EPISODE4 落涙



落涙ッ!?
WA4を代表する名言、「落涙」がサブタイに抜擢だ!
落涙だけで名言になるのが恐ろしいところというか、金子彰史は何を考えているんでしょうね。
「泣いている!?」じゃなく「落涙ッ!?」と驚く人は滅多にいない。
あ、シンフォギアの話題じゃないな。今更ですが。



「連れてこられたその少女は、まるで手負いの獣であった」

OPを飛ばしていきなり翼が回想開始だ!
何か前回のラストからまったく繋がらないのはもうデフォルトですね。
クリス(仮)が忘れられてもおかしくはない。

で、振り返るのは翼と奏での出逢いだった。
天羽奏14歳。
家族が長野県で聖遺物発掘に従事していたところをノイズに襲われてしまう。
その事件の唯一の生存者であった。
第1話のライブといいノイズは聖遺物に引き寄せられる傾向でもあるのだろうか。
その時に発掘していた聖遺物がデュランダルなのか?



「お前らノイズと戦っているんだろッ!?」
「だったらあたしに武器を寄越せッ!」
「ヤツらをブッ殺す力をくれッ!!」


家族を殺されてショックになるどころか、むしろ復讐を第一に考えている。
防御や逃避よりも攻撃を優先しているよ!
お前、本当に平和な日本で暮らしていた人間か?
あの翼を乗りこなしていたくらいだから面倒見が良さそうで、随分と苛烈な性格だったようだ。
逆に言えば苛烈だからこそ中二病気味な翼との相性が良かったのかも。



「眠てェこと言ってんじゃねェぞ、おっさんッ!」
「あたしの家族の仇はあたしにか取れねえんだッ!」
「あたしにノイズをブチ殺させろォッ!!」


家族はどうこいつを育てたんだよ!?
手負いの獣というか狂犬だよ。
弦十郎が仇を討つと言ったら即却下、自分で殺す発言だ。
何か攻撃力ガン振りって感じだ。防御力も考えてください。
それがかつての奏の姿であり、今の翼の姿なのかもしれない。

しかし、14歳なのにおっぱいでけーなー。
今の翼よりも……いやあえて言うまい。



「それは君が地獄に落ちることになってもか?」

「奴らを皆殺せるならあたしは望んで地獄に落ちるッ!」

皆殺せるなんて言い回し、ATOKでも出てこない。
金子節炸裂中ですね。
これほどの益荒男ならたしかに翼と波長が合うわけだ。
いや、女ですけど。



そんな奏を見て在りし日の翼はビビる。
あ、可愛い。
今なら呆けない死ぬわよとか言うのに。
わかっていたことだけど、昔は今ほど剣じゃなかったんですね。

しかし、あの翼が洋服だよ。
今なら胴着とか袴とか着てそうなのに。
私の翼のイメージは何だよってものだが、どうせ大半の視聴者がそんなイメージなんだろう?
ん?



そして、訓練と投薬で適合者になる試みが行われる。
奏は実はジャンキーだった。顔芸するほどのジャンキーだ。
やっぱり、このアニメにまともに可愛いキャラっていないんだな……
響は陥落して、翼は言うまでもないし、未来は何か黒いし、奏がこれだよ。
金子彰史の萌えさせない意志の体現だ!

しかし、訓練と投薬があれば適合者になれるのか?
それなら被験者の数さえ用意すれば(あと人道的な見地を無視すれば)量産できるような。
奏に元から若干ながらの適正があったということだろうか。
それを鑑みるに響はとんでもない才能の持ち主と見ていいのか。
あるいは心臓に聖遺物を打ち込むという荒療治で過程をすっ飛ばしたのか……



「ここまでだなんてつれねェこと言うなよ……」
「パーティー再開といこうや、了子さん?」


奏の負担を鑑みて実験は一度中止……されたところを、気合いで続行だ!
そして、吐血!
すげえ吐血だ!
もろもろと出している。どこにこれだけの血を隠していたんだか。
翼はこの辺りの演出に影響を受けた気がしてならない。
口調は武士というよりもヤンキーだけど。
あ、ヤンキーだったから狂犬状態なのか?




