範馬刃牙 第118話 超音速



刃牙が新聞紙を拳の中に隠せるようになった。
だから?
誰もがそう思っていそうだ。
なんか主人公の癖に地味だ。


さて、克巳と烈は一緒にTVを見ている。
アニメ版つよきすか?
いや、ツンデレだけに。

なんてアホなことは放っておいて、見ていたのは拳銃の弾丸の動画であった。
弾丸は何かを突き抜けているように線が入っている。
克巳が言うには音速の壁を越えたことによる衝撃波らしい。
…衝撃波が視認できたら、拳銃を撃つ度に空間が歪んで見えないか?

ともあれ音速を越えるマッハ突きに磨きをかけるために、烈と克巳は資料を参考にしている。
ううむ、新聞紙を握っただけの主人公とは偉い違いだ。
いや、一目で習得できるからこんなことをしなくてもいいのか?

ここで克巳は解説に花を添えるべく、音速を人力で越えることのできる道具として鞭を取り出す。
…準備がいいな。
何だか烈に使うためにあらかじめ用意していたんじゃないかと疑ってしまう。

パァン

克巳が鞭を振ると破裂音が鳴り響く。
この音に烈は片目を閉じやや身を引く。
何ですか、このキュートな萌えリアクションは。
実際に見てみれば本気で可愛いぞ!烈海王は俺の嫁と叫ぶ価値があるくらいだ。
梢江よりもはるかに萌えキャラである。今なら間違いなくトゥルー家族の一員になれる。
さすが、烈海王だ。
デレ期に入ってなお魅力に磨きをかけるべく、精進を怠っていない。

この破裂音は音速を越えた音であった。
その瞬間を高速度カメラで撮影すると、弾丸同様に衝撃波が広がっている。
克巳はよく撮ったと感心する。
うん。よく撮ったよな。
烈がハイテク機器を使えるとは思わなかった。
そういう問題じゃないが。

資料を見た克巳と烈は再び道場を戻る。
知識を蓄えたらさっそく実践が上達の鍵だ。
ここまで来ると知識があろうがなかろうが関係ない気もするが。

足の親指から始まる約10ヶ所の関節の加速が音速拳を生み出す。
が、音速は時速1225kmのため、関節のスピードは100kmは超えなければいけないと克巳は語る。

「不可能だ」

スピードは足し算じゃないんだから各関節の速度を足していけばマッハを超えるわけでもない気はするが、
マッハ突きには10個の関節では足りないと克巳は自らで結論付ける。
ならば、どうするのか。
そこで背骨の加速を行っていた。
これで稼働関節が27ヶ所になり、音速の壁を越えることができる。
足し算じゃないけど越えられる!
10ヶ所+背骨の17ヶ所がマッハ突きの正体だった。

「こんな程度であの超雄の――――― ブ厚い筋繊維を貫けるのかな」
「アイツの対戦者の攻撃って こんな程度なのかな」

「無論 十分ではない」


克巳の問いかけにピクルと戦った烈は迷わず答える。
烈はピクルに武術の限りを尽くしてもダメージを与えられなかっただけあり、非常に説得力のある言葉だ。
新聞紙を握りしめる程度のトレーニングであの超雄のブ厚い筋繊維を貫けるのかな。
無論十分ではない。

だが、烈の返答を受けても克巳の顔に絶望の色は見られない。
むしろ、笑みを浮かべる。
今の克巳は一人ではない。烈がいるのだ。

「この技にはまだ可能性がある」
「君のその手に さらなる速度とさらなる重さを加える可能性が」


4001年目の中国武術にはマッハ突きの先がある。
さらなる加速を加える案を克巳に授けようとする。

「手指のの第三関節から第一関節まで駆動させ さらなる加速を生む」

だが、克巳は先手を打つ
天才愚地克己は伊達ではなかった。
烈の力を借りずとも、既にマッハ突きの進化形が見えていた
…先に言われた烈の表情はちょっと残念そうだ。
あと指関節を加速させてどうする気だ?
さすがに無茶だろう、それは…

「そんな超高速へ贅沢にも 重量(おも)さを加えたいというのなら」

「人体最重量部位頭部ッ」
「こいつをフル可動させ―――」
「鋭利な貫手に頭部の重さを備える」


指の加速にさらに頭部の重量を加えることで、速度と重量を飛躍的に向上させたものが4502年マッハ突きだ!
いくら何でも理屈が飛躍しすぎている
指を加速させても速度のプラスになるかは怪しいし、頭を動かしてもウェイトが乗るのか?
文句はマッハ突きをやってから言えということだろうか。

ともあれ、4502年マッハ突きの正体はマッハ貫手だった。
指関節の加速は置いておいても、貫手にすることで空気抵抗がなくなってより速度が上がるかもしれない。
そこ、意外と地味とか言うな。

[空手史上 最完全なる武器 完成と相成る]

龍書文がオリバに貫手をやった時のことを思い出した。
いや、まさか、あの再来はないよね…
4502年マッハ突きは並みの格闘家を相手にすれば腹筋を突き破って内蔵を破壊しかねない大技だ。
でも、相手はピクルなんだよね。
頸動脈をつま先蹴りされてもノーダメージだった生物だ。
…貫手は外れじゃないか?

「フフ………今 理解(わか)ったよ
 君がなぜ最終兵器(リーサルウェポン)と呼ばれていたかを」


ダメだこいつ…早く何とかしないと…
そう思っているかどうかはわからないが、4502年マッハ突きの形を既に見据えていた克巳を見た烈は冷や汗を流す。
畏怖からか、それとも失望からなのかはわからない。
リーサルウェポン呼ばわりされていたのは随分前の話だなぁ…
烈もご丁寧に過去形にしているし。

ともあれ、4502年マッハ突きは完成した。
ピクル戦への準備は出来上がった。
あとは刃牙の妨害をいかにかわすかだ。
もしかしたら、新聞紙パンチと4502年マッハ突きが激突するかもしれない。
新聞紙パンチが勝ったら俺はキレる。
次回へ続く。


無理無茶理屈が相次いだが4502年マッハ突きが出来上がった。
克巳の指に悪そうな必殺技だ。
指が壊されて食われるということがありませんように…

4502年マッハ突きは本当に大丈夫なのだろうか。
貫手にしたおかげでピクルの腹筋に負けそうで怖い。
ピクルには弾丸が通用しなかった。
既に音速は克服済みだ。
…同じように通用しないのかなぁ…

しかし、烈が僅かな助力をするだけであまり役に立っていない。
いや、萌えリアクション全開だけど。
ピクル編に入ってからの烈の萌えキャラ化はすごい。
克巳がまた鞭を取り出すかもしれない。

もしかしたら4001年版のマッハ突きは克巳の構想とは違うかもしれない。

「10ヶ所の関節の加速で足りないなら速度を増やせばいいのです克巳さん」
「ッッッ!? 烈さんが見たこともない構えを取っている」
「両腕の回転こそが新しいマッハ突き!ピクルとの戦いで開眼したのです」

そう、4001年マッハ突きはグルグルパンチなのだ!


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