範馬刃牙 第110話 通行止め



花山のタフネスさは折り紙付きだ。
たった一度の打撃で吹き飛ぶことは存在しない。
花山を吹っ飛ばすには幾度も打撃を重ねる必要がある。
そんな花山がピクルパンチ一発で吹っ飛んだ。
場が揺れる一撃だ。

吹き飛んだ花山は何人かを下敷きにしながら普通に倒れている。
殴られた頬はまだ歪んでいる。
恐竜すら恐れるピクルのパンチだ。
ヘタしたら骨が歪んでいるかもしれない。
このまま花山はダウンするのか?

その場にいる右腕コンビの一人、寺田は花山の伝説を多分…おそらく知っているため、冷や汗を流す。
今更ながらピクルの怪物性を知ったのか。
トラック破壊事件の時点で近付くな危険だと察しろと言いたい。
ヘタすりゃ最初に話しかけた時点で尻の穴を掘られているぞ。

もう一人の右腕コンビである木崎は敬愛する2代目がやられたことで怒りが爆発する。
爆発するなァ!
花山が一撃で倒されたと思っているのか?
ちょっとくらいは花山を信じてやろうよ…
あとこれは花山の戦いだから出る幕でもないぞ。

それにしても実に反省しない男だ。
この前、刺そうとしてモブ同然の男にあしらわれたんだぞ、お前は。
反省もしないから躊躇もしない。
遠慮なくピクルに殴りかかる!
せめて拳銃(ハジキ)くらいは出した方がいい。
効果ないけど出すだけ出した方がいい。

ヤクザモンの意地と誇りをかけたパンチは当然のごとくピクルには通用しない。
強者は好きだが弱者はうっとうしいのか。
剣持武志のチ○ポを破壊するほどの握力で木崎の腕を握り潰す。
そして、木崎の腕は重力に従うままに垂れ下がる。
折れたのか?それともちぎれたのか?
上着の下で折れ曲がっているため、木崎の腕がどうなったのかわからない。
が、簡単には治療できないほどの負傷を負ってしまったことは想像に難くない。
剣持武志も棒がちぎれて玉だけになったのかなぁ…

ピクルがその気になると握力だけで人体を解剖することもできるだろう。
牙を使ったのか、手を使ったのかわからないが、烈の左足だって労せずにもぎ取ったほどだ。
さすが花山に匹敵するほどの超握力の持ち主である。
木崎の安否が気遣われる。
あとせっかく本編に久方ぶりに登場したのに本気でいいところがない

花山を殴り倒し、木崎を破壊したピクルは興味をなくしたような表情でその場を立ち去ろうとする。
闘争は終えたが食事なしだ。
やっぱり、腹一杯だと無闇やたらに食わないらしい。
それとも花山の戦闘力を高いと思ったら、パンチ一発で終わってしまった肩すかしを食らった気分なのかもしれない。
強者だけが食するに値するのだ。強者がいない場所に興味はない。
向かう先はさっきのトラックでおかわりか?それとも風俗店か?
食欲は満たされているので性欲を満たすのだ。
野生度高っけ〜〜〜〜!!

立ち去ろうとするピクルの前に今度は寺田が立ちはだかる
館長直々の命令だ。それを反故にするわけにはいかない。
でも、ピクルは一目で寺田を軽蔑するような視線を向け、意に介さず脇を進む。
ある意味一発でダウンするよりもひどい。

相手にすらされない寺田はピクルを止めようと、五体に染みこませた空手を繰り出す。
まずは側面からピクルの顔面にハイキックを当てる。
直後にピクルの正面へと立ち、左膝へローキックを放つ。
顔面パンチに不慣れな空手家がもっとも嫌う対角線への攻撃だ。
空手家だけに空手家の弱点を把握した攻めである。これも克己直伝だろうか。
並みの空手家相手なら十分以上の効果が期待できるはずだ。
でも、相手は空手家じゃなく恐竜ですよ。
舐められるのも一つの権利だと元館長が言ってたぞ、寺田。
実にその通りだなぁ…