「手に入れた……ッ!」
「これが奴らと戦える力……ッ! あたしのシンフォギアだッ!!」


そして、奏もシンフォギアを纏った!
大分暗くて過酷な過去があった。
奏は翼のパートナーなだけではなく、こうした覚悟と決意の元に戦っていた戦士だった。
それを知っている翼は響を遊び半分と揶揄できるわけだ。
背負っているものも、痛めたものも違いすぎる。

しかし、ガラスに血痕を付けるホラー的演出はまだ可愛かった時代の翼には刺激が強かろう。
こんなのだからバイクで突っ込んだりするJKになっちゃったんだよ……
奏、アンタがちょっと悪い。



「ありがとう」
「瓦礫に埋まってもずっと歌が聞こえていた」
「だから、諦めなかった」


こうして翼と奏の戦いが始まる。
何かビルが世紀末みたいなことになっているんですけど……
ちょっと過酷すぎないか?
いや、そっちの方が格好良いから別にいいんだけど。

そこで奏は感謝される。
復讐のための戦いであり、歌はそのための武器でしかなかったはずだ。
だが、その歌を感謝された。
歌があったから諦めなかった人がいた。
それは奏にとって大きな転換となったのは想像に難くない。



「なあ翼 誰かに歌を聴いてもらうのは存外気持ちのいいもんだな」

「この先もずっと翼と一緒に歌を歌っていたいと思ってね」


こうして奏は自分のためではなく誰かのために戦い歌を歌うようになった。
第1話でもみんなを楽しませるために歌って、守るために戦い、生きるのを諦めるなと叫んだ。
生きるのを諦める覚悟で戦っていたというのにだ。
成長したものだ。WAシリーズの主人公だよ。

で、今の翼はかつての奏に立ち返る生き方をしている。
ノイズを殺せるなら構わず地獄に落ちる生き方だ。
奏は共に戦うパートナーと守るべきものを得て変わった。
翼が再びそのようなものを得る時が来るのだろうか。
来たら武士口調も止めるのだろうか。
いや、絶対止めないな、あれ。



「へえ? ってことはあんた、この鎧の出自を知ってんだ?」

「2年前、私の不始末で奪われた物を忘れるものか」
「何より私の不手際で奪われた命を忘れるものかッ!!」

さて、現代に戻る。
やっぱり、ヤンキー口調なクリスと金子節全開の翼であった。
不始末と不手際を合わせているのが金子節だ。
こんな口調だから厨二とか言われる。

翼はもう手遅れだからともかく、クリスもこんな口調で行く気なのか。
OPだと美少女なのに……
下乳はみ出している人におとなしい口調を期待しても無駄か。
金子彰史のキャラはどいつもこいつも癖しかない。



(奏を失った事件の原因と奏が残したガングニールのシンフォギア……)
(時を経て再び揃って現れるという巡り合わせ……)
(だが、この残酷は私にとって心地いいッ!)


酔っている! この人、自分に酔っているよ!
いや、もう既に酔っているけど。
もうドランカーだよ。ジャンキー奏と相性が良かったわけだ。
でも、奏はジャンキー脱却したからなー。
孤独のドランカー。

で、歌って構える。
この人、本当に攻撃以外の選択肢がない。
クリスが何をしに来たのか、まだわからないのにとりあえず斬っておこうという勢いだ。
翼のこういう一面を見せられる度に奏の大きさを知ってしまうのだった。



「止めてください、翼さんッ!」
「相手は人ですッ! 同じ人間ですッ!」

「「いくさ場で何を莫迦なことをッ!!」」

いくさ場がハモった!
こいつら、波長が合いすぎだ!
思わず吹き出してしまった。
いくさ場ってそんなに一般的な単語だっけ?
まぁ、この世界では常用単語らしいし、私もこれからいくさ場を使ってみようかな。

