餓狼伝 Vol.228
松尾象山(と伊達)が何者かに追われているようだ。
天下の松尾象山を付け狙う。
命知らずかあるいは大物か。
とりあえず、伊達はこの場に不敵だ。
今の伊達は角材一発でもやられてしまいそうな気がする。
松尾象山と伊達は走り続け、やがて人気のない神社に辿り着く。
それなりに走っただろうに松尾象山に汗は見られない。
さすがの体力だ。
一方で伊達は明らかに疲れていた。
遠慮なく小物っぷりをアピールするのであった。
松尾象山が言うにはまだ追跡者に追われているようだ。
だが、神社のどこにも姿は見えない。
どこかには隠れているのかもしれないが、伊達には見つけられなかった。
ダメだな、伊達。
追跡者は松尾象山の呼びかけに応じて茂みの奧から現れた。
坊主に糸目…
ちょっと立脇如水に似ているのが不吉だ。
だが、潰れた耳が積んできた鍛錬を物語る。
この男は間違いなく強い。
当然、要求は松尾象山との戦いだ。
伊達が割り込む隙はない。おとなしく、驚き役を務めよう。
「俺と立ち会え」
って、何言っとんじゃあ伊達ェ!
ここは俺に任せろは噛ませ犬の常套句ですよ。
いや、アンタはもう戦う人間じゃないって。
前回の強面にも負けちゃうってば。
まぁ、普通に断られるわけである。
理由は伊達では危険だかららしい。
かなり、過小評価されている。
伊達じゃあしょうがない。
「キマリだな」
「俺がいいっちゃいいワケだ」
だが、この伊達。迷うことなし。
構わずに突っ込む。
今のアンタの立ち位置は梶原だということをわかってるのか!?
いや、驚き役も解説役も出来ない以上、梶原以下だ!
でも、梶原みたいになるのとただの噛ませ犬じゃどっちが幸せなんだろうな。
坊主の男は突っ込む伊達を止めるように膝に蹴りを合わせた。
これで伊達の膝は破壊された。
大幅な戦力減は免れない。
というか、無防備すぎやしないか、伊達。
だが、坊主の男は手を休めない。
すかさず一本背負いを決める。
さらには投げると同時に関節を逆方向に極めている。
これにより伊達の肘もあっさりと破壊された。
投げ飛ばされた伊達は受け身のことを考える。
不意打ちを決められたもののまだ闘争心は萎えていない。
だったらイケるぜ!
ドキャ
と思ったらすぐ傍にあった木に激突した。
伊達が想定していたよりもずっと早いタイミングで投げのダメージがやってきた。
これには受け身が取れず伊達は意識を失った。
って、気絶するの早!
流れるようにボコられ、流れるように気絶した。
それでいいんすか。
伊達は天地が逆になって木に張り付く。
当然、このままだと頭から落下する。
そんな伊達を坊主の男は手で支える。
頭から落下するのを防ぐためか?
違った。伊達にそんなことをする必要ないし。
坊主の男はトドメと言わんばかりに心臓に膝蹴りを放った。
膝が伊達の肋骨にめり込む。
既に勝負ありだったというのに、容赦のない追い打ちだ。
伊達はもう金玉を潰された梶原状態だ。
今後、一切真面目に物を聞いてもらえなくなる。
次回へ続く。
待望の新キャラは実力者だった。
打撃、投げ、極め技を矢継ぎ早に繰り出し、さらには環境を利用した立ち回りも行った。
気を失った相手にさらに追撃を加えるなど容赦もない。
この坊主の男は間違いなく強い。
スポーツマンではなく武道家のようだ。
松尾象山と戦うのに相応しい実力者が現れたが、どこまで戦えるのだろうか。
松尾象山はズルいほど強い。
丹波くらいの実力では勝てないだろう。
坊主の男の運命やいかに。
そういえば、丹波は何をしているんだろう。
神山さんを餓狼に連れ戻す作業をしているところか?
リア充否定派が丹波なのだ。
だって、リア充じゃないから。
いっそのこと伊達の代役として丹波が松尾象山に付いていれば良かったのに。
そして、坊主の男に瞬殺される!
…うーむ…最近、株が上がったと思うんだが、こういうネタを即座に思いついてしまう辺り、イメージというものはなかなか払拭出来ないものだ。
Weekly BAKIのTOPに戻る