体重を乗せた2連撃にピクルの動きは止まる。
そりゃあ目の前に
さらに寺田はアッパー、蹴り、正拳突きをめまぐるしく交えたコンビネーションをピクルに繰り出す。
さすが、克己の右腕(仮)だ。
息つく暇も与えぬ見事な連携であった。
でも、相手は人間じゃないから。人外どころか生物外の疑いもあるから。

ピクルは寺田の攻撃にまったく動じた様子を見せず、烈を叩き落としたハエ叩きを出す。
烈に当てたものよりも大分遅いし軽そうだ。
それでも寺田は地面に勢いよく衝突して気絶する。
地面がコンクリートだし、そもそももう一人の被験者烈とは基本性能が旧ザクとνガンダムほどに離れている
しょうがない。

克己も寺田じゃなく加藤か末堂を使えば良かったのに。
末堂はあっさりやられそうだけど、加藤はドリアン戦のようにイロイロと頑張ってくれそうな予感がする。
ジュラ紀にはなかった戦い方をするからピクルを開始1分くらいは翻弄できるかも。
…あ、それはガイアの役目だ…

寺田も堕ちたことでピクルの目の前を遮るものは何一つなくなった。
神心会門下生一同もピクルの超暴力を見た後では、とてもじゃないが襲い掛かる気にはならないだろう。
すっかりギャラリーになってしまっている。
克己ももうちょっと手練れにピクルの捜索と捕縛を頼めばいいのに…

だが、その時、ピクルの前にある男が立ちはだかる。
花山だ。
いくらピクルの身体能力が優れていても、たった一度のパンチで終わるような男ではなかった。
これでダウンしていたらピクルの攻撃に耐えられるのは範馬だけになってしまう。

「行かせねェよ」

おそらく、人生の中でもっともすさまじいパンチを受けた花山だが、顔にまだまだ余裕はある。
自分とまったく同じタイプの存在に出逢えた喜びを宿しているのか。
立ち上がった強者を前にしてピクルも笑みを浮かべる。
ピクルはタックルをぶちかます。
花山はそれ受け止める。

自分の力だけに頼る二人らしい、力による激突が行われた。

あまりの凄まじい勢いで地面と擦ったためか、花山の靴は一瞬でちぎれ飛んでしまう。
靴下はない。相変わらず素足で靴を履くのが花山流らしい。
いや、そこは無視しておこうよ。

花山は素足のまま、地面を踏みしめる。
力みまくっているのでコンクリートが削れる


普通の人間が相手だったら、そのまま押し倒していたところだろう。
烈海王をして力での勝負は無理と言わしめるほどだ。
だが、止まる。
花山がタックルを受け止めることに成功する。
あのピクルが冷や汗を流す。
ピクルが闘争において初めて冷や汗を流した。
烈の猛攻を受けてもまったく汗を流さなかったというのに。
花山の力はピクルにとっても驚愕に値するものなのか!

ピクルは驚いた顔をする。
現代になって初めて自分を真っ向から受け止めた人間が目の前にいるのだ。
改めて目の前の敵を確認するように顔を上げる。
目の前に移ったのはトリケラトプスの幻影だ。
花山のパワーはトリケラトプスに匹敵するらしい。
烈に恐竜の姿を見なかったのは、やはりパワー不足だったからか。

Wikipediaを見てみるとトリケラトプスは体長は約9m、体重が約5t〜8.5tのようだ。
対して花山は190.5cmで体重が166kgだ。
体重なんて1/10どころじゃない花山がトリケラトプス級のパワーを出している。
ピクルにとって驚くに値するのだろう。
初めて自分に比肩しうる力を持つ男が現れたのだ。
勇次郎も鬼の貌を出していたら、冷や汗を流していたのかな…