翼とクリス、出逢う場所がいくさ場でなかったら仲良くなれたかもしれない。
クリス相手なら愚痴を気軽に話せそうだし……
むしろ、翼は愚痴をどこで吐き出しているんだか。
吐き出せていないからどんどん変な方向に走っているのかもしれないけど。




「むしろ、貴女と気が合いそうねッ!」

「だったら仲良くじゃれ合うかいッ!」

そして、開戦だ!
クリスはネフシュタンの鎧についている茨のようなものを武器として使っている。
青銅の蛇だから鞭というわけか。
破壊力もなかなかのもので、大型ノイズさえ一撃で屠る必殺技蒼ノ一閃を弾いた!
強いぞ、クリス。
いくさ場に身を置くだけのことはある。




(これが完全聖遺物のポテンシャル……ッ!)

「ネフシュタンの力だなんて思わないでくれよなぁ」
「あたしのてっぺんはまだまだこんなもんじゃねえぞぉッ!」


必殺技を破られただけではなく、獲物による接近戦でも不覚を取って蹴り飛ばされた!
中二病惰弱メンタル面倒臭い翼だが、戦闘力は既に保証済みだ。
その翼が遅れを取る。
完全聖遺物は歌が必要ないだけでなく、能力も通常の聖遺物よりも高いのだろうか。

あと完全聖遺物は歌が必要ない。
必要ないからか、クリスは歌っていない。
EDじゃ歌っているのにもったいないなー。
クリスが歌う時はデレる時なのだろうか。



さらにクリスはノイズを出して操る能力を持っていた。
ノイズの異常出没には第三者の関与があるのはこれで確定したようなものだ。
クリスも口調に似合わずブドウノイズみたいな可愛いのを生み出していたのかも。
案外ファンシーだったりして。
いや、ブドウノイズにクリスが関与したというわけでもないが。

で、そのノイズに精え……粘液責めを受ける響だった。
えーと、うん、はい。
とりあえず、ノイズさんはそっちの空気も読むらしい。
すげえ空気読みスキルだ……
夏コミの薄い本のネタは決まりですね。
シンフォギアの薄い本を作ろうという猛者がどれほどいるのかわかりませんが。



「その子にかまけて私を忘れたかッ!」

「お高く止まるなァッ!」

隙を見せたら問答無用に斬りかかるのは戦士な翼であった。
翼はクリスの足を崩してから攻撃をするなど、技で戦っている。
シンフォギアの能力はともかく戦い方の上手さなら翼にあるか。
対して圧倒的パワーで押すのがクリスで、翼の足を掴んでブン投げる。
クリスはネフシュタンのポテンシャルに依存している部分があるのだろうか。



「のぼせ上がるな人気者ッ! 誰も彼もが構ってくれるなどと思うんじゃねえッ!」
「この場の主役と勘違いしているなら教えてやる」
「狙いは端っからこいつをかっさらうことだッ!」
「鎧も仲間も、あんたにはすぎてんじゃないのかぁ?」

「繰り返すものかと私は誓った……ッ!」

翼を踏んづけるクリスさんでした。
下乳丸出しで金子節丸出しな人だ。
これだから金子彰史の悪役はたまらない。
とてもアドリブでは言えそうにない台詞ばっかりでござる。
つーか、鎧の形状がそれなら翼さんの位置からは見えているんじゃ……
いや、言うまい。

で、クリスの目的は響のようだ。
響は体内に聖遺物の欠片を宿した特異な適合者だ。
そのためか、アームドギアを使えない半端物だ。
響の経験不足も相まって戦闘力は高くない。
それ以外の部分に価値があるということか。

頭を踏まれた危険な状況から翼は千ノ落涙を使って抜け出す。
千ノ落涙を使うには飛び上がる必要はなく、遠隔操作でも出せるようだ。
変則的な使い方もできる飛び道具だった。
格ゲーで使えたらけっこうな壊れ技ですよ。
その辺の巧みさは幼い頃から戦士として鍛錬してきただけのことはある。



