刃牙道感想 第90話「超実戦」



あのガイアが本部の弟子だった!
マジっすかぁ!
マジっすかぁ!?
マジだな!
……マジかよぉ……



ガイアは本部の道場へとやってくる。
道場の看板は「古流武術錬成道場」だ。
うーむ、中二心が揺さぶられる看板ですな。
意外と本部流の門を叩く人は多いかもしれない。
守護らねばとか言っている道場主にはあまり近付きたくないが。

道場には多くの武器が飾られている。
危険物ばかりである。
ちゃんと所持の許可は受けていますか?
守護るじゃ警察は通せませんよ?

そんな数々の武器をガイアはカッコイイと誉める。
本部じゃなくて武器を誉める。
無駄を排除した機能美がガイアの心に響いたようだ。
でも、現代の戦場で槍とか鎖鎌はとてもじゃないが使えんぞ?
本物の軍人のガイア視点からは基準を満たさないようにも思えるが……

ガイアは道場に何度も訪れたことがあると言う。
どうやら本気で本部の弟子らしい。 本部流を学んでいたのはガイアじゃなくてノムラじゃないかね。
ノムラならありえる。
ノムラはあんまり強くないし。

そんなカッコイイ武器たちを前にガイアの心は躍るようだ。
意外と子供っぽいというか、ノムラじゃないかね、やはり。
何か表情もノムラっぽいし……
ガイアが目覚めた瞬間、本部は気を付けいするかもよ?
そんなガイア同様に本部も道場ではワクワクするようだ。
都内に道場を構えているだけでもけっこうな収入の持ち主だし、一国一城とやらですな。。
横綱に負けても道場は渡さんよ。

「スゴいな先生は」
「毎日来ている道場にワクワクするなんて」「いませんよそんな人」
「「天才」の資質だ」


えー! そこを誉めるの!?
ちょっと褒め方が無理矢理すぎませんか?
毎日来ている道場にワクワクすれば天才というのは無理がありませんか?
毎日来ている場所にワクワクするような人はけっこういると思うのだが……
いや、金竜山に負けた男という汚点を背負いながらも日々ワクワクしながら鍛錬できればそれは天才かもしれないが。
本部は道場が玩具箱かつ安全な場所だと語る。
規則あり規律あり常識ありで屋外よりもはるかに安全なようだ。
まぁ、屋外は危険だ。
特に公園とか。
本部が誰かをボコるにせよ、誰かにボコられるにせよ。

もしかしたら本部は道場で強化される特性を持つのかもしれない。
かつて刃牙に稽古を付けていたのは道場だった。
そして、刃牙に勝ったのも道場である。
道場でこそ本部は輝く!
よし、武蔵を道場へ連れ込もう。
公園は……柳を圧倒したり鬼の貌を出させたりといいところまで行くのだが、最終的にはヘタれてしまうのでダメだ。

「ところでガイアくん」
「久しぶりだ」「立ち合ってみるか」


「先生」
「やはり道場はキケンな場所です」


狂ったか、本部!
いやいやいや、NONONO。
相手はガイアですよ。花田じゃないんですよ。 立ち合いなんて恐れ多い。
本部が勇次郎に挑むくらい恐れ多い。
ここで「ノムラくん」と呼んでいたらまだ生存の目はあったが、「ガイアくん」と言い出しているので不味い。
というか、何でエラそうなの、この人。
思えば先生と言われたことなんてこれが初めてだし浮かれているのか?
さて、デート中の勇次郎と武蔵だ。
武蔵はウィスキーを旨いと賞賛する。
武蔵の時代にはなかった酒だが、現代の技術と古来の伝統が合わさった逸品である。
舌鼓を打つのも道理か。
そんな武蔵に勇次郎は酒を入れてあげる。
これはもう上機嫌ですな……
飲み友達を手に入れて嬉しいのかも。
独歩? 忘れました。

武蔵は本部を強いと評価する。
手段を選ばないなら現代で立ち合った戦士……
刃牙、烈、渋川先生、三輪と比べても――
って、独歩いねえ! ついに三輪以下になっちまったよ!
うーむ、独歩の扱いが可哀想なくらいに悪い。
かつては実力者だったのに……
今の独歩は本部に1分で殺されるレベルなのか?
武蔵は本部をいろいろ持っていると評する。
勇次郎の脳裏に浮かぶのは煙幕だ。
まぁ、範馬親子は煙幕に一杯食わされていますからな。
そこに関しては勇次郎も同意らしく、先ほど守護った段階で短刀の他にいくつかの隠し武器を持っていたようだ。
おそらくは鎖かたびらと言った防具も仕込んでいただろう。
じゃないと武蔵の全力の一撃を受けて生きている道理はない。

そんな本部の仕掛けを見切っていた勇次郎に武蔵は満面の笑み。
うーむ、仲がいいな、アンタら。
すっかり認め合っている2人だ。
いつの間にやら爽やかな関係になりやがって。
刃牙は見習え。本部も見習え。

「奴が身につけた技術わざの数々」「悲劇と言う他ない」
「剣や槍は文化財としての価値は認められるものの」
「煙玉?」
「鍵縄」
「分銅鎖」
「忍の技術わざ 道具や武具」「いったいどこで使用つかうというのだ」


