの改修と共に変わっている。
コンバーターのデザインの変化には機能的な変化という意味もあるのだ。 なので、XVギアにはイグナイトを失った代わりにまた別の機能が付与されているのだろうか。
ラピス関係とか。






そして、if響要素を感じさせつつ締め!
無印、G、GX、AXZまでの要素に加え、XVの新境地とダメ押しにXDっぽさを感じさせる演出……
ここまでの響の軌跡の全てを詰め込んだ最終作に相応しい変身バンクだ。 ありがとう、ありがとうシンフォギア……
バンクの人もありがとう……




「いくつの闇を乗り越えたならァッ!!」

そして、「ALL LOVES BLAZING」と共に勃発!
まずは拳VS拳!
って、お前も殴るんかい!? まさかの武闘派……



「――互角ッ!?」
「それでも気持ちでは負けてないッ!!」


おう、お前が言うんかい、マリアさん。
在りし日なら「立花響の一撃を以てしても組み伏せられないなんて……無理よ、マムッ!」とか言いかねなかったが(さすがに言いません)、強大な相手を前に怖じけない。
こうしたリーダーとしての牽引力が強調されている感がする。
さすがは最年長である。
そして、第1話から装者6人勢揃い!
今までなかった初手よりの総力戦! XVのテンションが熱いほど伝わってくる!





棺は真っ赤なコズミックイラ製、または疑似太陽炉製のビームを放つ。
それが爆発する……のはいつも通りだが、錬金術でもなさそうな紋章を出した後に氷柱を形成する。
今までにない攻撃方法である。
氷から目覚めて氷を操る攻撃……
とりあえず、この棺の仮称はリリティアということで。
リリティアが目覚めて始まるのが何か5作目っぽいし……





「何なんだよ、あのデタラメッ!?」
「――どうするッ!」


「どうもこうも止めるしかないじゃないッ!!」

リリティアの未知なる能力に戸惑うクリス……であったが、ここで先走らずに仲間に意見を求める。 いつもなら焦ってミサイルを撃って死んでいたところだ。
5作目ともなれば頼ることを覚えるのだった。
そして、マリアさん、メッチャ焦った答えを出す。
観測基地が近くにあるから止めるしかないのはたしかだけど、こう、何というか、大人の女性らしく知的に……




ともあれ、リリティアをブン殴って止めることにする。
初手はザババの双刃、「α式・百輪廻」と「切・呪リeッTぉ」から仕る。
要するに波動拳である。
やや迂闊な面もある二人だが、無理さえしなければ後続の大火力に繋げるための切り込み隊長としては最適である。





リリティアはパワーだけでなく機動性も高いようでまさかの跳躍でかわす。
が、そこに響のエリアルロシアンスラムで対空。
倒れたところに大火力の「MEGADEATH PARTY」で追い打ちだ。
ザババの切り込みから響の対空、クリスの追撃と見事な連携であった。




「効かないのかよッ!?」

効いたことの方が少ないやん、あんたのミサイル……
リリティアはパワーと機動性のみならず装甲もかなりのものだ。
効いたことの方が少ないとはいえクリスの大火力をものともしないのは尋常ではない。
第1話の敵とは思えないほどの強敵である。 狂い咲き隊長とは格が違う……!




「接近する対象を苛烈に排撃……」
「こんなものを果たして棺と呼ぶべきでしょうか」


「『攻撃』ではなく『防衛』」
「不埒な盗掘者を寄せ付けないための機能だとしたら、どうしようもなく棺と言うより他あるまい」
(だとすれば棺に眠るのは本当に……)


緒川さんはリリティアの攻撃性を疑問視する。
高すぎる性能への疑問も含まれていそうだ。
それは防衛のための機能であれば得心が行くと同時に、弦十郎はその棺の中に眠る存在の重要度を感じる。
煙のないところに火は立たぬのだ。




「司令ッ! 新たな動きがッ!」

さらにこのリリティア、フィジカルの強靱さだけではない!
ビットによる多角的な攻撃も可能!
繰り返すが第1話とは思えない異常なまでのハイスペックである。
先史文明期の技術力を物語っている。



だが、このオールレンジ攻撃はG第10話で対策済み!
(あれって故意かどうかはともかくマリアさんの手引きによるものなんですよね……)
捌きながら跳躍、マフラーを使った一閃で一掃する。
AXZ第1話でもノイズ一掃にマフラー攻撃は行っていたし、攻撃範囲に優れていることが窺える。
マフラーを武器と使うようになったのはマントを武器にしたマリアの指導によるものだとしたら面白い。



「こちらの動きを封じるためにッ!」

「しゃらくさいのデスッ!!」

ザババコンビも連携で撃破!
あ、あの……実に、本当に二人らしい連携で大変見栄えはいいと思うのですが、その……
下の常識人の意味ってある? い、移動を切歌が担当! 調は攻撃に専念!
不慣れな雪原ではこの役割分担は完璧デース!
意味はともかくお互いに信頼しなければできない高度な連携であることは間違いない。意味はともかく。





「群雀なんぞに構い過ぎるなッ!」

「ならば往く道をッ!!」

クリスは得意の殲滅力でビットを撃破しつつも、大局的に戦局を見据える。
そう、本体のリリティアへの攻撃が疎かになっては意味がない。
そこで防人が千ノ落涙でビットを一掃しつつリリティアへの道を作る。
この立ち回りはさすがの実力者二人である。
面白おかしかったザババんちとは違いますね。




