範馬刃牙 第14話 同種から捕食種へ



鳥のように刃牙は飛び上がる。
ついにカマキリ戦決着かッッ。
どんな技を繰り広げるのか。
頼むから天内みたいに頭上から蹴り続けるのはとどめとしてしょっぱいので止めてもらいたい。
ルミナが「あのバランスのいいカマキリが」と解説すれば、それはそれで面白いけど。

と、思ったら、刃牙は後ろに下がっただけだった。
だ、騙されたッッッ。
とどめを刺すかと思ったらただのバックステップかよ!
1週間期待させてこれか!

(な〜〜〜んか見えてきた)
(難攻不落カンペキと思えた 完全格闘家)
(そのたたずまいの あちらこちらに つけ入る余地…?)
(そこここに見える)
(確かな弱点(ウィークポイント)ッッ)


読者のやきもちとは裏腹に、刃牙はいたって冷静だった。
数週間前まであれほど手強かったカマキリの弱点を観察する。
こうなると刃牙は強い。
憎いまでに強い。
おかげで他の格闘家に恨まれる。
ついでに読者からも。

(身体が対応している)
(蟷螂(コイツ)に どう対応するのか)
(身体が教えてくれる)


カマキリは両鎌で襲いかかる。
が、刃牙はジャンプでかわし、ヘッドバットのカウンターを当てる。
もう無理な体勢をか野暮なことは突っ込まん。
頭突きなんてあまり効果ないんじゃないのか?と思ったりしたが、刃牙の狙いはそこではなかった。
鶏口(けいこう)の形に両拳を作り、カマキリの首筋を的確に突く。
鶏口は某明治剣豪漫画で自慢げに使っていたので、知らない人はそれを参照に。
まったく通用していなかったけど。

何はともあれ突く。
カマキリはのけぞる!大ダメージだ。
そっかぁ〜…カマキリの弱点って…首筋だったんだ…
相手がムエタイならこれだけで数年間出てこれなくなるダメージだが、カマキリは即反撃を試みる。
左鎌を横に振る。カマキリフックだ。
狙いは刃牙の首のため、本気で切り裂くつもりか。
しかし、これも刃牙はジャンプでなんなくかわす。
そして、天内のような飛び蹴りでカウンターする
カマキリの脳が上下左右に揺れる。
脳が小さいから脳震盪起きないらしいけど。

しかし、身体が教えてくれるのかよ。
結局は才能ということですか?
なんかイケメンじゃなきゃ勝てないテニプリ世界を思い出してしまった。

(バキさん…なんか変化(かわ)った)
(顔が―――――なんか余裕……)


完全に範馬タイムだ。
さっきまで苦戦していたのに、それを感じさせないほどの勢いでカマキリを一方的に攻撃する。
昆虫愛護集団に糾弾されようなくらい、一方的にボコボコにしている
もはや、刃牙の動きは蟷螂拳ではなく、別の何かに変わっているようだった。
蟷螂拳にハイキックはないだろうし。

(鳥VS昆虫(むし)を見ているような)

ルミナは刃牙の影が鶴に見えた
つ、鶴ですかぁ…
これまた優雅なものを。
ところで100キロのカマキリはアフリカ象よりも強いんじゃなかったのか?
何だか強さの基準がおかしくなってきた。
鳥を模写した刃牙>100キロカマキリ>アフリカ象なのだろうか。
でも、アフリカ象と戦う際は鳥拳法は通用しないだろう。
…蟷螂拳で戦うのか?

[あんなに凶暴だった蟷螂も――――――]
[今は逃げてばかり]
[バキさんはますます余裕で――――――]
[あんなに見上げていたバキさんの顔が]
[気が付くと――――]
[その視線は水平(まっすぐ)よりも低く――――]


あ、妄想カマキリが手のひらサイズになった。
け、決着はどうした、決着はぁ!!
たしかに刃牙の圧倒的有利だったけど、この終わり方はないだろう。
ひどい。

「弱点(ウィークポイント)が見えちまえば――――――」
「100キロも実物大もいっしょだ」


そう言って刃牙は勝ち誇り、手のひらサイズ妄想カマキリを空中へ逃がす。
妄想ゆえに天井を貫通し羽ばたいていく。
え〜〜〜〜〜〜〜〜と…決着、ですよねぇ?
弱点が見えれば勝ったも同然ということか?
なら「弱点(ウィークポイント)が見えちまえば――――――」「勇次郎もロシア人もいっしょだ」と言ってもらいたい。
そして、敗北してもらいたい。

刃牙は妄想の次は本物に目を付ける。
どうやら死んではいない。
妄想と現実が直結するのは刃牙だけのようだ。

そのカマキリを5本の指を使って相手をする。
素早く繰り出される本物カマキリの攻撃を全てかわした
今の刃牙は完全にカマキリの動きを把握していた。
だからといって100キロのカマキリに勝てるというわけではないと思うのだが
どうよ、ハンマバキ。

[バキさんの]
[完全勝利だ]


ああ!!ルミナが勝手にオチをつけた!!
なんか刃牙のパートナーにピッタリの人員だ。
刃牙の妄想が見えるし、本当にピッタリだ。
とにもかくにもこれで長かったカマキリ戦が終了だ。
次回へ続く。

次回からやっと現実を相手にするのだろうか?
100キロのカマキリに勝てたのならこいつにも勝てるはず――とアフリカ象を妄想するのは勘弁だ。
妄想するなら勇次郎を相手にすればいいのになぁ。
それとも今の展開は「バキ」最終回で妄想勇次郎に完膚なきまでにボコボコにされた刃牙が、集中治療室で見ている夢というオチか?


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