範馬刃牙 第215話 不可解



今回は烈がベガスのリングに立つぞ!
刃牙が師匠に技を習わないぞ。
最近にしては珍しく寄り道なしだ。
これはワーレフだって勝つる!いや、無理!


というわけで、烈が入場する。
その拳にはグローブが握られている。
どうやらボクシングルールで戦うらしい。
本当にボクシングするんだ。
やっぱり、烈にグローブは似合わねェ。

烈の傍らには深町?コーチがいる。
どうやら、セコンドとして烈と一蓮托生の構えのようだ。
多分、ということは間違いなくやることは何もないけど。
これで烈にアドバイスでもしようものなら寸勁で気絶させられる。

烈の名を客が叫び、その姿がオーロラビジョンに映る。
リングではパフォーマンスが行われている。
この派手な光景に烈は困惑していた。
烈が経験した最大規模の表の試合であろう大擂台賽でさえ、ここまでの装飾はなかった。
…と思ったけど、オリバと楊海王の試合の合間に劇は行われていたな。
派手さの問題か?

[不可解……!]
[不可解…!]
[興業不可解也!!!]


無用だ…興業の演出…闘争には無用だ!
烈はそんな困惑か、あるいは憤怒か、いずれにせよこの演出にいい印象を持っていなかった。
山岡士郎並みに旨味調味料を否定するタイプと見た。
そりゃあ、料理だって無添加のものになるよ。
格闘家一同から絶賛されるわけだ。

ここで深町?コーチは烈の拳先…やや熱いか…くらいは言ってもらいたいところだ。
でも、こっそりとついていくのが限界だよ。
前回のアレは何だったんだ。
酒の力は偉大ということだろうか。

過剰なまでに演出に苛立ちを覚えながらも、烈はリングを目の前にする。
普通ならロープの間をくぐってリングに入る。
だが、ここでジャンプでロープを乗り越えてリングに立つのが烈海王だ。
ピクル戦を彷彿とさせる演出だ。

花道から見たロープの高さは烈の身長よりも高い。
烈は片脚で2m程度のジャンプしたことになる。
中国四千年が生み出した恐るべき身体能力だ。
そして、密かにパフォーマンスが好きな男だ。
これもツンデレの一環ということか。

リングに上がるとワーレフが烈にかみつかんばかりに猛っていた。
あれ…記者会見でガン無視された反動が来たのか?
だが、それも烈に言わせてみれば怒ったふり…演技であった。

(茶番だ……)
(闘争には不要なものばかり)


闘争には無用だと本当に言っちゃった。
もっとも、茶番なのは事実だが。
巨漢胸毛ロシア人ボクサーとの戦いなんて茶番以外の何でもない。
出来レースじゃないとしたら、一体何だと言うんだ。

ここでワーレフは蹴りを放つ。
烈曰く演出の蹴りだ。当たらないことを承知した上で蹴っていた。
あくまでもパフォーマンスだった。
烈もパフォーマンスで金的すればいいのに。一発でケリがつくぞ。

「俺個人のショータイムは終わりだ」
「フフ……」
「ここからは競技だ」
「演出は一切ない」


先ほどまでの猛りはどこへ行ったのか。
ワーレフは冷静に心中を語る。
あらゆる部分が演出の男が一体何を言っているんだ。
ピエロが自分を道化でないというような暴挙だ。
せめて胸毛だけは剃ってこい。話はそれからだ。

それにしてもワーレフの頼りなさといったらもう…
川に流れる流木と言った風情だ。
流れるも折られるも思いのままである。
さらば、ワーレフ。

「烈……」
「オメェ死ぬなよ」


深町?コーチが烈を激励…というか心配する。
僅かだがデレている。デレているよ。
そのうち、勝って!烈!とか言い出す
烈は深町?コーチのハートキャッチできるのだろうか。

ゴングが鳴り、試合が開始される。
ついに本場本元のボクシングと烈が対峙する。
ボクシングの進化の速度は天才である克巳すらも認めたほどだ。
ワーレフはその速度についていけてなさそうだ。

開始と共に烈が唸る。深町?コーチも絶句する。
そこにはゴキブリのように動き回るワーレフがいた!
あ、ゴキブリのようにとは素早く動いていることの比喩なんで、褒め言葉です。超褒め言葉。疑るな。

