Prologue ジェット編 <冒頭イベント> 【いつか朽ちゆくモノ】 [画面中央テロップ] 運命《うんめい》の交差《こうさ》より、遡《さかのぼ》ること1週間《しゅうかん》―― [画面下部テロップ] ジェット・エンデューロ。 主《おも》にトレジャーハントを生業《なりわい》とした【渡《わた》り鳥《どり》】。 ――あくまでも、『主《おも》に』である。 日《ひ》々《び》の糧《かて》を得《え》るためならば、己《おのれ》の危険《きけん》さえもいとわず、 多少《たしょう》の倫理《りんり》を逸脱《いつだつ》することにも心《こころ》を痛《いた》めないアウトロー。 刹那《せつな》に生《い》きる彼《かれ》が求《もと》めるものとは? …それは、この遺跡《いせき》に眠《ねむ》るモノなのだろうか? <フロア1で正面門を調べる> ジェット 「チッ、さすがに鍵《かぎ》くらいはかけられているか… 「どうする?  もう少《すこ》し周囲《しゅうい》を調《しら》べてみるか… <フロア1から外に出ようとする> ジェット 「ぐずぐずしてる場合《ばあい》じゃねぇな。 「せっかくつかんだお宝《たから》のネタ…  先《さき》を越《こ》されたら、おまんまの食《く》い上《あ》げだ。 <初めておっとっとポーズを取る(ダッシュで段差から飛び降りようとしても発生する)> *段差《だんさ》のふちに向《む》かって  方向《ほうこう》キーを入《い》れたままにすると、  【おっとっと】ポーズをとることがあります。 *【おっとっと】状態《じょうたい》中《ちゅう》に、  ○を押《お》すことで、  段差《だんさ》を飛《と》び降《お》りることができます。 ※段差《だんさ》に向《む》かって、ダッシュ状態《じょうたい》で接触《せっしょく》すると、  【おっとっと】ポーズをとることなく、  そのまま飛《と》び降《お》りることができます。 <フロア1のバリケードを調べる> ジェット 「せこいバリケード造《つく》りやがって…  これじゃあ、子《ガ》供《キ》も止《と》められないだろうが。 *グッズ【ブーメラン】は、  □を押《お》すことで、前方《ぜんぽう》に向《む》かって投射《とうしゃ》されます。 *手《て》の届《とど》かない場所《ばしょ》にあるスイッチを、  押《お》す行為《こうい》等《など》が可能《かのう》となります。 <フロア3の落書きを調べる> [画面上部メッセージ] 「ぐるぐるぐる…  L1とR1で遺跡《いせき》を探検《たんけん》!  周《まわ》りを調《しら》べて、大冒険《だいぼうけん》の始《はじ》まりだ! 「ぐるぐる回《まわ》って、目《め》が回《まわ》る。  方向《ほうこう》を見《み》失《うしな》ったら、L1とR1を同時《どうじ》に押《お》して、  東西《とうざい》南北《なんぼく》の確認《かくにん》だ! (初回のみ) ジェット 「…落《らく》書《が》き?  この遺跡《いせき》は、子《ガ》供《キ》の遊《あそ》び場《ば》なのか…? <初めて移動中にトラップや毒でダメージを受ける> *トラップや状態《じょうたい》異常《いじょう》の【毒《どく》】など、  バトル以外《いがい》のフィールド上《じょう》でも  HPにダメージを受《う》けることがあります。 *トラップや【毒《どく》】のダメージは、  HPを0以下《いか》にする事《こと》はありませんので、  フィールド上《じょう》でGAMEOVERにはなりません。 *ですが、HPが低下《ていか》した状態《じょうたい》は、  次回《じかい》のバトルにおいて、大《おお》きな足枷《あしかせ》となります。  