戦姫絶唱シンフォギアXV EPISODE06 ゼノグラシア



あーん! 未来さんが死んだ!
未来さんよいしょ本&未来さんF.Cつくろー!って思ってたのに……
くすん……美人薄命だ……あーん……
うっうっう……ひどいよお……ふえーん!!
この間、「今、時代は未来さんだ!」の葉書きを出してまだ1週間じゃないですか!
どーして、どーして!?あれで おわり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっ!あんなミラアルクごときに殺られるなんてっ!!フィーネと差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね? ……泣いてやるぅ。
私はあのおそろしくキレる彼女が(たとえド幼馴染みでもさ!ヘン!)大好きだったんですよおっ!!
未来さぁんっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
金子のカバッ!!え~ん。
はい、本編(冷静)







さて、事後。
現場には誰もおらず鑑識が捜査を行っていた。
残されたのは大量の血痕と破壊されたスマホと未来カバン。
死体はなく殺されたのは未来さんかおっさんかはわからない。
ところでスマホ、ここに置いていくなら壊す必要はないですよね。MOTTAINAI。
壊さないと響の水着を待ち受けにしていることがバレて未来さんの人生終了の危機だけど。
……つまり、拿捕されると見た未来さんが自主的に壊した?




「まさか……未来とエルフナインちゃんが……」

「………………」

当然、響は戦慄し翼も歯噛みする。
防人がアルカ・ノイズの裏にある目的を察していれば!
防人が冷静に迅速にアルカ・ノイズの掃討を心がけていれば!

翼、査察官に足を引っ張られミラアルクに刻印の影響があるとはいえ、街を破壊するという失態に続き仲間を失うという大失態である。
こんなだから夏コミに防人のエロ同人が出ねーんだよ! カーバ!





「現場周辺から遺体発見の報告、ありません」

「近隣の病院に負傷者が運び込まれた記録もありません」
「ですが、あの出血では……」


捜査は夜になっても行われている。
そこでわかったことは周辺に遺体はなく、負傷者も運び込まれていないことである。
つまりは未来の死は確定していない。 一方で出血は致死量のようだ。
つまりはおっさんの死は確定している。 うっ……おっさん……死体を残さず殺されたんだね……泣けるわんこ……悲しいんこ……




「手口は周到、入念に……」

血痕という明らかな証拠を残しつつも監視カメラは丁寧に破壊している。
その手口は周到かつ入念、つまりは衝動的なものではなく計画されたもの、戦略行動の一つと捉えられる。
エルフナインと未来さんの存在はノーブルレッドと訃堂にとって大きな意味を持つことがわかる。

それにしてもこのシーン、鑑識の人とか黒服の人がしっかり捜査をしているのがいい。
シンフォギア世界は装者たちが敵に勝てば問題が解決するわけではない。
そうした側面もなきにしもあらずだが、その状況に持ち込むために裏方たちの尽力があるのだ。




「おそらくは偶発的に巻き込まれたのではなく……」

「ああ、敵の仕組んだ罠にかかってしまったと考えるべきだな」

「保護レベル最高位指定の二人が揃って……」

「錬金術によるバックアップスタッフと、神の力の依り代たりうると仮説される少女……」

補給を受けるS.O.N.G.本部が映し出されつつ、司令は緒川さんからの報告を受ける。
偶然ではなく作為というのが緒川さんの推察であり弦十郎も同意する。
そして、エルフナインと未来の二人は保護レベル最高位指定であると判明する。
エルフナインは無論として未来も今ではとんでもない重要人物になった。
XVになってからあまり触れられていない未来の浄罪だが、ちゃんとその事実は覆ることなく弦十郎は留意していたのだった。
触れたら即回収がXVの必殺技。未来さんが苦難に飲み込まれるのも遠くはなく……






「調査部にて警護に務めてきましたが査察による機能不全による隙を突かれてしまいました」

「敵の狙いは未来君、またはエルフナイン君」
「あるいは……」


「その両方という線も考えられますね」

「いずれにせよ今必要なのは情報だ」
「状況打開のためにも引き続き調査を頼む」


未来さん、警護されていたことが判明する。
思えば第1話でティキが自爆した後に緒川さんに(感想中では割愛したけど)響と揃って回収されている。
第2話でも装者たちと一緒の車に乗ってライブに赴いている。
協力者の立場とはいえS.O.N.G.の作戦行動には基本関係ないはずなのに装者待遇なのは不自然であった。
それも未来さんの特異性によるものであった。
こっそり級友も映しているから一応捜索をお願いしている……?

そんな未来とエルフナインの警戒を緩めるための査察なのでもあった。
うーむ、訃堂お爺ちゃんの政治力、とんでもないな。
査察という一つの仕掛けによっていくつもの相乗効果を生み出し計画を大きく進めている。 アダムだったらもっと雑な計画を立てて破綻するだろうな……破綻してた。



「二人共、無事でいてくれ……」

弦十郎は外道な父親とは違い少女たちの無事を切に願うのであった。
如何に威力最強の弦十郎とはいえこの状況には足踏みせざるを得ない。
これも弦十郎を知り尽くしている訃堂だからこその搦め手か。
お爺ちゃんが戦場に立てば弦十郎を圧倒できずとも対等に渡り合うくらいはできそうだけどね!




「ありがと、クリスちゃん……」

響は未来の安否が不安で気が気ではない。
そんな響の頭をクリスは撫でるのだった。
うわああああああああああああああああ! クリスちゃぁあああああん!
この子、こういうところが本当に優しくていいんですよね!
誰かを誰よりも思いやれる子なんですよ!!

かつての誰かに噛み付いた姿はどこへやら、今では窮地に乱さぬ冷静さと誰かを思いやれる優しさを手にしている。
メンタルが乱れやすいのが弱点だったけど、無印・G・GX・AXZの全てでメンタルを抉られたが故に鍛え上げられた結果の今の姿である。
頼れる! 素晴らしい! 可愛い!
クリスの成長の大きさが窺える一コマであり実に感慨深い。
先輩も見習えよな!



「それにしてもまさかというよりやっぱりの陽動だったデス」

「あの時、管制指示を振り切ってさえいれば……」

こいつら、容赦ねえ……
響のみならず切歌も陽動だと気付いていた。
XVでは切ちゃんの状況判断の鋭さが光る。
常識的に判断すればそうデスよね!

