刃牙道 第27話 竹



刃牙敗北!
まぁ、よくあることですな。
あいつはよく負ける。
では、次。


さて、敗北したクソザコナメクジこと刃牙君であるが、あのまま順調に意識を失ったようだった。
こうして徳川邸の布団で目覚める。
うーむ、コイツ、勇次郎と対等に戦ったはずなのだが……
まぁ、ピクルと対等に戦った後に千春にちょっとだけ手こずった男だ。
鬼の貌を出さずエンドルフィンも出していなければこんなものかもしれない。

「敗けたンだよ…………」「俺…………」

「勝負になってねぇや……………」


負けたことを感じる刃牙であった。
かつてユリーに負けた時は悔しさで泣いた。
今の刃牙は泣かずわめかず現実を受け止めている。
あるいはそんな気力が湧かないほどの完敗だったのか。

これは挑戦者をあくび混じりに倒してきた刃牙には相応しい報いかもしれない。
というか、ざまあみやがれ。
相応しい報いだ、こんにゃろめ。
誰が貴様などに同情するものか! アトラスの恨みを思い知れ!

とはいえ、勇次郎と互角に渡り合った刃牙があっさりと負けた。
一大事ではある。
まぁ、ピクルに一蹴されたのに、再戦したら特に理由も理屈もなしに圧倒できたのが刃牙という男である。
刃牙は強さのムラが非常に激しいのだ。
勇次郎戦が奇跡的な絶好調かつ勇次郎が手心を加えたおかげで自分の力を限界以上に引き出せた結果かもしれない。
今はモチベーションが今ひとつなこともあってこっちが平常時か。

これだけだと刃牙は準備ができてないと力を発揮できないスポーツマンな印象だ。
常在戦場の意志が足りませぬな。
やはり、そこは百戦錬磨とはいえ18歳(19歳?)の子供ということか。

さて、ここで武蔵という伝説の剣豪と立ち会ったことを本気で疑問に感じる刃牙であった。
いや、武蔵とか言い出したのはアンタですがな。
結論なしでも推測ありきで話を進めやがる。
思い込みの激しい子だな。
さすがは妖術の申し子だ。

刃牙は武蔵に何か思い入れでもあるのだろうか。
そういえば、愛犬にムサシって名前を付けていた。
意外とファンなのかもしれない。
ムサシはバキハウスで暮らすようになってからちっとも出番がありませんがね。
あれは遠大な伏線だったりするのか?

目覚めた刃牙は武蔵と逢いたいと思う。
そして、庭に出る。
マッハで遭遇だ!
ここまですんなり逢えると気不味いのか、言葉が出てこない刃牙でした。

「武蔵は切りたての青竹をただの一振りでささらにする!」
「風圧と!」
「握力で!」


そこで刃牙は武蔵のトレーニングを目の当たりにすることになる。
徳川邸から切った竹を振る。
ただの素振りだが武蔵には竹をささらにした逸話がある。
よう知ってますな、刃牙さんや。本部なら知ってもおかしくはないが、アンタが知ってるとちと違和感がある。
やっぱり、ファンか何かだろうか。

武蔵は金剛力士を思わせる形相で青竹を振る。
当然、持ち方は人差し指だけの不安定なものだ。
そこに刃牙が感じるものがあったから、この持ち方が今後鍵となるのだろうか。
ともあれ、この一振りで青竹はバラバラになった。
伝説は幻ではなかったのだ。

なお、外伝で花山も似たようなことをやっていた。
花山でもできると見るべきか、花山クラスの芸当を武蔵はできると見るべきか。
武蔵の握力は花山に匹敵すると見てもよさそうだ。

どんどんと青竹をバラバラにしていく武蔵に刃牙は圧倒される。
圧倒されるが圧倒されるばかりではない。
刃牙は武蔵に話しかける!
何をする気か。この程度は俺にもできると言う気か。
とりあえず、刃牙なら言い訳かな。
次回へ続く。


刃牙負けてた!
これは修行のやり直しですな。
思えば階段急降下トレーニングとか何の意味があるのかさっぱりだった。
思わなくてもか。

ここで武蔵に勝つために修行する!
うむ、王道展開ですな。
それで刀を持ちだしたら刃牙は最悪だ。本部だ。
まぁ、無刀取りされて悲惨な目に遭うかもしれませんが。

今のところ、武蔵の強さとしてアピールされている点はまず殺人を躊躇わないことか。
イメージ上のこととはいえ涼しい顔をして人を斬れるのだ。
躊躇せず刃牙を地面に叩き付けてもいるし、童貞を余裕で捨てられるタイプだ。
さすがは戦国時代に生きただけのことはある。

ピクルもそうだが古代人は戦いに命を賭けてきただけあり、勝つためなら殺す。
こうしたメンタリティは現代人にとっては恐ろしいものがある。
刃牙は刃牙で堂々とシコルスキーを殺そうとしたし、烈や克巳も殺す気でピクルを打っていたから一線を越えようとすれば越えられる。
だが、自然と一線を越えられるのは闘争においては強みか。

次にパワーである。
76kgの刃牙を振り回し、刃牙も戦慄するほどの握力を誇る。
武蔵のパワーは侮れない。
パワーだけでなく古代の技術も持っていそうだ。
私は古代と付けておけば何だか許されると思っている。

ここから刃牙はどうするのか。
刃牙以上に格闘家たちはどうするのか。
刃牙を倒した強敵となれば闘争本能は昂ぶるだろう。間違いない。
これで倒された刃牙を狙う展開になったら困る。
いや、それはそれで一興……
そんな中で本部だけ刃牙に稽古を付けさせてやると言ったら胸熱ですね(失笑)




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