EPISODE2 胸に力と偽りと



このフィーネが終わりの名を持つ者だからチクショウ!
第1話の興奮冷めぬままに第2話だ。
むしろ、第1期の興奮冷めぬままに第2期である。
怖いです、このアニメ。

社長曰く、第2話は第1話とふたつでひとつの話のようだ。
そして、いい大人が鞘走ることを躊躇わなかった結果の話でもある。
アンタがそれをネタにするな!
これをやれば面白いことになるのは間違いないがギャグになってしまうというモノがある。
それを鞘走ることを躊躇わないのが金子彰史である。
怖いです、この人。
あと10年前からこれっぽっちも変わっていません。安心。



今回から待望のOPテーマである。
スピード感溢れる曲調はまさにシンフォギアだ!
OPのカットに関しては本編の後に触れます。



第2のフィーネ、組織としてのフィーネが現れ、世界は混乱に包まれる。
二課も混乱に包まれる。
その中で防衛省の斯波田事務次官からの通信が入る。
って、そばかよォ!?
体裁を整える気、これっぽっちもなし!
堂々と食事中! 堂々とそば! その上で通信! 混乱の中でも構わずそば! そば! そば!
もはやこれだけでキャラクターが確立したようなものである。

金子彰史はほんの僅かな要素で世界観を構築するのが上手い。
ファルガイアにおける箸文化やシンフォギアにおけるお好み焼きなどである。
そして、そば! そばである!
これだけでそばが特別な存在になった。
そして、それをすすっているのがおっさんというのがシンフォギアである。
女の子がすすれば可愛い、おっさんがすすれば強力なインパクト、防人さんがすすれば……少なくとも可愛いとは思わないな。



「斯波田事務次官ッ!」

「ヤクネタが暴れてんのはこっちだけじゃなさそうだぜ」


そばを食する男らしく、口調も尖っている。
落ち着いていた広木防衛大臣(故人)とは異なるキャラだ。
日本政府、侮れないな。
ここまで頼れる日本政府もなかなかない。



「米国の聖遺物研究機関でもトラブルがあったらしい」
「何でも今日まで解析したデータがほとんどおしゃかになったばかりか
 保管していた聖遺物までも行方不明って話だ」


斯波田事務次官は米国で起きた事件を伝える。
フィーネの暗躍は米国でも行われていたのだった。
世界を相手にするだけあり活動も世界規模だ。
そして、自己アピールを欠かさないフィーネである。
そういう部分もフィーネさんを受け継いじゃって……



「我ら武装組織フィーネは各国政府に対して要求する」
「そうだな 差し当たっては国土の割譲を求めようかッ!」


武装組織フィーネの第一の要求は国土の割譲!
いきなり無茶だ!
この人のどこぞのテロリストオデッサのどこぞの首魁ヴィンスフィルト並みにスポンジ脳みそなのだろうか。
世界征服の目的がいい暮らしがしたい程度のノープランか、あるいは……



「馬鹿なッ!?」

そこは馬鹿なというよりも馬鹿だと言った風情なのだが、ノイズにシンフォギアを携えてやったことがあまりにも馬鹿げている要求である。
あまりに筋が通ってなさすぎて何をしたいのかさっぱりわからない。
組織フィーネの目的がまったく見えてこなく、それが翼の混乱にも繋がっているのだろう。
そして、フィーネさんもとい了子のことも少しは思い出して差し上げろ。



「もしも24時間以内にこちらの要求が果たされない場合は
 各国の首都機能がノイズによって憮然となるだろうッ!!」


全世界ライブの中でマリアの無茶な要求は続く。
24時間以内に国土割譲は不可能であるし、どれほどの規模を求めているのかさえもわからない。
ノイズを使えば武力では大国に対抗しうる。
だが、交渉としてはまったくなっていない。



「あの子ったら……」

ナスターシャ教授は思わず笑ってしまう。
これは悪ふざけに過ぎず組織フィーネとしての真の狙いではないということか。
何を考えているのかわからない人ばっかりだ。



「どこまでが本気なのか――」

「私が王道を敷き私たちが住まうための楽土だ」
「素晴らしいとは思わないか?」


言っていることは無茶だが、自信満々、どや顔のマリアである。
言葉遣いからも翼に通じる何かを感じ取れる。
さすが防人Mk-2である。
それでも笑い話と一笑に付すことができないことが、ノイズの脅威を示唆していると言える。
そして、そのノイズに対抗できるシンフォギアがどれほどの外交のカードになるかもわかる。



「しゃらくせえなぁッ!」
「アイドル大統領とでも呼べばいいのかいッ!!」


ここに一笑に付す人がいた!
凄いよ、この人。度量が半端ないよ。
さすがは弦十郎の理解者だけのことはある。
この要求を笑い話と切って捨てた。これぞシンフォギア名物、OTONAである。
ナスターシャ教授も笑い話としか思っていないから、敵のOTONAもなかなかのものだ。




「何を意図しての騙りか知らぬが――」

「私が騙りだと?」

「そうだッ!」
「ガングニールのシンフォギアは貴様のような輩に纏えるものではないと覚えろッ!!」


翼のガングニールへのこだわりが出た!
ガングニールはかつては奏のシンフォギアであり、今は響のシンフォギアである。
翼にとって大切な人間に関わっているシンフォギアがガングニールなのだ。

このガングニールへの執着が原因で一時は響との軋轢を生んだほどである。
あの時の翼は(響に問題がなかったとは言い切れないけど)本当に面倒臭かったですね。
今は心に余裕が生まれたのか、大分穏やかな人物になりつつも、根は防人のままですが。
つまり、翼の防人っぷりは演じているものではなく素である。



ともあれ、ガングニールを悪用するという無礼を許す防人ではない。
防人としての意志にも、ガングニールに備わった意志にも反することだ。
ならば、衆人環視の前だろうと躊躇わずに聖詠である。
戦場に冴える抜き身の剣は全てを捨てることになろうと鞘走ることを躊躇わない!



