餓狼伝 Vol.218
丹波と鞍馬が激突だ！
鞍馬は闇の空手家、久我重明が認める身体能力の持ち主だ。
さらには実戦における心構えも出来ている。
これには丹波も苦戦せざるを得ないか？
「街頭ルールと武の違い 五体に刻んでやろう」
相変わらず丹波は偉そうだ。
両腕を下げたまま、鞍馬に歩み寄る。
隙だらけだが、だからこそ逆に仕掛けにくそうだ。
それに対して鞍馬はタオルを丹波の顔面に投げつける。
丹波は狼狽えることなくタオルを受ける。当然、ダメージはない。
目潰しとしての効果もないだろう。
だが、数瞬丹波の視界が塞がれた。
鞍馬は素早く動き何かを拾う。
ダンベルだ。
元々は筋トレのための道具だが、鞍馬は当然ながらそのために拾ったわけではない。
武器として使う気だったのだ。
ダンベルの重量を武器として生かせば絶望的な破壊力も誇る破壊力だ。
硬い重いと武器として申し分ない。
ロシアの死刑囚も武器として使ったクオリティだ！
ごめん。言わない方が良かった。
「こっちの方がいいんじゃねェか……？」
と、ダンベルに対して丹波が取り出したのは匕首だった。
匕首…折れず曲がらず、今も昔も凶器として伝わる伝統的な刃物だ。ドスとも呼ばれる。
トレーニング器具如きは匕首と比べたら所詮はトレーニング器具。
こっちはトレーニングなんて出来ねえ。刺したり斬ったりしかできないぜ。
武器としての純度は匕首の方が上だ。
得物では丹波が優位に立った。
格闘漫画の主人公として得物で優位に立つのは何か間違っているけど。
汚いなさすが丹波きたない。
あもりにもひきょう過ぎるでしょう？
匕首を見せつけられた鞍馬は…冷や汗出しまくりだ。
大丈夫かよ、街頭ファイター。
丹波は匕首を惜しむことなく鞍馬の足元に投げつける。
床に匕首が刺さる。鞍馬はさらに冷や汗を流す。
なんかもう、敗北しちゃった感じだ。
坊主頭も相まって鞍馬がただの小坊主に見えてくる。
床に刺さった匕首を鞍馬は手にする。
その際に「フシュ…」というロシア系危険ワードを口にしているが、あえて無視しておこう。
手に取った匕首はギラと鈍く輝く。切れ味ばつ牛ﾝだ。
匕首を手にしてなお鞍馬の顔から冷や汗は消えない。
まだまだ動揺しているのだ。
つ、使えねェ…
グレート巽の後継者ならドスの一本や二本を使い捨てるまで使い込んでおけ。
いや、それも何か違う気もするけど、グレート巽ならおかしくない！
「無理だね」
「輝かしい将来…… いとしい我が身…」
「捨てる度胸はおめェにはないよ」
アンタじゃ無理だと丹波は諭す。
こいつ、刃物を使う人間の心理を理解（わか）ってやがるッッ。
問答無用に人の命を奪う武器だ。
奪うだけの覚悟があるかどうか…生半可な覚悟だったら一流にその隙を突かれる。
丹波は鞍馬の躊躇を狙っているのか？
「ば〜か」
だが、この鞍馬。容赦せん。
躊躇うことなく丹波の元へと踏み込む。
間違いなく刺す気だ。
これには丹波も予想外か？
「ば〜か」
しかし、丹波は不敵に呟いた。
鞍馬の公道は予想の範囲内であった。
さすが、策略の達人だ。
実力で負けても策略で勝つぜ！
…いいンすか、それで。
[一度
刃物を手にしてしまったら―――――]
[もはやそれを使用するしかない 他の選択肢は閉ざされ――
人を刺す――
初体験の動きへと追い込まれる]
[例えるなら斧を使用する職人VS例えるなら日本刀を手にした素人
日本刀といえど勝てる道理は限りなく小さく]
[あまりにも結果の見えた勝負だった]
カウンターで正拳が鞍馬の顔面に決まった。
完璧なタイミングだ。
見ろ、見事なカウンターで返した。
調子に乗ってるからこうやって痛い目に遭う。
いかに強力な武器を持っていれど、使い手でなければ素手にも劣る…
匕首は鞍馬の行動を制限するための手段だったのだ。
…これって武なのか？
完璧なカウンターを受けた鞍馬はダウンする。
次回へ続く。
…って、これで勝負ありかよ！
鞍馬が恐ろしいまでに使い捨てられている。
原作クラッシュ上等で出した漫画版オリジナルキャラなのに…
このまま、終わっていいのか？
これじゃ立ち位置が郭春成ですよ。丹波の立ち位置は刃牙になる。
鞍馬、まさかの一発KOだ。
ダンベルを持って調子ぶっこき過ぎてた結果だよ。
そこにはアワレにもズタズタにされた鞍馬がいた。
いや、これで勝負がついたと確定したわけではないけど。
でも、匕首にビビってる姿はもう負け犬のものだ。
鞍馬はせっかくの身体能力をまったく活かせていない。
そう仕向けたのは丹波だ。
長田といい片岡といい、丹波は相手の長所を封じ込める戦いを得意としている。
まさに策略家だ。
…それは主人公としてどうなのかなぁ…
ともあれ、3人の生贄を出して丹波は強さをアッピルした。
どちらかというと卑怯な強さを。
クマの着ぐるみを着て梶原を強襲したりと、意表を突くことはすれどセコいことはしない人だと信じていたのに…
中学時代のDNAがここに来て目覚めたのか？
山田に気を付けろッッ。
鞍馬の後、丹波はどこへ向かうのだろうか。
鞍馬以上の実力を持ちさらに実戦に対応できる格闘家…もう姫川か藤巻くらいしかいない。
藤巻は逃亡中だからほぼ戦闘不可能のため、姫川に目を付けるのであろうか。
そろそろ苦戦のひとつやふたつやしてもらいたいところである。
さて、丹波に惨敗した鞍馬はどうなるのであろうか。
いや、負けたと確定したわけじゃないけど、ほとんど負け同然だろう。
やっぱり、長田と梶原に煽られることになるのかなぁ…
ねぇねぇ、丹波に負けてどんな気持ち？
6年間まともな出番のなかったキャラに負けてどんな気持ち？
∩＿＿＿∩ ＼悔しいです・・・ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ!／∩＿＿＿∩
♪ | ノ ⌒ ⌒ヽﾊｯ __ _,, -ー ,, ﾊｯ
/ ⌒ ⌒ 丶| ねぇ、ドス持ったのに
/ (●) (●) ﾊｯ (／ "つ`..,： ﾊｯ (●) (●)
丶 負けてどんな気持ち?
| ( _●_) ミ ：/ :::::i：. ミ (_●_ )
| 武（笑）と街頭ルールの
＿＿＿ 彡 |∪| ミ ：i ─::!,, ミ､ |∪|
､彡＿＿__違いを教えられて
ヽ＿＿＿ ヽノ､｀＼ ヽ.....::::::::: ::::ij(_::● / ヽノ
＿＿＿/ どんな気持ち？
/ 梶原 ／ヽ < r " .r ミノ~. 〉 ／＼ 長田 丶
/ ／ ￣ ：|::| 鞍馬 ::::| :::i ﾟ。 ￣♪ ＼ 丶
/ ／
♪ ：|::| ::::| :::|： ＼ 丶
（＿ ⌒丶... ：`
| ::::| :::|_： /⌒＿）
| /ヽ }.
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