「拓けましたッ!!」

ちょっとUBWめいた戦場を駆けるのは響と ビット狩りをサボってた マリア!
互いに二課とF.I.S.を中心人物と言える装者ながら共に駆けることはほとんどなかった。 その二人が同時にダッシュ。感慨深い光景である。




「うおおおぉおおぉおおおッ!!」

まず、響はもはや得意技となった感のあるガントレット巨大化を行う。
最近は使わなくなったハンマーパーツのことも忘れないでネ☆
(最後に使ったのはG第5話のネフィリム戦?)
似たようなギミックのインパクトハイクは頻用しているんだけどね……




「うああぁああぁあああああッ!!」

うわぁ、この銀の左腕、スゴいことになったゾ……
逆手蛇腹剣とは一体。
アームドギアの形状に囚われるのは素人。剣だって翼。常識人だってデース。





「最速でッ! 最短でッ!!」

「真っ直ぐにッ! 一直線にッ!!」

出た! 久方振りの最速最短真っ直ぐ一直線!
Gの最終回以来である。
常に最短最速真っ直ぐ一直線でいた響とは対称的にマリアはなかなかそうもいかなかった。
GはもちろんとしてGXでもそうは行かなかった。
が、今は響並みに最短最速真っ直ぐ一直線!
マリアの成長を感じられる一コマである。






「「はぁあぁああぁあああぁあああッ!!!」」

そして、狂い咲き隊長を討ち取ったガングニールパンチを同時に放つ!(討ち取ってはいません)(片方は違います)
もはや最終回級の一撃である。第1話でやっていいことではない。
初手より絶唱にて仕る!
視聴者は血涙にて仕ったと言う。




「効いているッ!」
「――それだけだッ!!」


このダブルガングニールパンチでリリティアのパーツが砕ける。
効いている!
だが、それだけである。決め手にはなっていない。
壮絶な一撃の後でも油断せず冷静に戦局を見据えるのはまさに百戦錬磨の防人である。



うっわ、この人たち、メチャクチャ油断しとるやんけ……
でも、協力した一撃を放ってお互いに笑い合う響とマリアは、こう、何というか、滾る……!
なかなか見られなかった光景だけに熱い……!




まぁ、油断していたので叩かれて落とされるんだけどね。
最速(笑)
最短(笑)
真っ直ぐ(笑)
一直線(笑)
ただの優しいマリア(笑)






「間に合えェエエッ!!」

ダウンした二人にリリティアは追撃のビームを撃とうとする。
クリスは乳揺れ付きの必死のダッシュから何とかビームを防ぐ。
こちらも久し振りに活躍のリフレクター。
神獣鏡ビームを防ごうとして防げず、ラピスビームを防ごうとして防げなかったリフレクターの出番だ!
クソが!




爆発し、その後に氷柱が築かれる。
あ、あれ……
ビーム防げても凍るんじゃリフレクターの意味、あまりないんじゃ……
やっぱりリフレクターはダメじゃないか!
お、俺は……リフレクターが……スペックとは裏腹に全然攻撃を防げないなんて……思いたく……う、ううっ……
どうしても……認めたくなくて……ううっ……




「棺からの砲撃、解析完了ッ!」
「マイナス5100℃の指向性エネルギー波……って、何よこれッ!?」


「埒外物理学による世界法則への干渉……」
「こんなの現在のギア搭載フィールドでは何度も凌げませんッ!!」


リリティアのビームはまさかのマイナス5100℃という常識外の攻撃だった。
言うまでもなく絶対零度、マイナス273℃が温度が下限である。
それを遙かに上回るマイナス5100℃……
そんなトンデモにトンデモな錬金術に精通するエルフナインも絶句する。
でも、マイナス1000000000000℃じゃなくて良かったネ。

それにしても適度に説得力のある説得力のない数字を出されたから思わず騙されたけど、その常識外の温度を計測するなんてS.O.N.G.の分析力は凄まじい。 超常に立ち向かう人間たちだけのことはある。
そりゃK2の標高が下がったのを即座に計測できるわけデスよ……




である以上はビームはリフレクターで防げてもマイナス5100℃は防げない。
そして、第1話でまさかの敗北!
リリティアは第1話とは思えない強敵であった。
もぅマヂ無理……絶唱しょ……






時は少し遡ってリディアン。
相変わらずどころかさらに可愛くなった感さえある生徒たちが映し出される。
好みの子を探そう。
Gの最終回では妙に二人組が多くてレズ校かと思ったけど、今回はそんなことはなかった。
大丈夫、みんな、男がいるから……(最悪の発言)






懐かしの演出や台詞がけっこう出てくる中、ここでとんでもない懐かしのリディアン校歌が響によって唄われる。
まぁ、AXZ第3話でも唄われていたんですけどね(台無し)
だが、響が唄うのは正真正銘の初めてである。
無印から7年……ついに響が校歌を唄ったというのは本当に感慨深い。
感慨深い描写しかないのかよ、このアニメ……
ありがとうありがとう……




「はい、合格です」

というわけで、追試で校歌を唄っていたのだった。
これが「撃槍・ガングニール」だったら困惑させていたのに……
S.O.N.G.として歌でブン殴る日々を過ごしているかに見えて、それと同じくらいの日常があるのだった。
そして、その日常を保証するべくS.O.N.G.も奮闘しているのだろう。