「そうだ……アームドギアッ!」
「奏さんの代わりになるにはわたしにもアームドギアが必要なんだッ!」
「出ろッ! 出てこいッ! アームドギアァッ!」

翼は押され、響は粘液から逃れられない。
この粘液は炭化しないようだ。
けっこう特殊な性質を持つのかも。
まぁ、粘液だし……

響は常在戦場の意志の体現、アームドギアを出そうとするが出ない。
翼の言葉はよほど響の心に残ったようだ。
先輩、フォローしてなかったんかい……
フォローするわけがないか。



クリスはノイズを生み出して追い詰めていく。
やっぱり、怪獣だな、これ。
うん、怪獣だ。
カプセル怪獣って奴だっけ?

そして、クリスはエネルギー体を放つ必殺技『NIRVANA GEDON』を繰り出す。
相変わらずセンスのある必殺技名だ。
NIRVANAはともかくGEDONってなんだよ!
翼はガードしたものの大ダメージだ。
クリスもといネフシュタンがパワーに優れていることは証明されているのだ。



「この身を一振りの剣と鍛えてきたはずなのに、あの日無様に生き残ってしまった」
「出来損ないの剣として恥を晒してきた」
「だが、それも今日までのこと」
「奪われたネフシュタンを取り戻すことでこの身の汚名をそそがせてもらうッ!」

重傷を負いながらもサービスと武士口調は止めない翼だった。
恥を晒してきたって晒してきたのか?
何だかんだで適合者という重要な戦力を確保できたのは大きなプラスだし、誰もが生き残ったことを喜びはすれど責めはしないはずだが……
ものすごい勢いで自分に酔っていますね、この人。
これが風鳴翼の生き様である。
数年後振り返って赤面すんなよ。



ともあれ、瀕死でピンチ。
絶体絶命と思われたが、ここで影に短剣を突き刺して動きを止める必殺技『影縫い』だ!
NIRVANA GEDONを食らう前に投げていた短剣が布石だったのだ。
って、古ィ!
大分昔の香りがする必殺技だ。
それでも力に頼った必殺技でないからか、クリスの動きを封じることに成功する。
この辺の戦い方は上手いのに、中二病のおかげで大分損をしている翼である。



「月が覗いているうちに決着を付けましょう」

「歌うのか……『絶唱』を……ッ!」


ここで絶唱か!
第1話で奏が歌い、全てのノイズを薙ぎ払うと同時に命を散らした技だ。
やると死ぬんじゃないか?
だが、中二病を発動させている面倒臭い子、風鳴翼は止まらない。
この人は覚悟が行きすぎて刹那主義だ。
奏のようなブレーキがないと大変だ。
まるでこのアニメみたいだ。



「防人の生き様、覚悟を見せてあげるッ!」
「貴女の胸に焼き付けなさいッ!」


そして、響に向かって叫ぶ。
シンフォギアとして戦うということは命を賭けることで、時としては命を失うことを覚悟する必要もある。
そのことは奏の最期からもわかる。
退かぬ、媚びぬ、省みぬ。
不退転の決意で歌うのが絶唱であった。

翼は先輩として適合者として戦うことの大きさを伝えようとしている。
中二病で惰弱メンタルで面倒臭い翼だけど、何だかんだで響に伝えたいことはあるのだろう。
それをぱぱっと教えられないのが風鳴翼であるのか。
そりゃだからとてだ。




奏と同じポーズを取り絶唱だ。
空気を読むノイズは邪魔をしようだなんて思わない。
安定の棒立ち!
必殺技を邪魔立てしようなんて無粋は許さぬ。
歌い終わると奏の時と同じように血を流す。
絶唱を歌うと血を流すのは仕様のようだ。
第1話で未来が言っていたことから響も絶唱する時が来るのか?