十分《じゅうぶん》な注意《ちゅうい》が必要《ひつよう》です。 <いつか朽ちゆくモノでトラップにかかった時(除くフロア8のトゲトラップ)> (初めて移動中にダメージを受けた時とかぶった場合、そちらの後に表示される) ジェット 「――痛《いて》ェんだよ!  何《なん》のつもりで槍《やり》を仕《し》掛《か》けたんだ! <フロア6を訪れる> ジェット (…何《なん》だ? コイツらは…) (…関係《かんけい》無《な》いか…  俺《おれ》は、俺《おれ》の目的《もくてき》を果《は》たすだけだ。) グッドウィン 「こっちにはいませんでした。  あとは、この遺跡《いせき》しか考《かんが》えられませんよ。 コバーン 「我々《われわれ》が来《き》た時《とき》は、  すでに入《い》り口《ぐち》の鍵《かぎ》が外《はず》された後《あと》であった。 「どうやら、  パイクのやつとは一足《ひとあし》違《ちが》いであったようだ。 ジェット (入《い》り口《ぐち》の鍵《かぎ》を外《はず》した奴《ヤツ》が、  面倒《めんどう》を起《お》こしているようだな…  まァ、俺《おれ》には関係《かんけい》の無《ない》い事《こと》だな…) ※|無《ない》いは誤植? (くだらない事態《じたい》に陥《おちい》る前《まえ》に、  先《さき》を急《いそ》いだ方《ほう》が良《よ》さそうだ…) コバーン 「お若《わか》いの、  【渡《わた》り鳥《どり》】とお見《み》受《う》けしたが… ジェット (――うんざりだぜ…) コバーン 「村《むら》に住《す》む少年《しょうねん》がひとり、  この遺跡《いせき》の奧《おく》に潜《もぐ》っていってしまったのだ。 「彼《かれ》の救出《きゅうしゅつ》を願《ねが》えないだろうか? 「ここは、仕《し》掛《か》けと魔獣《まじゅう》に満《み》ちた危険《きけん》な所《ところ》ゆえ、  我《われ》らでは、これ以上《いじょう》進《すす》むことがかなわぬのだ。 ジェット 「…俺《おれ》は、【水晶《すいしょう》の花《はな》】とやらを探《さが》しに来《き》たんだ。 「興味《きょうみ》があるのはお宝《たから》であって、  もちろん、人助《ひとだす》けなんかではない。 グッドウィン 「【水晶《すいしょう》の花《はな》】だって!?  そんなモノは―― コバーン 「報酬《ほうしゅう》の方《ほう》は何《なん》とかしてみよう。 「…だが、突然《とつぜん》のことゆえに、  君《きみ》の働《はたら》きに見《み》合《あ》った額《がく》を  用意《ようい》できるかどうかまでは… ジェット 「…いくらだ? コバーン 「――200… ジェット 「のっけからその金額《きんがく》じゃ、  これ以上《いじょう》の交渉《こうしょう》も必要《ひつよう》ない。 「――悪《わる》いが、他《ほか》の慈善家《じぜんか》をあたってくれ。 コバーン 「――な…ッ!? <フロア6での会話イベント> グッドウィン(1回目) 「パイクは―― 「この遺跡《いせき》に潜《もぐ》っちまった少年《しょうねん》は、  俺《おれ》たちの村《むら》のために  近《ちか》く、出《で》稼《かせ》ぎに行《い》っちまうんだよ。 「そんないいヤツを  見殺《みごろ》しになんかしたくないんだ。  何《なん》とか手《て》を貸《か》してくれないか? グッドウィン(2回目以降) 「遺跡《いせき》に魔獣《まじゅう》が現《あらわ》れはじめたのは、  今《いま》から、10年《ねん》程《ほど》前《まえ》の事《こと》… 「――10年前《ねんまえ》…?  