「聞き入ってしまう歌声です」
「きっと立花さんは心で唄っているからなのでしょうね」


「心……胸の歌……」

担任の先生が響を褒めている!?
今まで怒ってばかりだったのに初めて褒めた……
しかも、響の本質に触れていた。 担任は怒ってばかりのようで生徒をしっかりと理解している立派な教師でありOTONAなのだった。



「これにて居残りテストは終了」
「いろいろあるとは思いますが次の試験はすっぽかさないように」


そして、S.O.N.G.の活動についても把握していることを匂わせている。
その上で特別視することなく当たり前の日常を歩ませる……
そんな優しさはAXZの時にも触れられている
そんな先生の心遣いはAXZで暗に描写して、今回で直接描いてきた。
脇役の描き方も最終局面に達している感がある。



「誕生日プレゼント、いいのが見つかった良かった」

「クリスちゃん、喜んでくれるかなぁ?」

「きっと大丈夫」

そして、ひびみくでデート。
あれ? 追試を見学していた3人娘は?
チクショウ! また本編中では喋らせないのかよ! しないフォギア待ちかよ!

というわけで、クリスの誕生日プレゼントを二人で探していたのだった。
クリスの誕生日は12月28日。
作中の日時はそれよりも若干前であると推測される。
AXZもそうだったけど意外と誕生日ネタを絡めてくるシンフォギア。
その試みはGの時点で行われており、Gでは16歳の誕生日を迎える前(無印)と後(G)での響でニュアンスをやや変えていたトカ。




「――さて、期待が集まる月開発に関するニュースです」
「かねてより進められてきた日米共同の宇宙開発プロジェクトはその後の閣僚級協議を経てここに来て大きく進展」
「冷え切った国家間の関係修復の象徴として間もなくその目的地である月面に向けて歴史的な一歩を踏み出そうとしています」


デートの最中に幸が薄そうなニュースキャスターのお姉さんが非常に気になるニュースを伝える。
日米共同の月に向かうというヤバい匂いしかしない計画である。
何せかつて隔離されたフロンティアの区画からナスターシャ教授の遺体を回収しようとしたら謎のトラブルに見舞われている。
そのトラブルの原因は一切言及されていないがシンフォギアは奇跡を奇跡と描かない。
故に謎は謎ではなく然るべき理由があると見るのが妥当だし宇宙に出向いただけで何かが起きた以上は、カストディアンの拠点とも言える月まで行けば何かが起こらない方がおかしい。

また、現在の世界情勢も感じ取れる。
米国が反応兵器を撃ち込んだのは一応の大義名分もあり、だからこそ強く対応できていないでいたとAXZのエピローグで語られている。
……が、国際社会からの孤立は免れないだろうし、反応兵器を撃ち込まれた日本との関係は確実に冷え込む。
このままでは米国としても困ったことになる。ただでさえフロンティア事変で失墜しているわけだし。
なので、このプロジェクトは日本としては米国の上に立ち優位を得るための一手であり、米国としては孤立を免れるための窮余の一策なのだろう。
日本総理の嬉々として握手し、米国大統領の渋々応じている姿にそれが表れている。
もっとも、日本も反応兵器を撃ち込まれてこれだと舐められそうな気もするが……
だからこそ、これは表向きの対応に過ぎず、訃堂は問答無用に優位を得られる力、神の力を手にしようと動いているかもしれない。

また、日本が優位を得るためにヤバいとわかっていても無理矢理月面開発に踏み込んだのかも。
世界情勢といろいろなしがらみが見え隠れする一幕だった。
あと幸薄そうなお姉さん可愛い。



「月へ……」

一方で月のヤバさを各方面から語られてきた響の表情は暗い。 そこ、あかんところやで……
そう言いたそうである。



「何だか最近、特別なくらい普通の毎日」
「普通って幸せなんだって実感するよ」


「しばらく任務続きだったものね」

まぁ、とりあえず、デートだ!
GXからAXZは1ヶ月程度。AXZからXVは3ヶ月ほど。
けっこう間が開いているから普通の毎日と思うのは道理だ。
ただ歴代シリーズの間隔的には2番目くらいに短いゾ。
一方でGXからAXZと短期間で激闘が続いた後だから、ふと生まれた日常が愛おしく感じるのも仕方ないか。




「わたしが困ってても助けに来てくれるのかしら?」

「そんなの当たり前だよッ!」
「未来だったら超特急で行くよッ!!」


で、響も未来もいつものノリだ。
誰かを助けるために一生懸命な響だけど、特に未来を助けるためにはさらに一生懸命。
響が壁を越える時は未来を助ける時が多いのだ。
……AXZではなかったネ。



「じゃあ……」
「もし『わたし』が誰かを困らせていたら響はどうするの?」


なかなかどうして……心胆寒からしめてくれる……
響は絶句する。
俺も絶句する。
皆も絶句する。
金子は邪笑した。



「例えばの話よ、例えばぁ」

「意地悪だよ、その質問~」

当然、何の気もなしに言った冗談である。
冗談であるが、あまりにも重かった。
そして、響はこの問いを前に正義を信じて握り締めることができなかった。
答えを出せないことが響の答えであった。
そして、今後の苦難を物語るようだった……
これは間違いなくSEKIROの数倍辛いでござるよ……