命を担保にしただけあり、絶唱の効果は今も昔も絶大だ。
全てのノイズを薙ぎ払った上にクリスに致命打を与える。
でも、影縫いで動きを止めたのなら、おとなしく削っていけばいいのに。
月が隠れるまで、影が消えるまでに致命傷を与えられないと踏んだのか、それとも勢いか。
勢いがあれば何だっていいんです。



傷付いたネフシュタンの鎧がクリスの肉体を侵食するような演出が入る。
適合者でなくとも扱えると噂の完全聖遺物だが、決してノーリスクではないようだ。
手傷も負ったことだしこれではたまらない。
クリスは飛んで逃げるのだった。
飛べるんだ!?
翼も流星になっていたし、シンフォギアは飛行能力もあるのか?



「私とて人類守護の務めを果たす防人……」
「こんなところで折れる剣じゃありません」


――血涙ッ!?
落涙通り越して血涙ッ!?
六波返しを食らった天内悠状態だ。
というか、どれだけ出しているんだ。
目からそんなに血は出せないぞ。
絶対に奏の吐血芸が悪影響を及ぼしているよ!

何か、翼さん(さん付け)すげえな……
ここまでやられたら響のトラウマになるよ。
生き様通り越して死に様を見せつけた。
滝のような吐血と血涙は流せど、鼻血を流さないところは絶妙に格好付けている。
血ィばっかりの第4話ですね。



笑顔の古今東西。
どうしてこうなった。
これで顔芸の自己記録更新だ。
何だろうこの人は。落差を生み出してまで芸を極めたいのか。
そんなに命がけにならんでも……

ともあれ、防人の過酷さは痛いほど伝わってくる。
というか、実際痛い。
「グワーッ!」とか「アババーッ!」とか「アイエエエ!」じゃ誤魔化せそうにない痛みだ。
それでも笑う翼の何と歪なことよ。
過剰覚悟。
響の覚悟の何と甘きことか。

命が危うくなった翼だったが、一命は取り留めた。
宣言通りに折れる剣ではなかった。
だが、絶対安静だった。
絶対安静って中二病が好きそうなシチュエーションとか言っちゃ失礼か。



病院で響はジャーマネ緒川からツヴァイウィングのこと、奏のこと、絶唱のことを聞かされる。
奏者への負荷を無視し、シンフォギアの力を解放するのが絶唱であった。
その様子からわかるようにメガンテ的なものだった。
奏は周囲の人間を守るため、翼は過去を払拭するために絶唱を用いた。
同じ絶唱でも意味合いは異なる。
復讐に生きようとした奏が誰かを守るために絶唱を、自分の命を使っていた。
偉大な先輩だ。代わりになるなんて、容易いことではない。



「そんなの、ひどすぎます」
「そしてわたしは、翼さんのこと、何も知らずに一緒に戦いだなんて……
 奏さんの代わりになるだなんて……」


――落涙ッ!?
でも、「血涙ッ!?」があったからインパクトが薄いのは否めない。
ともあれ、自分の空気の読めなさと浅薄さを今更ながらに感じる響であった。
いや、誰か教えてやれよ……
それとも突っ込みにくかったのだろうか。

「翼さんのこと、嫌いにならないでください」
「翼さんを世界にひとりぼっちになんてさせないでください」


出た! WAネタ!
世界にひとりぼっち!
共通のワードを絡めるのは金子彰史の常套手段だ。
魔剣ルシエドだってWA1より以前の作品、天使の詩2からの引用だったりするし、金子彰史手法に歪みはない。
歪みがなさすぎて登場人物の大半が歪んでいます。
翼とか。



「片翼だけでも飛んでみせるッ!」
「どこまでも飛んでみせるッ!」
「だから笑ってよ……奏……」


その翼は夢の中で奏を見る。
夢の中の奏は笑ってくれない。
何か言いたげな視線を向けるだけだ。
でも、血涙見せながら笑われると困るじゃん?
奏が存命していたらアレにはさすがにちょっとという気持ちになるよ。