たしか、そうだと思《おも》ったが… 「…それまでここは、  うるさいオトナ達《たち》の目《め》から離《はな》れるには格好《かっこう》の、  コドモたちの遊《あそ》び場《ば》だったんだ。 「パイクのヤツ…  今《いま》になって、何故《なぜ》、  ここに潜《もぐ》って行《い》ってしまったんだ… アネット(1回目) 「渡《わた》り鳥《どり》たちによって探索《たんさく》され続《つづ》けたといっても、  依然《いぜん》、この遺跡《いせき》には仕《し》掛《か》けが残《のこ》っているし、  何《なに》より、魔獣《まじゅう》が住《す》み着《つ》いた危険《きけん》な場所《ばしょ》にかわり無《な》いわ。 「あなたにとっては  どうって事《こと》無《な》いかもしれないけれど、  わたしたちには、手《て》の出《だ》せない遺跡《いせき》なのよ。 アネット(2回目以降) 「仕《し》掛《か》けよりも、魔獣《まじゅう》よりも、  この遺跡《いせき》で、何《なに》よりも恐《おそ》ろしいのは、  全体《ぜんたい》構造《こうぞう》の老朽化《ろうきゅうか》なの… 「もしも、突然《とつぜん》、この遺跡《いせき》が崩《くず》れ落《お》ちてしまったら…  パイクはいったいどうなってしまうの? 「…パイクの事《こと》だけじゃないわ。  遺跡《いせき》落盤《らくばん》は、  あなたにも降《ふ》りかかる危険《きけん》なのよ。 コバーン(1回目) 「危険《きけん》と引《ひ》き換《か》えに報酬《ほうしゅう》を要求《ようきゅう》するのが、  【渡《わた》り鳥《どり》】稼業《かぎょう》と理解《りかい》はしている。 「だが我《われ》らは、不測《ふそく》の事態《じたい》ゆえに、  充分《じゅうぶん》な報酬《ほうしゅう》を用意《よういう》できないだけなのだ。  そこを理解《りかい》してもらえないだろうか。 コバーン(2回目以降) 「人《ひと》の情《じょう》では、  渡《わた》り鳥《どり》は飛《と》びたてぬというのか? 「ならば我《われ》らはどうすればいい?  同《おな》じ村《むら》に暮《く》らす同胞《どうほう》を  ただ、指《ゆび》をくわえて見《み》ていろというのか? ガスパー(1回目) 「この遺跡《いせき》は以前《いぜん》より  渡《わた》り鳥《どり》の手《て》で発掘《はっくつ》され続《つづ》けてな…  今《いま》ではめぼしいお宝《たから》など残《のこ》っておらんのじゃ。 「じゃが、ここに潜《もぐ》って行《い》ったパイクは  わしら、村《むら》の者《もの》にとっては、宝《たから》そのもの。  言《い》い換《か》えるなら、この遺跡《いせき》唯一《ゆいいつ》のお宝《たから》なんじゃよ。 「なあ、あんた…  あんたも渡《わた》り鳥《どり》ならば、  最後《さいご》に残《のこ》ったお宝《たから》を見《み》つけてきてはもらえんか? ガスパー(2回目以降) 「……… 「…この遺跡《いせき》に巣《す》食《く》う魔獣《まじゅう》は、それほど強力《きょうりょく》ではない。  手《て》慣《な》れた者《もの》ならば、軽《かる》く一蹴《いっしゅう》もできよう。 「ただひとつ、そいつらを捕食《ほしょく》する、  巨大《きょだい》で力《ちから》のある魔獣《まじゅう》には注意《ちゅうい》を払《はら》うことじゃ。 「そいつは、受《う》けた傷《きず》を  たちどころに回復《かいふく》させてしまう再生能力《さいせいのうりょく》を持《も》っており、  並《な》みの渡《わた》り鳥《どり》では歯《は》が立《た》たないと聞《き》いておる。 「……… 「あんたが自分《じぶん》の都合《つごう》で遺跡《いせき》に潜《もぐ》るのなら、  それは、それで構《かま》わない。 