ついでにティラノサウルスは体長約11〜13m、体重約5〜6tらしい。
トリケラトプスは体重ならティラノサウルスを凌駕している。
ティラノサウルスよりもトリケラトプスの方が強いとも言われているようだし、トリケラトプスは意外と侮れない。
現代のトリケラトプス相手に古代の人類はどう戦う?
目が離せない。
パンチならバキキャラ随一の花山パンチがピクルにどれだけのダメージを与えるかも気になるところだ。


さて、前回衝撃的展開になった神心会本部の方は…

「フフ……」
「化けるかもな」


独歩が布団をかけて寝っ転がっていた。
って、あれで決着かよ!
克己の不意打ちは見事に成功したらしい。
空手家として父親越えを果たせなかったが、単純な闘争では父親を越えた。

不意打ちでの決着だ。
普通なら得心のいくものではないだろう。
克己は満足していなかった。だが、独歩の顔はあくまで嬉しげだ

克己は才能もあり、努力もあり、実力もあった。
しかし、心構えに甘さが見られ、空手を完成させたものの空手家としてじゃ完成していなかった。
それがここで父親を不意打ちで倒し、勝負よりも目的を優先させる非情さを見せた
今の克己は精神面が今までとは比べものにならないほど強くなっているのだ。
かつて見せた甘さは完全に消えていた。きっと、下段突きを死ぬまでやるだろう。
ついに独歩を越える時が来たのかもしれない。

独歩は息子の成長と覚悟を見抜けなかった。
逆にそれが嬉しそうだ。
非情さを身につけた克己は本当に化けるかもしれない。
でも、ガソリンぶっかける非情さとかは勘弁な。

ピクルを中心としてかつて拳を交えた二人の男が集おうとしている。
花山VSピクルになるのか、克己VSピクルになるのか、それとも克己VS花山のリベンジマッチか。
展開が読めない中、次回へ続く。


パワーでは不利と思われた花山だが、トリケラトプス級のパワーでピクルを受け止めることに成功した。
ピクルに冷や汗を流させるほどだ。
花山だし存外善戦できるかもしれない。
でも、トリケラトプスも食ったことあるんだよな、ピクル。
真のピクルタックルが炸裂も受け止められるのだろうか。
今の克己なら迷わずかわすだろうけど、花山ならピクルタックルを受け立つんだろうなぁ…

久しぶりの花山が底力を見せる一方で克己は独歩を下していた。
甘さの抜けた克己なら奇跡を起こしうるかもしれない。
えーと、ピクルのパンチを蹴りで受け止めるくらいの奇跡は。
…独歩を倒したのが克己の運の尽きじゃありませんように…

ただ、どうも冴えない克己だけど、花山と五分るだけの実力はある。
烈との対決だって結果としては惨敗だったけど、あれは油断が大きい。
もし、油断せずに勝負に望んでいたらもっと善戦できたかもしれない。
…どうも希望的観測に収まるな。
克己は強いんだと断言できない。
強いはずなのに…克己…

ピクルの対戦相手は烈の次に花山と出し惜しみ一切なしのセレクションが行われている。
描きたい順番に描いているんじゃないだろうな、板垣先生。
昂昇とかがちょっとかわいそうになってくる。
花山のような乱入者が相次げばもっとかわいそうになるな。
寂海王もネタが風化しないうちに頑張ってもらいたいところだ。

それにしても現場が盛り上がる中、刃牙が出てこない。
盛り上がれば盛り上がるほど出てこないのが主人公なのか。
いや、普通、そういう時こそ出てくるよ。
アイアン・マイケルとマウスの対決の時も出てこなかったから、今回も出てこないのだろうか。
ピクルの元へと向かう克己を通せんぼするとか。
「ピクルと戦いたければ俺を倒していけ!」
「それはこっちの台詞です」
ダメだ。道理を全然通せない。

そういえば、アイアン・マイケルは今どうしているんだろう。
ゲバルも刃牙もいないから、マウスにリベンジされたらもうどうしようもない。
それとも、ピクルニュースを聞いて単身来日かな…
もう二度と出てこないと知った上で無茶を言っていますが何か。



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