範馬刃牙 第20話 監獄と地獄
「グッモーニンミスターバキ」
「歓迎するよ」
ナンバー2は甘いヒゲフェイスで刃牙を歓迎する。
ヒゲの勝率はあまり良くない。
この不吉なジンクスをナンバー2は打ち砕くことができるか。
面構えだけ見ると、危険度は低い。
春成みたいな爽やかさと瞬殺っぷりを感じさせる。
「君が大統領ボッシュにしてのけたこと」
「心から賞賛したい」
「奴の息の根を止めてくれたらもっとパーフェクトだったがね
ハハハ」
あ、やっぱり危険だ、この人。
物騒なことを平然と言ってのけるあたり危険だ。
獄中にいるだけのことはある。
ナンバー2は大統領に対して恨み?があるようなので、それ関係で投獄されたのだろうか。
モデルになったと思われるチェ・ゲバラも反アメリカ的思想を持っている。
このあたりが影響して、息の根を止めてくれたら〜という台詞が飛び出たのだろうか。
しかし、甘いフェイスで物騒な言葉といえば何かを思い出すなぁ。
えーと…
「一人一殺」
「4人全員ブッ殺しちまえばカッコつくでしょ」
春成だ!!
やばい、途端にナンバー2の危険度が上昇した。
その間実に2秒でやられる危険度が上昇した。
「ワカらないことがある」
「ナゼ清掃箱に……」
わからないことは何でも聞いてくれ、と刃牙はナンバー2に言われたので、早速疑問を口にしてみる。
そりゃあ清掃箱で眠っていれば気になる。
君だけじゃない。読者も気になる。
刃牙には「ワカらないことがある」「ナゼ松本梢江と……」とバキSAGA中に聞きたかったけど。
ところで「ナゼ清掃箱に……」のコマの刃牙は、パンツ一丁であるはずなのに囚人服を着ている。
どうしたんだろう、この人。
そのうち指が6本生えてきそうだ。
「戦士(ウォリアー)だからね」
「横になりたきゃ――――――」
「死んでから存分に楽しんだらいい」
とことん実戦思考の人だった。
ベッドで横になったままでは襲われた時に反応が遅れるから、素早く反応できるよう清掃箱の中で立ったまま寝る。
おそらく、よく命を狙われる人間なのだろう。
…って、あれ?
清掃箱に入ったままじゃ身動き取れないじゃん。
襲われたら何もできないじゃん。
殺されちゃうよぉ!!
それとも清掃箱が超々ジェラルミン製だったりガンダニュウム製だったりするのだろうか?
なら、寝ている最中に襲われても問題ない。安心だ。
もしくは清掃箱の底が抜けているため、清掃箱の中に入ったまま歩けるとか。
だとしたら、是非歩いている姿を見てみたいなぁ。
歩いているところを襲って、中身を見てみたら中に入っていたのはアイアン・マイケルだったという可能性が高そうだけど。
ナンバー2は最近のバキではあまり見ないストイックな人だった(刃牙含む)。
これならヒゲのハンデを持って有り余る強さに期待できる。
清掃箱というイロモノポイントも補えるはずだ!
「この場でアンタをブッ倒したら」
「オレが2(セカン)になれるのかな」
相手のスケールを感じ取った刃牙は早速喧嘩を売る。
こう何にでも噛みつく刃牙は随分久し振りだ。
ユリーに喧嘩を売った時以来の気がする。
ところで冷や汗を流しながら喧嘩を売るのは止めてもらい。
あんた、負ける気満々じゃねえかッ!!
この刃牙の横暴及び無謀に同じ部屋にいる3人は大驚きだ(アイアン・マイケル含む)。
こいつらは戦えるような人間ではないことが発覚だ。
かませ犬にすらなれない。
解説役にはなれそうだけど。
「死ぬにはいい日だ」
ナンバー2の目つきが変わった。
比較的穏やかな視線から凶悪なものへと変化だ。
完全に殺す気です、この人。
Jr.には100年かかっても無理だろう。
その禍々しさを感じ取ったのか、同室の3人は冷や汗だらだらだ。
アイアン・マイケルなんて白目で驚いているから芸術点が高い。
投獄と同時に勝負開始かと思われたが、ここで看守がやってきた。
刃牙にとっては幸か不幸かナンバー2との対決は流れ朝の整列に移る。
ジョジョ第6部っぽく厳しい看守だ。喋る権利すらないとまで言い切るくらいだ。
刑務所らしくないところだけ見せられてきたから実感沸かなかったけど、段々刑務所らしくなってきた。
そんな中ナンバー2は…一人だけ整列から離れ悠々と歩いていた。
ナンバー2は看守が持っているタバコを何気ない仕草で取り、朝の喫煙タイムを満喫する。
どうみても看守は気付いている。
気付いているけどナンバー2が怖くて気付けないのだろう。
自由に振る舞う姿は囚人らしくない。
さすが、オリバ刑務所だ。実力があればアンチェインになれるのだろう。
…ここ、本当に刑務所か?