それでも指示を無視していれば……
調もそれに同意する。
って、命令無視かいな。
切歌と並んで成長が著しい調だけど、この直情的な思考は相変わらずで調らしい。
それでも間違いとは言いにくい。弦十郎という絶対的な指揮官が不足している以上、現場判断に重きが置かれるべきか。




「月読と暁は私の状況判断が誤っていたとでも言いたいのか」

「え? えーと、そうじゃなくてデスね……」

「ならばどういう……ッ!!」



だ、だせえ……この防人、ダサインコ……
キレた。キレたよ、この人……それも後輩にキレたよ……
まさに無印の再来。寛容さゼロ。
あの場面、翼が言われるがままの判断をしてしまったのが大失敗だった。
しかし、切歌も調もそれを責めたいわけではなく、あくまで原因の特定をしたいワケダ。
というか、別に翼のことは挙げていない。指示がいけないと言っているワケダ。
それに対してキレるとか、完全にダメな先輩!
いやぁ、失望したでござるよ~(笑顔)
本当に懐かしいでござるよ~(笑顔)






「いい加減にしてッ!!」

「誰よりも取り乱しそうなこいつが自分の為すべきことに向き合おうと務めているんだッ!」
「頼むよ先輩……ッ!!」


「翼さん……」

無論、そんな怒り方をすれば叱られる。
そして、クリスの言葉が重い。翼への想いも込められている。
クリスは立派な先輩の心強さ、ありがたさを知っている。
Gではそんな翼の先輩らしさに救われた身だ。
以後、翼には全幅の信頼を置いていたし、そんな翼みたいな先輩になろうとちょっと無茶をしたりもした。
今は不安な響を支えてあげたいと願っていることだろう。
そんな中で偉大なグレート先輩、翼が状況判断をミスったり心を乱して街を破壊するだけでなく、後輩に無様に当たるとは……
もう防人のファン辞めます……ミラアルクちゃんのファンになります……



「どうしたの?」
「らしくもない……」


そんな翼にマリアは手を伸ばすが……振り払われてしまう。
いーけないんだー! いけないんだー! 司令に言ってやろー!



ここでAXZ第6話のマリアの言葉を思い出したい。

「誰かと手を取り合いたければ自分の腕を伸ばさなければいけない……」
「だけど、その手がもし振り払われてしまったら……ッ!!」

マリアは傷心の翼の手を取りたく手を伸ばしたら、……振り払われてしまった。
悲しい。ちょっとあまり弄れない類の悲しさだ。
マリアも翼も手を差し伸ばされることも意味を知っているはずなのに……
翼は響の繋ぐ手を肯定した人間であるはずなのに……
かつてのマリアならセレナってもおかしくない致命傷だ。
マムってもおかしくない。ウェることはないだろうな。
……マムも伸ばした手を鞭で叩いていたっけ。
マリアのトラウマの一因になっているんじゃないかな、マム……




衝動的にやってしまったことなのか、翼は自分自身で驚き、痛みを抱えてしまう。
お互いにお互いを支え合うのが装者たちの真骨頂であり、翼自身、支えるために奮進していた。
が、今は傷付ける側に立っている……
奏を失ってから必死に積み上げてきた物を自分で崩してしまっている……
ちょっと泣けるんデスけど……
弄りにくい防人とか困るでアリマス……
大人になれよだゼ……







「待ちなさいッ! 話はまだ……」

「何だか様子が……」

「ギザギザハートになってるデス」

「そうね……でも、これ以上責めないであげて」
「翼自身、わかっているはずよ」


「んなこと言われなくたってな……ッ!」

うわぁ、マリアさん、大人……寛容……頼れる優しいマリア……
切ちゃんはこんなこともあるかといい意味でいつも通りに受け止めている一方でクリスの反応が重い。
クリスにとって防人は本当に頼れる先輩なんだなって……
これほど慕う人間がいるのにこの体たらく。
クリスを見るマリアの表情が暗くなるわけである。

無印の頃の翼は相当に荒んでいた。
荒んでいたが幸いと言うべきか、その切っ先は響にしか向いていなかった。
緒川さんにもちょっと苛立ちをぶつけていたけど、まぁ、そこはそこ。
が、今は恐怖の全方位攻撃である。
ダメージも5倍! 雰囲気、死ぬほど悪くなるわい!





「腕輪から抽出した無軌道なエネルギーを拘束具にて制御」
「これで私たちは……」


さて、ヴァネッサはお爺ちゃんの命令に従って計画の準備中。
聖骸を屠り黒服を爆破させるほどの謎を持つシェム・ハの腕輪をどうするかと思ったけど制御の手筈は進められているのだった。
お爺ちゃんの情報提供だろうか。
だとしたら訃堂、事情通にもほどがあるような……

私たちは……に続く言葉は何であろうか。
用済み、だろうか。
訃堂としてはノーブルレッドは道具に過ぎないし捨てられてもおかしくないというか、捨てない方がおかしい。
捨て方も簡単でRhソイル式の全血製剤を絶てばそれでノーブルレッドは詰み。
お爺ちゃんに情はまったく期待できないワケダ。
だからか、計画を進めつつも表情はどうも重いのであった。



さて、モニターに表示されている紋様……
ペロ!これは神獣鏡!
神獣鏡と言えば浄罪……だけではなく聖遺物殺し。
他にもステルスとかイオノクラフトとか超多機能だけど、聖遺物殺し。
というわけで、神獣鏡の破片を配置。この力を利用してシェム・ハの腕輪を制御しようという腹づもりなのだろう。
どれだけ力があろうとも特攻属性相手には無力なのがシンフォギア世界。
なので、シェム・ハがどれほどの力があろうとも聖遺物である以上は神獣鏡で制御できると。
一部の防人は翼とか言い出して特攻属性を無効化したけど、それはそれ。



なお、神獣鏡はメチャクチャ原型が残っているので破片を使うくらいは簡単にできる。
その神獣鏡をどこから引っ張ってきたかとなるとF.I.S.の研究所、ロスアルモス研究所だろう。
ヴァネッサが第3話で襲った際にシェム・ハの腕輪だけでなく、いくつかの聖遺物を奪っている。
その一つが神獣鏡なのは間違いない。
小道具まで歴代シリーズから持ってくるのが芸が細かいのデース。
あ、そろそろ深淵の竜宮からブチまかれた聖遺物も回収して、どうぞ。





