刃牙道 第18話 開始



ついに武蔵が復活した。それに合わせてサブタイトルも「開始」だ。
宮本武蔵が刃牙道の目玉である。
武蔵の目覚めこそが刃牙道の始まりと言えよう。
もう18話だけどな!
科学者たちの自己主張がなければもうちょっと早くに蘇ったか?


さて、復活した武蔵はひとまず置いておいて、勇次郎と花山という爆心地が問題となる。
本部なら思わず解説しようとして解説できない激闘になるであろう。
言えることは「あれなら勇次郎もひとたまりもないわい」くらいかな。
もちろん、けろりとしている。

「思いを……握る………」
「思いを………」
「乗せる……」
「思いを……」
「打ち込む!!!」


まるで告白のようなコピーと共に花山は超テレフォンなパンチを勇次郎に放つ。
防御を考えず二の矢を考えない刹那主義の一撃だ。
格闘技のセオリーにはないが、その破壊力だけで格闘技を打ち砕いてきた必殺の一撃だ。
パワー自慢の花山のパワー任せな得意技にして必殺技である。

だが、これは勇次郎の得意技でもある。
パワー自慢でパワー任せなのは勇次郎もだ。
花山との違いは技を使えることだから分が悪い。
戦士の力に賢者の魔法ですよ。こんな職業があったらバランス崩壊もいいところだ。

殴られる刹那、勇次郎は花山がどのような人物なのかを改めて思い浮かべる。
強者として生まれたから鍛えない。強者が鍛えることは不正。
花山のキャッチコピーである。
さりげなく勇次郎が花山を強者と認めている。
知らぬ間に勇次郎の花山の評価が駄々上がりですな。

花山と言えば外伝だ。
1度は途中で投げたとはいえ、何事もなく新しい外伝が開始されたように花山は外伝に恵まれている。
外伝において花山は強者だ。
多分、勇次郎はちょっとジェラしい。
仕方ないとはいえ勇次郎は外伝がないのだ。出産編は別枠って感じだし。
ところでガイア外伝とは何だったのか。

勇次郎と花山は生まれついての強者だ。
だから、花山は鍛えない。
だが、勇次郎は鍛える。

ある意味、一番の違いはここじゃないだろうか。
勇次郎は抑えないことを旨としているのであって、鍛えないことは旨としていないのだ。

勇次郎は何やかんやでトレーニングをしている。
刃牙にも直々に指導していたから、トレーニングの重要性を認めているのだ。
花山もちゃんと鍛えていたら勇次郎みたいになれたかも……?
元々の強さはもちろん、この違いも絶望的なマッチメークとなっている。
ゆ、勇次郎。アンタも鍛えるな。

(毎度毎度誰がインタビューしているのかは謎だが)この一戦を見ていた矢部公一(34)は花山のパンチを遠投と称する。
刃牙が夜叉猿に放った格闘技のセオリーを無視した一撃もこんな背景が出ていた。
行き着くところは同じということか。
その一撃を勇次郎が受けたのだ。
大ダメージ間違いな……くなさそう。

「笑ったンですわ………………ッッ」

あ、やっぱりノーダメージでした。
鬼スマイルでした。
もういい……花山……お前はよくやった……もう森へ帰ろう……

と、ノーダメージに思えたが勇次郎は鼻血を流している。
一矢報いたぞ! 一矢!
……けっこうなビッグカードのはずなのにあまり気分が乗らないのはやはり戦力差が絶望的だからか。

でも、戦力差が絶望的なら絶望的なりに花山VS本部とかなら狂ったように盛り上がっていた自信がある。
要するに本部出せってことですわな。
こちとら何年本部成分が欠如していると思っているんだ。
10年だぞ、10年!

「質疑応答は」「およそ2時間に及んだ」

さて、その一方で武蔵は2時間に渡る質疑応答をしていた。
2時間もみっちり!?
うーむ、そりゃそうだよな。そりゃいきなり場所は愚か時間も違うところに来たのだ。
知るべき情報はそれこそいくらでもある。
現状把握に2時間なんてむしろ足りないくらいだ。
常識的な行動だけに逆に面食らってしまった。

質問の内容はどの時代か、ここがどこなのか、徳川一同が何者なのか、そして、どうして武蔵を呼んだのか、だった。
ポイントは時代と武蔵を呼んだことについてか。
どちらも常識の範囲外の質問だ。
寒子が何度か呼んでいたと言うだけに、呼ばれるという経験があれば現代が武蔵の生きていた時代ではないということを知っているのか。
なかなかりかいがはやい!