「待ってください翼さんッ!」
「今動けば翼さんがシンフォギア装者だと世界中に知られてしまいますッ!!」

「でも、この状況で――」

「風鳴翼の歌はッ! 戦いの歌ばかりではありません」
「傷付いた人を癒やし勇気づけるための歌もあるのです」


が、それを止めるのは緒川さんであった。
かつて、第1期第3話では翼は戦うために歌っていると断言していたが、
第1期第8話で響にその歌で勇気づけられたと言われたことがきっかけで自分の歌が何なのか考え直し、
第1期第9話では自分の歌への本当の想いに気付き歌が好きだと叫んだ。

かつての翼なら制止を無視して変身したのかもしれない。
だが、今の翼ならアーティストとしての自分を理解しているからか見事に踏み留まった。
引き金引くことばかりが強さではないのだ。
硬いばかりではなく粘りもある、折れず曲がらずの日本刀のような剣が今の翼なのだ。



「会場のオーディエンス諸君を解放するッ!」

煮え切らない翼に業を煮やしたのか、マリアは人質を解放するのだった。
な、何をしたいんだ、この人は!
せっかく、各国に無茶を要求したというのに、人質を解放すれば交渉になるまい。
ノープランで脳足りんなのか?
あるいは人質を取ることが目的ではないのか……
ライブ前の防人語からもわかるが一筋縄ではいかない人物のようだ。



というわけで、オーディエンスは会場から出て行くのだった。
ノイズさんが警備員みたいだ。
押さないで押さないでと腕を上げているように見える。
シンフォギアGになって禍々しい演出が加えられたが、根は相変わらず空気を読む人である。
ノイズさんは場をほのぼのとさせる特異能力の持ち主なのだ。



「このステージの主役は私」
「人質なんて私の趣味じゃないわ」

「血に穢れることを恐れないでッ!」


あまりにも勝手続きにさすがにナスターシャ教授も叱責する。
「正義のために悪を貫け」と「烈槍・ガングニール」の歌詞に入れているだけあり、あえて悪を貫くことが求められている。
それでも非道はマリアも望まないらしい。
ノープランのあまり頭の良くなさそうな人というわけではなく、それなりの主義や理由があることがわかる。
もっとも頭が悪い人でも文句を言う人はいなそうだが。



「調と切歌を向かわせています」
「作戦目的を履き違えない範囲でおやりなさい」

「了解マム」
「ありがとう」


それでもナスターシャ教授はマリアの判断にGOサインを出す。
お互いに目的のためなら手段を選ばないタイプではないようだ。
だからこそか、マリアもナスターシャ教授をマムと親しみを込めて呼んでいるのか。
組織フィーネの目的とその理由が明らかになるのはまだ先か。



「響……早く来て……」

「戦場」を「いくさば」と読まない常識人(公式設定)も会場から離脱していく。
相変わらず響が心配なのであった。
翼さんのことも心配してあげてください。今一番危ないのは翼さんですよ。
(なお、突然、「八千八声」と読む程度には様子がおかしい)



「わたしの胸のガングニールがなくなったわけではなさそうです」

「もう一振りの撃槍か」

「それが――黒いガングニール」


疑念が渦巻くガングニールの事情であったが、響の胸のガングニールは健在であった。
撃槍・ガングニールは健在のまま、烈槍・ガングニールが現れた。
響のガングニールもとい奏のガングニールの出自は明らかになっていない。
同じ聖遺物である以上はマリアのガングニールの出自はそこから遠く離れたものではないと思われるが果たして。



(今、翼さんは世界中の視線に晒されている)
(その視線の檻から翼さんを解き放つには――)


一方、緒川さんは翼の行動を妨げ窮地に招き入れている全世界ライブを阻止するために走っていた。
これは翼を戦わせるためだけでなく、夢を応援するためでもある。
緒川さんは二課随一のいい人であり、弦十郎の次に有能な男なのだ。

その中で少女二人の姿を目にする。
こんな状況でこんな場所にいる時点で怪しい二人だし、そうでなくともいい人な緒川さんとしては見逃せないわけだろう。
ともあれ、新キャラの登場だ。
シンフォギアに貴重な常識人と無乳だ!
翼さんは、凄く安定しませんよね、あの人。



「やっべえッ! アイツ、こっちに来るですよッ!!」

切歌は口調がおかしい人だった!
予想外におかしかった。
常識人を謳っているがその常識も「戦場」を「せんじょう」と読むくらいの常識だった。
実態は語尾に「です」を加えるくらいに様子がおかしかった。
何だか某12人の妹におけるイギリス枠を思い出すがそれは置いておこうか。



「大丈夫だよきりちゃん」
「いざとなったら」

「調ってば穏やかに考えられないタイプですかッ!」


〜〜〜〜ッ!? 金子彰史が凄い無理をしているッ!!
こ、こういうキャラを書ける人だったか?
思わず常在戦場を言わせてしまう悪ノリの塊の人なのに、美少女にちょっせえとかやっさいもっさいと言わせる人なのに、
切歌と調は頑張って可愛いキャラを描こうとしているように思える。

ともあれ、実力行使に移ろうとする調を切歌は制止する。
ちゃんと聖遺物のペンダントを服の中に入れて隠させている。
「一応」常識人だけあって、聖遺物のペンダントが見つかればヤバいと考えているようだ。
切歌は防人と過激派に挟まれる立場なのか。
常識という寄る辺がなければ胃に穴が空きそうだな。



「この子がね、急にトイレとか言い出してッ!」
「まいったですよッ!!」


ぴょこぴょこ動きながら切歌は緒川さんに言い訳をする。
その間、調は「じー」と言いながら見つめてくる。
あ、あれ? なかなか可愛い?
いや、騙されるな! これはシンフォギアで金子彰史だ!
強烈な牙を隠しているやもしれぬ。
それでなくとも並みならぬ迫力を醸し出しているのは明らかだ。語尾とか。