「ヴァネッサ、ミラアルクの帰還を確認」
「お客様も一緒でアリマス」


「ご苦労様、こちらの準備も順調よ」
「早速取りかかりましょう」


「ガンスッ!」

「神の力は私たちの未来を奪還するために」

ミラアルクは夜になってからの帰還と意外にも遅い。
けっこう慎重に行動したようだ。
そして、もう取りかかれるようだ。
設備の準備もバッチリだし訃堂は手が早いというか何というか。
それでもヴァネッサは神の力を自分たちのために使う腹づもりだった。
捨てられるのは目に見えているだけに裏切るタイミングが重要となるでアリマス。




「わかっている……悪いのはこの私だ」
「皆に当たるのも、弱き者を守れないのも」


弱き者と相変わらずらしくないことを言いつつ、防人は久し振りのバイクの整備。
翼はバイクを運転するのが好き……までは普通に理解できるのだが、意外にも整備することも好きである。
バイクは戦いに生きてきた翼にとって相棒なのだ。愛着を持ち自分で整備するのもわかる。
また、バイクは翼の趣味の領域なのも間違いない。実は翼の一番私的な部分が描かれているのかも。
なお、そんなバイクを乗り捨てて爆破させるまでがテンプレ。




「翼です」

「聞いたぞ、失態であったな」

「言葉もありません……」
「ですが、次こそは必ず防人の務めを果たしてみせますッ!」


ジジイィイイイ!? 娘の個人回線も知ってるのかよ!?
翼が傷心のタイミングを狙う打つとタイミングがジャスト過ぎるお爺ちゃんだ。
どれほど娘のことが好きなんだよ……大好き過ぎるだろ……




「刻印、掌握……ッ!」
「――翼、果たしてそこはお前の戦場か」
「そこにいて何を守る、何を守りきれるッ!!」


精神摩耗マインドフレイア、第三者にも起動できた!?
てっきり術者のミラアルクだけ……あるいはランダム発動かと思いきや……
仕掛けこそ大変なもののいざ成功させればとんでもなく便利な能力だ。
あるいは訃堂の気合い-KIAI-で発動させたトカ?
この人、気合いでモニター砕いているしそれくらいやってのけておかしくはない……
これならミラアルクは不要となってもおかしくない。
……大丈夫デスかね、ミラアルク。せめて防人に殺させて差し上げろ……

そんなわけで精神に何らかの影響を与えつつ訃堂はなじる。
今の翼は査察を容認したり無能管制を受け入れたり言われたままに行動してしまう癖がある。 それも精神摩耗の効果だとしたら、訃堂の言葉はかなり効きそうだ。
歌では守れないという言葉もかなり響いていたわけだし……





「道に迷うことあらばいつでも尋ねよ」
「お前は風鳴を継ぐ者であり、天羽々斬は国難を退けるべき剣であること、努忘れるなッ!!」


「ここではない、私の戦場……」

訃堂は翼をなじる一方で優しい言葉をかけるのも忘れない。
自信を喪失して自身を喪失している翼にとって、この揺さぶりは効く。
コロッと行きかねない。
このお爺ちゃん、地味にこういう部分が上手い。 この老獪さは他人の心情ガン無視のアダムには為し得ないことだ。
人が人としての業である。洗脳術とも呼ぶ。

しかし、何ですかね、このエロ設定!
刻印、性交とか言えばもう防人でさえ枕営業実行ですよ!
ヤベー! 夏コミが滾る! 防人本大増量!
んじゃ、俺は切ちゃんに常識、改変してくるから今日はこの辺で……



「奏……」

救い求めた呼びかけなれど応じる姿はそこになく。 翼は久し振りに奏にすがった。無印以来である。
すがったが……お盆だと言うのにエア奏が姿を表すことはなかった。
XVでは奏が未だに姿を見せていない。想い出の人たちが出てくるOPにさえ未登場だ。
再び翼を支える時が来るのだろうか。それとも……

無印第9話でも同じように翼はバイクの整備をしていた。
その時の翼は大好きな歌を口ずさみながら楽しそうに整備をし、大好きな奏に見送られていた。
あの時、奏は翼のバイクに付き合うことはなかった。
ベタベタしていそうな二人だけど常にそういうわけではなく、こうした趣味の部分に過度に干渉することはなかった。
バイクは翼にとって一人で楽しむものだとわかっていたのだろう。
こうした関係も翼としては心地良かったのか、笑顔で見送りを受け入れている。

だが、今は痛みと共に整備をして訃堂に突っ込まれて奏も出てこず涙を流している。
シチュエーションこそ似ていれど中身は正反対だ。
デートと言いかつてのエピソードに似たシチュエーションが真逆の意味を持って翼を追い詰めていく。
ここまで計算していたら訃堂、本当に恐るべし。そして、どこまで娘の足跡を追っているんだよ、アンタ。





「遅くなりましたッ!」

「翼、何をしてたんだ」

「すみません」

その後、招集がかかるが翼だけ遅れてしまう。
遅刻とはプロ防人らしくない……
涙を拭い精神の均衡を一応でも取り戻すのに時間がかかったのだろう。
ライブの惨劇から復帰した後よりもメンタルがヤバい。 訃堂の策略の恐ろしさよ……
そんな乱れを隠す翼の姿にマリアはため息をつく。
うん! この人、メンタルヤバいのがバレバレなのに無理に隠す面倒な人なんだよね! マリアさんは知らないだろうけどね! 昔からこうなの!
マリアさんはきりしらの前でも泣くけどね! そういうところ、けっこう違うヨネ!
それでもきりしらからは愛されているから、マリアは強く引っ張るのではなく優しく支える人間なのでしょうな。






「これより未来君とエルフナイン君の失踪について最新の調査報告を元に緊急対策会議を行う」

「鑑識の結果、現場に残された結婚は未来さん並びにエルフナインさんのものではないと判明しました」

「じゃあ、未来とエルフナインちゃんは……ッ!」

「うむ、遺体発見の報告がない以上、殺害ではなく敵による略取であると俺たちは考えている」

というわけで、血痕という明確な証拠があるだけに事実の発覚まで時間はかからなかった。
見た目こそ凄惨だったけれど実態としては証拠そのものは極めてわかりやすく、未来とエルフナインの安否もわかりやすいのであった。
大変なことになるかと思いきや、わりとすぐに安全が発覚するのが小日向未来の常套手段である。 死ぬ死ぬ詐欺のノーベル賞は伊達ではない。




