範馬刃牙 第24話 掟



前回のあらすじ
生意気を言った刃牙は越前に睨まれ、独房の中に入れられました。
そこで食事担当の長老(仮称)がやってきました。
というわけで、 独房の中で刃牙は長老に「あ〜ん」をされていた。
両手がふさがれているため、飯を食べるには這いつくばるかこうしてもらうより他ないのだが。
そして、刃牙は汗をダラダラ流しながら食べる
…あのぉ…どうして、汗を流しているんでしょうか…?
こういうのに慣れていないのだろうか。
梢江と付き合っている時に一度もやられていないのか?
恋人同士だったんだから、これくらいはやってもいいだろう。
梢江が「あ〜ん」をする姿を想像してみろよ!
――ごめん。やっぱり、やらなくていい。

男が男にこういうことをやられる姿はわりと屈辱的だが、相手がオリバや寂じゃなくて良かった部分もある。
きっと、口移しするはずだ。
思えば刑務所はホモプレイの殿堂だし、まして独房となれば好き勝手やり放題だ。
刃牙の貞操が危ない。
おまけながらホモ繋がりで1ページ目のもぐ…のコマのパンがアレに見えてしまう。

「あの男………」
「何者なんスか…」


パンとカップスープのみの食事を終え、刃牙は越前のことを長老に聞く。
これは今読者が一番に疑問に思っていることだ。
それについて聞くなんて、刃牙もたまにはいいことをする。
バキSAGAという読者が一番望んでないことをやった過去はとりあえず忘れよう。
ついでに今読者が2番目に疑問なのは、当然アイアン・マイケルのことです。
あの人、どうしてここにいるんだろう。どうして、急に出てこなくなったんだろう。

「大統領さ」

長老の衝撃告白だ。
越前は南米の一離島、人口2万人に過ぎない小さな国の大統領だったらしい。
規模は小さいが大統領は大統領だ。
今までに出てきた格闘家の中で、もっとも高い身分にある。
まぁ、勇次郎という反則的な存在のことを考えると、身分は一段低くなるだろうが。

「本名ジュン・ゲバル」
「日系3世21歳――――」


越前の本名がついに判明だ。
ネット上ではチェ・ゲバラがモデルだと囁かれていたが、本名の判明と同時に見事に的中したようだ。
おめでとう、とりあえず越前の名前は廃棄だ。
なお、日系であるためか、漢字では純・ゲバルらしい。
…非情に語呂が悪い。
英語ではJ・ゲバルで多少は語呂が良くなる。
でも、ポルナレフに針串刺しの刑にされる悪寒がする。

ゲバルは元は盗みや恐喝を行う不良だったようだ。
刃牙は冷めた目で「よくあるハナシだ」とつぶやく。
さすが学生時代は不良に絡まれ続けた男だ。どこか達観している。
こういう悟ったような顔をする刃牙は嫌いだ。
(学生時代とまるで過ぎ去った歴史のように言ってしまったけど問題ないよね?)
――が、長老はそんな刃牙の言葉を否定する。

「ゲバルのやっていた不良とは――」
「路上ではない」
「海………」「はやいハナシが海賊じゃな」


海賊という浮世離れした単語には、さすがの刃牙のさっきまでの態度を一転させ驚愕する。
こういうヘタれたような顔をする刃牙は大好きだ。
この頼りにならないあたりが刃牙らしい。
初セックスでも全然頼りになる雰囲気がしなかったし。

長老が言うには、ゲバルは客船に乗り込み、制圧、金品強奪を行っていたらしい。
強奪された金品の中には貴金属類が多く見られたので、豪華客船を主に狙っていたのだろうか。
並みの不良にはない行動力と実行力だ。

「ここでハナシが終わるなら希代の不良少年ゲバル君でカタがつくのだが」
「17歳――――ゲバルに転機が訪れた」
「島の独立を目指したのだ」


長老が言うにはゲバルは幼少期から祖父に武術の英才教育を受けていたようだ。
畳の部屋、襖に武の文字、祖父は胴着に刀を持っている。そして、ゲバルはフンドシ一丁と、何だか東洋を明らかに幼少時代を送っていたようだ。
この頃に学んだ武術があったからこそ、海賊時代に大きな実績を残しているのだろうか。
…って、あれ?
長老は22話「2(セカン)は流儀を持たない」と言っていたような…

あの時、「拳法か……?」と言った刃牙はいったい何を言っているかと思ったが、刃牙の読みは当たっていたようだ。
百戦錬磨だけあり、観察眼に優れている。
金的しかやっていないのだが、刃牙はそれを武術と見抜いたのだろう。
あの睾丸の狙い方は中国拳法の金的に酷似している、とか。
おそらく全格闘技の金的のクセを刃牙は把握しているのだろう。
プロレスラーは手で潰すのを旨とするとか、ボクサーは素手で殴るとか、ムエタイは潰されることを専門とするとか。

ともあれ、ゲバルは自分の武術を手下に伝授するようになる。
それと同時に武器の使用を禁止した。
禁止したのは「必勝の信念に裏打ちされたゲバルの計画」あったからこそのようだ。
ゲバルの訓練は対徒手から、対武器から、対銃器、挙句の果ては対爆薬を想定して行われた。
あらゆる状況を想定した訓練が行われている。
爆薬に関してはドイルやドリアン対策だろうな。
でも、独立するなら近代兵器対策もした方がいいような…
航空機で攻められたら、素手ではどうにもできないし。

[多数の犠牲者が続出するも]
[自ら離脱を申し出る者は皆無だったという]
[それほどゲバルの作戦は必勝を実感できるものだったからだ]
[メンバー全員の身体に疵跡が増えなくなった頃―――]
[武器を持たぬゲバル軍団が完成]

ゲバルは若きにして指導する立場になっていた。
手下全員に胴着を着せ、誤った東洋を具現化している。
でも、アンチェインの称号は相応しいものようには感じない。
独力で自由を掴んでいるオリバの方が格上っぽい。

準備が整ったゲバルは島民に独立を扇動するが、若いためかあまり支持を得られなかったようだ。
が、この行動はG・ボッシュに逆鱗に触れたようだった

[事件はその時起こった]

ゲバルかボッシュか、どちらが行動を取ったのかはわからないが何かが起こった。
そんなわけで次回へ続く。


長老曰く大統領のゲバルが今刑務所にいるとなれば、やはり政治的な罪を犯したのだろうか。
今までの発言を考えるとアメリカに敵意を抱いているようだし、何より今回ボッシュが敵視していることがわかったため、やはりそっち方面か。
指導者にして格闘家というのもバキ世界では珍しい人物だ。
肉体的な強さ以外も持ち合わせているといえよう。

ところでなんで長老はここまで知っているのだろう。
ゲバルの祖父というオチだろうか?
それとも本部の血族か?
多分、後者だろう。
この調子でアイアン・マイケルの処遇についてもお伝えください。
かませ犬だから、で済ませられそうだけど。


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