範馬刃牙 第141話 咬む(バイティング)
メリークリスマス範馬刃牙2本立てだ!
年に1度のめでたい日に雄濃度満点の2本立てである。
しかも、ジャックVSピクルという超特濃2本立てだ。
恋人たちは聖夜を今号のチャンピオンで過ごすといいだろう。
間違っても水着カレンダーとかイカ娘に逃げちゃダメだ。
[遭いたくて………… 会いたくて………… 合いたくて…………]
[おまえに逢いたくて……]
まるでバキSAGAのようなコピーから今年度最後の範馬刃牙が始まった。
あ…恋愛漫画みたいな始まり方と言えば良かったか。
掲載誌はりぼんとかそこら辺で。
アイタイLove(アイ)LoveLoveLoveとシスプリのOP曲のように逢いたい想いが連打される。
(私は今現在その曲を聴きながら執筆しているのだが、それはどうでもいいことなので置いておく)
恋人たちが出逢う聖夜に相応しいコピーですね。
逢おうとしているのはジャックとピクルだけど。
せっかくの聖夜が台無しだ。
愛しい人に会いたい。
その気持ちを隠すことなく、行動っていうか筋肉で表すのが今ここにいる2頭である。
大好きな奴ほど殴る。蹴る。噛む。
それが彼らの愛情表現だ。
その二人の代表的な凶器――歯と牙がぶつかりあう。
逢いたい気持ちを全身で表現して…口と口で正面衝突だ!
それって絵としてヤバくないか?
ジャックとピクルの口の周りが閃光に包まれるから詳細はまだわからない。
まぁ、男同士で口づけとか、いくらバキでもやるまい…
場面は刃牙ハウスへと移る。
刃牙は電話をしていた。じっちゃんに。
お前、結局連絡してるじゃねーか!
139話で直で出向くと言っておいて、これだよ。
今日連絡するか、明日連絡するか、それくらいの違いだったらしい。
さすが範馬刃牙である。予想を裏切り、期待も裏切った。
だが、地下闘技場にいる徳川光成は見ていた。
刃牙が連絡している間に、ジャックとピクルが激闘を繰り広げていることを。
そして、ジャックとピクルが口づけをしている姿を!
甘かった。大いに甘かった。
噛み対決と言えど、肩を噛み合うくらいだと思っていた。
口と口で正面衝突なんて絵的に美味しくないだろう。
誰だって男同士よりなら女同士の口づけを見たい。
だが、板垣先生はそんな手加減をしない。間接的な方法で優劣を付けはしない。
噛み対決…すなわち歯と牙を直接ぶつけるッッッ。
絵面としてはどうみても口づけです。
本当にありがとうございました。
雄度がありすぎて思わず我々の知る口づけとは違うものだと認識してしまうが(バキSAGA冒頭のキスとか)、
冷静に考えれば男同士のキスですよ。どうにかしろ。
さて、そんなわけでジャックの歯とピクルの牙が直接激突した。
二人とも口を大きく広げたまま、接吻…いや、噛み合っている。
よくわからないしよくわかりたくないけど壮絶なことになっている。
舌だけは絡ませるなよ。ガチでキスになるから。
ともあれ間違いなく格闘漫画史上最初で最後の噛み対決が始まった。
今まで誰も思いつかないし、今後もやろうとは思わない。
偉大な先駆者というか、空は飛べるさと言って崖から飛び降りたというか。
バキは格闘漫画という常識から離陸した存在であることは疑いようもない。
この状況になると咬合力と歯の硬さがモロに試される。
咬合力がなければ噛み切れない。
歯の強度が足りなければ砕かれる。
噛み対決は範馬の筋力とピクルの骨格になるかと思ったが、範馬も骨格が、ピクルも筋力が試される総合力の勝負になった。
こんな壮絶な修羅場を徳川光成は見ていたのだ。
刃牙の連絡に対してのんびりとしていると返答してしまう。
そりゃあ返答したくもなる。
誰だってそうする。俺だってそうする。
そして、徳川光成は刃牙にジャックとピクルの戦いを伝える。
刃牙はなんだってとMMR張りに驚く。
絵面的にジャックとピクルの口づけ…もとい噛み対決が行われている真っ最中なのでいろいろと誤解できるのがポイントだ。
ジャックとピクルがキスをしたって言われれば、そりゃあ驚く。
今日はクリスマス…お前の彼女は俺とキスしているぜーみたいな。
「刃牙よ…………」
「出遅れたんじゃよ貴様はッッ」
ごらんの有様だよ。
徳川光成は刃牙にダメ押しをする。
刃牙は茫然自失とした。
せっかく明日になったらやるとニートのようにやる気を出したのに、その日は夜更かししちゃった感じだ。
これは刃牙のやる気が萎むフラグか?
