餓狼伝 Vol.227



リア充になった神山さんは純正餓狼丹波によって、餓狼ルートに引き戻された。
一番の感動シナリオが用意されていて可愛くて、そしてちょっとツンデレな人気投票1位キャラを攻略していたら、
突如、下位低迷の空気キャラの攻略ルートに入らされたかのような展開だ。
どう責任を取ってくれる。
なお、今回は丹波の出番はありません。
か、神山さんの出番もないよ!


[第一印象は―― いわゆる肥満(デブ)である]

さて、夜の繁華街をある男が歩いていた。
超大物、松尾象山だ。
モノローグで語られている通り、後ろから見ると横に長い。
いや、こんなに横に長かったのか?
どうやら松尾象山はオリバ空手家だったようだ。

[しかし――眼を凝らすと それが一種の擬態であることに気付く]
[特注の特大ジャケットは]
[男の筋量―― 尋常ではない体形を隠していた]


だが、ちゃんと見れば特注ジャケットに隠された膨大な筋量がわかるのである。
いや、全然隠せていないけど。
これでもかといわんばかりに筋肉を主張している。
隠そうにも隠し切れてませんよ。

ジャケットだけではなくズボンも特注のものだ。
どちらもサイズは大きめでぶかぶかとしている。
筋肉を隠そうとしていることが伺える。
繰り返すようだが、全然隠せていない。

そんな特注の衣服に組み合わされるのは、不釣り合いなスニーカーである。
筋肉を隠しつつも動きやすさを重視している。
ただの散歩をする格好ではない。
喧嘩か?松尾象山だし喧嘩なのか?

松尾象山の傍らにはかつて丹波に己が松尾象山に敗れた過去を語った男、伊達がいた。
伊達が過去を語った直後に、梶原の金玉(こんぎょく)が砕かれたことは有名な話である。
それは伊達と関係なく有名だけど。

伊達の態度は完全に目上を相手にするものだ。
完全にへりくだっている。
松尾象山にはかなわないと完全に認めているようだ。
餓狼、失格である。

松尾象山は伊達に喧嘩にための衣服だと語る。
やはり、喧嘩か!
北辰館にいれば組み手の相手に困ることはないだろう。
だが、あえて路上の喧嘩を求める。
松尾象山も餓狼であった。

さて、松尾象山が望んだように喧嘩の火種が繁華街にはあった。
男二人が同じく男二人に絡まれていた。
絡んでいる男の一人は目元に傷がある。二人とも強面だ。
喧嘩慣れしている雰囲気がある。

絡まれている理由、絡んでいる経緯はよくわからない。
しかし、絡まれている側が「本職もだらしない。廻し蹴りの受け方も知らない」と煽ったのが原因のようだ。
本職は何を意味するのだろうか。
廻し蹴りと言っているように空手家という意味なのか。
あるいは喧嘩師という意味なのか。

何にせよ強面は仕掛けた。
ゼロ距離からの金的だ。
本場の喧嘩ならではのエゲツない不意打ちだ。
この一発で絡まれた男は勘弁してくれという顔になる。
闘争心、根こそぎ奪われました。

さらに強面は蹴りで追い打ちをする。
歯がいくつも折れ飛んだ。
不意打ちに加え追い打ち。
強面は明らかに喧嘩慣れしている。
流れるようなコンビネーションであった。

さて、喧嘩の仲裁に松尾象山が割り込む。
明らかに喧嘩を横取りするためだが、一応は仲裁という名目だ。
とりあえず、絡まれていた二人を弟子ということにしておく。
勝手だ!
無論、意義を唱えられる人間はいない。

「常日頃から 弱い者イジめだけは禁じてまして…ハイ」

早速、挑発だ!
やはり、横取り狙いだったようだ。
挑発された強面はすかさず頭突きを松尾象山に放つ。
当然、不意打ちだ。
松尾象山に対して不用意すぎるほど不用意な仕掛けである。
衣服による擬態の効果はそれなりにあったようだ。
…強面がアホなだけなのかもしれないが。

強面に頭突きに対し、松尾象山は頭突きで返す。
当然のように一撃で強面の意識は失われた。
さすが全身凶器の男だけある。喧嘩慣れしている相手では太刀打ち出来ない。
松尾象山はさらにもう一人の強面の首に軽く蹴りを当てる。
これも一発で強面の意識を飛ばした。
必要最低限の動きで男二人を倒した。
松尾象山、恐ろしく実戦慣れしている。

松尾象山は背を向けて逃げ始める。
一応、組織のトップだ。こんな姿を見られたらマスコミに騒がれる。
そう考えていた時期が俺にもありました。

「伊達よ い〜〜い獲物が引っかかったぜ

さらなる喧嘩をするための逃亡だった!
恐らくは強面の仲間を引きつけるため…
さすがは根っからの喧嘩好きだけある。
なお、伊達は完全に腰巾着状態だ
グレート巽よりも強いと噂だけでもされていた男だというのに…
まるで涼二だな。
出番すらない涼二よりはマシかもしれないが。
次回へ続く。


神山さん編が始まると思ったら、松尾象山外伝が始まった。
やはり、リア充がいけなかったのだろうか。
餓狼なら常に飢えていなければならない。
でも、丹波は飢えている気がしないな。
やはり、働いているのが良くない。

松尾象山は特注で衣服を用意したという。
いくら喧嘩好きでも普段はこんなことをやっていないということだろうか。
あるいは今までもやっていたけど、さすがに隠密性を考慮しだしたということか?
何にせよ実戦によるトレーニングを積もうとしている。
丹波の噂を聞きつけたから、腕を磨いているのかもしれない。

これから松尾象山はどうするのだろうか。
とりあえず、強面のグループに追われることだろう。
当然、松尾象山だから物の数にしない。あっさりと全滅させる。
何事もなくトレーニングは終わりそうだ。

さて、ここで問題となるのが小物化が著しい伊達の未来だ
松尾象山にボロ負けした過去を持つとはいえ、伊達の印象は悪いものではない。
長田くらいなら互角に戦えそうな印象があった。
が、今の伊達は解説くらいしか出来なさそうだ。絡まれたらどうすることやら。
最悪、いつの間にかやられていてもおかしくはない。

一対多に丹波は苦しめられた。
が、松尾象山ならいとも簡単に切り抜けそうだ。
次回は丹波と松尾象山の差を見せつけられる話になるのだろうか。
最近、その実力が高く評価されている丹波だが、結局丹波は丹波という評価に落ち着いてしまいそうだ
まぁ、いいか。丹波だし。


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