しかし、言い訳がトイレの時点で切歌の常識レベルが伺える。
だが、マリアという非常識の塊の人に絡まれながら、頑張って培った常識がこれなのならば責めまい。
マリアがいくさばいくさばと呟く中で頑張ってせんじょうせんじょうと言ってきたのだろう。
調はいくさばいくさば言って、ナスターシャ教授もいくさばいくさば言っていたら、いつ常識が死んでもおかしくはない。



「心配無用ですよッ!」
「ここいらでちゃちゃっと済ませちゃいますから大丈夫ですよッ!!」


>○<
さらにトイレはここいらでちゃちゃっと済ませられる程度の常識レベルだった。
思った以上にポンコツらしい。
しかし、先ほどまで国土割譲や王道や楽土やしゃらくせえなんて言葉が跋扈したアニメとは思えない。
そのうち、様子のおかしいことも口走るので安心ですよ!




「わたし、こんなところで済ませたりしない」

「さいですか……」
「まったく、調を守るのはわたしの役目とはいえ、毎度こんなでは身体が持たないですよ?」

「いつもありがと、きりちゃん」


世界観の異なる普通の会話(矛盾)をする二人であった。
第1期は敵も味方も仲が悪かったが、今回は敵も味方も仲がいいようだ。
ならば、ただ仲がいいだけでは勝てない敵になりそうである。
どっちが百合百合しいかの勝負だ!
チクショウ、百合とかシンフォギアにこれっぽっちも似合わねえ!

ともあれ、想像以上に様子がおかしくなかった二人であった。
おかしかったのは語尾くらいだよ。
なお、マリアは想像以上に様子がおかしかった。
こいつらにバランスという言葉はないのか?



「帰るところがあるというのは、羨ましいものだな」

「マリア……貴様は一体……」


さて、様子のおかしい人たちの壇上へと戻る。
マリアはふと寂しげな呟きをする。
この人は翼にけっこう本音を漏らしている。
翼に近しさを感じているからだろうか。
言葉遣いとか。それでなくとも、歌に対する愛情とか。
それを翼も感じているからか、100%の敵意を向けられないでいるのだった。



「観客は皆退去したッ!」
「もう被害者が出ることはない」
「それでも私と戦えないというのであれば、それはあなたの保身のためッ!!」
「あなたはその程度の覚悟しかできてないのかしら?」


かつて、翼はガングニール(響)に覚悟を問いかけたが、今度はガングニール(マリア)に覚悟を問いかけられた。
シンフォギアお得意の対比である。
歌への愛情をマリアも知っているだけに実に意地悪な問いかけである。
歌を捨て悪の道に走ったマリアは、それほどの覚悟があったのか、あるいは歌への愛情が翼ほどではなかったのか。
それとも自分の歌を愛している人たちがいることを知らないからか。



ぐぬぬ。
こんなことを言われたら歯がみするより他ない。
今になって第1期第3話の響への意地悪な問いかけを自分が受けることになろうとは……
まるでアームドギアやら常在戦場やら戦場やらいきなり問いかけられたかのようだ。
言ってること全然わかりません! と返せば良かったのに。
お前の防人語の方がわからんと返されたら詰む。




結局、鞘走れていない翼を嘲笑うかのように剣型マイクでマリアは襲いかかる。
忘れられがちだがシンフォギア装者は生身でも高い身体能力を誇る。
故に生身でも翼はシンフォギア装着者相手に劣勢とはいえ渡り合っている。
さすがバイクを乗り捨てて大ジャンプをした防人だ(第1期第2話)。
だが、ガングニールの一部であるマントに剣型マイクは両断される。
剣術では互角でもそれ以上の得物を持ち出されるとどうしようもないらしい。



ならば、徒手空拳による無手勝流で仕ると構える。
翼も風鳴一族の一人なのだ。
剣と自称、あいや自負しているが、素手による立ち合いもできるであろう。
シンフォギアを纏わずとも防人なのだ。
防人語もシンフォギアの影響とかそういう言い訳ができない。
シンフォギアが影響で防人語を使い出す奴なんていないと思うよ。



「よし、カメラの目の外に出てしまえば――」

まぁ、やることは変身するためのガン逃げなんですけどね。
指令なら素手上等とマリアと殴り合い、圧勝していたであろうがさすがにそうはいかないのだった。
映画が足りないのではないだろうか。
翼の場合は織田光子のPVを見て強くなっていそうだけど。

しかし、カメラに映らず変身したとしても変身した後の姿が問題となるんじゃないだろうか。
プリキュアじゃないんだし、変身した姿を見られてもバレないということもなければ、キュアサキモリとみんなが呼び出すわけじゃない。
事実、シンフォギアを纏った響とクリスは即バレている。
世に隠れる正義のヒーローは大変だ。




翼はマリアの剣投擲を幅跳びでかわす。
翼は剣が折れることはあっても捨てることはなかった。
二人の剣としての在り方もとい戦いへの姿勢が反映されているようにも思える。
必死にかわした翼であったが、着地にヒールが折れて態勢を崩してしまう。
逆に言えばヒールのままでマリアと剣戟を演じて見せたということにもなる。
さすが、剣である。



「あなたはまだステージを降りることは許されないッ!」

翼はマリアに実に楽しそうに蹴られるのでした。
ネフシュタンクリスとの戦いといい、この人は蹴られる趣味でもあるのだろうか。
手加減はあるとはいえもろにボディに入った。
普通、ゲロを吐く。
然れど血涙は流せど吐瀉物は流さんと言わんばかりに出さない。
さっきまでの仲のいい二人とは世界観がまったく違いますね、こいつら。防人二人だけあるよ。