そんな時、観覧車から見える船が爆発!
第1話の恒例行事、爆発である。
毎回爆発してんなー、このアニメ。




「大型船舶に偽装したS.O.N.G.の研究施設にて事故が発生した」

「海上の研究施設、デスか?」

「もしかして町中では扱えないような危険物を対象に?」

「ああ、そこでは先だって回収したオートスコアラーの残骸を調査していたのだ」

シンフォギアの事件は爆発から始まる。
ということで、全員集合。
未来さんも緒川さんの車に乗ったはずだけど姿は見えない。
まぁ、あくまで保護対象ということか。
……神の力疑惑があるわけだしな。

さて、爆発した船はS.O.N.G.のものであり、ティキ及び破損したアンティキティラの歯車を回収、パヴァリア光明結社の目的を探れないかと調査していたのだった。
アダムに踏みつけられた時、わりと原型を保っていたので何かやらかすかと思ったティキだったが爆発してやらかした。
とはいえ、ティキ本人の意志というわけではなさそうだ。
……爆発に便乗して残党に回収されていたらヤバい。




「爆発の直前、最後にサルベージしたデータは南極の位置地点を示す座標でした」

で、ティキは惑星の運行を観測し記録したデータを元に様々な現象を割り出す機能を持っていた。
というのはAXZでも触れられていたが……具体的にどう活用したのかはややあやふやだった。
神の門を開くための座標を割り出す運用はされたが、それ以上に神の力を宿す媒介としての印象の方が強かった。

で、ティキは南極を指し示していた。
神の力とは直接的な関係ないものだ。
ティキの明らかになっていない役割の一つなのだろう。
アダムが生きていれば丸ごと語ってもらえたかもしれないが……



「地球の環境は一定ではなく度々大きな変化を見せてきました」
「特に近年、その変動は著しく、極間の氷の多くが失われています」


あー、ここ最近は月が落ちそうになったり世界が分解されそうになったりレイラインが大変なことになりましたからね……
およそ1年半の間に3回は世界が滅びかけた。AXZの戦いは世界の滅亡に関わらなかったのが珍しいくらいだ。
惑星レベルでの異常事態が連発しているし、それが南極の変動に繋がり、伴ってカストディアンの覚醒に繋がっている……トカ?




「まさか、氷の下から何かが出てきたってわけじゃないよな?」

「その『まさか』よ」
「先日、ボストーク観測基地の近くで発見されたのがこの氷付けのサソリです」


「照合の結果、数千年前の中東周辺に存在していた種と判明」
「現在では絶滅していると聞いています」


「何故、そんなものが南極に?」

「詳細は目下調査中」
「ですが、額面通りに受け止めるなら先史文明期に何らかの方法で中東より持ち込まれたのではないでしょうか」


出たー! 金子彰史得意のオカルト系攻撃!
南極に眠る絶滅動物とか、こう、スゴくムーな匂い!
お前は南極を何だと思っているんだ。
「俺なら南極をこう料理する!」という熱い熱意(重言)を感じますよ。

というわけで、先史文明期との関係性が匂わされた。
ノアの箱船なんかは全ての生物を乗せていたという話があるし、何かその辺も絡ませてきそうデスね。
金子彰史の神話知識とオカルト知識をフル稼働させた魅惑の一品の匂いがしてきたデスよ……




「気になるのはこれだけではありません」
「情報部は瓦解後に地下へと潜ったパヴァリア光明結社の残党摘発に務め、さらなる調査を進めてきました」


「得られた情報によるとアダムは専有した神の力を以て止めようとした目的があったようだな」

さらに残党の調査も進んでいた。
何か左下の取り調べを受けている構成員がちょっと面白い。
ローブは脱がないんだ……
そして、アダムの全裸はしっかりと後世に残されている。 まぁ、遠慮なく全裸を開帳していたしそこはむしろ望むところなんでしょうな。




「その目的とは一体……」

「この星の支配者となるため、時の彼方より浮上する棺を破壊」

ここで棺、リリティア(仮称)の話が出てくるのだった。
神の力を手にしようとしたのもリリティアを破壊するため……
実際、リリティアは第1話の相手とは思えないとんでもない強敵だ。
勢揃いした装者たちも1ラウンド取られている。

アダムとしては神の力を手にした段階で幹部たちを切り捨てるつもりだったろうし、リリティアには独力で戦わなければいけなかった。
本気を出したアダムなら十分に勝てそうではあるけれど、後のカストディアンとの戦いに備えるためにもあまり力を出すわけにもいかない。
なので、露払いあるいは決戦兵器として神の力を求めたわけだろう。

リリティアが目覚めるきっかけ、カストディアンが動き出すきっかけも気になるところではある。 そこについてはまだ明言されていない。
やっぱり、フィーネの月への一発のせいなんですかね……
あれをきっかけに連鎖的に事件が起きているわけだし。




先史文明期というシンフォギアの根幹に関わる事件が迫っている。
装者たちは気合いを入れて1週間後に控える南極での任務に臨む。
……が、響だけは心ここにあらずだ。




「砕かれたのさ、希望は今日に」
「絶望しろ、明日に……未来にッ!」


その脳裏に浮かぶのはアダムの最後の言葉である。
あの時は普通に流したようで、響としてはかなり気になる言葉なのであった。
そして、未来に絶望しろというのが、非常に厄い。 未来みくに絶望しそうになりそうなのですが、それは……
XVは舞台設定が舞台設定だけに危うさや恐ろしさが何割か増しデスな。







さて、また現在に時間は戻る。
ち〜ん(笑)
33-4




「これは……呆気なくやられちゃったでありますか?」

その様子を俯瞰にて窺っているのはパヴァリア光明結社の残党、エルザである。
何かズレた敬語……常識人の片割れかな?