「まだ一概には喜べない」
「それでも希望を繋ぐことはできたわね」


二人と繋がりが深い響とマリアは安堵する。
あ、そういえば、マリアさん、エルフナイン大好きでしたね。
安堵する響に微笑みかけるクリスに対し、無表情を貫く翼が実に悲しい。 喜ぶ余裕なし。一切なし。
ここで喜ぶことは響やマリアの支えになると思うのだが……
翼の負った傷がどれほどのものかがわかる。
Gの時は未来生存発覚の勢いで映画トレーニングを真顔で完璧にこなしていたのに……





「だけどよ、ぶちまけられたあの血溜まりは誰のものだったんだ?」

「引き続き調査中です」

「これより今後の方針を二人の奪還作戦に切り替え――」

「あ、あの……一ついいですか?」
「略取って錬金術を扱うエルフナインはわかります」
「ですが、どうして未来さんまでが……」


血痕未来でもエルフナインでもないとすればそりゃ誰の血なのかとなる。
クリス、常識的なツッコミだった。
この人たち、血涙で血を流すから血痕くらい当たり前とか勘違いしていたんじゃなかろうか。
すまん、小生もそう思ってしまった。
あのおっさんのものだとわかれば安心できるだろうけど、あやつは経歴不明らしい。
なので、すぐには結びつかないのだろう。
つまりはおっさん生存の目がある! いや、ない!
おっさん、死ね!(直接攻撃)

そして、調はいい突っ込みをする。
直情的だけど基本的に引っ込み思案。
混乱した状況で意見を言えじ流されることもあったけど、今はしっかりと意見を言うのだった。
第3話以降、全然戦っていないけど要所要所で存在感を示すザババコンビであった。




「司令……」

「うむ……」
「今回の一件、何故未来君は巻き込まれつつも、害されずさらわれてしまったのか」
「その仮説を聞いてもらうにはいい頃合いかもしれないな」


「未来……」

未来の浄罪に関しては衝撃的過ぎるからか、仮説に過ぎないからか、装者たちにも伏せられていたようだった。
響も該当しているし他人事ではないのだが……
いろいろと難しい問題ということか。仮説だし。




「まさかここは……」

さて、エルフナインサイド。
謎の人形が捨てられている場所で目を覚ますのであった。
当然、チフォージュ・シャトー。
廃棄されているのはオートスコアラーだろうか。




「お帰りなさいませ、ご主人様ぁ」

「あなたたち……ッ!?」

「日本に来たのなら一度言ってみたかったんだゼッ!!」

ちょっと日本=メイド喫茶という思い込み、止めていただきます?
知人がめいどりーむっていうぼったくりメイド喫茶に騙された経験があるので……(無駄情報)
で、ミラアルクはオーストラリアからスロバキアへ旅行に行くほどなので旅行好きなのだろう。
そんなミラアルクの趣味が表れた発言と言えよう。
だったらメイド服着ろやぁ! アイドル服で満足するなぁ!
そして、ヘイトが自分に集まるように悪い子ぶる。
けっこうな筋金入りである。



「ほほはヒフォーヒュヒャホー……」

人間語に直すと「ここはチフォージュ・シャトー」。
かわゐね!
しないフォギア以来の帰郷となるのだが、建造に携わっただけありすぐわかったのだった。





「いけないでアリマスッ!」
「客人は丁重に扱わないとッ!」


「次からはそうさせてもらうゼ」

「むー……でアリマスッ!」

合 掌 捻 り
ミラアルク関、まさかのSUMOU。
本当にやりたかったのはメイドじゃなくSUMOUであった。
スモウパワーにはまいったな!
ついでにRhソイル式の全血製剤(いちいち全部書くのはけっこう大変)(でも格好いい)を輸血したはずなのに左腕はまだ完治していない。
ここまで長引くのは予想外だった。
ザババの刃、もしかして怪物殺しの効果があるのか?




(考えなきゃ……今何が起きているのかを)
(ここに連れてこられるまでに何が起きたのかを)


チフォージュ・シャトーなんて場所に唐突に連れてこられた。
エルフナインは異常事態なのでその経緯を推理する。
思い浮かぶのはバルベルデ生まれのおっさんだ(偏向報道)
振り下ろされたミラアルクの凶刃はどこに向かうのか。
おっさんか、おっさんか、おっさんか。
おっさんが死ぬのはコーラを飲めばゲップが出る以上に確実なので、ここは是非面白いことを言って死んで欲しい。



「思いがけない……空模様……」

期待に応えるべくおっさん、妙に詩的に散る。
噴水のように出た血で空模様を染められたので出た言葉なのだろう。
おかしなことをよく言うおっさんだが、最後は妙に美しい言葉と共に死んだ。
悔いはあるまい……
この台詞は是非シンフォギアライブに落選した時に言いたいでアリマス!




「キャァアアァァアアアアッ!!?」

おっさんが死ぬのは既定路線だったが、一般人の未来にとっては大事件。
絶叫の後に気を失うのだった。
ある種、新鮮な反応だが……一般人が剥き出しの死と向き合えばこうなるのは当たり前か。
実際、おっさんだからあまり感じないが頸動脈一閃大量出血とかなりエグい殺し方をしている。
そして、おっさんの死体は緑の炎に包まれる。
証拠隠滅のための錬金術だろうか。
死体の痕跡がまったく残っていないから鑑識の捜査をも欺いているし、けっこう高度な錬金術なのかも。





ミラアルクは超格好いいポーズをキメる。
実際、超格好いいな!
おっさんの死はエルフナインにとっても強烈だったのか、未来に続いて気を失うのだった。
なお、この時点で未来のスマホは壊れている。 落としたらサクッと壊れることはあれどゴリラガラスの恩恵で落としただけではなかなか壊れないのもスマホ。まして2040代なら強度も現代の基準を遙かに上回るだろう。
やっぱり、(待ち受け画面の)証拠隠滅のために気を失う前に全力で叩き割ったんじゃあ……





「そうだ、未来さん……」
「未来さんはどこにいるんですかッ!?」
「――未来さんッ!?」


「用済みと判断された彼とは異なり、彼女はまだ生きている」
「生かしているでアリマス」


おっさんの死を認識したエルフナインは未来の行く末を気にかける。
未来はヴァネッサが準備していた場所にあった寝台の上に寝ていた。
近くにはシェム・ハの腕輪がある。その周辺には神獣鏡の破片も置かれている。
ダブルでヤバいアイテムを揃えている。
あ、あの、小日向未来はその二刀流をできるんデスけど……
神獣鏡は聖遺物殺しなんですけど……メイドとか振り袖とかのコスプレをするためのアイテムじゃないんですけど……