「勝手なことをッ!!」

翼は命奏でて天に羽撃く(物理的に)。
飛びすぎだ!
ともあれ、着地点にノイズさんが寄ってくる。
それに対してのマリアさんの反応がこれである。
ノイズを操っているのはマリアの意志とは異なるということだろうか。
ソロモンの杖を持っていないことから、ノイズの操作は別人が行っているのは道理ではあるが……
ともあれ、絶体絶命である。



「決別だ」
「歌女であった私に」


出た。防人語だ。
こういう状況下で澱みなく歌女(うため)と言ってのける翼はさすがである。
普通、言えない。
この人はインタビューで自分のことを歌女と言っていたのか?
ある種の余裕とも諦観とも取れる冷静さだ。



「翼さんが……歌を捨てるつもりで……」

翼が歌女ではなくなる事実を前に響は落涙する。
歌女としての翼の歌を聞けなくなる。
翼の歌が大好きな響としては落涙に値する事実だ。
響にとって翼は防人としての先輩ではなく、好きな歌を歌う人間でもあるのだ。



「聞くがいいッ!」
「防人の歌をッ!!」


歌女を捨てることを決意し、防人であることを選んだ。
剣だッ!!
歌女に防人とこう、脳みそを揺さぶられる感覚がいいですね。
これでこそ風鳴翼でありサキモリッシュだ。



が、その瞬間、映像が消えた!
響はモニターを揺らす。
今の世代とは思えないアナログな子ですね。
ノートPCを持っていたり、スマフォを持っていたり、その打ち込みがけっこう速かったり、今時の子だと思っていたんだけど……
いや、深くは問うまい。



「現場からの中継が遮断されたッ!」

「てえことはつまり――」


中継が途絶えたということはもう翼はTVに映っていないということでもある。
待望のカメラの外に立てる瞬間が来たのだ。
その意味を悟ったクリスは凄い嬉しそうだ。
クリスも翼の歌が好きなのだろうか。
何にせよ仲間想いが爆発しすぎている。
今のクリスとみんなの距離がわかるのは嬉しいな。




そして、聖詠! 変身完了で覚悟完了だ!
リニューアルした変身シーンは響やマリア同様に情報量が多くてカッコイイぞ。
足のブレードが直線的になっていて、逆羅刹の破壊力アップにも期待できそうだ。



変身と同時にノイズも実体化する。
比較すると今回のノイズさんの変化がわかりやすい。
同時に今までマリアのシンフォギアでは実体化していなかったということか。
実体化はマリアの意志で操作できるのか、あるいは実体化させることができないのか。



新曲「月煌ノ剣」と共についにシンフォギアGの戦場に防人が立つ。
まずは十八番の蒼ノ一閃である。
翼が序盤から終盤にかけてもっとも使った必殺技だ。
その一撃はGにおいても陰りなしだ!



次に翼のキャラクターを決定した逆羅刹が炸裂した。
蒼ノ一閃が表の十八番ならば、逆羅刹は裏の十八番だ。
カットインは初出の第1期第1話しかないが、カットインなしでの使用は相当のもので蒼ノ一閃に次ぐ多さである。
新生風鳴翼の切れ味は健在である。
あと初めて見た時はさすがにカポエラはないだろと思った。今でもそう思う。

なお、「月煌ノ剣」の歌詞と必殺技の演出はリンクしており、「一つ目の太刀」で蒼ノ一閃、「二つ目の太刀」で逆羅刹が行われている。
歌とバトルの融合はシンフォギアGになってより強化されている。
歌いながら戦うというシンフォギアだけの特異性をさらに強化したのがシンフォギアGだ!



「シンフォギア装者だと世界中に知られてアーティスト活動ができなくなってしまうなんて
 風鳴翼のマネージャーとして許せるはずがありませんッ!」


この奇跡のファインプレイを成し遂げたのは緒川さんであった。
ゆ、有能だわー。
中継を止めたこともさることながら、それを一人で成し遂げたというのが凄まじい。
「超人揃いの二課職員」と語られるだけあり、緒川さんも超人寄りなのである。
フィーネ相手にバク転から心臓への3連射を決めてのけた身体能力は伊達ではない。
アイエエエ!? マネージャー? マネージャーナンデ!



「いざ推して参るッ!!」

ついにシンフォギアとシンフォギアが対峙だ!
シンフォギアVSシンフォギア、天羽々斬VSガングニール、防人VS防人の放映中盤を飾れるドリームマッチだ。
それを第2話からやる!
シンフォギアGの持つパワーがわかる。



マリアは翼の斬撃をかわし、さらにマントによる反撃で吹き飛ばす。
マントによる攻撃は翼も慣れていないのか、反応こそすれどその変化についていけていない。
生身でマリアの攻撃を凌いだ翼も伊達ではないが、翼の斬撃を凌ぐマリアもまた伊達ではない。
パワー任せの響とはまた異なるガングニールの使い手だ。



「このガングニールは本物ッ!?」

「ようやくお墨を付けてもらった」
「これが私のガングニールッ!」
「何物ものを貫き徹す無双の一振りッ!!」


ここでまさかの何物ものを貫き徹す無双の一振りのフレーズ!
これは他ならぬ翼の口から響に向けて出た言葉である(第1期第3話)。
使い捨てるには惜しいほどの防人感であった。
だからこそか、マリアが使ってのけた。
そして、この口上からわかることはひとつ。
やっぱり、翼とマリアの思考レベルは一緒で防人属性。



「だからとてッ!」
「私が引き下がる道理などありはしないッ!!」


(古典的な)マント回転攻撃を受け止めながらの防人語「だからとて」だ。
防人には防人!
互いに防人全開の防人バトルだ。
この様子のおかしな言葉遣いを全開にしたバトルこそシンフォギアGの新境地とも言えよう。
これは盛り上がる。
第1期での防人語の数々で腹筋が鍛えられた今となっても、この殺陣は熱く燃えたぎるものに他ならない。
でも、鞘走るは思わず笑いました。



「マリア、お聞きなさい」
「フォニックゲインは現在22%付近をマークしています」


その時、ナスターシャ教授からフォニックゲインを伝えられる。
単位として存在しているものの詳細な解説がないのがフォニックゲインだ。
この%表記も絶対値としてのものなのか、相対値としてのものなのかはわからない。
だが、数値が具体的に何を示すのかはわからないが、22%というのは随分心許ない数値である。



(まだ78%も足りてないッ!?)