「ウチらじゃまるで敵いっこないデカブツが相手とはいえ、もうちょっと踏ん張ってもらいたいものだぜ」

そして、ミラアルクもいた。
魔理沙みたいな話し方しやがって……
残党ということで戦力的にはどうかと思ったがリリティアには勝てないみたいだから無事にいまいちらしい。
リリティアに勝てない=装者たちに勝てないにはならないけれど……絶対的な戦力ではやや劣るようだ。



「ピンポンパンポン♪」

ここで様子のおかしいテレパスだ!
ほう、ピンポンパンポンですか。たいしたものですね。
超人的死語と言うより他ない。





「どう? そっちは順調かしら」

「棺の浮上を確認したところだぜ」

「本当に局長はあんなモノの、棺の復活を阻止してこの星の支配者になろうとしたのでありますか?」

ピンポンパンポンと言い出したのは少々、残念であるとキャラ紹介で言われたヴァネッサであった。
たった一言でその設定に嘘がないと証明して見せた手練れである。 様子のおかしい美少女ばかりのシンフォギアにおいて、残念と言われることは伊達ではなかった。
大丈夫か、残党。まともなのはサンジェルマンだけだったのか、パヴァリア光明結社……



「今となってはわからないわね」
「少なくとも私たちの目的は局長とは違う」


アダム、人望、なし!
まぁ、何というか……わかっていたけど愛されていない。
一番近い人間であった幹部たちにも塩対応されまくっていたから、人望がないと思っていたけどマジで人望がなかった。
奇跡を起こすために不可欠な愛がないのがアダムが不完全たる所以だったのかも……




「こちらの狙いは棺の『破壊』ではなくその『活用』だもの」
「そう、これは未来を奪還する戦い」
「だから、絶対に果たさなければならないわ」


少々残念な人、ヴァネッサもキメ顔で俯瞰に意味ありげな施設を見つめる。
ヴァネッサは車のナンバープレートを真に受ける限り、ネバダ州にいる。
つまりは米国であり米国の意味ありげな施設と言えばF.I.S.である。 F.I.S.はマリアたちの過去を掘り下げる過程で幾度も触れられたけど、現在どうなっているかについてはちっともさっぱりだった。
ガルパンシンフォギア最終章ということでそこについても触れられるのか……?

なお、ネバダ州の曰く付きな施設……というかオカルトチックな施設と言えばエリア51である。
エリア51は宇宙人関係のエピソードに事欠かせない。
エリア51……宇宙人……カストディアン……
ま、まさか……神話とオカルトの融合を本気でやろうとしているデスか……?



「案ずるな」
「ステテコを重ねた2枚履き」
「凍える前には片を付ける」


装者たちは全員倒れた。
そして、相手はノイズではない。
ならば、弦十郎の出番!
南極は生身には辛い?
ステテコを重ねた2枚履きなら問題なし。
というか、勝算があるのか。余裕であるよな。あるに決まってるよな。
弦十郎を力の強さで圧倒するのではなく心の弱さに付け入ったフィーネの選択が悪辣であると同時にベストであったと思い知らされる。



「何やってんだッ!」

「女の子がこんな寒いところでッ!」
「お腹を冷やしたら大変だろッ!!」


だが、装者たちの窮地に魂を震わせるのは弦十郎だけではない。
力は弱くとも怖じるだけではなく、装者たちの一生懸命に答えようとする観測施設の職員もだった。
というわけで信号弾を打ち上げて囮となるのだった。
シンフォギアはこういうところで大人の心強さを見せるのがいいデスね……
助けられる側も一生懸命なのだ。

でも、お腹を冷やしたら大変だろはズレている。
心配するところ、そこかよ!
マイナス5100℃で氷付けになっているところを心配しろ!
熱い行動のはずなのに笑いを誘うのがズルいデスよ……敵わないわけだ……




「さもありなんッ!」

で、さもありなん。
あ……お腹を冷やしたらって言葉に納得したんだ……
いつだってシンフォギアの人たちは頑張っていますね。面白く。




「みんながいるんだ……」
「――みんながッ!!」


だが、この職員たちの面白い台詞と熱い行動は無駄ではなかった。
助ける側だけじゃなく助けられる側も一生懸命。
ならばこそ、助ける側も一生懸命になれる!
その気持ちを受け取った響も絶対零度以下のマイナス5100℃の楔を打ち破って復活するのだった。







「そんなにヒーローになりたいのか?」

「そうだ、戦場に立つのは立花一人ではないッ!」

「皆さんッ! ボクはボクの戦いを頑張りますッ!!」

「みんなが背中を押してくれるッ!!」

そして、蘇ったのは響だけではない。 ダメージ0のキネクリミサイルを撃ちつつ 装者たち全員も復活!
現場だけでなく銃後の士気も上がる。
受け取った気持ちが連鎖して軌跡を描くのがシンフォギアである。 シンフォギアの基本絶対を描く……本当に心強い……