しかし、おっさんは用済みって。
やっぱり、訃堂の言ってた務めを果たせぬ人間っておっさんだったんだな。
逃げ出したとはいえ尻尾を掴まれていたし。
って、おっさんのやったことって難癖付けただけじゃねーか! どんだけ用がなかったんだ……そして、その少ない用を無難にこなせなかったおっさんとは……




「まさか……バラルの咒詛から解き放たれた未来さんを使って……ッ!!」

「そのまさかだゼ」

あっさりバラした! あっさりバレてた!
ミラアルクの狙いはエルフナインだったが、未来さんも候補にあったようだ。
一般人だからさらうだけなら簡単だから優先度が低かったのか?
ともあれ、未来さんの浄罪はノーブルレッドの知るところであり、つまりは訃堂の知るところでもあった。
この辺の情報を手に入れるための査察だったのだろうか。




「そして、やってもらうことはお前にもあるんだゼ」

「今はあなたが使っているキャロルの身体を使って起動して欲しいものがあります」

「キャロルの……まさか、チフォージュ・シャトーをッ!?」
「それは無理ですッ!」
「例え起動できたとして、ヤントラサルヴァスパもネフィリムの左腕も失われた今、自在に制御にすることなど絶対にッ!!」


「落ち着けって」
「そうじゃないんだゼ」


エルフナイン、けっこうガバガバ。
どんどん情報を漏らしていく。
少しくらいは情報を隠して情報を探ろう。
ともあれ、あの好き勝手にやるシンフォギアXDでもロクに扱われなかったキャロルについて触れられる時が来たようだ。
ついに……ついに……!

が、意外にもチフォージュ・シャトーを動かすつもりはないのだった。
ミラアルク、妙に素直に言葉を返している。
こっちが素? 隙だらけのエルフナインによって隙を晒してしまった?






「あなたに起動してもらいたいのはこちらでアリマス」

ここで謎の棺や謎のジェネレーターっぽいものが映し出される。
ライトで照らすと風鳴機関、けっこう頑張って準備したようだ。
さすがは訃堂の膝元だけあり組織力は侮れないものがある。





「まるで何かのジェネレイター……」
「こ、これは……ッ!?」
「あなたたちは一体何を企んで……ッ!!」


って、真後ろかい!?
棺に入れられているのはおそらくは廃棄されたオートスコアラーだろうか。
ボロボロなことから試作機か。
そのオートスコアラーの群はまとめあげられジェネレーターに繋がっている。

神の力は浄罪された人間だけでなく人形も宿すことができる。
ティキとアダムの左腕がそれを実践している。
なので、神の力をこのオートスコアラーたちに注いで最強防人軍団を結成する気か?

神の力は依り代を破壊(ディバインウェポン)、あるいは形を保てなくなる(破壊神ヒビキ)と別の依り代へと移ろうとする性質がある。
訃堂の目的は神の力を未来に宿した後に殺して、溢れた力をオートスコアラー軍団に移し替えること……?
響の怒りは無論としてアヌンナキの怒りも買いそうな罰当たりな作戦である。
そして、高性能量産型は一気に駆逐される運命である。
メタルクウラみたいにな!




「どこまで墜ちていくのだろう……」
「何とかしないと……響に心配かけちゃう……」
「そうだ……わたしは響と仲直りしなくちゃいけないんだ……」


さて、精神世界へダイブする未来さん。
前回、キレた未来だったが申し訳ない気持ちも同居していた。
この仲直りとはどこにかかっているのか。
デートを台無しにしてしまったことか、あるいはライブのわだかまりを解決したいのか……





「あなたは……」

やべえ! そっち人間じゃないゾーンだ!
アヌンナキは現代世界に2人しかいない依り代の一人と出逢ってしまった。
グッドラック、ルルアメル。ハロー、カストディアン。
アヌンナキは手を広げ迎え入れようとし、未来はその光へと向かっていくのだった……





「非戦闘員の仲間を巻き込んだ一件……衝撃は大きかったはず」
「まさか、あの時、神獣鏡の光を受けた二人が原罪を解かれた人間、神の力の依り代になりうる存在だなんて」


一方、防人菌が移ったのか、トレーニングに勤しむマリアさん。
AXZのOPで披露したボクシングである。漢字で書くと撲針愚。
翼に手を伸ばしたらはねのけられたのは精神的にキツい。
有事に備えるというよりもその痛みを忘れるためにトレーニングしていそうだ。

というわけで、装者たちは浄罪の件を聞かされたようだ。
響と未来の浄罪にはマリアが関わっている。 フロンティア浮上のために絶技と称される手腕で神獣鏡ビームを束ね、それに響と未来が突っ込むことで浄罪が行われた。
マリアは響を救った一因であると同時に未来を苦難に巻き込んだ一因でもあるのだ。
マリアとしてはそこも気になるところなのだろうか。




「それを誰もが受け止め、強い心で乗り越えようと務めている」

自分と妻……あいや、友達が特別な存在になった。
一番困惑する立場にいるであろう響だが、受け止めようとしているようだ。
自分の命の危機も上手く受け止められなかったGの頃からの成長が窺える。
同時に神の力は血涙級の大事件かつサンジェルマンの助力があってどうにか抑制できた大事件。
さらなる戦いの幕開けを匂わせるのであった。





「ダメだな、私は……」
「苛立つ翼に差し伸べる手すら持っていない……」


対してこの状況を受け止めきれていないのが翼のようだ。
そんな翼に何もできない。
だからこそ、マリアはトレーニングに邁進しているのだろう。
まぁ、手を差し伸べたんですけどね! 防人が振り払ったんですけどね!
一つの不和がいくつもの不和が生み出していく。
敵としても味方としても死線を共にし唄い合い理解し合ったマリアと翼の間にも不和が走るのだった。






「仲違いくらいセレナとだってしたことがあるのに……」

ここでセレナがログイン。
すっかりロリセレナがデフォルトになりましたな。
仲が良い姉妹という印象であったが喧嘩になることは多かったようだ。
とはいえ、お互いに敵意剥き出しというよりもセレナが怒ってマリアがなだめている形だ。
人物像がほとんど描かれていないセレナだが、けっこう頑固なタイプなのであった。




「いつだって二人の間には歌が流れていて、仲直りするのに言葉なんていらなかったわね」

しかし、Appleがあった。
Appleを唄っているうちに仲直り。
そのAppleには不思議な力があることが示唆されている(用語集)。
G以後、一切触れられることもなければ唄うことさえなかったAppleについにスポットライトが……!