「じゃが、わしらは、  あんたに一縷《いちる》の望《のぞ》みを託《たく》さざるをえない以上《いじょう》、  できる限《かぎ》りの手助《てだす》けをしたいのじゃ。 <フロア8を訪れる> ジェット 「――ネットか…  …充分《じゅうぶん》、支《ささ》えられそうだな… *ネットの下《した》で○を押《お》すと、  ネットに、ぶら下《さ》がることができます。 *ぶら下《さ》がった状態《じょうたい》で、方向《ほうこう》キーを入力《にゅうりょく》すると、  その方向《ほうこう》に移動《いどう》する事《こと》も可能《かのう》です。 *さらに、ネットのふちに向《む》かって、  ○を押《お》すと、逆《さが》上《あ》がりの要領《ようりょう》で、  ネットの上《うえ》に昇《のぼ》る事《こと》もできます。 <フロア13を訪れる> パイク 「驚《おどろ》いた…  魔獣《まじゅう》じゃない、ですよね…? ジェット 「…いろいろワケありで自信《じしん》はないが、  取《と》って食《く》う気《き》は、サラサラねぇよ。 パイク 「…ひょっとして、渡《わた》り鳥《どり》のヒト? 「でも、僕《ぼく》を連《つ》れ戻《もど》すために依頼《いらい》されたとすれば、  ちょっと早《はや》すぎると思《おも》うんだけど… ジェット 「…上《うえ》の連中《れんちゅう》が言《い》っていたのは、  やっぱりお前《まえ》か… 「安心《あんしん》しろ。  お前《まえ》の意志《いし》を無視《むし》して、  強引《ごういん》に連《つ》れ戻《もど》そうなんて考《かんが》えてねぇからよ。 「…用《よう》があるのはお宝《たから》だけだ。 パイク 「…ねぇ。 パイク 「ねぇ…、ねぇったら! ジェット 「…用《よう》があるのは  お宝《たから》だけだと言《い》ったはずだが… パイク 「探《さが》しているのは、  もしかして、【水晶《すいしょう》の花《はな》】? ジェット 「――何《なに》か知《し》っているのか? パイク 「知《し》っているも何《なに》も、  この辺《へん》じゃ、有名《ゆうめい》だからね。  少《すこ》しくらいは。 ジェット 「――どこにあるんだッ!?  手《て》がかりがあるなら教《おし》えろっ! パイク 「どこに、って…  今《いま》はどこにあるのか見当《けんとう》つかないけれど… ジェット 「…『今は』? 「…ちょっと待《ま》て。  まさか… パイク 「…うん。  【水晶《すいしょう》の花《はな》】のウワサは有名《ゆうめい》だからね。 「有名《ゆうめい》すぎて、このあいだ、  ハデな渡《わた》り鳥《どり》のお姉《ねえ》さんが手《て》に入《い》れてしまったよ。 ジェット 「…先《さき》を越《こ》されたか… 「それとも、  捨《す》てネタをつかまされちまったか…ッ!? パイク 「残念《ざんねん》だったね。  この遺跡《いせき》には、  もうめぼしいお宝《たから》は残《のこ》っていないって話《はなし》だよ。 「それに、いつ崩壊《ほうかい》してもおかしくないっていうし…  用事《ようじ》が無《な》いのなら、  すぐに戻《もど》った方《ほう》が賢明《けんめい》だよ。 ジェット 「……… 「なら聞《き》かせてもらうが…  そんな危険《きけん》な遺跡《いせき》と知《し》りながら、  お前《まえ》はここで何《なに》をやっているんだ? パイク 「…僕《ぼく》?  僕《ぼく》も君《きみ》と同《おな》じ、お宝《たから》探《さが》しだよ。 パイク 「…ただし、自分《じぶん》で隠《かく》したお宝《たから》なんだけどね―― ジェット 「…おい、何《なに》か出《で》てきたぞ。 