「いつも一歩前にと――踏み出し続けたんだ」
「涙を拭う間もなく――」


そして、リリティアとのラウンド2開始!
唄うのは第1話からの最終奥義のヘキサユニゾン「六花繚乱」!
いつかはやるかと思った初手よりの6人曲がついにXVにて開帳……!
常にテンションを上げていくシンフォギアらしい一手である。

というわけで、リリティアはビットを連結して槍を形勢。
だが、やっぱり小細工は響には通じない。
響はけっこう小技への耐性が高いのである。
戦う相手は響のパワーを警戒して搦め手で挑むから大分慣れたのかも。





「そして、その涙は羽根に重く染みて――」
「飛べないとまた泣いた――」


翼は湖面を滑走しつつ十八番の逆羅刹を繰り出す。
しゃあっ、カポエラ!
いつだって逆羅刹を使われるだけでちょっと笑ってしまうんだ。
悔しいだろうが仕方ないんだ。






「伸ばした手の先は暖かい――でも、届かない」
「それが切なくて――」


クリスは氷柱に固定されたビットをリフレクターで受け流しつつ、「GIGA ZEPPELIN」でビットを一掃する。
もはや敗北フラグと化しているリフレクターの名誉挽回と言わんばかりに活用している。
しかし、さっきから歌詞がちょっと暗めだ。
されどそうした葛藤を乗り越えてきたのが今の装者たちである。



「足掻いてもがいて仰いだ空は高く遠く、無力に嘆いた――」

マリアはアームドギアをリボンのように展開した後に切り裂く新技「SILVER†GOSPEL」を繰り出す。
さっきサボった分までビットを掃除!
さっきサボった分まで!
さっきサボった分まで!



ここでわりと可愛いモブ女性がビットに襲われそうになる。
モブが死ぬのがシンフォギア第1話の恒例。
死にたくない死にたくない叫んでも殺す。
このわりと可愛いモブ女性も斃れる……?







「わかり合うことさえも遠ざけるために吐いた言葉の刃は自らを――」

そこで調が響のような「人助け」をする!
熱い描写続きの中でも胸が熱くなる描写デスよ……!
AXZ第2話でも人助けをしたけど此度もまた人助けをした。
しかも、今回は一人でも人助けをしたのだった。
響の姿を見続けてきたからこそ身体が動いたのだろうと思うと……落涙が……




そして、本家人助けのプロもフォローする。
こうして響に抱えられて助けられた人間は無印の幼女、AXZのステファンと後に活躍をしている。
このわりと可愛い女性も今後に出番が来ることも……?






「だけども信じてきた灯した過去がこの皆を紡いだ絆だと――」

切歌は鎌に加えてサブアームの刃でなぎ払っていく。
あ、意外と器用な使い方だ……
サブアームだけを使った「封伐・PィNo奇ぉ」の正統進化デスな。
そして、やや暗い歌詞が目立った「六花繚乱」だがここからポジティブな歌詞に変わっていく。
その変転を切歌が担っているのがそのキャラクター性を物語っている。
明るさと愉快さと常識人っぷりは他の装者たちにとって救いとなっているのだ。





「こっちもッ!?」

一方、わりと可愛い女性をかばった響はリリティアとビットの挟み撃ちに遭う。
リリティアビームは食らうとマイナス5100℃。
かわすしかないがかわすとわりと可愛い女性がヤバい。
ビットもオールレンジ攻撃だから破壊しなければわりと可愛い女性を守り切れない。
もぅマヂ無理……





「砲撃来ますッ!」
「――ブン殴ってくださいッ!!」


「言ってることォッ! 全然わかりませんッ!!」

ここでエルフナインがコンソールを一気に引き上げる。
無印のOPの了子のシーンを彷彿とさせる演出だ。
そして、ブン殴れと指示を出す。
カ・ディンギルの砲撃を逸らすくせにわりと毎回破られるイチイバルのリフレクターでさえ防げないリリティアのビームなのに!
だが、仲間を信じてブン殴る。
何かわからんが食らえ!





しかし、響はビームを弾き防御に成功。
さらに拡散したビームをビットに当てることで窮地を脱する。
え? ビビらず殴れば何とかなったのか?
リフレクターの評判を下げただけ?





「拳の防御フィールドをアジャストッ!」

「即席ですがエルフナインちゃんが間に合わせてくれましたッ!」

「うむッ!!」

「解析からの再構築は錬金術の原理原則ッ!」
「これはボクの戦いですッ!!」


だが、その実態はエルフナインのオンメンテによるギアの調整!
AXZ第13話で見せた荒技をXVでは第1話より解放!
オンメンテが延長せずに間に合って良かった良かった。
こうしたかつての一か八かを続編では戦術として確立させているのがシンフォギアである。 毎度のことながらいろいろな部分にシリーズ間繋がりを感じられるのであった。




「死んだってッ!」



「倒れないッ!!」




「魔法」



「未来の花」






「思うッ!」





「高く飛べッ!」
「生き尽くせェッ!!」


ビットという露を払いついに装者たちの総攻撃がリリティアに炸裂!
6人全員の攻撃が合わさったカラフルな攻撃である。
勝ったな!
飯買ってくる!



