範馬刃牙 第227話 闘譜



刃牙が油断したら殴られた!そして、今回は出番がないぞ!
まぁ、あいつらは放っておいていいか。
千春なんて公式サイト千葉千春と誤字られていたくらいだ(現在は直っています)。
何の問題もない。


烈はクレーザーのベストショットを受けた。
アライ父曰く、世界最強の左フックだ。
こいつを食らうとどうなると思う?歪むんだよ…
――と本部が言い出しそうなくらいに烈の視界はドロドロだ。
これがアライ父の言う煙の正体なのか?

何もかもがドロっている中で、クレーザーは構わず向かってくる。
さすが、下がらないファイトスタイルの男だ。
相手の状況などお構いなしだ。
烈をドロドロにした左フックが再び襲いかかる。

バォッ

烈が跳躍した!
その高さは180cmのクレーザーよりも高い。
片脚とは思えないほどの跳躍力だ。
やはり、フィジカル面は烈の方が圧倒的か?
煙に巻かれていてそれを活かせていないのだろうか。
烈も読者も、そして作者ですらも煙に巻かれている気がしなくもない。

いつもならここから跳び蹴りなどで射抜くところだろう。
だが、生憎にもボクシングの試合だ。
烈はコーナーポストまで下がる。
脳震盪を起こしているというのに、見事なまでのジャンプだ。姿勢は崩したとはいえ着地も行っている。
これでは脳震盪を起こしていること自体に違和感があるくらいだ。
実は脳震盪じゃなく催眠術だったりして。

ボクシングの技術に烈は一泡吹かされた。
それに対してボクシングにはない動きで難を逃れた。
だが、依然としてドロドロでクレーザーは健在だ。
ぽっと出ボクサーに不覚を取れば、不祥事扱いされて郭海皇に利き手をそぎ落とされかねない。
烈は状況的にも立場的にもピンチのままだ。

(この溶けた景色………)
(初めてではない………)


この時、烈の脳裏に浮かぶのはかつての体験した出来事だ。
海王あろうものが脳震盪のひとつやふたつは体験していないと逆に恥ずかしい。
烈は徳川光成に実戦でこそ生きる格闘家の扱いをされた。
試合だけでなく路上での実戦も経験豊富だ。
激戦で得た経験が烈を支えている。
かつての苦戦からここから烈は起死回生の策を思い起こすのだろう。

こうして思い出されたのはまだ髪の生えていない烈小龍時代…
って、そこまで遡るのかよ!?
いくら何でも昔すぎる。劉海王に技量不足と言われていた時代じゃん。
海王になってから特に苦戦をしていなかったということか?

烈の指導をしている老師は砂鉄を入れた袋に紐を繋いで、遠心力に任せてブンブンと振り回している。
砂鉄は言ってしまえば鉄が粉末になったものだ。
袋は人の頭ほどの大きさあるから相当な重量があることは容易に想像できる。。
それを振り回すのだから、その破壊力は相当なものだろう。

この鍛錬器具…というよりも武器を使って老師は何をする気なのだろうか。
まだ初々しい烈は冷や汗を流しているぞ。
そりゃあ目の前でこんなものを振り回されれば困る。

「防御(ふせ)ぐことはならん」
「動くなッッ」


老師…何を仰っているんですか…
そう思っていると烈の顔面に砂鉄袋が激突した。
す、すげえ…すげえしひでえ…

そのまま失神してもおかしくはない…というか、骨がイカれてもおかしくないが、烈は何とか意識を保っていた。
だが、ドロドロだ。
立てと言われても平衡感覚を失っているので、すぐに倒れてしまう。
烈、初めての脳震盪であった。

烈の姿を見て老師は微笑む。
ところでこれって何の鍛錬なんだ?
いや、鍛錬の方向性を間違えている。
脳震盪起こすだけなら素手でやってあげてください。
…百林寺の厳しさを知った。
そりゃあドリアンだって穴掘って逃げるよ。

恐怖の砂鉄袋の次は講義が行われる。
なお、部屋には香が焚かれていて怪しさMAXだ。
こいつら…何のまじないだ…

先ほど砂鉄袋を叩きつけた老師は豆腐と水を入れた器を持っている。
曰く人間の脳と頭骨のサンプルモデルらしい。
脳の硬さは豆腐ほどとはよく言われている。
これを見て今回のサブタイトルの闘譜は豆腐だからなのかと思ったが、なかったことにしておこう。

で、老師は器を叩く。
当然のことながら振動で豆腐はボロボロになった。

「これが先ほどの」
「オマエの頭蓋の内部だ」


誇張にもほどがあるが(あの砂鉄袋だとなりかねないけど)、脳震盪のダメージは深刻なものである。
それを抑えるために筋肉を固めたりするものだが、筋肉に頼るようでは限界があるかもしれない。
そこで防御の技術が磨かれるものだが…