パイク 「こっちもだよ。  もう少《すこ》しで掘《ほ》り出《だ》せそうだ。 ジェット 「こんな時《とき》に何《なに》やってんだッ!  手伝《てつだ》うか、足《あし》を引《ひ》っ張《ぱ》らないように逃《に》げるか、  どっちかにしやがれッ! パイク 「ごめん、どっちもダメ。 「…これを取《と》りに来《き》たんだから、  これを取《と》らずには帰《かえ》れないよ… 「これを取《と》らずには、  僕《ぼく》は知《し》らない土《と》地《ち》で、  生《い》きてなんかいけないんだよ! 「これは、この土《と》地《ち》で生《い》きてきた、  僕《ぼく》の大切《たいせつ》な宝物《たからもの》なんだ… ジェット 「……… 「…感傷《かんしょう》にひたるのは構《かま》わないが、  そういうの、わかんねえんだよ、俺《おれ》は。 「…そして…  どうやら、コイツもそうみたいだぞ。   {戦闘開始} {タッツェルブルムがレノベイションを使用} ジェット 「――再生《さいせい》しやがったッ!? 「……… 「…上等《じょうとう》だ。  今度《こんど》は、お前《まえ》が再生《さいせい》するよりも早《はや》く、  鉛玉《なまりだま》を食《く》らわせてやる…ッ! [画面上部メッセージ] *ジェットは、FPを25消費《しょうひ》することで、  フォースアビリティ【アクセラレイター】を  発動《はつどう》させることができます。 *アクセラレイターとは、  代謝《たいしゃ》機能《きのう》を一時《いちじ》的《てき》に上昇《じょうしょう》させることで、  誰《だれ》よりも素早《すばや》くアクションを実行《じっこう》する能力《のうりょく》です。 {戦闘終了} <フロア13での会話イベント> パイク(1回目) 「君《きみ》のおかげで、  僕《ぼく》は宝物《たからもの》を見つけることができたよ。  ありがとう。 「でも、そっちはさんざんだったみたいだね。 パイク(2回目以降) 「さっきみたいな大型《おおがた》魔獣《まじゅう》が、  そうそういるとは思《おも》えないけれど、  急《いそ》いでここから脱出《だっしゅつ》した方《ほう》が良《よ》さそうだね。 「君《きみ》の目的《もくてき》は果《は》たせていないけれど、  これ以上《いじょう》長居《ながい》すると、  遺跡《いせき》の崩壊《ほうかい》に巻《ま》き込《こ》まれかねないよ。 <フロア13から出ようとする> ジェット 「――ッッ!? ジェット 「――クソッ! 「あがりが期待《きたい》できないってのに、  面倒《めんどう》だけはかかりやがるッ! パイク 「だいじょうぶかい!?  さっきの魔獣《まじゅう》との戦《たたか》いが影響《えいきょう》したのかなあ… ジェット 「……… 「…そういや、お前《まえ》…  お宝《たから》がどうとか言《い》っていたよな? パイク 「…うん。 「でも、助《たす》けてくれた報酬《ほうしゅう》にするには、  ちょっと無《む》理《り》メだと思《おも》うんだけど。 ジェット 「ガラクタばっかりじゃねぇかよ!  こいつのどこが  危険《きけん》上等《じょうとう》のお宝《たから》なんだよッ! パイク 「そんなに怒《おこ》らなくても…  君《きみ》への報酬《ほうしゅう》には無《む》理《り》メだって言《い》ったじゃないか。 パイク 「…これはね、僕《ぼく》が小《ちい》さい頃《ころ》遊《あそ》んだおもちゃ…  この土《と》地《ち》に生《い》きて、育《そだ》ってきた僕《ぼく》の【想《おも》い出《で》】だよ。 