が、ダウンするだけ!
リリティア……君、ちょっと強すぎやしないか……?
ここまでやって目立った外傷がダブルガングニールドリルで砕いた結晶体だけだと……?
第1話にして最終回クラスの強さを発揮している。
そりゃミラアルクも無理無理カタツムリと言うワケダ(言ってない)



「急いでくださいッ!」
「S.O.N.G.指定の避難ポイントにッ!!」


まぁ、でもわりと可愛い女性を逃がすチャンスはできたのでそこは指示しておく。
わりと可愛いのでまたの出番に期待したいワケダ。
さよなら、さよなら。



「けっぱれッ!!」

ごめん、面白いことを言う男職員の方が再登場して欲しい。






「――させないッ!」
「はぁあぁあああぁああッ!!」


さらにリリティア、アインラッドになって突っ込んでくる。
攻撃パターンの豊富さに驚かされるが、何だかやたら逃げ出そうとする職員たちに襲いかかっている。
迎撃が目的なら逃げ出す相手はそんなにけっぱって狙う必要はないような……
むしろ、目の前の脅威である装者たちを狙った方がいいような……
あるいは弦十郎の言葉を借りると盗んで逃げ帰る盗掘者は逃がさん絶殺と殺意を滾らせるのだろうか。






「打ち抜いてしまったッ!?」

「如何ともデスッ!?」

「あのバカッ!?」

「唄えない水中ではギアの出力が低減してしまうッ!!」

響はパワー負けリリティアの突進にパワー負けしなかった。
……が、氷の奥底にある湖に落ちてしまう。
唄えない水中ではギアの出力が低減する! 当たり前だけど新鮮に感じる設定だ! 唄えない状態では弱体化するのが道理だけど、そうか……水中はダメなのか……
残党たちはこれに習って水中戦を挑んでみるか?
無印は宇宙に飛び出てFIRST LOVE SONGを唄ったいた気がするけど……まぁ、アレだ。
エクスドライブになれば真空で唄うなんて当たり前にできる奇跡なんデスよ。




「――だとしてもッ!!」
「この胸には歌があるッ!!!」


それでもここぞという時の爆発力は装者屈指の響である。
拘束を解き放ち、あえて潜る!
あ、知ってる! これ、ジョジョでやってたヤツだ!
     __.. -―─ 、__
    /`       三ミー ヘ、_
  ゝ’ ;; ,, , ,,     ミミ  , il ゙Z,
  _〉,..    ////, ,彡ffッィ彡从j彡
  〉,ィiiif , ,, ‘ノ川jノ川; :.`フ公)了
 \.:.:.:i=珍/二”=く、 !ノ一ヾ゙;.;.;)
  く:.:.:.:lムjイ  rfモテ〉゙} ijィtケ 1イ’´
   〕:.:.|,Y!:!、   ニ ‘、 ; |`ニ イj’  逆に考えるんだ
   {:.:.:j {: :} `   、_{__}  /ノ
    〉イ 、゙!   ,ィ__三ー、 j′  「唄わなくてもいいや」
  ,{ \ ミ \  ゝ’ ェェ’ `’ /
-‐’ \ \ ヽ\  彡 イ-、    と考えるんだ
     \ \.ヽゝ‐‐‐升 ト、 ヽ、__
      \  ヽ- 、.// j!:.}    ` ー 、
       ヽ\ 厶_r__ハ/!:.{
          ´ / ! ヽ





湖底まで潜った響は両腕のパーツを巨大化。
アームドギアを形成できないのなら拳をスゴいことにすればいいんですよ。
偉い人にはそれがわからないんですよ。
何かもうアームドギア使えないは自虐風自慢にもなってきた感があるから、めっきり言わなくなりましたね……




そして、大雪山おろし!
シンフォギアの狂気エピソードとして響翼クリスはゲッターロボのパイロットをモチーフにしていて、クリスが流竜馬、翼が神隼人、よりにもよって響が巴武蔵となっている。
普通、美少女アニメの主人公のモチーフに巴武蔵は選ばねーよ……途中で死ぬやんけ……
あ、無印で響死亡から始まったのってもしかして巴武蔵オマージュ……?

ともあれ、ついに響がついに巴武蔵化。
大雪山おろしやっちゃった。
リリティアが初手でやったように暗雲に風穴を開けるほどの勢いで投げ飛ばすのだった。



でも、-3℃のボストーク湖は辛かったのか、浮上した後に膝を地に着くのだった。
そりゃ低音の水中は身体に絶大な負荷をかけますからな……
この辺にリアリティがあるのがシンフォギアのいいところ。
(ボストーク湖の平均水温は-3℃。詳しくはWikipediaを読もう!)



「狙うべきは喉元の破損箇所ッ! ギアの全出力を一点収束ッ!!」

「決戦機能を動く標的にッ!? もしも外したらッ!」

「後がないデスッ! できっこないデスッ!!」

リリティアには総攻撃を仕掛けてもダメージを与えられない。
これはかつて同じような経験がある。
圧倒的な防御力で装者たちの攻撃をものともしなかったキャロルの碧の獅子機……
そして、それを打ち砕いた戦術……
それがギアの一点収束をぶつける! 第1話でやるような戦術じゃねえ!
背水の戦術故に常識人の切歌は不安を訴える。
実に常識的な突っ込みである。



「狙いを付けるのはスナイパーの仕事だ」
「タイミングはあたしが取るッ!」


「行くぞ、みんなッ!!」

だが、破れかぶれではない。
勝算がある! スナイパークリスがいる!
針の孔を突く決死の戦術もスナイパーがいれば常套手段に変わるのだ。
これがワイのワイルドワイバーンや!