今の翼はかつての奏状態だ。
奏はそこから成長して、誰かのために命を賭けて戦えるようになった。
が、今の翼は結局自分のためにしか命を使えていない。
守りたいものがない。
大切なものさえあれば何倍でも強くなれるのが金子彰史キャラだ。
それがなければ……
何かこう挫折イベントが相次いで金子彰史ファンとしてはもう好物すぎてたまらない。
金子彰史作品の見せ場は主人公の挫折と成長だ。

二課では内通者の存在が囁かれる。
響の存在を知っていたのだ。
それも覚醒してまだ1ヶ月。
知れ渡るにしては如何せん早い。
第三勢力がノイズの出没に関わっているとほぼ確定した以上、戦うべき敵はどこにいることやら。



「翼さん……泣いていました」
「翼さんは強いから戦い続けたきたんじゃありません」
「ずっと、泣きながらも、それを押し隠して戦ってきました」
「悔しい涙も、覚悟の涙も、誰よりも多く流しながら強い剣で在り続けるために」
「ずっとずっと一人で……」
「わたしだって守りたいものがあるんですッ! だからッ!」


そして、響は翼のことをやっと理解する。
そうなんです、惰弱メンタルの持ち主なんです。
泣いていないと言いながら泣いて、感情がないと言いながら怒る。
そんな面倒臭い子なんです。
泣き虫で弱虫だけど、それでも強い剣でいようとした。
それをわかった上で守りたいものがあると響は改めて叫ぶのだった。
適合者として戦うことが凄惨なものだとわかった上で……



「どんなに悩んで、考えて、出した答えで一歩前進したとしても響は響のままでいてね」
「変わってしまうんじゃなく響のまま成長するなら私も応援する」
「だって響の代わりはどこにもいないんだもの」
「いなくなってほしくない」

「わたし……わたしのままでいていいのかな……」

「響は響じゃなきゃ嫌だよ」


悩む響に未来は優しい言葉をかける。
約束を反故にしたことを責めずに……いい子ダナー。
WA2のマリナとは大違いだ。
あいつ、彼氏が頑張ったところを真っ先に潰す見事な女だった。

未来が優しいに噴火する時が怖いな。
溜め込むタイプだし。翼みたいに泣いたり怒ったり天ノ逆鱗ぶっぱできればまだいいんだけど。
金子彰史ヒロインは地雷の可能性が高いし、金子彰史自身がヒロインを嫌いと発言したことが幾度かあった。
今回もそうなっちゃうのか? 油断はできない。
未来が絶唱して血涙を流す可能性もあるから油断できない!



(わたしだって守りたいものがある)
(わたしに守れるものなんて小さな約束だったり何でもない日常くらいなのかもしれないけど)
(それでも守りたいものを守れるようにわたしはわたしのまま強くなりたい)


響の持っていた迷いは未来の一言で吹っ切れた。
奏の代わりになるためではなく、自分らしくあるために戦う。
世界の平和や使命のためではなく、自分の守りたいものを守るために戦おうとするのが金子彰史主人公らしさだ。
響も紛う事なき金子彰史キャラだな。
いや、改めて言うことでもなく、というかシンフォギアには金子彰史キャラしかおらず、むしろ金子彰史だらけじゃねえか!
クソ! これだから止められん!