「このフレーズ、最近どこかで聞いたような……」

というわけで、久し振りにAppleのフレーズを口ずさむ。
昔は頼まれてもいないのにたくさん唄ったのに……
未来さんとか捕まったと思ったらAppleを聞かされるとかわりと反応に困ることされたぞ……
と、口ずさむと同時に何かが思い当たるのだった。
やはり、シェム・ハの腕輪……?






「調査結果はこの中に収めています」

「たしかに受領いたしました」

「疑いはまだしも、証拠となるものを持ち帰られるのは不味いかもね」

今日も地味に頑張る緒川さん。
ノーブルレッドのアジトから見つけた歯車状のパーツとその調査結果を受領していた。
一方、それを見張っていたヴァネッサ……
緒川さんが狙われる!? 殺される!? 如何にニンジャとて超常相手には分が悪い。事実、フィーネには圧倒されていた。
ここ最近は不安にさせておいて全然普通に平気というネタばかり使っていたが、直接的な危害が及ぶのなら不安ががが……





「二人共、聞こえて」
「警戒監視網にてS.O.N.G.の動きを捉えちゃった」
「私たちと風鳴機関の繋がりもバレたみたいだけどどうしよう?」


「位置は把握しているでアリマスね」
「だったら迷うことはありません」


「やっぱそうよね」
「ここはお姉ちゃんとして強襲、しかないわね」


「神の力の具現化はウチらで進めておく」
「そっちは任せたゼ」


ガンダムヴァネッサ、行きます!
緒川さんを口封じのために殺そうとするのだった。
ひ、ひいい……!
ニンジャでも人間! 錬金サイボーグには分が悪い!
ここまで平気そうにしていたのは今回のための前振りだったのか……!
無理! α式・百輪廻で逃げ場をなくされた時と同じくらい無理!






「間違いないのだな」

「はい、技研による解析の結果、廃棄物処理場で取得した物品は119.6%の確率でアンティキティラの歯車とのことです」

「冤罪ロジック構築可能な数値で本物と立証されてしまったか」

「先だっての事故で失われたはずの聖遺物が敵のアジトにて発見される……」

「あの件に関して保管物品強奪の報せは受けていない」
「遺失を装い横流しされたと考えるならば……」


「護災法施行後、国内の聖遺物管理は風鳴機関に一括」
「司令の懸念通り、やはり鎌倉とノーブルレッドには何らかの繋がりがあると見て……」


119.6%の確率でアン・ティキ・ティラの歯車と同じ……冤罪ロジック構築可能……
金子のおっさんの会話は高度な教養を強要してくるから困りますね。
ともあれ、外部にパーツを付けているので気付きにくいのだがアンティキティラの歯車だった。
ティキの動力源かと思ったが他の運用もできるのだった。
歌なしでシェム・ハの腕輪を起動させることができたのもアンティキティラの歯車あってのものか。
具体的な機能については解説されていないので次の用語集を待とう。

行方不明のアンティキティラの歯車がノーブルレッドの手の内にあった……
聖遺物の管理は風鳴機関がやっている……
つまり、第1話のティキの調査中の爆破は事故ではなく事件。
アンティキティラの歯車を秘密裏に強奪するための作為。
訃堂の計画はあの段階で既に蠢いていたのだった。 こうしてついに訃堂とノーブルレッドの繋がりが確定した。
XVになってからどうも弦十郎が浮かない顔を浮かべることが多かったのは、実の父を疑わざるをえなかったからか……




「どうしたッ!?」

「敵襲ですッ!」
「おそらくは証拠物品を狙ってと思われますッ!!」


そんな緒川さんにヴァネッサが立ちはだかる。
物的証拠がなければ訃堂に握り潰されるだけなのだろう。
あ、あかん……このままでは緒川さんは真実を伝えるものの、それが証拠とならない流れや……
あかんて、これ……






「せっかく誘ったのにつれないわ」

というわけで、おっぱいミサイルで一台撃破。
わりとあっさり死ぬ黒服。
ちょ、超常に常人が勝てるわけないんだぁ……
もうダメだぁ……お終いだぁ……






「応援は既に手配している」
「到着まで振り切ってみせろッ!」


「そのつもりですッ!!」

ヴァネッサはホバーモードでドムになりながら追撃。
フィンガーバルカンでもう一台撃破する。
ドムなのか、グフなのか、ハッキリしたまえ。
ともあれ、戦力差は絶望的。
頭文字Dに出てこれないような車で逃げ切れるわけがないんだぁ……
やめろ! 勝てるわけない! あいつは伝説のノーブルレッドなんだぞ!




というわけで、得意の腕ミサイル。
かろうじて緒川さんはこの2発を回避する。
だが、強運は平運に非ず。
不運と踊るんだぁ……





今度は膝ミサイル。
緒川さんはトライダガーXになってかわす。
な、何か急激に何とかなる気になってきたぞ!
こういうミニ四駆みたいなおかしいかわし方をしたのならやり過ごせる気がしてきたぞ!





「――行かせない」
「スイッチオンッ! コレダーッ!!」


ミサイルがダメなら電撃。
後ろからダメなら死角となる真上。
マッハバロンを始祖とするコレダーだ!
こ、これはヤバい、かもしれない!
ミニ四駆になるだけだとかわせないかもしれない!




あのね、小生、未来さんのことは全然心配しなかったけど、緒川さんのことはけっこう心配したんですよ……
アタッシュケースを持っているバメンシャとか、どうみても狙われるし不安だったんですよ……
死ぬまでいかずとも大怪我するんじゃないかって……
そのアンサーが忍法車分身とか心配して損したってレベルじゃないんデスけど!
この忍者は尋常どころか超常では殺せない。最低、完全聖遺物が必要なことが判明した。



「どういうこと……ッ!?」

そりゃこっちの台詞だよ、ヴァネッサお姉ちゃん。




「現代忍法……ッ!?」

だから、しっかり分身を持続して笑いを持続させるのは止めろ。
現代忍法と即座に見切るヴァネッサも只者ではない……のか?





同時に背後から突進してくる車両が!
ダブルブーストノヴァナックルで迎撃するものの車に乗っていた二人、クリスとマリアは素早く飛び降りる。
クリス、G第9話から運動音痴だったと思ったけど訓練を重ねることですっかり人間離れしたようだ。
運転していたのは間違いなくマリアさん。クリスは……一応、免許は取れる年齢デスな。運転下手そう(偏見)




「Killter Ichaival tron――」

そして、クリスも変身バンクで前回見せなかったラピスを披露!
車分身のインパクトが強すぎて思わずこのことを忘れちゃったけどな!