スwwwwwwナwwwwwwイwwwwwwパwwwwwwーwwwwww



「ギアブラストッ!!」

想い出が領空侵犯しつつインナーを解放!
不安を訴えた調と切歌だが今は頼れる先輩がいる。
乗るしかない、このスナイパークリスに。





「軌道計算はこっちでもッ!!」

「待ってくださいッ! 棺の周辺にッ!!」

「リフレクター気取りかよッ!?」

加えて銃後も藤尭が軌道計算でサポートだ。
第1話なのに全員の力を合わせた捨て身の大技かつ銃後の力も借りるとS.O.N.G.の全てをぶつける展開になっている。
やってること、最終決戦そのものである。

しかし、棺もただではやられない。
ビットを漂わせることで必殺の一撃に対抗しようとする。
一点突破してこその必殺故に寸毫でも逸らせば必殺になりえないのだ!



「クリスちゃんッ! もうすぐ誕生日ッ! この戦いが終わったら――」

「そういうフラグはお前一人で間に合ってんだよッ!!」

止めろぉ! フラグ立てるなぁ!




「まだデスか……まだデスかッ!?」

「このままだとわたしたちまでぺしゃんこにッ!」

「焦るな……焦るな……焦らせるな……ッ!!」

一瞬しかないタイミングを巡ってクリスは焦躁と戦う。
スナイパーライフルで殴って凸砂ばっかりだったからね。狙撃は経験不足なんだよね。
弄るだけじゃなく擁護するとクリスは連射だけでなく狙い撃ちも得意なんデスけどね。
無印第13話の膨大な量のノイズの狙い撃ちとか。
あ、エクスドライブだから出来たことってのはナシで…・…







「――今だッ!!」
「「「「「「G3FAヘキサリボルバーッ!!!」」」」」」

だが、仲間を信じて勝機を待って俺は死なない。
あの日の一か八かを奇跡ではなく軌跡として戦術に昇華させたG3FAヘキサリボルバー発動!
虹色の閃光は最短で最速で真っ直ぐに一直線に突き進み、リリティアの破損箇所に直撃。
立ちこめていた暗雲全てを吹き飛ばし、絶対の防御で立ちはだかったリリティアは爆発四散!
(ヒアリングに自信がないので間違えていたらごぬんめ)(FAはFinest Artsに賭けるデース)




戦姫絶唱シンフォギアXV最終回完!
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、GXライブしたら第5期の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は第5期のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、装者達のみんなへのメッセジをどぞ

翼「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと防人なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

クリス「いやーありがと!
あたしのかわいさは二十分に伝わったかな?」

マリア「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

切歌「見てくれありがとデス!
正直、作中で言った私の気持ちは本当デス!」

調「・・・ありがと」ファサ

では、

翼、クリス、マリア、切歌、調、響「皆さんありがとうございました!」



翼、クリス、マリア、切歌、調「って、なんで響くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり




というわけで、第1話にして最終回の熱量という新境地をXVは打ち出した。
気になるEDテーマは水樹奈々が唄う「FINAL COMMANDER」!
最終決戦の曲ですね、ありがとうございます。
FINALを銘打つ曲名が重い……

ついでに気になる脚本は第1話は金子彰史オンリーである。
他の人が書いた脚本をリライトしたAXZ方式も多様性をもたらしたと思うので、XVはどういった方式を取ることやら。
ただあれこれと手を広げずシンフォギアの脚本に専念した以上は気合いのほどが窺える。
期待だ! けっぱれ!




さて、Cパート。
G3FAヘキサリボルバーの直撃を受けたリリティアはまさかの原型を留めていた。
G3FAヘキサリボルバーが一点集中の攻撃だったからこそ、狙った部位以外にはあまりダメージが及ばなかったのかもしれないが……いずれにせよ凄まじい防御力だ。
とても第1話で戦わせる敵じゃない。
大丈夫か、残党……お前らがG3FAヘキサリボルバーを食らうと内臓ぶちまけて死ぬゾ……






「あれがカストディアン……」

「つまりは聖骸というわけですね……ッ!」

リリティアは棺と呼ばれていた。
棺である以上は中にあるのは遺体……
だからこそ、そこに眠っていたのはカストディアンの聖骸!
って、おどれ、地球にいたんかい!?
外宇宙からカストディアンが攻めてくるというわけではないのか。
あるいは聖骸が地球にあるだけで外宇宙にもいるのか……

聖骸だけあって肌は乾いている。
が、聖骸だから死体だけでも悪さしそう。
ほら、ヴァレンタイン大統領だって痩せたし。
なお、プロローグに出てきたエンキとの関係性が気になるところだが、手甲の形状が異なる+左腕があることから別人であることは間違いない。
逆に言えば特徴的な手甲を付けている点で共通点があるから、エンキはカストディアン一族?



他にも特徴として頭に角のようなパーツが見受けられる。
アダムのカストディアン像にも似たようなパーツがある。
カストディアンにとって角は欠かせないパーツ?
その点で言えばエンキには角が見えない。
もっとも、角度の問題で見えないだけというのはありますが。



この聖骸が何をやらかすのか。
カストディアンは宇宙から来るのか、あるいはもう地球に聖骸の形で潜んでいるのか。
そして、現代の依り代として未来が選ばれてしまうのか……
怒濤の展開に加えて、今までのシリーズの総結集とも言えるべき演出と設定が詰め込まれた最終作に相応しい第1話だった。
次回へ続く!