範馬刃牙 第152話 自らの欲せしモノ
ジャックVSピクル、ラウンド2の開始だ!
見事な復活だと関心はするがどこもおかしくはない。
でも、絶望的な戦力差を持つ戦力差ですよね。
さらにジャックはアゴが粉砕骨折という特大ウィークポイントを抱えている。
攻撃力でも防御力でもかなわない。
5回転くらいするような逆転策がないと辛いですよ。
話は前後し、ピクルがジャックの蹴りを受け、逃げ出したところから語られる。
今度は第三者の視点(及びピクル視点)ではなく、ジャック視点から見た光景だ。
蹴り5連発で挑みかかった。だが、逃げられた。
(おい………)
(行くなよ………ッッ)
(待てったら)
(おいッッ)
ジャックはアゴが壊されて喋れないので、心の中で突っ込む。
強者は勇敢だ。
似非の強者(ロシアの死刑囚とか)は逃げ出したりするが、真の強者は最後まで全力を尽くす。
でも、ピクルは逃げ出した。
ジャックとしては何とも言い難い感情を抱いたことだろう。
せっかく続き(自称)するために地獄(詐称)から舞い戻ったというのに…
相手は史上最強と誉れ高き男だというのに…
「いやさっきので勝負ありでしょ?俺のシマじゃ今のノーカンだから」とかいったので俺がヒト睨みするとまた俺から逃げ出した。
(ああ………………………………)
(ピクル………………………)
(そりゃあねェだろ……ッッ)
(これほどの出逢いは―――――――――)
(3億年は―――……)
ジャックとしては10年に1度しか逢えない想い人に、告白しようとした矢先に逃げられた心持ちなのだろう。
あるいは二人で一緒に夜を迎えたのだが、また逢った時に逃げられたというべきか。
そういえば、ここにきて恋人とかホモ描写がないことが逆に不思議だ。
ホモを匂わせる言動はピクル編で何度行われたことか…
まぁ、初っぱなからディープキス…いや、ディープトゥースをやったから、板垣先生は満足したのだろうか。
ピクルとの出逢いは2億年飛び越えて3億年に一度の出逢いだ。
詩的であり、ロマンがある。乙女座?のジャックです。
そして、戦えば基本致命傷を負うから、人生で1回きりのチャンスでもある。
それを逃げるなんて…もったいないにもほどがある。
ジャックの胸中はそんなところであろうか。
ピクルとしては死体が蘇ったのでパニック状態だ。
地下闘技場の廊下を越え、東京ドームの廊下も越え、やがて外へと出る。
前回、あえて突っ込まないでいたけど、どうやって東京ドームまで上がったのかが省かれている。
そこが一番のミステリーだ。
まぁ、野生ならエレベーターの使い方がわからなくても登るさ。
ジャックは文明人なのでおとなしくエレベーターを使います。
(ありがてェ………………)
(ありがてェよピクル)
ピクルは足を止め向き直っていた。
やがて、振り返る。
その表情は前回見せた通りに引きつっている。
しかし、もう逃げたりはしない。戦う覚悟を決める。
ピクルは襲い掛かってくる。
ジャックは応戦の構えを取る。
あの超パワー+超スピードが再びやってくる。
ジャック、いかに対抗する。
(来た……拳……)
一発でムエタイ戦士5人が即死するような右ストレートが放たれた。
構えた腕の隙間を抜けてくる。
もうガードは間に合わない。
だが、ジャックは範馬一族だ。
復活した以上、常時死ぬ間際の集中力が発揮されていてもおかしくはない。
ピクルの右にどんなカウンターを合わせる!?
ガコッ
(……………………………………………………………?
空……?)
(え?)
(打たれた…?喰らった?)
(誰に!!?)
と思っている間にいきなりクリーンヒットを受けてしまった。
強イナァ…白亜紀チャンピオン…
いやいや、Jr.ですか。誰に殴られたとか、問題外じゃねえか。
この際、範馬勇次郎Jr.に改名してみてはどうかね。
髪を伸ばして顔真似すればけっこうなりきれるかもしれない。
こういう場合どうする?ゲームではどうしていた?
思い出せ!
ゲームとはいえこういった展開は何度もあったはずだ。乗り切ってきたはずだ!
よし、今のはなかったことにしよう。
リセットリセット。
(ア〜〜〜〜ッッそうだよ!!!
闘ってンだよこいつとッッ 恐龍より強い…… 左フック……)
記憶すらなくすほどの右ストレートであった。
いや、なくすなよ。
寡黙なジャックが思わずお茶目な部分を見せたほどである。
もうダメージ以外の部分でビックリですよ。
こいつまでどぢっ娘属性を手に入れますか…
どぢヤンデレがジャック範馬の新しい生き様だ!