「たのもぉーッ!」
「わたしに戦い方を教えてくださいッ!」

「この俺が? 君に?」

「弦十郎さんならきっとすごい武術とか知ってるんじゃないかと思ってッ!」


そして、弦十郎に弟子入りだ!
響にはあまり深い考えが見えない。
だが、師匠にするにはこれ以上の逸材はない。
何せ生身でシンフォギアシステムとやり合った実力の持ち主だ。
そして、響の戦い方は素手によるものだ。
ならば、弦十郎に学ぶのは最適解とも言える。
女の子らしさを犠牲にする必要がありそうだけど。
ミサイルにパンチする必要がありそうだけど。

しかし、それなら特別な訓練は受けていなかったということか?
そりゃ基本的な訓練くらいはしていたのかもしれないが……
学ぶのが遅かったかもしれない。
遅すぎるかどうかは、これからの成長次第か。




そして、響の鍛錬の日々が始まった!
……鍛錬だよね、これ。
カンフー映画で何を学ぼうとしているんだ?
考えるな、感じろということですか。
謎武術だからいろいろと理由は不必要なのかもしれない。
弦十郎は翼にも武術を教えただろうに一体ナニを学んだのだろう……
あ、逆羅刹(カポエラ)は弦十郎に学ばないと無理か。

しかし、響は案外胸がデカい。
シンフォギアを纏った時はぴちぴちだから強調されているかと思いきや、実際の中身もなかなかのものだ。
その意味では奏の後継者としての資格があるかもしれない。



そんな響の訓練を未来は見ていた。
ひ、ひいいいい……
優しい言葉をかけているけど、かけているだけに怖いよ!
もういつ不満が爆発することやら。



で、オフも楽しむ響だ。
カラオケでハッスルだ。シンフォギアシステムの力を活かすためには歌唱力も大事なのかも。
いつか誘われたお好み焼き食べ……お好み焼き多くなイカ?
油分豊富だぞ、気を付けろぉ!
この世界における焼きそばの役割がお好み焼きなのだろうか。
どっちも庶民的ですね。



あ、豪鬼とまことのコスプレだ。
この人たちは何を学ぼうとしているんだ。
どちらも全然キャラ特性違うじゃねえか。
ただどちらも強キャラになることは多いから、そこから学ぶのは間違っていないかもしれない。
響のスタンコンボを見られる時が来るか?
あとチャリンコ。金子彰史大好きチャリンコ入りましたー。
金子彰史は格ゲー好きだし(一時期は社内にNEOGEOがあったほど)、本当に金子彰史の好きなものに溢れているアニメだ。



「流れ星の動画を撮っていたこと、響に黙っておくのは少しだけ苦しかったんだ」
「響にだけは二度と隠し事したくないな」

「わ、わたしだって……」
「未来に隠し事なんて、しないよ……」

そして、最後に未来に意味深いことを言われる。
何も見えない流れ星の動画に大きな意味があるのだろうか。
流れ星は隠し事だったのか。
この発言の意味はまだわからない。
響が戦いを決意したものの、その先がどこに繋がっているのか、未だに暗いままだ。
次回へ続く。


毎度毎度すごい展開が差し込まれ、今回も期待に違わずすごい展開だった。
落涙どころか血涙ですか、そうですか。
視聴者を休ませる気ゼロだ。
正直、面白すぎてどうしようもないや、へへへ……

クリスは実にヤンキー姉ちゃんだった。
OPでは美少女なのに……
ネフシュタンの鎧を纏うと気分が高まっちゃうのか?
武士な翼といい、イロモノばっかりだよ、ホント。

奏も死んでからどんどんストーリーが明らかになってる。
復讐から始まって、誰かを守るために戦うようになるのは実に金子彰史キャラらしい生き様だ。
そんな奏を見てきたのに、翼って奴ぁ……
元々のメンタルが弱かったせいか。
惰弱メンタルが翼の持ち味。

今回で響には戦う理由が生まれた。
ここからが響の戦いの本番なのか。
でも、いきなりクリスに絡まれたら絶唱する以外に道はないぞ。
頼れた翼さんも寝込んでいるし困ったものだ。
いざとなったらまぁ弦十郎のアームドギアになればイケるかな。

そして、相変わらず次回がどうなることやら。
次回予告は毎度のことながらない。
今回は引きもない。
何にもないよ!
こりゃ次回には弦十郎の父、弦一郎の幻影が出てきても文句は言えないかな……
響が肩幅広ッて驚く。


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