「この巨躯でこの運足(フットワーク)……」
「やはりな………… 巨体だけの甘い戦力ではない…………」


ワーレフはデカいだけじゃなく、スピードも備えていた戦士だった。
あとはパワーとテクニックがあれば一流だが、多分それは備わっていない。
というか、そのアピールは月面宙返りできるくらいの効果しかない。
ワーレフは競技と言いながら演出を見せつけていた。
随分、余裕があるものだ。

とりあえず、スピードはあるワーレフだった。
多分、それは思ったよりは速いレベルで、決してジャブより迅いレベルではないな。
(ジャブより迅い…バキ世界における一流のスピードの証)
それに対して無策で挑む烈ではない。無策でも勝てるだろうけど、無策ではない。
ならば…と動きを見せる。

「ああッッ バカァッッ」

深町?コーチが吠えた!
セコンドに馬鹿と言われるほどの行動を烈はした。
一体、何をしたのだろうか。
でも、烈って奇行だけで形成されているからな。
何をやってもおかしくはない。

そして、肝心要のワーレフも反応している。
ア、アンタは反応しちゃいけねェんだッッッ。
ここは「ほう、なかなか楽しませてくれる」程度は言え。
落ち目だから無理だけど。
次回へ続く。


とりあえず、次週にはワーレフは負けるな。
定例の週殺コースだ。
その未来は既に見えていた。
やっぱり、どう面白く倒されるかが肝要だな。
あるいはどうひどく倒されるかだ。

烈は一体何をしたのだろうか。
深町?コーチに突っ込まれていたから、ボクシングのセオリーにはないことなのだろう。
中国武術の技を見せるのか。それとも、未知の行動を取るのか。

1.アライ・猪狩状態を取る。
スタンドの格闘技にアライ・猪狩状態は有効!
アライ・猪狩状態は勇次郎も認めるものだ。
その有効性は高い!
問題はボクシング的にはダメなことだ。今回はレフェリーもいるし。
ボクシングではない!中国武術だ!と言えば通るかもしれない。

2.レフェリーを盾にする。
今回はバキとしては珍しくレフェリーがいる。
そのレフェリーを使わない手はあるまい。
レフェリーシールドでワーレフは手詰まりだ!
中国武術だ!で無理に通せ。

3.義足を軸足に立つ。
動には静で対抗だ!
だが、ただ迎え撃つだけでは面白くない。
ここで敢えて義足を軸足にして立つのだ。
その姿、元斗皇拳のファルコの如し。
で、左足でワーレフを蹴るわけですよ。
お前だって蹴ったじゃん!と言い訳すれば通る。
今回のワーレフの蹴りは伏線だったのだ。

4.土下寝する。
アライ・猪狩状態と似ているが、こちらはうつぶせだ。
無論、闘争には向かない。
ワーレフの動きは止まる。
その隙に素早く跳ね上がって、金的パンチだ!
一発で勝負あり。決着するよ。

5.既に金的していた。
既に烈の拳はワーレフの股間にめり込んでいた。
異議を唱えようが何をしようが、拳を使っているからボクシングで通す。
反則でもワーレフは既に冥府にいるサムワンやアイアン・マイケルに手を振っている。
後の祭りだ。

6.液体になっていた。
範馬刃牙の通過した場所など10年前に通過しているッッ(つい最近)。
というわけで、烈の液体になってゴキブリになる。
刃牙の師匠は刃牙だけの師匠ではない。烈の師匠でもあるのだ。
液体になればバカって言われるよ、ええはい。

7.ボクシングをする。
普通にボクシングをする!
深町?コーチが突っ込むわけだよ。ワーレフだって驚く。
…あれ?
何かおかしいな…

まぁ、烈の考えていることもわからないから、一体何をするのかちっとも予想できない。
久し振りにフグのように胴体を膨らませても何の不思議もない。

ついでに今回のアオリで原田コーチと呼ばれていた。
深町コーチは本当に原田コーチになってしまったのか…
もしかして、ツンモードは深町コーチで、デレモードは原田コーチなのか?
実は二重人格だったのだ。
またツンツンすると深町って呼ばれる。多分。

しかし、改めて言及することでもないが、ワーレフは弱そうだ。
胸毛もすね毛も完備している。ここまで毛を生やしておいて、まるで野性味は感じられない。
やっぱり、無駄毛は良くないな。
この調子なら脇毛ももさもさだろう。
烈はワーレフの脇毛を掴んでいたりして。
そして、抜く!
無駄毛を全て抜いた時、ワーレフの逆襲が始まるのだ…



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