範馬刃牙 第15話 鬼の笑み
やっと、カマキリを倒した。
長かった。
まさか、カマキリと戦うとは思わなかったがとにかく長かった。
これからは新展開ッ!のはずだ。
カマキリの次はカブトムシだ、とか、体重200キロのカマキリが次の相手だ、とかは勘弁願いたい。
場面は刃牙ハウスから、近くに滝があるのが特徴のどこぞのホテルへと移る。
従業員は日本人のため、場所は日本国内なのだろう。
そこに勇次郎の友人であるストライダムがやってきていた。
…どうみても不審人物です。本当にありがとうございました。
この人、軍服を着ないという選択肢はないのだろうか?
あ、軍服を着ないと全裸になるのか。(グラップラー刃牙参照)
ストライダムが言うにはこのホテルには時速20キロで流れるプールがあるようだ。
殺人的な速度だ。こんなプールに入ったら普通に死ぬ。
これほどの速度はホテル近くに流れる滝の力を利用して生み出しているようだ。
増水時には水の流れが20キロを超えるプールなんて失敗作だろう。従業員もこの失敗を認めている。
でも、これほどの水流に耐えられるプールの設計は素晴らしいと思うが。
そんな殺人プールの中に誰かが潜水しているらしい。
この事実を伝えられるとさすがのストライダムも驚愕する。
その瞬間水の中から出てきたのは範馬勇次郎だった。
相変わらず派手なことが好きな人だ。
時速20キロの流れに逆らって水泳するのはたしかにすごいけど何か間違っている気がしないでもない。
ところで水泳用のゴーグルがさりげなくオサレだ。
「イッタイ…イツカラコウシテイルンダ?」
「…かれこれ1時間ほど…………」
さすが、地上最強の生物。
体力の消耗が激しいバタフライで1時間泳いでいるらしいので、恐ろしいまでの体力を持ち主だ。
こう、半端じゃないレベルのトレーニングをきちっとこなしているところが、勇次郎の強さを支える一端なのだろう。
セックス砂糖水妄想で強くなる息子とは違う。
刃牙も妄想と戦うよりも、このプールで泳いでみてはどうだろうか?
勇次郎が泳ぎ終えたのか、プールサイドに水の中から飛んで上がる。
さりげなく派手なアクションだ。
衆人環視の中、仁王立ちで息子のストーキングをするだけのことはある。
「体重100キロヲ超エル蟷螂……………」
「天才ダナアノ子ハ」
「確カニ100キロノカマキリナラ」
「アラユル猛獣モ敵ウマイカラナ」
プールから部屋の中でストライダムと勇次郎は向かい合う。
勇次郎と刃牙の繋げ役らしく、カマキリとの死闘を早速伝える。
って、どうしてお前はそんなことを知っているんだ?
刃牙ハウスに密かに忍び込んでいたのだろうか。
あの時の刃牙ハウスは不審者の巣窟になっていたようだ。
そして、ストライダムもカマキリの強さを把握していた。
バキ世界において、カマキリの強さは絶対らしい。
(ナニヲ思ウ勇次郎(オーガ)……)
刃牙の戦いから何を思うのか?
勇次郎の考えていることは誰にも、作者にもわからない。
いったいどんな親馬鹿を炸裂させるのかッ!?
「エフッ」
エフッ?
この奇怪な声はなんだ?
この人の思考も、行動も、本当にわからない。
「エフッ」
「エフッ」
「エフッ」
「エフッ」
「アハッ」
「ハハハハハ」
勇次郎大爆笑だ。
座っているイスを座りながら破壊しつつ、大爆笑だ!
というか、エフッって笑い声だったのか。
なんかすげえ。
「ハハハハハ」
「想像上のカマキリだとォ!!?」
「アハハハハハ」
涙をにじませるくらいに爆笑する。
ものすごい笑いっぷりだ。
素晴らしい笑いっぷりだ。
勇次郎がここまで笑うことも珍しい。
多分、息子のこと以外ではここまで笑わないだろう。
「百聞は一見にしかず」
「百見は一触にしかず」
「殺されもせぬ」「喰われもせぬ」
「いかに巨大化しようが想像はあくまで想像」
「実物の仔犬にも劣るシロモノよ」
1ヶ月分のチャンピオンの内容を否定しやがった!!!
というか、やっぱりあんたもそう思うんだ!
僕たちも同じ気持ちです!!
でも、烈海王戦前のリアルシャドーに関しては勇次郎はそれなりに評価していた。
そのため、これは息子に対する過度の期待がこもっている、と言えなくもない。
つまりは親馬鹿です。
勇次郎の大きさと刃牙の小ささを感じさせる今回の刃牙でしたとさ。
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