この低さは想定外らしく、マリアは驚愕した。
フォニックゲインを100%にするのが組織フィーネの目標なのだろうか。
フォニックゲインは歌で発生するエネルギーなのは判明している。
シンフォギアを用いずともライブの観客の力でも高めることができることもわかっている。
おそらく、けっこうな手を尽くしたのはわかるが、だからこそ78%の不足が衝撃なのか。




「私を相手に気を取られるとはッ!!」

一瞬の気の緩みからマント回転攻撃を避け、素早く二刀を取り出す。
これはカ・ディンギルを破壊した炎鳥極翔斬か?
いや、違う。
二刀を繋げ炎と共に回しながら閃光と共に突進した!



これぞ新必殺技「風輪火斬」だ!
力強さと速さを兼ね備えた新生風鳴翼に相応しい必殺技である。
これには余裕を見せていたマリアも顔を歪める。

翼は相手の一瞬の隙を突くことに長ける。
ネフシュタンクリス、イチイバルクリス、フィーネとの戦いでは僅かな隙を突くことで勝機に繋げている。
今回もまたマリアの隙を見事に突いた。
だからこそ、一対一での戦いは負け知らずであり、対シンフォギア戦においては現役シンフォギア最強と言っても過言ではないだろう。



「話はベッドで聞かせてもらうッ!!」

だが、風輪火斬は一閃のみにあらず。
剣を猛回転させたまま、今一度マリアに迫る。
蒼ノ一閃のパワーと逆羅刹のスピードを両立させたまさに進化した必殺技である。



だが、その時、新たな歌「鏖鋸・シュルシャガナ」と共にチャクラムが飛んできた!
シンフォギアの王道防御、回転ガードで対処するが、絶好の好機を逃してしまうのだった。
炎付きで豪華なガードである。
何か芸じみて来たな、この人。



チャクラム連打は調の必殺技、「百輪廻α式」だ!
落ち着いたフォントは物静かな調のキャラクター性を反映したものか。
って、そこから出すんだ!?
ツインテールを剣にするかと思いきや、よりにもよって中に武器を内蔵していた。
ハッタリが効いている。
さっきから回転がやたら多いのもハッタリの一部です。



「行くですッ!!」

さらに切歌も鎌の刃を飛ばす必殺技、「切・呪リeッTぉ」を続けざまに放つ。
読み方は「キル・ジュリエット」だろうか。壮絶に打ち込みにくい。
常識人を自負していると思いきや語尾の様子がおかしく、また必殺技の様子もおかしい。
シンフォギアにまともな奴なんていないんだよ……



正面からの「百輪廻α式」、両側面からの「切・呪リeッTぉ」の同時攻撃により、百戦錬磨の翼も不覚を取ってしまう。
歌が変わると同時にバトルの展開もがらりと変わった。
歌とバトルの融合の新たなる次元とも言えよう。



「危機一髪」

「まさに間一髪だったですよッ!」

「装者が……3人ッ!?」


突如の援軍に翼は驚く。
緒川さんは一目で二人がさきほど出逢った少女だと気付いた。
やっぱり、一目でわかるんだ!?
こりゃ変身するところを見られなければ大丈夫、というわけでもなさそうだ。
仮面でもかぶって仮面シンフォライダーになればどうか。



「調と切歌に救われなくてもあなた程度に後れを取る私ではないんだけどね」

どや顔である。
完璧に後れを取ったくせにどや顔である。
この人、やっぱり頭がどこか抜けているんじゃないだろうか。
弱くはないのはよくわかったが、やっていることがハチャメチャすぎる。
案外、歌女時代はドジキャラで売っていたのかもしれない。



「貴様みたいなのはそうやって……」
「見下ろしてばかりだから勝機を見落とすッ!」

「上かッ!?」


対して仲間がいるのはそっちばかりではないと不敵な笑みで対抗だ。
素直に仲間を信頼できるようになっているところにも翼の成長が伺える。
第1話と合わせて旧シンフォギアチームは関係の変化が随所から感じ取れる。
一方で未来は置いて行かれている。
句を詠み出すような様子のおかしさを見せつけてはいかがか。



「土砂降りなッ!」
「10億連発ッ!!」


空中からのBILLION MAIDENで援護だ!
10億連発はBILLION=10億から来ているものだろう。
意味の繋がりはあるのだ。
だからって真顔で10億連発と叫ぶ様子のおかしさはさすがである。
まるで切歌に対して様子がおかしいのはお前だけではないと言わんばかりだ。



「うおおおぉおおおッ!!」

さらにBILLION MAIDENで動きを止まったところに響の一撃である。
これが二つのガングニールのファーストコンタクトだ。
が、以降、これといった衝突はない。
今のところ、翼はマリアと、そして、響はこれから調と戦うため、ライバル関係から除外されている。
シンフォギアチーム同士の人間関係がどうなるかにも注目か。



ついにシンフォギアチーム同士が相まみえたッ!
シンフォギアVSシンフォギアを象徴する構図だ。
これには興奮を隠せない。
一人一人の熱量が高い(様子のおかしい)人たちの集まりだ!