武蔵は意外と言うべきか、その辺にもリソースを使う人間だった。
グラップラー一同はまぁ脳筋ですからな。
同じように過去からやってきたピクルは(知能そのものは十分あるとはいえ)その辺意思疎通が難航した。
というよりもできなかったと言ってもいい。
現代には白亜紀のように強者がごろごろいないよと言って大人しく餌を食べるようなヤツなら烈も克巳も四肢を失わなかった。

ともあれ、武蔵はある程度の納得は得たようだった。
うーむ、本当に理解が早い。
こういう時に文明人は便利だな。
不可解があるとはいえコミュニケーションが取れるというのはデカい。

重ねるようだけどそこが武蔵とピクルの大きな違いか。
ピクル自体はいいキャラだと思うが、最強クラスの強さ的にも一切の言葉が通じないことと対戦相手を食うという設定的にも扱いが非常に難しい。
なのでフェードアウトのような形で退場することになってしまった。
武蔵はその辺を鑑みて動かしやすさを重視して作られているのだろうか。

「貴方は貴方のままで十分」
「“貴方ならでは”以外を期待しません」
「闘争(たたか)っていただきたい」


徳川光成は最大の狙いを率直に伝える。
うーむ、これではまるで武蔵が闘争馬鹿みたいだな。
マウント斗羽にプロレスだけしろというものですよ。
結果、戦いが生業になったかもしれないが、生業にする過程はいろいろとあったかもしれない。
まぁ、13歳の時点で決闘していたので、元より戦いが生業かもしれないが。
まぁ、ジジイは欲望丸出しにせずちとオブラートに包めということですね。

「――――とは申してみても…………」
「このナリではなァ…」


この欲望丸出しな徳川光成の発言を武蔵はあっさりと受け止めた。
でも全裸でちんぽ丸出しだからいまいち気乗りしていない。
あ、ここも文明人っぽいですな。
ピクルみたいに全裸で戦うことはしないんだ。
でも、さっきからちんぽ丸出しだから恥じらいはあまりないようだ。
完全に寝取られた後の薄い本みたいです。

ここでこうわらじを暖めておいたようなタイミングで徳川光成はフンドシと胴着を差し出す。
そう、フンドシである。
この時代と言ったらフンドシ!
トランクスやブリーフのような粗相はできぬのだ。
というか、用意していたのなら最初に渡しなさい。
武蔵だって質疑応答よりとりあえず服を着ることを優先してくれるはずですよ。

「よかろう…………」
「……で」
「さしあたり…………」「誰と死合えと…?」


武蔵はとにかく話が早い。あっさりと服を着たし承諾した。
復活までは長かったが試合まではあまり時間がかからなさそうだ。
そして、いきなりの死合い発言だ。
理解が早いし服を着る。
そんな文明人らしさを見せた武蔵だが、死合いという物騒さはさすが危険な時代に生きただけのことはある。
戦うということは試合ではなく死合いなのだ。
シコルスキーになれるぜ、アンタ。

武蔵は後ろ髪を髷としてまとめている。
伝統的な武蔵スタイルですな。
胴着の下が脚の動きを隠す袴ではないのは、徳川光成が武蔵の足捌きを見たいからだろうか。
このタヌキジジイめ。

ともあれ、これにて武蔵の準備は完了である。
皆があくびをしているし武蔵という危険物が差し出されれば喜んで戦うだろう。
烈だってボクシングを投げ捨てて日本に帰ってくるかもしれない。
選り取り見取りな中で緒戦は誰と戦うのか。
こういうのは弱い方から戦うのがお約束である。弱い方から戦うのがね。
別に誰と戦えというわけではないですよ! ねえ、本部さん!
次回へ続く。


武蔵復活!
そして、コミュニケーション!
想像以上にあっさりと呑んでくれた。
この辺は寒子が何度か呼び出したことである程度の状況把握をしているのだろうか。
霊体としてぷかぷか浮いてたまに呼び出される生活から、こうして無事に第二の生を迎えたのだ。
自由に動けるのは開放感があるだろうしわりと幸せなのかもしれない。
そりゃ戦いくらい喜んでしますよって。

質疑応答は2時間に及んだようだが、ここでまた時系列に問題が生じる。
徳川光成の行動だ。
勇次郎と花山の開戦を見届けて、その後、スカイツリーにすぐ戻った。
……と思っていたら武蔵の質疑応答で2時間と大時間が経過していた。
さすがに勇次郎と花山が出会ってから2時間も歩き続けたというのはないだろう。

武蔵復活と勇次郎VS花山は時間軸が同じではないとしたら辻褄が合う。
勇次郎サイドの方が時間が進んでいると、みっちゃんがふしゅると見学を始めた頃には武蔵が復活済みとなりしっくりくる。
大事が終わった後に見学ならまぁお好きにという感じだ。
刃牙道になってから時間軸がわかりにくくなって整理が必要な感じだ。

武蔵は早速相手を求めている。
もう18話だからそろそろ戦って欲しいものだしちょうどいい。
その点、「範馬刃牙」はけっこう初バトルまで短かった。
相手はアイアン・マイケルにカマキリでしたがね……
あれは「喧嘩商売」で突っ込まれたくらい無茶なカードだった。

ともあれ、誰が贄となるのか。
一番危ないのは一番近場にいそうな花山か。
まぁ、勇次郎と戦うよりは安全でしょう。
生粋の暴力VS生粋の武力と武蔵の強さをアピールするのにちょうどいい。

でも、ここで本部の勇姿に期待してしまうのがバキファンのサガですわな……
ほら、本部だって髷を結えば武蔵に見えるかもしれんぞ?
武蔵VS偽武蔵!
うむ、1ミクロンたりとも勝てる気がしない!
そんな本部を応援するのが当サイトです。




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