範馬刃牙 第111話 精神力



花山のパワーにピクルが汗を流す。
単純なパワーでは(範馬一族を除けば)間違いなくトップクラスの花山だ。
現代のパワーファイターの真髄を古代のパワーファイターに見せつけるのか!
で、克己は?

[時は21世紀 場所は日本國東京都]
[色とりどりのネオンさんざめく繁華街]
[―――であるにもかかわらず 古代戦士の網膜を通した脳には]
[まるで別なものが描かれていた]


ピクルは花山の10倍以上の大きさを誇るトリケラトプスの姿を見る。
何でも恐竜基準だから強者は恐竜に当てはめないと気が済まないんだろうな。
アンドレアス・リーガンと力比べをすれば最大の恐竜、ブラキオサウルスを思い浮かべるのだろうか?
いや、あいつはそもそもパワーがないよ…

[自分の行く手に立ちはだかるこの雄(オトコ)]
[自分よりもはるかに小さいこの雄(オトコ)が――]
[かつて彼の地で―――――]
[己と雌雄を決した好敵手たちと同等の力を有している!!]


自分よりも小さい花山がトリケラトプス級のパワーを発揮したことにピクルは驚愕していた。
105話によるとピクルの身長は200cm、対して花山は190cm。実に10cmの差がある。
十分な巨漢同士、10cmの差なんて僅かなものに思えるが、ピクルにとっては大きな差らしい。
巨大すぎる恐竜と戦ってきたことで、自分より小さい相手には敏感なのかも知れない。

また、さりげなくピクルは花山を行く手に立ちはだかると表現している。
襲い掛かっていると見ていない。
敵意に敏感なピクルのことだからダマされていることはないだろうし、花山もピクルを欺くような人間ではない。
花山はピクルと戦うためにこの場に現れたのではないのか?
前回、「行かせねェよ」と発言していることから時間稼ぎでもしているのか。

ピクルは回想でジュラ紀はトリケラトプスと正面から力比べをしていた。
ああ…馬鹿だ、こいつ…
自分より重くデカい相手に正面衝突するのかよ。
もうちょっと、こう、横から攻めるとかあるだろう。
ティラノサウルスの側頭部を殴りつけていたし、もうちょっと知恵を働かせるかと思ったら…
さすが異常に力んでトラックに轢かれるだけはある。

もしかして、ジュラ紀人(仮)が滅んだのは種族全体が無謀な力比べをしたからか?
ピクル的には同種を食うのもありみたいだし、ジュラ紀人は強大な敵に逃げず挑んだり、種族同士で食い合ったりして絶滅していったのだろうか。
そして、こんなハチャメチャな戦いを幾度も繰り広げたことがピクルの強さを裏付けているということか。
バキ世界は異常な闘争=強さだからなぁ…
あ。キングコブラやアナコンダと戦っても強さには結びつかないけど。

ついでにピクルの体重が130kgに対し花山は160kgだ。
身長では負けているのだが体重では花山が勝っている
食したトラックの生肉の分、100kgを勘定に入れると話は変わってくるがあえて無視しておく。

ボクシングでは体重で階級分けされるほど、体重は闘争において大きなファクターを担っている。
ピクルは大きさという概念に注視しすぎて重さの概念を見逃している。
100kgの差があればアイアン・マイケルだって勝負を投げるほどだぞ!
…ごめん。体重差は身長差と同じくらい関係ないかも…

[あいつあいつ程度の大きさに過ぎないこいつ]
[なのにその重量感ときたら……]


小型恐竜程度の大きさの花山がトリケラトプスのような大型恐竜の力を出す。
大きさこそ力だ!力こそパワーだ!と言わんばかりのジュラ紀理論を覆す出来事にピクルの足が止まる。
ティラノサウルス級の迫力を見せた勇次郎のことはさっぱり忘れたらしい。87話
勇次郎も小さかったじゃん…あの頃の君は220cm近い身長はあったじゃん…最近はけっこう縮んだみたいだけど…
ピクルが全力を出した瞬間に勇次郎は技を使ったので、迫力はあるけどパワーは感じ取れなかったのか?
勇次郎がその気になればピクルと正面からの力比べをやってのけたのかも。