「止めようよ、こんな戦いッ!」
「今日、出逢ったわたしたちが争う理由なんてないよッ!!」


響は相変わらず対話路線である。
ノイズのような戦うしか術がない相手ならともかく、わかり合える人間なら対話から入る。
今も昔も変わらない。
さっきジャンプ強パンチでめくろうとしたばかりなのは忘れよう。
翼が連携でやられたから、こっちも連携でやり返すのは許してください。



「そんな綺麗事をッ!」

「綺麗事で戦う奴の言うことなんか信じられるものかですッ!!」


が、調と切歌の二人からは迷わず拒絶される。
これが伝統の戦場で何を莫迦なことをである。
クリスに話を聞いてもらえるようになるのにも、まずは腹パン一発が必要だった。
なので、今回も殴ればいいんじゃないか?
まぁ、あれはクリスが喧嘩すれば仲直りの思想の持ち主だったから、響のパンチで聞く気になったのかもしれないが。




「そんなッ! 話せばわかり合えるよッ!」
「戦う必要なんか――」

「偽善者ッ!」
「この世界にはあなたのような偽善者が多すぎるッ!!」


おとなしめなトイレ(偽)時とは異なり、調は響への敵意を露わにしている。
よほど響のことが嫌いなんだな。
そして、有無を言わせぬ「百輪廻α式」である。
さらに「だからそんな世界は切り刻んであげましょう」と歌詞に繋げており、歌とバトルの親和性の向上が見られる。
シンフォギアに歌は必要なのだ。



「何をしている立花ッ!!」

偽善という言葉に動揺した響は反応が遅れる。
ここで奏式回転防御で響をかばった!
これは第1期第1話のセルフオマージュ!
盾で剣だ!




「近すぎんだよッ!!」

牽制するクリスに対しては切歌が回転防御で防ぎながら突っ込む。
この人たちは妙に回転が好きだ。
どれだけ回転するんだ。
そして、回転防御がポピュラーなガード方法であることがわかる。
そのうち、逆羅刹でガードするんじゃないですかね。
中心部を狙われたら……まぁ、喘ごう。



翼はマリアと交戦する。
マリアはマントだけで翼に対抗している。
ガングニールのマントの強さが伺える。
響もマフラーをグルグル回して対抗すればいいんじゃないだろうか。
首が絞まる?
マリアだってグルグル回転しているのに首は不動だから大丈夫さ。




「私は困ってるみんなを助けたいだけで、だからッ!」

「それこそが偽善ッ!」


調は今度はチャクラムを飛ばさず、巨大化させ丸ノコのように振ってくる。
何か物凄い便利なアームドギアですね。
マントでグルグル回るマリアやコロコロ形が変わる調に対して、鎌一本で頑張っている切歌はたしかに常識人だ。
いや、常識人というよりも常識的と言うべきか?
何かもう常識人がネタにしかなっていない。

調の厳しい態度は変わらない。
憎しみさえ篭もっている。
響関係で何か黒い過去でも持っているのだろうか。
響の過去は謎にいくつかある。
もしかしたら、それに関わっている人間なのかもしれない。



「痛みを知らないあなたに誰かのためになんて言って欲しくないッ!!」

巨大チャクラムを飛ばす「卍火車γ式」だ!
敵も味方も必殺技に次ぐ必殺技である。
ここまで必殺技が乱舞するバトルになるとは……
シンフォギア同士のバトルは過酷だ。
そして、無茶な必殺技名を連発することでカットインに必然性を持たせているのも見事だ。
「切・呪リeッTぉ」なんて文字で見せられないと凄さがわからない。




「鈍くさいことしてんじゃねえッ!!」

「気持ちを乱すなッ!!」


二人揃ってダブル盾だ!
今回の響は守られてばかりだ。
翼は歌女としての生き方を諦めた直後から一片の未練も見せず防人に気持ちを切り替えただけあって説得力があるな。
(折れた剣だった頃は説得力も何もなかった)
二人ほど戦いに身を置いていないから、精神的には未熟な面もあるのが響である。



「この伸び率では数値が届きそうもありません」
「最終手段を用いますッ!」


熱唱による激闘が繰り広げられるがフォニックゲインは24%と2%しか上がっていない。
よっぽど大変なことをやろうとしているのか。
だからこその最終手段をナスターシャ教授は用いる。
最終手段速ェな!
踏み込んだアクセルを離すような無粋をしないのが金子彰史であった。
離さなすぎておっさんが変なことをしても離さない。



「何あのでっかいいぼいぼッ!?」

それと同時に巨大なノイズが現れる。
ぶくぶくに太ったメタボノイズだ。
あんまり可愛くない……
可愛いノイズにはこれから先に期待か。



「アームドギアを温存していただとッ!?」

ナスターシャ教授に撤退を命令されたマリアはアームドギアを出す。
腕部ユニットが融合して槍となる流れは奏のガングニールと同じものだ。
同じガングニールであることが伺える。
そして、あえてガングニールを用いなかったのは何故か……
翼たちに勝利をすることが目的ではないということだろうか。



黒いガングニールのアームドギアからビームを放つ必殺技が「HORIZON†SPEAR」だ。
†(ダガー)である。
中二病の代名詞†である。
まぁ、マリアさん、防人みたいですから。
中二病だから翼と共感できるものがあったのかもしれない。

このHORIZON†SPEAR響たちに向けたものではなく、ノイズに撃ちマリアたちは撤退する。
増殖分裂型ノイズのようで攻撃を加えても分裂していききりがない。
同時に会場の外には観客がいる。
このノイズをどうにか倒されなければ甚大な被害を被ることになる。



「うかつな攻撃ではいたずらに増殖と分裂を促進させるだけッ!」



「どうすりゃいいんだよッ!!」



「絶唱――」
「絶唱ですッ!!」


こっちの最終手段も速ェな!
互いに最終手段をバシバシ撃っている。
出し惜しみなし。MP切れも厭わない覚悟である。
絶唱は第1話から使ったから第2話で使っても違和感はない。

