刃牙道感想 第97話「生殺与奪」



本部が本気になった!
金竜山の時には見せなかった全力が今公園で炸裂する!
あの時に見せていたら本部の評価が変わっていたのだろうか。
あるいは反則負けだろうか。
……反則負けだな。


巧みな分銅捌きで本部はジャックからダウンを奪う。
片足が死んでいるジャックとしてはダウンは致命傷になりかねない。
そこでジャックは何をするか。
腹部に刺さった手裏剣を抜く!
……いや、痛いのはわかるが悠長というか何というか。

その隙に本部は分銅を額に叩き付ける。
さらに頬にもぶち込んだ!
柳なら頬が千切れる一撃だ。

だが、刃物ではない。
殴られ慣れているジャックなら……視界が泳いでいる!?
あー、こりゃあかん……
刃物でカウンターを食らうならまだしも、本部の力で振り回す分銅くらい平気そうだと思ったがそうでもなかった。
これが本部の本気……?

分銅2連撃で動きが止まるジャックに対して本部は突っ込む。
そして、ジャックの腕を取る。
待て! アンタは素手だと弱いんだって!
金竜山以下だぞ、金竜山!

だが、本気の本部は止まらない。
関節を極めてジャックを投げた!
この投げは武蔵が烈を投げたそれとまったく一緒だ。
武蔵の技は本部も使えるということか?
今の本部は奇妙なくらいに強いのだが、それは武蔵と関係があるからだろうか。
武蔵は転生した武蔵の魂を引き継いだ後継者だったり?
何かそれくらいのオカルトがないとこの強さは信じがたい。
本部は投げても腕を手放さず、さらに関節を極める。
刃牙が昂昇を切って落とした時と同じだ。
この技から抜けることは不可能!
克巳は片腕で起き上がって抜けたし、ジャックなら当たり前のようにできるが、今の本部は何かよくわからんけど強いので不可能!

この状態で本部は上着を広げる。
そこには様々な武器が隠されていた。
鉈のようなものや懐剣、さらには手榴弾みたいなものもある。
完全武装ですな。
そして、こんなものを仕込んでいると殴られた時に怖そうだ。 これは本部の攻めて勝つという意志の体現だろうか。

その武器の中から本部は縄を取り出す。
そして、この縄でジャックを捕縛!
さすが武芸百般、縛法を使いこなすのだった。
ジャックの力なら引きちぎれそうだが本部の縛法が見事だからか、あるいは素材にアラミド繊維を使っているのか。
ジャックは身動きひとつ取れなくなるのだった。

本部は勇次郎の勝敗を決する条件、標高が高い方が勝利者という言葉を持ち出す。
この理屈で言えば本部はジャックに勝利している。
勝利しちゃっている。
こんなジャック、見たくなかった……あと本部も見たくなかった……
どちらかと言えば解説しているアンタを見たかったです……

「だが―――俺の見解はやや異なる」
「生殺与奪」
「殺すも自由 生かすも自由」
「生殺与奪の権を」「先に手にした者」
「それが動かぬ勝利者だ」


本部はさらに生殺与奪を握った者こそが勝利者だと言う。
その権利を得るためには完勝が必要であり、五体満足で勝利する必要がある。
つまりは生き残るということである。
まさに武そのものだ。
本部以蔵は武そのものなのだ!
金竜山にゃ負けましたけどね。

本部はジャックの眼前に短刀を突き刺す。
ジャックの心は完全に折れているのか、モロにビックリしてしまう。
フィジカルは100点満点だが精神的に脆さがあるのがジャックだ。
その点で本部はフィジカルを完全に捨てて武器と駆け引きに特化していたため、ジャックとの相性が最悪だったかもしれない。 とはいえ、本部がジャックに勝つなど出来の悪い悪夢としか……

