餓狼伝 Vol.219



鞍馬敗北!
丹波の見事な策略にハメられてしまった。
なお、今回の餓狼伝は久しぶりに掲載順位が上だ。
イブニングはどうなのかは知らないが、ジャンプではアンケートによる結果で掲載順位を決めているらしい。
もしもイブニングもそうだとすると丹波の暴虐は読者にとって評判なのだ


さて、鞍馬は反省会である。
FAWの首領、グレート巽の目の前で。
…わざわざ爆弾の群れに飛び込んでしまったな。
なかったことにすれば良かったのに。
どうにかしてもみ消さないと鞍馬の陰嚢が危うい
制裁金的で梶原は(だいぶ前に終わっていたけど)終わった。鞍馬も終わるか?

鞍馬が刃物を使ったことをグレート巽は呆れていた。
刃物を手にするということは、刃物を使う以外の動きは出来ない…
グレート巽はそれを知っており、鞍馬のそのことを身に染みて知った。
ならば、武術家丹波文七に勝てるはずがないとグレート巽は語る。
グレート巽は丹波を高く評価していたのだった。
…じゃあ、FAWにスカウトしたのは間違ってる気が…
もしかして、地下プロレスもやっているのか?

グレート巽は鞍馬に武術とは何を問う。
だが、鞍馬は答えられない。
空手の大会に参加していたのに武術が何なのかを知らないとはありえねえよ?と言葉責めを続ける。
さすがの鞍馬も反省していた。一筋の冷や汗を流す。

「戦争だよ」
「戦争に勝つため編み出されたもの」
「それが武術だ」


戦争に勝つための技術…それが武術だった。
闘争を制するための技術…気まぐれで身に付けた喧嘩術では勝ち目がなかったのだ。
柔術だって剣術から進化したぜ。
そして、解説に変化した。

グレート巽が語るには丹波は超Aクラスの武術家であった。
それに対して鞍馬は肉体の才能は飛び抜けているが、武術の心構えも技術もなかった。
そんな肉体だけで勝てるのはBクラスまでらしい。
鞍馬の身体能力に惚れ込んだグレート巽らしからぬ辛辣な評価だ。
長田と丹波に負けたことで、鞍馬の価値は大きく落ち込んだのかもしれない。

肉体だけでは勝てないのが餓狼伝世界であった。
肉体だけでもすごければ勝てるバキ世界とは異なる。
武術という闘争の最高峰…それに勝てるものとしてグレート巽はプロレスを挙げる

(はァ?!)

鞍馬は超疑問だ!
プロレスって武術だったのかよ、みたいな顔つきだ。
何言ってんの、コイツ。これ金的の前触れですか?
そんな思いが巡り巡っている気がする。

「打撃 投げ技 寝技は無論」
「果ては反則 八百長 裏切り 裏取り引き」
「泣き落とし ワイロ 真の“何でも有り”」


グレート巽はプロレスの真実を語る。
技術や戦術に留まることなく、戦略単位での駆け引きが用いられるのがプロレスのようだ
そのようなアプローチは武術と言えど行わないだろう。
これなら…たしかに武術と並ぶことも出来るかもしれない。
これを聞いた鞍馬は「……え?」とまるで飲み込めていない。
鞍馬はプロレスを学べどプロレスの真髄は知らなかったのかもしれない
長田も知らなかっただろう。無論、梶原も知らない。

グレート巽は手の平に載せた2つの百円ライターを鞍馬に見せる。
何の変哲もないただのライターだ。
鞍馬はその使用法を問われるが答えられない。本当にいいところがないな。
丹波と戦ってことで運気を全て逃したのかもしれない。
疫病神丹波であった。

さて、グレート巽の講座が始まる。
まずは1個手に取る。残った片方を握り潰す。
気化したガスが噴き出し手の回りに漂う。
その仕草にも鞍馬は大驚きだ。いや、驚くほどのものなのか?
まぁ、今の鞍馬ならライターひとつ握り潰すのにも手間取りそうではあるが…

さて、気化したガスをグレート巽は吸い込む。
健康に悪そうだ。プロレスラーのタフネスさを健康面で見せつけるのか?
と、もう一方のライターを口元へと持って行き、火を点ける。
そして、一気に鞍馬に吹きかけた。
汚物は消毒だ!グレート巽ファイヤー!
あっついぜー熱くて死ぬぜー。

「あとは―――― 焼き上がるのを待つだけ……」

炎に包まれ鞍馬は身悶える。
驚愕のタフネスを誇る鞍馬も炎には弱いらしい。
こうして、鞍馬へのお仕置きは終了した。
鞍馬は使い捨てられるに至ったのだった。

さて、問題はこれからだ。
丹波の戦いはグレート巽の目に入った。
FAWに狙われることを意味する。北辰館の動きも気になるところだ。
そろそろ、丹波の戦いは正念場を迎えそうだ。
大物相手に超Aクラス武術家丹波はどうなる?
超Aクラス武術家というよりもセコい印象しかないのがマイナスだ
死刑囚の立ち位置ですよ。ロシアの死刑囚になれるか、潜水艦から来た死刑囚になれるか…難しいところだ。
次回へ続く。


餓狼伝はプロレスの株が高い。
北辰館トーナメントでは決勝まで残り、今や武術に対抗できる手段として挙げられた。
そして、強靱な肉体だけでなく、駆け引きの強さもプロレスラーの特徴のようだ。
これからはそこを見せられるのか?

とりあえず、裏プロレス(勝手に命名)が丹波に襲い掛かるのだろうか。
長田も鞍馬も負けた。
残されたプロレスラーはグレート巽だけか?
いや、梶原がいる
裏プロレスを身に付けた梶原が丹波に襲い掛かるのだ。
驚愕の八百長!裏取り引き!泣き落とし!ワイロ!
矢継ぎ早に攻めが行われる。無論、実力で勝つ気はありません。

原作版餓狼伝では梶原が丹波のライバルとして描かれていると聞く。
さらには長田の腕を折った。長田の腕を。
丹波は復権した。かなり、セコい印象を植え付けてしまったけど復権した。
ならば、梶原も復権の時だ。
そう、八百長!裏取り引き!泣き落とし!ワイロ!
…ダメだ…こうでしか梶原が蘇る気がしない…

でも、梶原だから有効なんだ、きっと。
梶原なら丹波だって完全に油断する。
油断したらところをつけば梶原にだって出来る!
油断させても勝てるかとなると…無理だろうな。


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