ピクルの左フックがジャックのアゴへと迫る。
右ストレートで牽制し、左フックでトドメを刺す…ボクシングのセオリーに乗っ取った合理的なコンビネーションだ。
餓狼伝第17巻によるとボクシングでは左フックが一番KO率が高いという。
その左フックも右による牽制から左フックへと、2アクションからなると解説された。
ピクルのコンビネーションは近代ボクシングに通じるものがあるのだ。
野生が選択した最適の打撃であり、野生ならではの技術であった。
烈に行ったパンチの振り分けやジャック殺しのコンビネーションなど、
打撃に関しては高い技術を持つのがピクルなのである。
これも恐竜を打ち倒すために磨き上げたものなのだろうか。
ピクルのパンチ力の凄まじさは既に証明されている。
ついげきの左フックでさらにダメージが加速すれば今度も勝負ありだ。
もうミスはできないぞ、ジャック。余計なことを考えている暇もない。
範海王並みに追い詰められたのであった。
と、ここで場面は移り変わる。
ジャックVSピクル、ラウンド2の後日でろうか、向山努(35)はカフェで記者らしき男に一部始終を話していた。
ここで名物名前あり民衆ちゃんの登場だ!
「イヤ……もう…… 一パツで」
「左でした」
向山努が言うには左フック一発で勝負ありだったようだ。
…え?
左フック一発?
…嫌な予感が…
疑念は置いておこう。
記者は左フックが一発当たり、そのまま横に倒れたのかと問う。
それが普通のパターンだ。
だが、向山努はそれはまるで違うと否定し、真実を語り出す。
[向山の言葉をそのまま借りるなら 回ったという………]
まるで爆発したような閃光がジャックの頭を包み込む。
直撃だ。
コンビネーション自体はボクシングに通じるものがあるが、
フォームは反撃を一切考慮していないパワーオンリーの豪快なものだ。
…って、いきなり直撃したのかよ。
おいィ?もう勝負ついちゃったのか?
「回ったんですよ イヤ首とか顔じゃなく 身体ごと イヤもう1回転とかじゃぜんぜんなく」
つい先ほど回ったジャックは再び回転した。
しかも、1回転に収まらないくらい、いつもより回っております。
くるくるくる〜、っと。
対戦相手を回転させるのは範馬一族の得意技だ。
だが、またもやジャックが回ってしまった…
やっぱり、今まで数多のファイターを回してきた罰が回ってきたか?
勇次郎も覚悟しておくべきであろうか。
[何回転もしたのだと云う]
[目にも止まらぬ速さで回転(まわ)ったと云う]
[やがて回転が弱まり][地面に足がかすり][手がかすりしてゆくうちに]
[凄まじい勢いで下のタイルに叩きつけられたと云う]
アゴを砕かれた時とは異なり、ピクルのパンチは一発のみであった。
だが、その分、一発のみに力が絞られたのか。
いろいろな理由が考えられるが、結果としてジャックは大回転したようだ。
回って回って…何度も回って、地面と激突した。
…間違いなく勝負ありだ。範馬一族といえど、これに耐えることは…
回転が終わる頃にはズタズタにされたジャックがいた。
この凄まじい光景にギャラリーは救急車を呼ぶことも忘れて、立ち尽くすのみであった。
救急車よりもジャックが食われないようにするのが先だけど。
でも、ピクルといえど幽霊なら食わないか?
