範馬刃牙 第100話 矛盾
祝第100話!
祝100話記念企画なし!
祝刃牙の出番扉絵だけ!
…これ、本当に100話か?
刃牙の出番が扉絵だけなのは100話らしいが。
ついでに「バキ」時代の100話にも刃牙は登場していない。
そんな扱いですか。そんな扱いですよ。
そんな中、烈はピクルに本気の構えを見せられ、人生の瀬戸際だ。
祝100話か、呪100話か、烈にとってはどっちになる!
[見たこともないほどの――― 前傾姿勢]
ピクル本気の構えに烈は冷や汗を流す。
いきなり冷や汗かよッッッ。
呪100話になるのか?
とにかく半端なく驚いている烈だ。
ちょっと精神的に負けている。OSR値ダウンだ。
惜しいな烈よ。
ロシアから来た死刑囚と戦っていれば、これ以上の前傾姿勢を誇る土下寝を見られたものを…
冷や汗どころかため息と同時に蹴りそうだが。
[猛獣(けもの)の戦闘態勢ッッ]
[前進……前へ進む以外は 全て排除した突進体勢ッ]
[後ろへ跳んだり……][横へ躱したりは絶対にしない]
[必ず前へ出ると 誓いを立てている]
中国四千年の辞書にもない未知の構えを烈は冷や汗ながらに分析する。
結論。
守りを捨てた構え。
分析するレベルじゃね〜〜〜〜〜〜〜。
いや、金玉の守りは完璧か。
本部が解説するとしたら「なッ…なんじゃああの構えはァッッッ」だろうか。
やばい。解説ですらない。
これを本部なんかがやったらギャグを通り越して愛玩動物になるところだが、相手はピクルだ。
これまでに驚異的な運動能力と筋力を見せてきた。
烈に反応を許さないくらいほどの背骨折りをやってのけたほどだ。
ただの突進すら絶対の必殺武器になりうる。
武術は弱き者が強き者に勝つために磨かれてきたものだ。
全てを己の肉体の強さに委ねるような戦いはしない。
あくまで技術を持って強さを求めることに本質がある。
そのため、この防御を捨て肉体の強さだけに託した構えは、中国四千年にはこれっぽっちも存在しないのだろう。
肉体だけをぶつける闘法に烈はどう立ち向かう!
ああ、肉体の硬さだけを求めた金剛拳は忘れよう。あれ、大道芸だから。
[ならば応えよう 逃げぬ……][躱さぬ……][退かぬ……]
[断じて迎え撃つ]
[中国武術を象徴するこの武器――――― 崩拳(中段突き)ッッ]
[これを以て討つッッ]
[正面から撃ち抜く!!!]
当方に迎撃の用意あり。
覚悟完了しちゃった!
おいおい、大丈夫なのか、烈。
力の勝負は無理と諦めてたじゃないか。
正面からの迎撃はモロに力勝負だ。
今は消えてるけど、ビッグ烈が耳元で囁いているのか?
しかして、烈にも勝機はある。
烈も音速拳使いだ。
ドリアンと打ち合った際には、明らかに後から拳を出して先に命中させている。
烈のハンドスピードには定評があるのだ。
スピードだけではなく100キロを超える克己やドリアンを軽々と吹き飛ばしていることから、破壊力も相当のものだ。
そのため、ピクルの突進にカウンターで合わせれば十分以上のダメージが期待できる。
…できる…はずだ。
いかんせん相手が人非ずだから先行きが不安だが。
あと崩拳というのも不安要素だ。
中国連合軍次鋒の人は崩拳出してその間実に2秒のひどい目にあった。
だが、中国武術のプライドに賭けて退くわけにもいかない。
ピクルの技術をまったく使わずに己の肉体だけで勝負を仕掛けているのだ。
それから逃げるのは技術を以て肉体に挑んできた四千年の否定だ。
受けざるを得ない。
烈永周になって逃げるのもありと言えばありだけど、2回も烈永周をやればさすがに烈の地位が底辺を突き抜けてしまう。
アイアン・エイシュウを名乗っても足りないくらいだ。
そうなると本家アイアン・マイケルに哀れみを込めて肩を叩かれる。
何かムカついたので殴ってみる。
しかし、ワンパンチKOできない。あのアイアン・マイケルを!
[Tレックス(ティラノサウルス)を屠ったあの時の――]
[トリケラトプスを打ち砕いたあの時の――――]
[ブラキオサウルスを怖じ気づかせたあの時の――――]
[強敵と認めた時のみ発動するあの日の全力(マックス)を]
[稀代の拳法家
烈
海王に]
[ぶつけていた…]
烈の覚悟を見届けたのか。
ついにピクルは動き出す。
この構えから出された技は四肢を同時に用いて突進するだけのものだった。
しかし、速度のレベルが桁違いだ。
全身が霞んで見えるほどの超スピードである。
体重100キロは軽く超える超ド級の弾丸だ。
必殺のピクルタックル(仮称)が唸る!
人知を超えた突進を目の当たりにした烈は超冷や汗だ。
しかも、汗が重力に逆らって上へと登っている。
まさかあの烈がこんなナイスビビリアクションをするとは!
いや、そういう問題じゃない。
だが、心は怖じ気づけど身体に染みついた中国武術は烈を離さない。ぎゅーっと抱きしめる。甘噛みする。愛してる!
驚愕のスピードに反応し崩拳を繰り出す!