「原始だ恐龍だとごたいそうな騒ぎだが」
「それっぱかしじゃ あんちゃん」
「新宿じゃあ通らねェ」


今度は花山がピクルを押すッ!!
ピクル曰くトリケラトプス並みのパワーだ。ピクルも負けじと踏みこたえる。
あまりのパワーにコンクリートの地面はピクルの足に沿って削れていく。
剣持武志から奪った靴は無残にもちぎれ飛ぶ。
ギャー!剣持武志の持ち物が!
いや、それはどうでもいい。

魔都新宿を生きる男の意地を花山は見せる。
新宿は確証こそないもののいろいろな格闘家が戦った街だ。
油断すれば手を切られたり、武装した中国人にひどい目に遭わされたりする。
でも、剣持武志でも喧嘩無敗でいれたんだよな。
新宿はけっこう穴場じゃないか?
まぁ、剣持武志は花山を見た瞬間、縮こまりそうだけど。

主にパンチ力と握力が取り沙汰される花山だが、それを支える脚力も驚愕に値するものがある。
その脚力を活用した見事なタックルでピクルを押していく。
恐るべきパワーの前にピクルはまたも冷や汗を流す

[無理もないことだったろう]
[この雄(オトコ)を取り巻く様々な社会的事情―― 義理? 人情? 責任? 約束?]
[そんな様々な人間模様から発揮される 理屈や常識 人知を超えた
 ある種神懸りな力]


心を持たない恐竜には発揮できない力を花山はぶつけた。
男気で強さを支えている花山らしいパワーだ。花山のタフネスは根性で構成されております。
ピクルの冷や汗の正体は精神力というジュラ紀には一切出逢ったのことのない未知の力だった。
えーと…ジュラ紀には存在しない技術という力は別に平気なのか…?
あるいは精神力以上に理解できないからどれだけすごいのかも理解できなかったのか。

[待ち侘びていた……]
[己の全てをぶつけてもいい実力者]


ピクルが笑った!
強敵を見つけた時のみに浮かべる喜びの笑みだ。
花山を完全に認めた証拠だ。

現代に舞い降りて以来、自分の力を全てぶつけられる相手に不足していた。
それを見つけた喜びは計り知れないものがある。
でも、烈のことを忘れちゃやだよ?
烈にだって全力をぶつけたじゃん…四足歩行に戻ったじゃん…涙流すほど好きだったじゃん…足食ったじゃん…
たしかに全力を出した瞬間に勝負が終わってしまったけど、烈だって全力をぶつけるに値する相手だったはずだ。
もしかして、烈の実力を認めたから全力を出したんじゃなく、烈の相手をするのが面倒になったから全力を出したとかじゃないだろうな。
トラックに轢かれたショックで烈のことを忘れてしまったと信じたい。
いや、それだとトラックの衝撃>烈になっちゃうな…

「終わりだ」

パワーファイターの巨頭が激突を開始しようとしたのかと思ったら、花山がいきなり終了を宣告した
花山はピクルと戦おうとしていたのではなく、足止めをしていたのだった。
ピクルが察した通り、花山に敵意はなかった。
花山のパンチを久しぶりに見れると思っていただけに少し残念である。

何のために、誰のために足止めしたんだ。
克己か?
かつて拳を交えた者同士、特に親交は見あたらないが通じ合うものはあるのかもしれない。
木崎と寺田が争ったけど、花山は事情を説明することはないだろう。黙して目的を果たすだけだ。
断言できる。していいのか?