「議論する気はねぇ」
「―――――が必ずお前は守護まもる……!」


 本 部 守 護 完 了
こうしてジャックを守護った本部だった。
どこが守護だよ、メチャクチャ怪我してんじゃねえかと思うところだが、武蔵と戦えば殺されていてもおかしくはない。
ちょっとジャックさん、迂闊すぎ。
もうちょっと慎重になって。

ガイアくらいなら無傷で優しく守護れるところだが、ジャックの戦力は最大級だ。
本部もここまでやらないと守護ることができなかったのだろう。
殺されるよりはマシかもしれない。
が、本部に負けるのは殺される以上の屈辱だ。

ジャック範馬、命は取り留めたがキャラクターとしては死んでしまったかもしれない。
あと身長伸ばした意味とは。
やっぱり巨漢は噛ませ犬じゃないですか、ヤダー!

さて、後日の神田川。
去年の暮れ辺りから神田川の鯉が消えたようだ。
神田川の鯉は水質改善の一環として放流されたものだ(豆知識)

その鯉がいなくなるのには当然理由があった。
それは神田川に潜む謎の巨大生物!
船よりもデカい。
デカすぎだが、まぁいつものことですな。

これはワニか?
サメと並んでB級映画を賑わせるワニか?
というか、この流れで野生生物かよ!

超弩級の野生生物……
そうなるとやはりピクルの出番だろうか。 ついにピクルも武蔵戦線あるいは本部戦線に割り込むのだろうか。
本部というか武器に負けるピクルはあまり見たくないが……
武器万歳の風潮に抗えるのはもうピクルだけかもしれないが……
にんともかんとも。

いや、野生生物に本部をぶつけるのをいいかも。
本部が守護るのは現代の戦士のみにあらず。
この本部が地球を守護る!
それくらいやれば本部の好感度が上がるかも……
次回へ続く。


本部がジャックに勝った! もとい守護った!
試合に負けて勝負に勝つというグレーな勝ち方ではなく、文句のつけようのない勝利だ。
あ、あまり嬉しくねえ……

ジャックまで本部に負けた。
我々は一体何を信じればいいのだろうか。
本部か? 本部を信じればいいのか?
それともこんな本部を倒した金竜山は超弩級の強者なのか?

激勝した本部だが恐ろしいことにまだ武器を残している。
武蔵との戦いではそれを解放するのだろうか。
武器をたくさん持てば強いとはならない。
武蔵だって烈との戦いでは大小だけで挑んだわけだし。

だが、本部は武器の数を強さに直結させている。
アーマード普段着の特殊能力に装備している武器全てのパラメーター補正を同時に受けられるというものがあるかもしれない。
これで本体のレベルが低くとも実際の能力値は大幅アップ!
本部の強さは装備あってのものかも。
つまり、花田でも武装すれば強くなれる。

本部は武器の扱いは超一流だ。
その上で疑問なのは体術も一流の基準に達していることだ。
前回、ジャックの猛ラッシュから逃れたように!
今回、ジャックを投げたように!
やっぱり、アーマード普段着の特殊効果か?

いまいちと思われたキャラが再登場した時に強さを見せつけ、再評価されることはままある。
バキでは昂昇やガイア、克巳がそれに当てはまるだろうか。
今ではこれらのキャラは一定の評価を得ていると思う。
だが、本部はどうも再評価に至らず、強いのがおかしいと思ってしまう。

やっぱり、金竜山に負けたことと武器ばかり使う汚さがいかんのだろうか。
今の本部は強い。
強いが応援したくなる強さではないか。
武術家としては一流だが人生設計がヘタクソなのが本部かも。
だから、門下生の数が少ないとか……

ともあれ、殺す気満々だったとはいえ、本部はジャックを守護った。
このやる気を烈の時に見せて欲しかった……
強さを見せつけたのはいいのだが、見せつけるほどに烈を守護れなかったのは失態として際立つぞ。
無論、金竜山の一件もだ。 ……やっぱり、人生設計はヘタクソだなー、本部。