烈の腕が残像で霞む。
ピクルも全身が残像で霞む。
パンチと同じ速度を生み出す突進であった。人間じゃねえ。
ならば、勝利するのは全身をぶつけた方か。それとも、的確に部位を撃ち抜いた方か!
[現代の盾と]
[古代の矛]
[本日は矛盾せず………………]
[矛の勝ち]
しかし、現実は非情で吹き飛ばされた烈であった。
吹き飛ばされた烈は水平に吹き飛び、地下闘技場の柵を貫く。
それでも勢いがまったく衰えず、入場口の廊下まで吹き飛んでコンクリートの壁にめり込んでやっと止まった。
勇次郎の鬼のパンチ並みの破壊力だ。
ピクルの全力は勇次郎の鬼の貌に匹敵するということだろうか。
だが、ピクルも無傷で勝利したわけではなかった。
右目が腫れ上がり鼻血を出している。
鼻が微妙に曲がっているため、もしかしたら折れたのかもしれない。
ピクルは血を拭う。
たったそれだけの動作だがピクルが負ったダメージの大きさを物語っている。
敗れはしたものの一矢報いた烈であった。
次回へ続く。
烈VSピクルの対決は大方の予想通り、ピクルの勝利で終わった。
本気で烈が勝ちそうな流れでもあったが、さすが連載中止してまで現れたキャラが最初の戦いで負けては話にならない。
ただ、予想通りではあったが、グルグルパンチなどの波乱がいくつもあった戦いであった。
間違いなく今のところ「範馬刃牙」ベストバウトだ。
そこはさすが烈である。
10年ぶりの敗北であったが、烈海王の武術を存分に出し尽くした。悔いはないだろう。
これが春成だったら何もかも出し尽くせずに負ける。克己もそうなりそうだ。
また、もしかしたらだが、立ったままの勝負を継続できていれば烈が勝ったかもしれない。
98話では圧倒できていた。
ピクルの本領を発揮する土俵で勝負を挑まれ、それを迎え撃ってしまったのが目立つ敗因のひとつだ。
地味にダメージを与え続けたら勝てた、かも…
何にせよピクルにとって圧勝ではなく辛勝であることには変わりないだろう。
で、勝負は無事終わった。
問題はこれからの事後処理だ。
ピクルは敗者を喰いますよ。戦ってる最中にも喰いますよ。全力を出した相手だから喰う価値十分とか思っていそうだ。
ここまで来て喰われたら本当シャレにならない。
どうするのだろうか。
その1 見逃す
ピクルは烈に勝ったものの、鼻血を流すほどのダメージを受けた。
鼻血を流せばダメージとも言い切れないが、今まで流していなかった以上、大ダメージと見ていいだろう。
そして、烈がピクルの闘争人生最強の敵なのかどうかはわからないが、おそらく人間としては最強の敵だ。
殺すのは惜しいとか思いそうだ。思ってください。お願いします。喰うなら適当に金竜山喰ってくださいよ。脂肪が多くて吐き出す。
ダメージ受けてるしそのまま寝そうだ。寝る、は当たるかもしれない。
その2 誰かが助ける
烈は入場口の廊下まで吹っ飛んだのが幸運だ。
廊下は暗い。ピクルは視認しにくいだろう。片目が塞がっているからなおさらだ。
烈を救助するには絶好のチャンスだ。
今だ、出番だ、寂海王だ!
烈のピンチを救ってやれば気持ちも傾くぞ。1厘くらいの確率で。
傷口を舐めてやるとあひゅッと肘打ちを喰らって一発KOだから、あまり悪ノリしないようにしよう。
もちろん、どうしてそう都合良く助けられるんだとなるが、
柳が用務員の服を着て刃牙を待ち伏せしていたり、そこに渋川先生がやってくるような偶然がバキ世界では乱発するんだ。
問題ない。
あと刃牙は助けに来ないな。間違いない。
烈の敗北を見て「やっぱり中国武術じゃピクルには勝てないか…」とか言いそうだし。
そして、今度は環境利用闘法を教えてもらう。無論断られる。
その3 現実は非情である
100話突破記念に食す!
いや、シャレなんねえよ。グロいよ。
いろいろと予想できるが烈が五体満足で負けたのも生存フラグの気がする。
ピクルタックルで骨がくしゃくしゃになったり、指などを噛みちぎられたりすればやばかったが、
噛みつきによるもの以外では目立った外傷は見えない。
再起可能な敗北なのだ。
なら、生きて帰れる!帰れ!
勝負が終われど目が離せないのであった。
目を離したくなる展開にはなって欲しくないが…板垣先生だからなぁ…
なお、次回は100回記念ならぬ100回突破記念だ。
すげえ。相変わらずチャンピオンセンスはすげえ。
巻頭カラーである。
いつも通り、扉絵だけカラーの可能性もあるが、大増と銘打っている以上、本編のカラーもあるのだろうか。
カラーで食人は勘弁願いたい。もちろんモノクロでもな。
これに加えて板垣先生仕事現場撮影もあるらしい。
仕事現場そのものよりも、板垣先生の無茶無理展開の絵コンテを渡される担当の顔を見てみたいのは自分だけだろうか。
いきなり2億年前の原人を蘇らせる構想を聞かされて、範馬刃牙を休載するなんて言われた顔はどうなんだろうなぁ…
多分、勇次郎を目の前にした小坊主みたいな顔だ。
――見てぇ!
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