「遅ェぞ」
「バキ……」

若き巨凶が帰ってきた!どこへ行っていたんだ主人公!
俺たちは花山の活躍を待っていた!範馬刃牙だ!
…刃牙かよオオオオオオオオオオオオ!!!
あと数ヶ月は出番ないと思ってたのに…空気読めよ!
いや、そうすると紙面に出ないことが空気を読んでることになるな。
実際に読んでいるから困る。

花山は刃牙のためにピクルの足止めをしていた。
密かに強い友情のある二人だ。花山もピクルに興味があっただろうし、足止めを快諾したのだろう。
それにしても警察は神心会にも花山組にも出遅れている。
本当に使えない…!

刃牙の登場に神心会門下生一同も驚く。
本物かどうか疑うほどだ。
何だ、その稀少動物的な扱いは。
出番的には稀少動物だけどな!
「範馬刃牙」における出番の数も烈と同じくらいじゃないだろうか?と疑ってしまうほどだ。

「キレイだな……………やっぱり…」

刃牙はピクルをキレイだと言う。
相変わらず独特の美的感覚を見せる。
さすが寂海王を美しいと評するだけはある。
変に誤解させるようなことを言うな。

あるいは人体本来の機能に満たされたピクルの肉体に機能美を感じたのかもしれない。
ただ、立っている。
それだけの行動にあまりに美しい筋肉の流れを刃牙は見たのか。
刃牙は鋭い観察眼を見せた可能性も否定できない。

ピクルは純粋な闘争のみで鍛え上げられた自然な肉体だ。
強くなるために身体を鍛えるというある意味不自然な格闘家の肉体 とは根本的な部分で違うのかもしれない。
刃牙だって強くなるためにかつて不自然なトレーニングを重ねた。
美しいと感じたのは、自分の醜さを知っているが故か。

ああ、でも、幼少期に鍛えた筋肉は範馬的部分に食い尽くされた気もする
とりあえず、SAGAを体験したことで体細胞が生まれ変わったよな。
毒が裏返ることでさらに細胞が変化したかもしれない。
ピクル同様に刃牙も生物外の可能性がある!
そう断言できるのが範馬一族の怖いところだ。
とりあえず、範馬の肉は人間のものじゃないよな。

史上最強と地上最強の息子がついに出逢った。
ピクルは範馬一族の開祖という説がまことしやかに囁かれている。
これは最古の範馬と最新の範馬の出逢いかもしれない
生物外の強さを持つピクルとよくわからないけど何だか妙に強い刃牙。
二人の出逢いは一体何を引き起こすのか。
次回へ続く。


何故か刃牙が出てきた。
克己はどうしたんだ。せっかく独歩を倒したのに影が薄いぞ。
克己など我々の中では番犬のようなもの…
刃牙が来週辺り言いそうだ。
急行した克己に対してアンタじゃ無理だ俺が代わるとかも言いそうだよな。
せっかく克己の株を上げたのに一瞬で堕落してしまう。
やっぱり、それが克己の役割なのか…

刃牙が出てきたおかげで花山とピクルの対決はなしになりそうだ。
入れ替わりで刃牙とピクルの対決が始まるのだろうか。
いや、それは間違いなくないな。
刃牙は戦わない人として有名だ。
「範馬刃牙」が連載開始して2年が経つというのにカマキリと看守とオリバとしか戦っていない
実に8ヶ月に一度戦っている割合である。
ライバル候補のゲバルとも戦わなかったほどの出不精なので、もしかしたらピクルとも戦わずに終わるかもしれない。
勇次郎がピクルを食ってしまうのだ。
もしそうなったら普通に大物だ。

刃牙のおかげで克己の戦意も落ち込みそうだ。
落ち込ませてもおかしくないよな。
克己が食われそうになっても放っておく。
そして、克己の意味を説いて、主人公度を上げる。

何だかこのまま解散になりそうな勢いだがどうなるのだろう。
解散になったら自宅に戻った花山をピクルが付け狙うとか。
花山の寝床に襲い掛かるピクルだ。
これぞ真の夜這い!
そして、己の全てをぶつけるのだ。
どこにぶつけるかというと、花山の引き締められた括約筋に。


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