刃牙道感想 第106話「手四つ」



武蔵がピクルと力比べだ!
ゴリラと力比べをするようなものだ。
自殺行為以外の何でもない。
何でもないが、刃牙道の世界は本部を中心に異変が起きている。
なので常識に囚われてはいけないことはたしかだ。
特に本部が弱いと言う常識には!


「最大の恐竜期「白亜紀」をして最強の座を掴み取った」「握力とッッ」
「生の青竹の節を一瞬にして粉砕してのける」「あの握力とッッ」
「どっちが強ぇえ!!!?」


ピクルと武蔵の手四つが始まる!
白亜紀最強の握力VS戦国最強の握力!!
……すまん、スケールに差がありすぎると思う。
青竹というのは、何というか、竹刀だから伝説の侍にも負けないという感じでちょっと……

だが、思えばピクルに握力自慢描写はなかった。
精々、花山と互角だったくらいだ。
つまりは最上級の握力表現である。
……握力自慢ではないけど花山に匹敵するくらいの握力はあるのだった。

ともあれ、まるで武蔵に勝ち目が見えない。
だが、武蔵にはピクルタックルのダメージがまったくない。
こんな今までの常識が通じない相手が武蔵なのだ。
常識が通じないから遠慮なく殺す。
そんな相手に如何に作中最強クラスの必殺技と言えど通じる道理はないのだ!
今なら本部だってピクルタックルに耐えるに違いない。
よし、試してみよう!

だが、武蔵とピクル、まさかの互角!
この壮絶な握力勝負に精神が死んでいたペイン博士も注目してしまうほどだ。
だが、ピクル側としては掴むことはあっても掴まれることはなかったようだ。
恐竜の手は掴むことには不適切だからだ。
だから、思い切り握ってくる武蔵に面食らって本来の力を出せていないのか?

何にせよ武蔵の握力はピクルに匹敵する!
フィジカルにおいて並ぶ者のいないピクルに対抗できただけでも偉業だ。
しかし、満を持しての登場だけどピクルに見せ場がないですな。
ちょっと寂しい。
いや、本部に大敗北したジャックよりはマシか……

「この人は――」
「オレを大好きなんだ!!!」


ピクルにとって握ることは好意の証。
つまり、武蔵もピクルのことが大好き!
見せ場があまりないピクルだがこの辺はブレないのであった。
たしかに武蔵に一目惚れしたし、ピクルの戦士を惹き付ける魅力は健在だ。
これには思わずピクルもスマイル。

だが、武蔵は武士。
ピクルに一瞬出来た隙を突いて頭突きを食らわせる。
壁を踏み台にすることで勢いを増している辺りに技を用いている。
しかし、侍が頭突きとは……
さすがの武蔵と言えど壁に追い詰められ掴まれた状況で使える武芸はなかったのだろうか。

この頭突きにピクルは鼻血と涙を流す!
馬鹿な!? ピクルに打撃がこうもあっさりと効いている!?
と思ったもののバキ世界における頭突きの破壊力は不思議と高い。
オリバは必殺技として龍書文を切って落としたし、寂海王の頭突きも烈に鼻血と涙を流させている。
刃牙も頭突きでオリバを倒している。
なので、最適のタイミングで打ち込めばピクルにも十分な効果を発揮する! ……のかも。

頭突きを食らいのけぞったピクルは手を離しダウンする。
こうして武蔵が馬乗り、マウントポジションを取った。
マウントポジションからの攻防は現代格闘技ならではのものであり、その存在は格闘技においては革命とも言える。
武蔵の武芸百般はマウントポジションさえ抑えているのか?
とびきりの野性もマウントポジションの前には為す術もないのか?

ピクル、格闘技的に大ピンチ。
そして、マウントポジションでいいようにされたらキャラクターとして大ピンチ。
武蔵がマウントポジションの攻防を完璧にやったら設定的に大ピンチ。
空前絶後の大ピンチのまま、次回へ続く。


ピクルタックルも握力も武蔵には通じない!
ピクル編の時のピクルは強すぎたくらいだが、今はその影も形もなくなっているような……
刃牙との戦いで能力値を下げられてしまったのだろうか。
妖術は全パラメーターを下げるのだ!

ともあれ、武蔵はピクル最大の武器であるフィジカルを真っ向から受け止めている。
こいつはとんでもないことですよ。
まぁ、握力に関しては武蔵の長所でもあるし、互角にやり合うのはわからなくもない。
が、ピクルタックルがノーダメージなのはどういう仕組みなのか。

刃牙とジャックには完全に逸らされていたので、ピクルタックルの後の攻防に備えて全力でやらなかったのだろうか。
ピクルはアホの子だけどバカではない。
戦いの中で学習するだけの知能はあるし、勝つためなら今まで使わなかった技を使うようなある種のみっともなさであり聡さを備えているのだ。
武蔵ほどの強者が相手ならピクルタックルは決定打にならないのは明白。
これを囮に捕まえて捻りつぶす! ……というのが狙いだったりして。

こういう時に本部の解説が欲しいところだが、今の本部、あまり愛されキャラじゃないのが難点だ。
戦えばいまいちで知識の生かし方もわからないパッとしないおっさんが、こと解説に関しては作中最高にして最強というギャップが本部のストロングポイントだった。
普段は天然ボケの娘が戦車に乗り込めば優秀な指揮官として皆を引っ張るようなもの、つまりはギャップ萌えである。
そんな本部が普通の実力者になってしまえば、ギャップがなくなって萌えられなくなりますよ。

逆に考えれば解説をダメにすることでギャップを生み出してしまえば再び本部萌えの時が来るか?
アレとかコレで試合を説明する不器用かつワケワカラン解説を本部が行う!
ピクルの体当たりに武蔵が耐えたのはアレだよ、こう、コツがあって、コレをこうやってこうしたんだよ、みたいな感じで。
河川敷で野球観戦しているおっさんレベルの解説力が本部を救う! ……かも。