刃牙道 第11話 仏作って魂入れず
花山が勇次郎に挑もうとしている!
登山したくなったからとエベレストに登るような無謀だ。
もうちょっと手頃な山があるだろうに。
ヤクザらしい刹那的な生き様だなー。
さて、徳川光成曰く、範馬勇次郎と戦いたいという言葉は久しく聞いていないらしい。
思えば年々勇次郎への挑戦者は減っている。
昔はみんなが範馬勇次郎に挑もうとしていた。
本部が挑んだし9人がかりなら勝てると踏んだ格闘家たちもいた。
だが、年々勇次郎の強さはインフレしていき、どんどんと遠い存在になっていった。
一番新しい挑戦者も郭海皇だ。
そう、郭海皇クラスでなければ勇次郎に挑むことさえしなくなっているのだ。
これは作中のパワーバランスが表れた言動と言えよう。
範馬勇次郎と戦うのはもはや試合ではない。
正真正銘の化け物と戦うのだから悲惨な末路は見えている。
なら、何故戦うのか。
それは退屈しているからだと徳川光成は見切る。
これには花山もビックリですよ。
いや、徳川光成は格闘家の心を一番理解している人だ。
花山の暴挙とも言える申し出からその真意を掴んだのだろう。
もっとも近年は理解者というよりも冒涜者という感じなのだが。
もうちょっとリスペクトしてやってください。
本部に地下闘技場での試合を用意するとか。
「生涯に渡りトラウマとなるほどの圧倒的決着」
花山と勇次郎と言えば幼年編での惨劇だ。
あの花山が泣くほどの差を見せつけられた。
徳川光成の言う通り、トラウマ級である。
スペック戦でも思い出しているほどだ。
だが、それによって花山は弱くなったのではなく自身の強さと変えている。
スペック戦でトラウマを思い起こして消沈するのではなく、闘志を滾らせて逆転している。
握力の強さだけが象徴される花山だが、こうした精神でも特筆すべきファイターなのだ。
勇次郎は強さの象徴だけでなく恐怖の象徴でもある。
それでも挑む。
恐怖を越えるほどの退屈なのであった。
花山はヤクザのため殺す殺されるの鉄火場に足を踏み込むことが多いから、なおさら退屈が耐えられないのだろうか。
でも、もうちょっと敷居を下げてもいいのに。
シコルスキーなんかどうよ?
「実はワシも」「オーガを東京へ呼びたかった」
「花山 薫の名ならあの男も動く」
勇次郎を東京へ呼びたい理由……
やはり、武蔵なのか。
でも、武蔵なんて奇跡の産物と勇次郎をいきなり巡り合わせるのも不味いような。
何より武蔵は養殖物なのだから勇次郎は美食家のように怒りそうで怖い。
ともあれ、勇次郎は気難しいのでなかなか動かない。
だが、花山の名を出せば動く! ……はず。
勇次郎の花山の評価はどれほどのものなのか。
無論、それなりには違いないのだろうが……
だが、格闘家たちが退屈しているのなら勇次郎もまた退屈しているだろう。
普段から退屈気味なのだからなおさらだ。
ならば、花山なんて名前を出されたら喜んで飛びつきそうだ。
モンハンの新作じゃないけど狩りゲーならやるように!
この調子で本部の山籠りを伝えたらどうよ。
出る杭を打ちに行くかもしれんぞ?
さて、無事出産した武蔵さんです。
体温や脈拍は全て正常。武蔵は生きている。
だが、目覚めない。脳波には一切の変化が表れない。
そのことで科学者たちは頭を悩ませていた。
いやいや、NONONO。
そりゃ無理って話ですがな。
大体、武蔵の身体だけ作ってロクに動くわけがない。
高性能パソコンだってOSがないと用を為しませんよ。
うーむ、こりゃ武蔵を作るところだけ考えて動かすことは何も考えていませんでしたな。
とはいえ、当然の帰結である。
遺伝子が記憶を持っているとかそんなことあるわけがない。
いや、それでも通ると思っていたが、バキ世界と言えどさすがにそこまで甘くはなかった。
現状に悩むより計画性のなさに悩んではいかがか。
徳川光成はこの現状を「仏作って魂入れず」と称する。
ううむ、真にごもっともな言葉だ。
武蔵作って記憶入れずと言うべきか。
それならそれでもうちょっとやりようはあったと思うのですが。
ここで徳川光成は自身が姉がいることを暴露する。
姉、だと!?
連載20年を越えて初めて明らかになる設定だ。
「職業霊媒師」「胡散臭い…………」
「とことんビミョーな姉君じゃ…」
霊媒師! 何か実に信用ならん!
だが、腕はたしかなのか、徳川姉の救いの手を求めて何人もの人間が並んでいる。
これは武蔵の霊を降霊させる流れだろうか。
科学とオカルトが交錯する時、武蔵は蘇る!
オカルトの方が板垣生物学より説得力があるかもしれない。
霊に関してはまぁ今更でしょう。
何せジョン・サリバンも勇一郎も化けて出てくる世界だ。
武蔵の降霊も自然じゃ!
間違えてアイアン・マイケルを降霊しないようにせい。(死んでいません)
次回へ続く。
花山と勇次郎が戦う!
ほ、本気なのか?
てっきり武蔵が代打俺をやるかと思ったらやっちゃうような、やっちゃわないような。
でも、花山としてはともかく、読者としてはちょっと困る組み合わせだ。
何せ花山の最大の強さはそのパワーだ。勇次郎の強さもパワーである。
2人共、強みが被っている。
そして、勇次郎のパワーは作中最高であり花山じゃ分が悪い。
あまり盛り上がる気がしないし、ややもすれば弱い者いじめになりそうだ。
とはいえ、徳川光成の考えはわからぬ。
花山を口実に勇次郎を東京に呼びたいだけだったりして。
あるいは武蔵の現状を見せてどうすればいいのか聞いたり。
勇次郎なら何だか答えを知っていそうだ。
その、板垣生物学的に。
肝心要の武蔵はまだ目覚めない。
目覚めないうちに第1巻の発売を迎えそうだ。
うーむ、動けば面白そうなキャラだけに早く頑張って欲しいのだが。
やっぱり、降霊が必要か。
武蔵のクローニングのエピソードは事実を元に作られていた。
もちろん、誤魔化している部分は多分にあるがそれなりの科学的な裏付けがあったのだ。
それに対して霊媒はどうなるのか。
事実を元にしようにもオカルトだからどうにもならんような。
まぁ、今更事実を元にって感じなので一瞬で蘇っても私は一向に構わん。
ここまでに格闘漫画らしさがあまりないというのは不味いぞ。
知らない人が見たら武蔵を蘇らせようとしている変なSF漫画に見られかねん。
エア夜食をオチに持ってきた時点で格闘漫画の皮を被った板垣漫画なのは間違いないのですが。
刃牙道第1巻5月8日発売ッッ
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