風船はふくらみ続けることは出来ないのだ。
刃牙はテンション上げてみたけど破裂しちゃって、無様な結果に終わっちゃうか。
(何という………… 屈辱…………)
(醜態………ッッ)
_,,....,,_
_人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりした結果がこれだよ!!!<
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,.
-‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_
イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ;
', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ
i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`!
!/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___,
"' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、
,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─
´ルレ レ´
本当に屈辱で、醜態だ。
刃牙本人の微妙なやる気がそもそもの原因なので醜態の方を強く心に留めてもらいたい。
勇次郎がこのことを知れば、もう大説教だろうな…
あと何があったのか刃牙に聞いている烈ちゃんがちょっと可愛い。
烈と克巳で噛み合えばいいのに…
さて、刃牙のことは置いておく。
格闘漫画史上に残る噛み対決を行っているジャックとピクルに視点を移そう。
二人はありったけの力で噛み合う。
前代未聞の勝負だけあり、どちらが優勢なのかわからない。
だが、ここでジャックがピクルの上になる。
ジャックが押しているのか、ピクルにブリッジをさせるような体勢を取らせている。
この勝負、ジャックが優勢か?
しかし、それは誤解だった。ジャックの膝が伸びきっている。
ピクルに持ち上げられているのだ。
ジャックの顔に冷や汗が浮かぶ。
滅多なことでは冷や汗を流さないあのジャックが、だ。
そして、完全にジャックがピクルに持ち上げられた。
ジャックの両脚が地面に着いていない。
鬼の貌でフロントネックロックを仕掛けられた時以来の光景だ。
ピクルはジャックの身長とパワーを上回った。並み大抵のことではない。
そして、ブリッジの体勢でジャックを持ち上げたピクルは、ジャックの口に噛みついたまま振り回した。
ジャックは為す術もなく軽々と振り回され、投げ飛ばされた。
ピクルとてこの体勢ではまともに使える筋肉は少ないであろう。
なのに、巨体を誇るジャックを投げ飛ばしたのだ。
実力なら刃牙と互角か、それ以上はあるであろうジャックが簡単にあしらわれた。
ピクルの力は範馬すら上回るのか…?
ただ投げ飛ばしただけではなかった。
ピクルとジャックの間には鮮血が舞っている。
噛み合うという超ウルトラインファイトを挑んだのだ。
それに負けたジャックはダメージを負うことが宿命付けられているようなものだ。
同時に凄惨なダメージを受けたことは想像に難くない。
ジャックは転んだ体勢から上半身を起こす。意識はあるようだ。
しかし、胸元は血に染まっている
。
やはり、大きなダメージを負ったらしい。
片や競り合いに勝ったピクルは…食っていた。肉を食っていた。
ジャックの身体のどこかが噛み勝負で失われたことを意味していた。
さて、ジャックはどの部位を失ったのだろうか。
歯か?アゴか?
顔の下半分の皮を丸ごと食われていたのだった。
頬も唇もなくなって、歯と筋繊維が剥き出しの壮絶な形相だ。
いきなり勝負あり級のダメージを負った。
独歩や劉海王だって、顔面剥き出しの前に屈している。
だが、範馬一族は違う。
これほどの壮絶なダメージを受けてなお笑った。
ジャックはタフネスが自慢の男だ。同時にタフネスを超えた精神力の持ち主でもある。
ダメージは望むところ。むしろ、強者と戦えることが良しッッッ。
予想通りというか、何というか、凄惨な戦いになりそうである。
今号の次回へ続く。
先が気になりすぎる展開のために、実に空気を読んでいる2話同時掲載だ。
Weekly
BAKIのTOPに戻る