同時にジャブとして絶唱を用いるくらいなのだから、これから先さらに激しいものが待ち構えていることは想像に難くない。
OTONA同士の絶唱級バトルとかな!
力の弦十郎VS技のナスターシャ教授なんか盛り上がる。
絶対盛り上がる。




「S2CAトライバーストッ!!」

3人は手を繋いで3人同時絶唱だ。
月の欠片を破壊したような協力絶唱である。
第2話でやるレベルの技じゃない!
ポイポイコロコロと必殺技をぶっ放しやがって!
この出し惜しみのなさがシンフォギアだ!
そして、その上でネタ切れしないところもシンフォギアもとい金子彰史の恐ろしいところである。

これこそが第1話で響がクリスに言っていたコンビネーションのようだ。
相変わらずネタを引っ張らない。
出したネタは次の話には回収する。
だからこそ、先が読めないのか。



「スパーブソングッ!!」



「コンビネーションアーツッ!!」

あ、コンビネーションアーツって言った!
WAネタだ! やっぱりやった!



「セットハーモニクスッ!!!」

3人分の絶唱を束ねる!
これがS2CAトライバーストだ!
この絶唱はアームドギアを用いない拡散型の絶唱であり、拡散したエネルギーで拡散型ノイズは次々に倒されていく。
超破壊力広域攻撃を響たちは手に入れたことになる。
基本的に自爆技だった絶唱を戦術的に用いるようになっている。



「耐えろ立花ッ!!」

「もう少しだッ!!」


S2CAトライバーストは3人の絶唱を響が束ねることでひとつのハーモニーとするものだった。
これは手を繋ぎ合うことをアームドギアの特性とする響にしかできないものらしい。
この『手を繋ぎ合うアームドギア』の詳細な解説はまだされていない。
だが、精神的な意味ではなく物理的な効果を伴うもののようだ。

一方でS2CAトライバーストは弱点として響に負荷が集中するらしい。
当然、コンビネーション用に負荷を拡散できるよう出力は抑えているのかもしれないが、3人分の絶唱のダメージは相当のものだろう。
それでも血涙せずに済むのは聖遺物融合体の極めて高い回復力ならではのものか。
絶唱のバックファイアを軽減できることは了子もといフィーネが触れている。第1期第7話
S2CAトライバーストは了子の理論に基づいたものであり、つまりは了子の置き土産とも言えるものか。



苦痛に顔を歪ませながらも外周の肉を吹き飛ばし本体をはぎ取る。
本体までは倒せないからあくまでもS2CAトライバーストは拡散型絶唱のようだ。
けっこうなハイスペックノイズである。
ノイズのレベルも上がっているのか?



「今だッ!」

「――レディッ!!」


だが、S2CAトライバーストにはさらなる先があった!
これで終わらない。
ダメ押しに次ぐダメ押しに加えゴリ押しに次ぐゴリ押し!
いい加減出し惜しめ! いいや惜しむな!




各部位のパーツを解放、さらに両腕の腕部ユニットを融合させ一つにし、トドメにエネルギーリングを発生させた!
絶唱のエネルギーをアームドギアを通す「正しい形での絶唱」もS2CAトライバーストだった。
範囲に優れる拡散型絶唱とエネルギーの効率的な運用ができるアームドギア絶唱の双方を兼ね備えている。
それも膨大なエネルギーを処理できる響の融合症例としての力が為せるものか。



が、反動も凄まじいらしく、暴走響の姿が見え隠れする。
響の暴走の危機は未だに過ぎ去っていない。
そして、暴走は響の精神状況によって著しく左右されてしまう。
調に心を切り刻まれ続ければ危ないかもしれない。
未来が一緒に寝てあげないと……




「これがわたしたちのッ!」
「絶唱だぁぁあァァアアッ!!」


月の欠片を破壊した台詞と共にS2CAトライバースト完成だ!
第2話でやるような技じゃねえ!
そして、成層圏に届かんばかりの圧倒的な破壊力だ!
どうみても過剰火力です。本当にありがとうございました。

響の絶唱ワイルドバンチ(仮称)によって放たれたエネルギーは渦巻いている。
これはガングニールの絶唱と同じものだ。
第1期の用語集でも地味に触れられている。
シンフォギアは丁寧に設定を回収している。
力任せな展開を続けたと思いきやこういうところの仕事は細かいのだ。



「何ですかあのトンデモはッ!?」

「綺麗」


あ、トンデモ言った!
このトンデモ語尾の人、トンデモって言った!
これから戦うであろう敵をも驚かせる一撃であった。
いや、これやられれば死ぬよね。頑張って絶唱前に潰さないと殺されるよね。
そりゃ引くよ。



「こんな化け物もまた私たちの戦う相手……」

化け物言った! この人化け物言った!
アームドギアを隠すなど終始余裕を見せていたマリアだったが、このトンデモには驚きを隠せない。
こんな化け物と戦うマリアたちが可哀想だ。
響たちはXDモードを失って戦力そのものは下がったかもしれないが、それに匹敵する新たな武器を手に入れていた。
次回作だからと言ってLv1になるわけではないのだ。
Lv80くらいの強化されたキャラを相手にどうしろと言わんばかりだ。
そりゃあ歯がみする。

一方で「化け物も」とマリアの戦う相手は響たちだけでないことが伺える。
世界を相手に戦うのだから、二課とだけ戦うわけにはいかないのは道理だ。
マリアたちの真の敵はどこにいるのか。
頑張ってレベル上げしよう。
ブドウノイズは仲間を呼んでくれるからきっとEXPを上手く稼げるぞ。



「夜明けの光ね」

が、一方で度々出てきた謎の聖遺物にはCOMPLETEの文字が浮かび出る。
フォニックゲインを100%に高めることで、この聖遺物を起動状態にするのがマリアたちの目的だったのだろう。
だが、響たちとの戦いでは24%止まりだった。
だから、ノイズを用いることで絶唱を使わせて100%に達させたのだろう。
大胆な策である。
一方でマリアたちだけでは100%に達するのは無理ということにも繋がる。
最大出力では響たちが圧倒しており、力では勝てないことになる。
マリアたちの武器は悪であることだ。
悪であることを貫かなければいけないのは、力では勝てないからなのだろうか。



