範馬刃牙 第12話 戦闘形態(ファイトスタイル)



てっきり前菜感覚で終わると思ってたカマキリとの戦いがもう1ヶ月も続いている。
サクッと終わらせるかと思いきや大苦戦だ。
Jr.もこれくらい頑張って欲しかったなぁ。
妄想相手に長期戦をする刃牙もアレだけど。


[こんなのフツウじゃないッッ]
[こうまでしてやることじゃない]


雄雄雄雄雄雄雄雄ッッッ。
ルミナが至極ごもっともなツッコミをしたッッ。
そうだ。
現実と戦えッッ。SAGAしろッッ。
ごめん、SAGAだけは勘弁だッッッ。

――と、いい歳した男が自分の妄想と戦う姿をツッコんでいるのではなく、血を流すまで自分を追い詰める必要はないと主張しているらしい。
あー…完全に範馬ワールドに囚われていやがる。
きっと、梢江みたいな人を美少女と認識するに違いない。
まぁ、そんな範馬ワールドにかくいう自分も囚われているのだが。
あ、でも、梢江は美少女だと思っていませんよ?
あれで抜くなんて4000年かけても不可能です。

「バキさんもういいッ」
「もう十分だッッ」
「そこまでやっちゃダメだバキさんッッ」
「バカバカしいよこんなことッッッ」


心情はともかくとして、言葉だけなら読者の気持ちを代弁している
うん…本当にもう十分だ…
自分の妄想と戦うなんてバカバカしいよ…

だが、こんな心配をよそに妄想は加速していく。
ますます実物チックになった挙句、体温まで感じるほどにたしかな存在になっていく。
…た、体温を感じるのかよ〜〜〜〜〜。
妄想じゃなく、スタンドじゃないか、これ。
これは水をお湯にするスタンドだ、きっと。

そんな加速する妄想カマキリが突如として仕掛けたッッッ。
狙いは足か。
下半身に鎌を振り下ろす
刃牙はそれを無駄にアクロバチックにかわし、さらには恐るべき跳躍力で背中に回り込む。
そこは死角、のはずだが、カマキリは刃牙の姿を捉えていた。

[複眼(アレ)を持つ相手に]
[死角は存在しない]
[ヤツがどっちを向いていようと]
[この部屋の][隅から隅までが][ヤツの視界の中]
[どこにも逃げ場がないッッッ]


さすが、複眼。
刃牙はカマキリの視野の広さを再確認するのだった。
それはともかく、自分で作った妄想なんだから、視野の広さくらい知っていてもいいのではないだろうか?
前回の金属のような硬さもそうだ。
むしろ、知っていなきゃおかしいだろう。
前々からのことだが、刃牙が作ったはずの妄想が一人歩きしている
…やっぱり、スタンドとかそういう類じゃないのか、コレ。

逃げ場のことを考えたりと、刃牙はすっかりネガティブ発想に陥っている。
やる気満々で妄想カマキリを招聘したのに、逆にこっぴどくやられている。
ネガティブになってもしょうがない。
ポジティブに現実を向き合って欲しい。

[俺は”逃げる為”にここにいるのか?]
[アイツと――――――]
[アイツと闘うときにも”逃げ場”を捜すのか!!?]


刃牙がこんなネガティブな思考に陥った時に出てくるのは、当然勇次郎だ。
憎んで憎んで大嫌いなアイツも、いざという時には心の支えとなっている。
普段は「○○…お前なんて大嫌いだ」と言いながらも、誰かに襲われた時に「○○!助けてぇ!!」と叫ぶようなものだ。
このツンデレ野郎ッッ!!

だが、バキ世界には烈海王というツンデレ業界全体で見ても一級品のツンデレがいる。
そして、餓狼伝にも藤巻という新しく、そして強いツンデレがいる。
彼らに比べたらまだまだ刃牙は3流だ。
いや、1流になられても困るんだけど。

[考えろッッ]
[蟷螂と闘う――――]
[闘法(オリジナル)!!!]


刃牙の目に再び光が宿る。
やる気だッッッ。
さっきまで逃げ場のことを考えていたのとは大違いだ。
パパの援護は強力だ。

でも、カマキリ用の戦い方を編み出しても、人間との戦いでは役に立たないと思うのは自分だけか?
ポジティブになったと思ったら、方向性はわりとネガティブだ。
まぁ、勇次郎には人間用の技なんてそもそも通用しそうにない
現に技術の粋とも呼べる消力(シャオリー)も勇次郎の前には敗れ去っている。
そのため、対勇次郎戦のことを考えると変化球で対カマキリ用の技術を学ぶのは悪くない、かもしれない。

カマキリはまた鎌で攻撃しようとする。
原始的ながら効果的な攻撃だろう。
金属並みの硬さを持つらしいので、直撃すれば大ダメージは免れない。
普通なら必死こいてかわすだろう。
だが、勇次郎援護(脳内)を受けた刃牙は違う。
カマキリの首にカウンターでパンチを当てるッッ。
でも、あまり通用しそうにないぞ!
大丈夫か!?
身体よりも頭の方が!!

――と、思ったら、カマキリは勢いよく後ろに下がっていく。
今まで刃牙の攻撃をものともせず攻撃を続けていたカマキリだが、今度はダメージがあったらしい。

[蟷螂の首の下に感じた……]
[柔らかな感触……]


妄想にこういう感触があるのは相当狂っていると思うけど無視して続ける。

[使用(つか)った打撃は――――――]
[二本貫手!]
[これって……]
[蟷螂拳!]


刃牙は無意識のうちに蟷螂拳を使ったようだ。
味を得たのか、刃牙は蟷螂拳の構えを取る。
カマキリにはカマキリかッッ。
カマキリ用の闘法は蟷螂拳になってしまうのか!?

ところでどうでもいいことだけど、今までバキには蟷螂拳の使い手は一人として出てきていない
中国拳法なのに大擂台賽には蟷螂拳海王なんていなかったし。
もしかして、カポエラやムエタイと並ぶ地雷格闘技か?

でも、範馬のことだからなぁ。
地雷格闘技も使いこなすかもしれない。
勇次郎戦でも、
[使用(つか)った打撃は――――――]
[スネによる蹴り!]
[これって……]
[ムエタイ!]

――とかやるかも。
あ、勇次郎のムエタイ対策は完璧だから、そんなの通用しないか。


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