「習い憶えたハズの防御 不覚にも未遂に終わり打たれる」
「甘い修行が祟り――― まともに打拳を浴びる日がくる」


実戦が鍛錬通りに行くはずもなく、必ずどこかにほころびが出るものである。
老師はそうした事態も想定している。
聡い。聡いが、やっぱり砂鉄袋はない
男なら拳ひとつで鍛錬せんかい。

老師はもうひとつの器を手に持つ。中身は水と豆腐で、先ほど破壊したものと同様だ。
打撃を打たれた時、どうするか。
その対策を豆腐をモデルに実証する気だ。
それは打たれた瞬間に回転する!
衝撃を回転して逃がすことで、打撃を無力化する。
さすれば、豆腐=脳は揺れない!

…何か突然リングにかけろみたいな理屈を教え込まれた。
いや、回転せんでいいじゃん。
ボクシング漫画の防御技術でよくある首をひねってパンチを無力化するのでいいじゃん。

老師の教えの通り、烈はコマのようにくるくる回るのだろうか。
クレーザーの打撃を無力化する鍵、それは回転!
ジョジョだって回転が重要なのだ。回転さえあれば何でもできる。
だったらイケるぜ!

ついでに前述したリングにかけろでも同様の防御方法が取られたが(向こうは腹部を基点に横回転したんだけど)、
回転の反対側から殴ることで破られた。
もしかして、烈も…
次回へ続く。


烈は脳震盪の経験が少なかったことが判明した。
たしかに最大トーナメント以降は脳震盪になるような打撃を受けていない。
だからこそ、クレーザーのグローブ打撃に驚いたし現状に焦っているのだろう。
ピクル以上の評価もだからなのかも…

受けていないと書いたばかりだけど、寂海王には顔面を打たれた気がする。
三陰光圧痛後のハイキックなんて、並みのパンチよりもずっと強力な気が…
あれは脳に来ていなかったのか?グラブの神秘か?

しかし、脳震盪を意識した打撃をピクルに打ち込んだわりには、脳震盪の対策はしていなかったというのも不思議だ。
有り余る天才っぷりが烈を挫折から遠ざけているのか。
挫折してそれでもなお起き上がってきたのが烈にはないクレーザーの強みかもしれない。
いや、烈も片脚を喰われるという最大級の挫折を経て、それでもなお戦う男だからイケるか?

修業時代に教わった脳震盪への対策は回転だった。
雪の結晶に黄金回転を見出せ!
でも、いちいち回転していたら身が持たない。
防御はその後攻撃のために行うものだが、いちいち回転していたら防御のための防御になってしまう。

まぁ、そこはやっぱり王道の首捻りか?
いや、烈のことだからトンデモナイことをしでかしそうだけど。
むしろ、斜め上を期待している。
タフみたいに殴られた衝撃をクレーザーに直接返すとかやってみてはいかがか。

それにしてもクレーザー側の心理がわからないのが気になる。
ピクル以上にクレーザーの考えていることがわからない。
台詞ひとつもないし。
そろそろ一言二言くらいは言って欲しい。
大体、どこがスモーキンなんだ?
烈も汗で煙を出して対抗してしまえ。

修業時代に烈は砂鉄袋をぶつけられた。
砂袋をぶつける鍛錬と言えば餓狼伝の片岡輝男が思い出される。
あちらは痛みに耐える覚悟をすれば倒れない理論だった。ぶっちゃけていえば精神論だ。
対する百林寺は打たれた時にどう衝撃を無力化するかの技術論だ。
ひどい鍛錬だけど志誠館よりは意味があるか?

にしても、烈に稽古?をつけていた老師は誰なんだろう。
師匠である劉海王がやってやればいいのに。
いや、劉海王が砂鉄袋ぶつけようものなら、スイカ割りのごとく烈の脳天が爆ぜそうだけど。

むしろ、あの鍛錬で烈は防御ではなく攻撃を思い出したりして。
あの砂鉄袋の破壊力はグローブによる打撃を上回る…
それを見習ってグローブを振り回して、クレーザーに致命傷を与える!
中身はあれだ。汗を入れておく方向で。
水が1リットルあれば1kgですよ。破壊力は十分!烈ならそれくらい出せる!

貴様は中国武術を嘗めたッッッと叫んでおけば、反則と言われても迫力でやり過ごせるぞ。
完璧だ!
…本当に中国武術が嘗められているし、そろそろ反撃して欲しいものだ。
だが、こういう時に限って割り込んでくるのが刃牙だ。
やはり、憎いなぁ…



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