「鼻をくすぐるGun powder&smoke――」

「Take this! “All loaded”」と共に勃発!
まずはハンドガンで仕る。
最近のクリスはハンドガンの頻度が増えてガトリングの頻度が減った
市街戦だからか?
いやー、市街地のことを考えてあえて火力を抑えるなんてまるで防人みたいだなー! さすが後輩!






「何ですって……ッ!?」

その弾丸は軌道を変更してヴァネッサに襲いかかる。
まさかの変化球にヴァネッサは驚くって軌道変更くらいで驚くのはけっこう今更感がある。 驚くならせめて車分身くらいにしてもらわないと……
ともあれ足を止めてバリアで対処。



「隙だらけェエエェェエエッ!!」

しかし、今回は2on1。
クリスが足を止めてマリアが突っ込む!
さすがAXZ第8話で力を合わせて戦ったコンビだけあって見事な役割分担だ。
勝ったな! キャラソン聞いてくる!




隙wwwwwwwwwwwwwwwwだwwwwwwwwwwwwwwwwらwwwwwwwwwwwwwwwwけwwwwwwwwwwwwwwww
ごめん、マリアさん……
威勢良く隙だらけって突っ込んだら、隙だらけの背中に撃ち込まれるのはメチャクチャ面白かった……
ジオングみたいなこともできるんですな、ヴァネッサお姉ちゃん。
やっぱりジオングはジオンの傑作! Sラン!




さらに大人気のセグウェイノイズをばらまく!
隙だらけじゃないぞ!






セグウェイノイズさーん!?
雪音の新技、セックスピストルズ……じゃなくて「HORNET PISTOLS」の餌食になるのだった。
「HORNET PISTOLS」、クリスのアクションが格好いいのは大変よろしいのだけど、これに撃たれるためだけに出てくるとは……
セグウェイノイズさん、見事な死に様であった。




「何度も卑怯な手を使ってッ!!」

しかし、戦術的な意味がなかったわけではない。
時間稼ぎしている間にトラックに取り付く。
つまりは人質である。 ダイダロスの迷宮を砕けない雪音の火力を封じたワケダ。
これにはマリアさん、憤慨。
さすが人質を取ったのに人質を解放した性善説の女である。


「緒川さんの戦線離脱を確認しましたッ!」

一方で緒川さんの離脱を確認。
無事に一命を取り留めるのだった。
むしろ、どうやって殺すんだ、アレ。
翼もマリアも怪我を負ったライブの惨劇をノーダメージで生還した人だぞ……?




「証拠隠滅は失敗……」
「こうなったら装者の足止めくらいはしておかないとね」


さて、トラックに乗って爆走するヴァネッサをどう追いかけるのか。
イチイバルもアガートラームも機動力が高いわけではない。
そこでアンサーは車を飛び乗って接近!
お前ら、一時停止しろ!
人が上に乗っているのに運転するのはルールで禁止っスよね。
やっぱ怖いっスね、シンフォギアは。





「また一般人を巻き込むつもり」

「ご名答♪」

「――そうはさせないッ!!」

当然、一般人を人質に取られている状況。
不利なのは装者たち……だが、マリアは意に介さず弾丸を捌く。
アガートラームのディフェンス力はかなりのものだが、GNシールドビットだけでなくアームドギアによる守護も可能!
さすがの対応力であった。
俺が一般車両を守護らねばならぬ。
こんなことになってもブレーキを踏まない一般車両はちょっと最速の彼方を追い求めすぎである。






「それがアガートラーム」
「妹共々、よくその輝きを疑いもせず身に纏えるわね」


「………………ッ!?」
「どういう意味ッ!?」


「イラク戦争の折、米軍が接収した聖遺物の一つ」
「シュルシャガナやイガリマと異なり、出自不明故に便宜上の呼称を与えられた得体の知れない謎のギア」


「………………ッ!!」

ここでヴァネッサはアガートラームに触れる。
一部適合者はアガートラームなんて謎が当たり前だろうと思っていたが、その謎にも触れるのがXVのようだ。

さて、イラク戦争。
現実ではわりと最近のことだがシンフォギア世界では30年以上前の出来事だ。
そんなイラクにはある神話がある。
バベルの塔が建てられた場所(バビロン)がイラクの地なのだ。
曰くありまくりじゃねーか!
なお、バベルの塔を建てようとした場所はシンアルの野とも言う。
さて、フィーネは無印第11話でシンアルの野にあの御方に届く塔を建てようとしていたと供述している。
で、XV第1話プロローグの舞台はシンアルの野だと公式の第1話あらすじで述べられている。
曰くありまくりじゃねーか!



さらにバックに浮かんでいる銀の左腕の手甲の形状……
第1話のプロローグに出てきたエンキの手甲に酷似している。
まさかエンキの失われた左腕がアガートラームの原型……? エンキはフィーネと情を交わしたとあらすじで触れられていた。
そのエンキの腕をシンフォギアに加工したフィーネの胸中とは……
いや、エンキの腕だとわからなかったから謎の聖遺物とした……?




「――なんて♪」

「あぁあぁああああッ!!?」

一瞬で考察勢になった(かもしれない)マリア・カデンツァヴナ・イヴ。
その隙をミサイルで吹っ飛ばす。
ひ、卑怯! 思わせぶりなことを言って気になったところでブッ飛ばすのは卑怯!
ヴァネッサはこうした不意打ちが好きですな。
しかし、この辺の事情にも詳しいのは何故か……
訃堂の情報提供か、あるいは。






「あいつら得意の搦め手だッ!」
「揺さぶりに付き合ってペースを乱されるなッ!!」


「ええ、これ以上隙にさせないッ!!」

しかし、そんなマリアをクリスは手を掴んでカバーする。
翼に伸ばした手を振り払われたマリアだが、そんなマリアに手を伸ばしてくれる仲間もいるのだ。
熱い場面である。そして、あのクリスが自分から手を伸ばして仲間の危機を救ったのが泣ける。
さすがクリスが唯一名前で呼ぶ装者だけのことはあるゼ……
二課+F.I.S.の組み合わせはこうした普段見えにくい熱い絆が見えるのがイイネ!