今度はタバコを吸いながら、アイアン・マイケルに朝食を問う。
看守が注意していた通り私語は禁止だ。
だが、アイアン・マイケルはナンバー2が怖いのか「ポークビーンズです」と敬語で答える。
直後、看守にアイアン・マイケルは「私語禁止だろうがァッッ」と殴られる。
ナンバー2はタバコも私語も全開なのに、マイケルだけ責められるのはちょっと理不尽だ。
なんて可哀想な人だ。
妄想で瞬殺され、なぜか刑務所に入っていて、そしてナンバー2に弄られる。
…やられ役街道まっしぐらだ。
[まるでミスター2(セカン)が存在しないかのような看守達の態度は異様さを極めた]
看守一同にとってナンバー2は触れてはならない存在らしい。
絡めば理不尽な仕打ちを受けるのだろう。
パンツ脱がされて金的が甘く感じるくらいの仕打ちを。
ついでに朝食が一人だけオムライスだった。
ケチャップで「おろかもの」と刻印されていないのが救いだ。
されてたら、ナンバー2の危険度が上昇している。
何にせよナンバー2には囚人にあるまじき自由が認められているようだ。
これでオリバを倒せば、豪華VIPルームに加え刑務所を自由に出入りできるアンチェイン券(ナンバー1である限り、永遠に有効)をもらえるのだろう。
そりゃあナンバー2の地位まで上り詰めたくもなる。
オリバの持つ自由は優秀なハンターゆえのものだった気もするが無視。
囚人たちの朝食が続く中、ナンバー2は何気なく立ち上がり看守に話しかける。
普通なら殴られている。
でも、看守は冷や汗を流しまくる。
気持ち的には失禁したいところなんだろうな。
「拳銃変えた??」
「以前はリボルバーだったよね」
「オートマに変えたんだァ」
そんなことを口にしながら、またも何気なく看守の拳銃を取り上げる。
大事件が起きている。
起きているが、看守一同は何もできない。
なんかもう完全に主従が逆転している。
支配者にオリバ、中間層にナンバー2とこの刑務所に務める人は不憫でしょうがない。
ナンバー2に絡まれて固まるばかりの看守の額に突如蝿が止まる。
と、同時にナンバー2は目にも止まらぬ動きで銃口を額に押し付ける。
は、蝿だけで殺されるのかッ!?
本当に不憫だ。不憫すぎるぞオリバ刑務所の看守は。
「食堂に蝿はイケナイ…」
ナンバー2は銃口の中に蝿を閉じ込めていた。
そして、銃をまたも目に止まらぬ動きでホルスターに戻す。
銃口には蝿が入ったままだった。
ちょっとわかりにくいけど、すごい運動能力だ。
蝿の反応を上回る動きをしたのだ。
昆虫の能力が高く評価されるバキ世界においては偉業に等しいだろう。
でも、近くにいる人以外、もっといえば看守以外にはわからないのが難点だなぁ。
その点、死刑囚の人たちはパフォーマンスに優れていた。
5分間の無呼吸運動やロケット砲を跳ね返すガラスを砕いたりミサイル発射口を上ったりガーレンを倒したり。
[そしてその日の決定打は――――――]
[2(セカン)の向かいにいる男が放った]
ナンバー2の向かいにいたのはスモウレスラー体型の男だった。
なんか明らかに飯が少なくて不満そうにしている。
ナンバー2のオムライスを奪おうとして戦いが起こるのか?
動機としてはいまいちだけど。
何はともあれ次回へ続く。
今回はナンバー2の境遇の奇怪さを語っていた。
強さはあまり披露されていないのでこの辺は次回に期待か。
きっと相撲体型の人が贄に捧げられるんだろうな。
そんな感じにナンバー2編が5ヶ月くらい続いて、刃牙に刑務所地下闘技場で金的一発で負けるのは勘弁だ。
何気なく刑務所地下闘技場って書いたけど、オリバ刑務所には本当にありそうで怖いなぁ。
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