「魔獣《まじゅう》が棲《す》みつく前《まえ》は、  この遺跡《いせき》も遊《あそ》び場《ば》のひとつだったんだよね。 「小《ちい》さい頃《ころ》は、あの瞬間《しゅんかん》、瞬間《しゅんかん》が、  永遠《えいえん》に続《つづく》くと思《おも》っていたんだ。 「でも、確実《かくじつ》に時《とき》は過《す》ぎて、  あの頃《ころ》の僕《ぼく》も大人《おとな》になっていった。 「子供《こども》のままでいられるのは、あと一週間《いっしゅうかん》…  僕《ぼく》は遠《とお》く離《はな》れた土《と》地《ち》に  働《はたら》きに行《い》かなければならないんだ。 「…正直《しょうじき》、  不安《ふあん》に押《お》しつぶされそうだよ。 「知《し》らない土《と》地《ち》で暮《く》らしていけるんだろうか?  何《なに》よりも、知《し》らない土地で、  僕《ぼく》自身《じしん》が、知《し》らない人間《にんげん》になってしまいそうで怖《こわ》いんだ。 「だから、今《いま》までの自分《じぶん》を――  【想《おも》い出《で》】をいっしょに連《つ》れて行《い》きたかったんだ。 ジェット 「わかんねぇな…  俺《おれ》には後生《ごしょう》大事《だいじ》にかかえていくような  【想《おも》い出《で》】なんてモノはないからな。 「だから、【渡《わた》り鳥《どり》】をやっている。  どこへでも飛《と》んで行《い》ける。  不安《ふあん》にもならない。 「…財布《さいふ》の中身《なかみ》以外《いがい》はな。 パイク 「お金《かね》やお宝《たから》は無《む》理《り》だけど、  ここからの脱出《だっしゅつ》ってことなら  君《きみ》にお礼《れい》ができそうだけど。 ジェット 「遺跡《いせき》の構造《こうぞう》には詳《くわ》しいのか? パイク 「ここは、遊《あそ》び場《ば》のひとつだったって言《い》ったよね? 「ちょっと危険《きけん》だけれど、  この扉《とびら》の向《む》こうから  外《そと》に出《で》られないことも無《な》いんだ。 「…急《いそ》ごう。  時間《じかん》はもう、残《のこ》り少《すく》ないよ。 <フロア16を訪れる> パイク 「……… 「…おさまったみたいだね…  せっかく【想《おも》い出《で》】を見《み》つけたのに、  生《い》き埋《う》めだなんてシャレになんないよ。 ジェット (想《おも》い出《で》も、この遺跡《いせき》と同《おな》じ、  いつか朽《く》ちていくモノじゃないか…) (なのに、なぜ…  こいつはこだわっていやがるんだ?) パイク 「でも、グズグズなんてしてられない。  急《いそ》いで戻《もど》らないと… 「列車《れっしゃ》の出発《しゅっぱつ》時間《じかん》に遅《おく》れてしまったら、  せっかく取《と》れたチケットが無《む》駄《だ》になってしまう… ジェット 「…列車《れっしゃ》?  お前《まえ》、出《で》稼《かせ》ぎに行《い》くのに列車《れっしゃ》を使《つか》うのか?  この辺《へん》にステーションなんかあったか? パイク 「ううん。  ここからだと、一番《いちばん》近《ちか》いステーションまで、  僕《ぼく》の脚《あし》では5日《か》はかかるかな? 「目的地《もくてきち》まで、列車《れっしゃ》で丸一日《まるいちにち》揺《ゆ》られるから… 「働《はたら》きはじめるまでに一週間《いっしゅうかん》の余裕《よゆう》があるといっても、  出発《しゅっぱつ》の準備《じゅんび》に使《つか》えるのは、  せいぜい今日《きょう》いっぱいなんだ。 「…だから時間《じかん》が無《な》いんだ。 