「世界の果てを見せてくれェッ!!」

そんな熱い場面の直後に面白い言動で笑わせてくるのがシンフォギア。
股間見えてるからいーじゃん。






「それじゃこんなのはどうかしら?」

ヴァネッサの次の搦め手は橋の破壊。
当然、後続車にとっては命に関わる一打だ。
人命救助が第一のS.O.N.G.としては見過ごせない。
ひ、卑怯者……超ウケる。




「あいつの相手は任せたッ!」

「了解ッ!!」

ここで役割分担。
すいーっと車が落ちていくのにちょっと笑ったけどちゃんと声かけしているのが心強い。
さすが巨乳コンビ! お互いが信頼しているのがわかる! 付き合いがそこまで長くないのにしっかり動いている!
どこぞの貧乳は付き合いの長い人の話を聞かなかった上に暴走して町を破壊したからな!
い、いや、あの貧乳、ここまで下げたのなら今後大復活してくれると思うゼ……(フォロー)






「あなたたちが不甲斐ないから余計な被害者出ちゃったかも」

ヴァネッサは面白いポーズで射撃するもマリアは構わず突進していく。
ミサイルをかわしているけど背後大丈夫ですかね?
ともあれ、白兵戦の距離に持ち込むが飛行でかわされてしまう。
近寄られたら高飛びで戦況をリセット。まるで某ガンダムゲームみたいな立ち回りだぁ。
そして、高みから煽る。
後続の車両はかろうじて(今更)止まったものの世界の果てを見たい車は橋の下に落ちてしまっている。
しかし、ここまでしてやっと止まるくらいなら、いっそ橋の切れ目もジャンプで乗り越えればいいのに。



「繋いだ手を引っ張るくらいにゃなった――」
「何ですって……ッ!?」

だが、雪音クリスは成長している。
戦場の中でも目の前の命を捨てることなく繋いだ手を引っ張れるようになった!
得意のミサイルでホバリング、車を持ち上げて人命を守るのだった。
見事な機転でありとんでもない握力である。
これにはヴァネッサも驚くっていうかお姉ちゃんさっきから驚きすぎ。 車分身はヴァネッサの精神に多大なダメージを与えた……?






「けれど弱点を抱えてるも同じッ!!」

隙だらけ事件で泥にまみれたマリアだったが、フィンガーバルカンによる攻撃は既に対策済み。
なので、今回もしっかりと守護る。
ヴァネッサの人質狙いは苦し紛れの安易な選択という感じで戦術レベルに組み込んでいたミラアルクと比べると悪辣度が足りない。 ならば防ぐことは容易いのであった。
この辺が悪としての覚悟の差であろうか……





さて、マリアが接近戦を仕掛けたことでヴァネッサは飛び上がっている。
先ほどまでのトラックは乗り捨てている。
つまり、大火力のチャンス! 雪音の大火力の「MEGA DETH PARTY」!
雪音、それ、必殺率メチャ低い!
効いた相手、未来さんくらいなんですけど!
防人につい最近煽られているし!
なのでバルカンで迎撃されてしまう。






「最大出力ッ!!」
「狙いが大雑把過ぎるわッ!!」

だが、小型ミサイルは囮。
本命はホバリングに使った大型ミサイル!
こっちのミサイルは当たれば強い。キャロルを追い詰めレイアを仕留めている。錬金術士特攻あるな。
だが、こういうのは弾速に劣る調整が施されるのがロボゲーの王道。
ヴァネッサにはあっさりとかわされてしまうのだった。
なお、四つん這いになって撃ったのでドライバーには股間の果てに見えていると思われるでアリマス。






「食らいやがれェッ!!」

だが、外れたと思ったミサイルをまさかマリアが軌道変更!
仕事も恋もレバー操作は簡単と 嘯いてきりしらに心配された 豪語するマリア・カデンツァヴナ・イヴ。
ミサイルの操作もできる!
即興ながらも見事な連携であった。
ユニゾンに頼らずとも心を合わせることで必勝の一撃を生み出すことはできるのだ。
ところでロックオンスナイプとかじゃダメだったんですかね? FPが足りなんだか……





意表を突かれたヴァネッサは必至に迎撃する。
何とか直撃は避けるが……爆風に吹き飛ばされてしまう。
クリスの大型ミサイルは直撃すればオートスコアラーでも殺す。
直撃ではなかったものの決着には十分なダメージだろう。




「プチョヘンザだッ!!」

「未来とエルフナイン、連れ去った二人の居場所を教えてもらうわッ!!」

おう、雪音。
さっきまでメチャクチャ格好良かったのに面白いこと言うなし。 プチョヘンザは「put your hands up」、両手を上げろを日本語で無理くり言ったことである。
つまり、降伏を迫っている。
必要とあらば必殺は侍さないが、それでも可能な限りは交渉を試みるのがS.O.N.G.。
防人は悪行即瞬殺しようとしたけど、その防人もかつてはキャロルに降伏を迫っているんデスよね。
どうしてこうなった。そりゃこうなるか……






「何だッ!?」

「チフォージュ・シャトーッ!?」

「マテリアライズ?」
「だけど早すぎる……?」


しかし、その時、チフォージュ・シャトーが奇怪な音を奏でて光を発する。
この展開は計画を進めている本人、ヴァネッサも想定外だった。
いや、アンタ、ミラアルクでも進められるほどには準備してたやん……
そこまで進めれば訃堂に横取りされてもおかしくないやんけ……! ここに至るまでそんなに見せていなかった、むしろ、けっこう有能だったのに、残念属性、ついに発揮か……?





「何が起きている……?」

「やっぱりこの歌、私の胸には『Apple』のようにも聞こえて……」

マリアの既視感(既聴感?)はシェム・ハの腕輪から発しているであろう音がAppleに似ていることに由来するのだった。
え、えーと……言われてみればそうかも! 秋津洲かも!
だが、ノイズ混じりのせいか、Appleとは真逆の禍々しささえ漂わせている。



そして、チフォージュ・シャトーの直上にはかつて響が神の力を纏った時のような繭が顕現する。
どうみても、未来さん……だな。
訃堂が計画を勝手に実行したのか、あるいは未来さんがシェム・ハの腕輪の、アヌンナキに応えてしまったのか。
形状は響と似ているがあの時は神殺しの力によって不完全体として顕現している(用語集)。
だが、未来さんには神殺しの力はない。
つまり、未来は神の力本来のスペックを存分に発揮できるということである。
こいつはヤバい。誰かを困らせる気満々やんけ……

ともあれ、ついに未来が神の力を纏ったのであった。
XVも中盤を迎えたことでついに正念場を迎えた。
これで何かその辺のオートスコアラーが神の力を纏ったとかだと笑う。 次回へ続く。