ジャックは得体の知れないものというイメージを持っていることだし、得体の知れない以上、食うのを控えるかも。
[自らが求めた
自らが認められる敗北
認めようにも自らは深き昏睡状態のまま――――――――
生涯2度目の“日に2度”の敗北]
ジャック範馬…今度こそ倒れるのであった…
肉体では敗北したものの、己の生き様を見せつけてピクルを恐怖させた。
させたのはいいけど、結局肉体で負けていることに変わりなかったので、瞬殺されてしまった。
ピクルを心から恐怖させた。ジャックの意地はたしかに報われた。
そこで終わってしまったのが残念極まりないが…
日に2度敗れる阿呆がいるかと勇次郎はかつてのジャックに言い放った。
今回も同じだ。2度目を挑んで2度敗れた。
だが、1度目の敗北はジャックにとっては納得のいくものではなかったのだろう。
負けたというのにジャックは地上最強のファックユーを出せた。負けたとはいえ、動けるレベルだったのだ。
そして、烈にはもしもたらればがあったもならば、ジャックが勝ったとまで言わしめた。
だが、対戦相手を完膚無きまでに叩きのめしてきたジャックは、
自分が負ける時もそのレベルまでやられないと気が済まなそうだ。
だからこそ、ナレーション通りに自らが認められる敗北を求めた。
今度は地上最強のファックユーを出す余力もないことだろう。
もしもたらればなどあり得ない疑いようのない敗北だ。
ジャックが求めた完全なる敗北が与えられたのだった。
あの戦力差を見せつけられた以上、おそらくジャックは再戦しても負けることはわかっていたのだろう。
であるにも関わらず、それでもあえて敗北を求めた。
己を言い訳のしようもない完全な敗者としたく、そしてピクルを誇るべき勝者にしたかったのか…
そこには敗者としての意地があった。
闘争に対して純粋な範馬一族らしい矜持だ。
ジャックVSピクルのラウンド2は勝敗如何の問題ではなく、ジャックの生き様を見せつけられるものであった。
蘇って瞬殺…お前は何をしに来たんだとも言われそうな結末ではあったが、
敗北を覚悟してなお闘争に殉じるジャックの姿勢は美しいものがある…と思う。
ジャックはピクルにただの敵以上の感情があったことだろう。
愛を越え、憎しみも超越し、2億年に一度の宿命となったのだ。
完全なる勝利と完全なる敗北でのみ、その宿命に終止符を打つことができる。
ジャックはそれを求めたのだった。
完全決着とともに次回へ続く。
ジャックが手も足も出ずに負けた。
正確には足は出したけど通用せず負けた。
肉体面ではジャックですらピクルに勝ち目を見出せなかった。
ピクルは格が違いすぎた。
範馬一族ですら手の及ばぬ存在なのであった。
しかし、こうもあっさりと負けるとなると、どうして鎬紅葉はあんなに落ち着いていたのだろうか。
ほどけた包帯の下は筋繊維剥き出しのままだし。
せめて人工皮膚っぽいものでもつけてやってはいかがか…
あのヤブ医者め。
もしかして、最大トーナメントで手を壊された恨みを晴らそうとしたのか?
さて、そんなわけで今日はジャックの出番だった。
なら、明日は刃牙の出番と相成る。明日戦うというのが公約だったし。
でも、刃牙はどうやってピクルに対抗する?
ジャックは間違いなくバキ世界随一の実力者だ。
おそらくは勇次郎の次に強い。オリバも凌駕していそうだ。
それが肉体面ではバラバラに引き裂かれるほどに負けた…
…試合開始前から既に勝負ありだな。
中国4000年の技術ではピクルに勝てない。
自らを骨にするだけの精神力でもピクルに勝てない。
範馬級の身体能力を持ってしてもピクルに勝てない。
ならば、主人公補正ではどうか。
…それでもピクルに勝てる気がしない。現にピクルの蹴り一発で刃牙は戦闘不能になっている。
あれは本気を出していなかったとかそういう弁護ができるものではない。
ただ、肉体面では勝つ見込みがないと同時に、精神面なら活路を見出せることがわかった。
そこで役立つのが刃牙の妄想力だ。
リアルシャドーで烈や克巳を生み出していく。
それを見たピクルは「死んだの死んでいなかった」という表情になる。
恐れおののいたピクルは刃牙に背中を向けて逃げ出すことだろう。
あとはピクルの試合放棄だ!と勝利宣言をすれば刃牙の勝利は確定だ。
試合には勝てるけど勝負には勝てませんが。
ピクルは恐ろしいハイペースで現代の戦士と戦っている。
烈と戦った日からおそらく1週間に達するか達しないかくらいしか経過していないと思われる。
さすがにちょっとくらいは疲れているかも…と考えたけど、1日のうちにトーナメント全てを消化した最大トーナメントがあった。
それと比べたらピクルは何とインターバルに恵まれているものか。
刃牙は披露したピクルを狙う撃つことも出来なそうだ。
やっぱり、ピクルを後回しにして修行しておくか?
鬼の貌を出して無理矢理主人公補正で勝つくらいしか思い浮かばないぞ。
ここで一歩引くのが主人公の醍醐味。
他の戦士に出番を奪われたら、まぁいつものことと諦める方向で。
勇次郎の存在も気にかかる。
範馬一族の長としてピクルに本当の範馬の何たるかを教えそうだ。
というよりも、ジャックが敗れた以上、ピクルに対抗できそうなのは勇次郎しか思いつかない。
子煩悩なところを見せつけるのだろうか。
刃牙には甘いけどジャックには厳しいので、重い腰を動かすことがなさそうだけど(リアル話)。
とりあえず、ちゃんと打ち合わせをやるところから話を戻そう。
担当>
こんにちはItagakiさん。
Itagaki> 何か用かな?
担当> 打ち合わせ通りに書きましたか?
Itagaki>
書いてない
担当>
そうですかありがとうピクルつよすぎですね
Itagaki>それほどでもない
やはり打ち合わせと違った。
しかもピクル強すぎるのに謙虚にそれほどでもないと言った。
サイトTOPに戻る Weekly
BAKIのTOPに戻る