ジェット 「出発《しゅっぱつ》を遅《おく》らせたらいいだろう? パイク 「これは別《べつ》の列車《れっしゃ》の話《はなし》なんだけど… 「近《ちか》く、スゴイ宝物《たからもの》が路線《ろせん》搬送《はんそう》されるらしくてね…  おかげで他《ほか》の列車《れっしゃ》を巻《ま》き込《こ》んでの  大《だい》規《き》模《ぼ》な乗車《じょうしゃ》規制《きせい》がかかるらしいんだ。 「そんな時《とき》にチケットが取《と》れたんだから、  それだけでもラッキーだよ。  僕《ぼく》を送《おく》り出《だ》してくれる村《むら》のみんなに感謝《かんしゃ》しなくちゃ… ジェット 「……… 「…まあ、それは、  無事《ぶじ》にここから出《で》れたらの話《はなし》だな。 パイク 「うん、そうだね。 <フロア16から出る> パイク 「…よかった。 「仕《し》掛《か》けが壊《こわ》れていたら  どうしようかと思《おも》っていたけれど、  とりあえず大丈夫《だいじょうぶ》みたいだ。 「この扉《とびら》の向《む》こうが遺跡《いせき》の正面《しょうめん》ホールにあたるんだ。  もうすぐ出《で》られるよ。 ジェット 「…そうだな。 「…ところで、さっきの話《はなし》、  もう少《すこ》し詳《くわ》しく聞《き》かせてくれないか。  列車《れっしゃ》を使《つか》ってお宝《たから》が運《はこ》ばれるっていう、あの話《はなし》だ。 パイク 「それは構《かま》わないけれど…  でも、どうして?  今《いま》からじゃ、チケットだって手《て》に入《はい》らないと思《おも》うよ。 ジェット 「お前《まえ》を助《たす》けた報酬《ほうしゅう》代《が》わりってとこだな。 「――チケットは…  だいじょうぶだ。  それはこっちで何《なん》とかする。 パイク 「――うん…、わかった。  遺跡《いせき》を脱出《だっしゅつ》できたら話《はな》すよ。 「でも、本当《ほんとう》にありがとう。  助《たす》かったよ。 「…生《う》まれ育《そだ》った土《と》地《ち》で過《す》ごす最後《さいご》の日《ひ》に、  こんなスゴイ事《こと》を体験《たいけん》するなんて思《おも》ってもみなかった。  …これは、君《きみ》と僕《ぼく》の想《おも》い出《で》だね。 [画面中央テロップ] …想《おも》い出《で》、だと?こんなモノがそうなのか? [画面下部テロップ] その後《ご》、パイクからの情報《じょうほう》をもとに、 機密物《きみつぶつ》輸送《ゆそう》列車《れっしゃ》を調《しら》べ上《あ》げたジェット。 走行中《そうこうちゅう》の列車《れっしゃ》にとりつき、隙《すき》をうかがう。 突然《とつぜん》の衝撃《しょうげき》に続《つづ》く、車両内《しゃりょうない》の混乱《こんらん》を好機《こうき》とし、 果敢《かかん》にも窓《まど》を蹴破《けやぶ》り、侵入《しんにゅう》を果《は》たす。 そこで彼《かれ》は、狙《ねら》った獲物《えもの》を前《まえ》にして、 後《のち》に、銃火《じゅうか》交《まじ》える荒野《こうや》で共《とも》にある三人《さんにん》と邂逅《かいこう》する。 敵《てき》か、それとも味方《みかた》か。 眼前《がんぜん》に広《ひろ》がる闇《やみ》はどこまでも暗《くら》く、果《は》てない。 まるで、この世界《せかい》の行《ゆ》く末《すえ》を覆《おお》い隠《かく》すかのごとく。 ジェットが乗《の》り込《こ》んだ列車《れっしゃ》はまだ、 長《なが》い長《なが》い、トンネルの途中《とちゅう》。 →全てのエピソードを終えている場合、プロローグ後編へ →セーブ画面へ →エピソードセレクトへ