範馬刃牙 第260話 壁の先



ゴキブリダッシュが粉砕された!
やっぱり、ゴキブリでは鬼に勝てないか。
トリケラトプス拳をやれば良かったかも。
ほう、恐竜か……と唸ってもらえるぞ。
何でお前が恐竜を知っているんだとお互いに突っ込み合う。


[困ったことに…]
[雄(おとこ)は ある日 勝手に目覚める]


ここで男子は突如己の強さを過信、自分が強いと勘違いすることが語られる。
はいはいはい! わかります!
中二病ってヤツですよね!
俺だ。どうやら機関が動き出したらしい。
ああ、全ては運命石の扉の選択のままに。エル・プサイ・コングルゥ。

まぁ、痛いほどわかりますよ。
私だって中学生の時分に俺流拳法を編み出そうとしたし。
イケる! 勝てる! と錯覚したモノだ。
痛いほどわかるイタい想い出である。

とりあえず、こんな感情に目覚めない男は男子ではないと言える。
健全な中学生なら目覚めて当然です。
中二病のひとつやふたつに目覚めなくて何が日本男児か。
まぁ、それを成人しても引っ張っているといろいろと支障があるので注意されたし。
おっと、語りすぎると私も機関に狙われてしまうのでこの辺で。
(機関とはこれが正式名称ではない。ただ畏怖を込めて機関と呼ばれる)

閑話休題(それはさておき)。
現実は妄想もとい空想通りにはいかない。
機関も、運命石の扉も、運命の選択も、そんなものない。
どこかで貴様は強くないと現実を思い知らされ、挫折を経験する。

[己が最強であることを知っていた]

だが、勇次郎は違った、らしい。
自分の実力を過信もせず勘違いもせず最強であった。
人も猛獣も武器も兵器も権力も武力も権威も凌駕する……

もっとも、これは都市伝説勇次郎の話らしい。
現実と相違ないが何せ背中の入れ墨に加えてフンドシだ。
パチモンですよ。
どこからフンドシ成分を持って来やがった。
何か強そうに見える人から衣服を奪う都市伝説と混合しているんじゃないか?

でも、勇次郎はあれだけやって都市伝説レベルなのが不思議だ。
雷に関して言えば全国放送されたみたいだし。
そもそも、大擂台賽は公式の大会だし、あれであそこまでやった勇次郎は相当な知名度を誇るはずだ。
刃牙も刃牙で大統領誘拐によって、一躍有名人だろうし……
範馬親子ってひょっとしなくても相当な有名人なのか?

勇次郎はただ強いどころではなく、腕力だけでもっともバキ世界で大きく強い存在になっている。
武を志す人間なら一度や二度は聞いたことのある程度の本部とは別格だ。
(一度や二度しか聞かないのかよという話だが)

[そんな雄(おとこ)でも……………]
[驚愕(おど)ろくことがある…]

そんな勇次郎だったが、刃牙を放り投げた壁の向こう側を見て絶句する。
気体になった息子を見ても驚かなかった勇次郎の驚愕!
それは壁の向こう側、外に多くの観客がいたことだった!

ホテルを囲むように観客の群れがいる。
一人や二人じゃなく数百人はいることだろう。
ビルの窓に張り付いて勇次郎を見る人々もいる。
このビッグカードに観客たちが詰め寄せた。おそらくは口コミのみで。
猪狩と斗羽並みの加熱だ。

観客たちは都市伝説と向かい合い盛り上がる。
2階ほどの高さから投げ捨てられた刃牙を無視するほど盛り上がっている。
……あの……人が落ちたんですよ、アンタら……

「マイッたなこりゃ……」

この事態に勇次郎が冷や汗を流して驚いた!
あの勇次郎がビックリするほどの出来事だった。
そりゃあ外を見たらいきなり人が群れていたら驚こうというものだが、あの勇次郎が観客に驚くのも不思議だ。
案外、覚悟していない出来事に弱いのかも。
喫茶店でバイトして鍛えてみたらどうよ。たまに大食いする。

ともあれ、これは非常に大きい。
待望の観客の登場だ。
これで解説役が出てくることも十分あり得る。
いーや、むしろ、自然!
だったらイケるぜ?

ここで期待すべきは本部だな。誰が何と言おうと本部だ。
「ほう、気体レベルの脱力とはあの小童も成長したものじゃの」とか言って何でも知っとるわ〜この人と褒められる。
「あの動きは近代スポーツ、古代武術のどれにも当てはまらぬ……ゴキブリを模倣しているな」と見事に当てて見せて、
「いや、ゴキブリはねーわ」「そもそも、気体レベルの脱力って何だ」「アンタ、やたらと偉そうだけど何者だ」と突っ込まれる。
次回へ続く。


勇次郎が観客に驚いた!
そして、2階ほどの高さから落ちたであろう刃牙は完全無視だ。
刃牙はとんでもなくアウェーでの戦いになりそうだ。
あるいは落ちた時に首をくじいて泡吹いていたりして。

これでこの戦いに不足していた解説役の登場が期待できる。
一般ピーポーが来るのなら、本部だって来るに決まっている。
今こそ本部×加藤×末堂の黄金トリオが復活する時だ!
最近の解説王、烈はベガスで忙しいし、本部の出番は多分にあるぞ。

次回、驚いた勇次郎を刃牙がからかったりすれば面白いのだが。
珍しい赤面勇次郎なんて見られたら胸熱だ。
刃牙が泡吹いて倒れていて、代打ピクル! になっても胸熱だ。
ピクルもせめて観戦くらいはすればいいのに。
観戦という文化があるかは知らんが。

この衆人環視の前では勇次郎も恥ずかしいマネはできない。
伝説を裏切らない堂々とした振る舞いが期待される。
まぁ、勇次郎はその辺はばっちりだから問題はなさそうだ。

だが、問題となるのは刃牙の存在だ。
刃牙は町中で梢江をお姫様だっこして走り抜ける男だ。
みんなが見ている前でお漏らしも躊躇わない。
羞恥心というものがない。露出プレイにハマりきったヒロイン的なものだ。

というわけで、勇次郎の尊厳を穢すような立ち回りをされれば勇次郎がピンチになるかも。
鞭打とかどうよ。
思い切り痛がるわけにもいかないので、必死にメキッて耐える。
我慢しているところに鞭打をやりまくる。
……意外と有効かもしれない。

しかし、まったく話が進んでいなくて感想に困る話だ。
勇次郎がちょっとカワイイところを見せて、解説役に期待できることくらいだ。
どうやって感想を膨らませろと言うのだ。
アニメのドラゴンボールZって実は凄いんじゃないかと思ってきた。



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