勇次郎、本部の使う機会のない武芸百般を語る。
武蔵曰く、戦国時代でも使うことは稀のようだ。
戦国時代で稀なのだから、現代となるとそんな武器を使う機会なんてなおさらない。
なさすぎて柳相手に使った時に混乱通り越して爆笑してしまったほどだ。
技術を身に付けるだけならできても、それを維持するためには日々の鍛錬が必要だろう。
弟子への指導が疎かになって、門下生がいなくなってもおかしくはない。
もしかして、本部の弟子がちっとも見なくなったのはそういうことなのか?
一体、本部は何を考えてこれらのレア技術を身に付けたのだろうか。
本部が一代で本部流を作り馬術含む武芸百般を身に付けたとしたら狂っているとしか思えない。 なので、戦国時代から本部流柔術が伝わっていると見るのが妥当だろう。
それならこんな明らかに入門者の少ないだろうに道場が存在していることに理由が付く。
なお、それでもいきなり守護るとか言い出すと狂っているとしか思えない。

「陽の当たらぬ技術 知識…」
「その全てをぶつけるに足る相手が」「眼の前へと降り立った」
「人知れず埋もれたハズの技術が」「陽の目を見る」
「あんたのお陰だ」


えー! えー!? この人、ナニ言ってんの!?
勇次郎が本部を評価している!?
本部が全力で戦える相手が出てきたことを嬉しがっている!?
お前ら、本部を中心に世界を回しすぎだ!
本部は金竜山に負けた男だぞ!
あと解説が話題に上ることが多いが驚愕も相当のものだぞ!

「優しいなあんた」

そんな勇次郎を優しいと評する武蔵であった。
これはたしかに優しい以外の言葉が浮かんでこない。
本部なんてもうちょっとオモチャみたいに扱ってもいいと思うのだが……
本部を保護ってもあまりいいことはないぞ?
世界が崩壊に一歩近付くだけだぞ?

さて、世界を守護るために本部に挑んだ男、ガイアはどうなったのか。
ここで本部がガイアにこてんぱんにやられていれば、歪んだ世界の軸は多少は修復される。
烈と五分ったとか刃牙に勝ったとか勇次郎を翻弄したとか、それによって世界が負ったダメージを修復できるわけではない。
だが、やらんよりはやる方がいい。
なので、世界の修復機能に期待したい!

「かなわんな」
「ベルトを返してくれガイアくん」


が、ダメ! ベルトで後ろ手を縛られて無力化されていた!
あ、ああ……本部がガイアにあっさり勝ちやがった……
かつて勇次郎と並ぶと称されたガイアが本部に負けた……
これによって得られた経済的効果は『本部強い』ではなく『ガイア弱い』なのが本部の業の深さが伺える。
いや、勇次郎に並ぶ才能の持ち主である花田を育てた本部なのだから必然か?

戦争じっせんなき母国日本」
「本部先生こそが戦争じっせんだ!!!」


超軍人からのお墨付きも出た。出してしまった。
本部ほど古流だと戦争では通用しなさそうなのだが、ガイアがお墨を付けてしまったのなら承服せざるを得まい。
猛烈に納得はいかないが本部が強いのがこの世界の真理なのだ。
金竜山のことは忘れよう。
いや、金竜山は試合の形式で戦えたからこそ本部を圧倒できたのかもしれない。
でも、素手かつほぼ試合形式でも本部は烈と互角にやり合えたような……

勇次郎が、武蔵が、ガイアが本部の株を上げていく。
まさに暴騰の言葉に相応しい。
肥大化しすぎた本部の株はどうなるのか。
でも、こういうの、けっこうあるよね。
力を吸収しすぎて爆発してしまうとかそんな。
次回へ続く。


本部はガイアの師匠でガイアより強い!
そこで至る答えは本部が想像以上に強かったより、ガイアが想像以上に弱かったなのだが。
じゃあ次はバキ世界最強格のピクルでも倒してみるか?
恐竜に対する狩りと様々な技術が入り交じる実戦ではレベルが違うのだ!
それで得られる結果もまた本部強いではなくピクル弱いになってしまうのだろうが。

現在の本部は強い。未来の本部も強いだろう。
だが、過去の本部は弱い。
この違和感を未だに払拭できていない。
勇次郎が、武蔵が、ガイアが本部の株を上げても無理なものは無理なのだ。
金竜山に負けたことはそれほどまでに痛手である。
なので、本部の株を正当な形で上げるためには金竜山を倒せばいいのではなかろうか。
何でもありの実戦で倒しても本部強いではなく本部卑怯になってしまうので、試合形式の素手で勝っていただきたい。
つまりは過去に戻って世界線を改変するのが求められるのだ。
それなら本部株の無理なインフレは起きないのだが、同時に本部が金竜山に負けたら刃牙世界の強さのバランスがさらに崩れてしまうのが難点だ。

いや、ここで金竜山が割り込むか?
本当の強者は本部ではない。
この金竜山なのだ!
……本部が活躍すると様々な設定に無理が出るのが難点だな。