戦い終わった響は落涙する。
頭をよぎるのは調の言葉だ。
よほどひどい角度で響の傷を抉ったらしい。
偽善が響もといシンフォギアGの新たなキーワードになりそうだ。



「へいきへっちゃらです……」

「へっちゃらなもんかッ!」
「痛むのか? まさか絶唱の負荷を中和しきれなくて……」


二人は響を心配する。
クリスなんて泣いている。
相変わらず涙もろい。そして、響と一緒に泣いてくれるいい子である。




「私のしてることって偽善なのかな……」
「胸が痛くなることだって知ってるのに……ッ!」


響の意外な過去が明らかになった。
響が「偽善」という言葉に過剰に反応するのは何らかのトラウマを背負っているからだろうか。
数々の嫌がらせの張り紙は何を意味するのか。
「人殺し」と言った壁紙から響の親族が何らかの理由で罪を背負うことになったのか。あるいは事故が関与しているのか。
ツヴァイウィングのライブも思い当たるがあれは響がたくさんの生存者の中の一人なので、こうした嫌がらせを受ける理由にはなりにくい。
まだ語られていない過去か。

思い当たるのは未来関係だろう。
インタビューで述べられた「未来との絆が深まった出来事」と「未来が陸上を止める出来事」が隠されている。
この事件から響が立ち直ることができたことに影響しているのだろう。
それに絡んでいるのが「家族は母と祖母だけで父親がいないこと」と「リディアンの学費の安さを上げていたことから経済的に苦しいこと」か。

凹んでいる過去の響の肩に手を当てているのは母親か。
壁に背を預けているのは未来か?
響には壮絶な過去があった。
だから、歪みがあると弦十郎に評されたのだろうか。



そんな響たちを会場の角で見つめる人がいた。
うわー! 誰なんだろうなー! この人誰なんだろうなー! ソロモンの杖を持ってるなー! 白衣だなー! ウェル博士だけど誰かなー!
オメーは少しは引っ張れ!
これっぽっちも引っ張らない。
その場その場の瞬発力だけで戦っている。
シンフォギアの真髄が篭もった第2話だった。
次回へ続く。


さて、今回はシンフォギアGの変革が主となった話だった。
特にバトルと歌の融合が新しい次元に来たことを感じさせた。
バトルと歌の融合はより濃く行われ、歌から歌への変化も展開に交えている。
歌から歌の変化はクリスとの戦いで部分的に行われたものだが(第1期第7話)、シンフォギアGでは第2話の時点で行われた。
おそらくはこの先もこのようなさらなるバトルと歌の新境地が見られるのだろう。
楽しみでたまらない。血涙する。

第1話では第1期から引き継いだ変わらぬシンフォギアを、第2話では第1期にはなかった新しいシンフォギアが展開された。
継承と変革が対となったまさにふたつでひとつの話だ。
そして、すっぱり流れを断ち切ってきたから次回が読めない。
みんな、謎ポエムを待て!

さて、以下はOPについて。



まず、冒頭で出る6つの聖遺物のペンダントである。
装者は6人だから数はちょうどではなく、響は融合体のため、ペンダントを持っていない。
ひとつ余るのだ。
そして、一番前の余った聖遺物のペンダントには亀裂が入っている。
この壊れた聖遺物が鍵となるのは想像に難くない。



冒頭でフィーネらしき人物に響は手を伸ばすが届かない。
過ぎ去った人ながら敵が同じ名前を名乗っている以上、シンフォギアGにおいても最重要人物なのだろう。
なお、OPには奏はちっとも出てこない。
奏のエピソードは第1期で完全に消化した形だから致し方あるまい。




パステルカラーの演出が漫画っぽくてシンフォギアに似合っている。
要素を隠していた第1期とは違って、シンフォギアGは出せるネタが多いからが多要素になっている。



復ッ活ッ。
ブドウ復活ッッ。
ブドウ復活ッッ。
ブドウ復活ッッ。
ブドウ復活ッッ。
ブドウ復活ッッ。
ブドウ復活ッッ。

S2CAトライバーストで塵にならぬことを祈れ。



第1期同様に手を伸ばすクリスだ。
そして、伸ばした手は届かない。
相変わらず孤独を味わうのだろうか。



調の聖遺物はシュルシャガナ、切歌の聖遺物はイガリマのようだ。
双方共にメソポタミア神話ネタだ。
カ・ディンギルもそっちネタだし、この辺りで攻めてくるのだろうか。



奏のガングニールとマリアのガングニールの二つだ。
どっちも出てくるのか?



だから、オメーは少しは隠せ!
了子以上に隠さない。



謎の聖遺物はOPにも出る。
第1期のデュランダルの立ち位置ですね。



サビの部分では旧シンフォギアチームと新シンフォギアチームの激突だ。
響は調と戦っている。
本気で戦えば響が力と装甲で押し切りそうだが……あるいは……



クリスは切歌と戦っている。
今のところ、二人には接点がない。
半ば余った者同士で戦っている。
これから先因縁が生まれるのだろうか。
変な言葉遣い同士とか。
でも、語尾だけじゃやっさいもっさいには勝てないぞ、多分。



翼とマリアはあらん限りの力で上段で打ち合う。
技ゼロ! 力100%!
ところで何でマリアさんは槍なのに上段なのでしょうか。
この人、どこか抜けているんだよなぁ。



締めを飾るのは3人!
未来さんどこ!
響との過去でどんどん出てくるしかないな。



あとここだけ見ると萌えアニメと勘違いされそうですね。
中身はごらんのありさまだよ!


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