範馬刃牙 第275話 邪魔立て
刃牙がピクルの歯を折った!
マッハの打撃を受け、マックシングの打撃を受けても折れなかったピクルの歯が……
刃牙は強いよりも理不尽の言葉がよく似合う。
うん、これは理不尽だわー。
さて、ピクルさんが殴られる様を見開き4コマを使ってリプレイされる。
4コマ漫画みたいだな。
どこか笑いを誘う光景だ。
特に4コマ目のピクルの表情がたまらない。
いや、歯が折れたのは笑い事じゃないのだが。
しかも、犬歯とはとても言えない牙の部分だ。
長くて、太くて、鋭い牙だ。
ピクルは噛みつきを幾度も用いた。ジャック並みの噛みつきファイターだ。
そんなピクルにとって、牙は自分の象徴とも言える存在だ。
それが折られた。大きな意味がある。
特に野生動物にとって、牙が失われるのは死活問題だ。
大丈夫か?
当然、ピクルは激怒する。
いつも浮かべていた脳天気な笑みは消え去り、残虐ささえ感じ取られる表情に変わった。
ピクルのこの表情をさせられるのは今のところ範馬一族だけだ。
範馬一族の理不尽さが伺える。
が、同じように激怒していた刃牙を見てピクルは狼狽する。
え!?
ピクルさん、ビビるの!?
声にならない声をあげている。
どんだけビビっているんですか、ピクルさん。
これで怒られるのに慣れていないのか?
「カンケイねェんだよテメェは」
「すッこんでろッッ」
刃牙がキレた!
この人は理不尽なタイミングでキレるな。
勇次郎に「俺を無視してんじゃねェッッ」と殴りかからないのが実に刃牙だった。
ピクルさん、刃牙が心配でやってきただけかもしれないじゃん。
それでなくても刃牙がもう戦闘不能と思ったから選手交代しようとしただけかもしれないじゃん。
ピクル何も悪くないよ。怒るなら勇次郎に怒れよ。
理不尽な刃牙の怒りだった。
身に覚えのないパンチに身に覚えのない叱責だ。
刃牙が叫んだ言葉の意味をピクルは知る由もない。
日本語わかりません。
むしろ、言葉知りません。
[理解(わか)ったこともある]
[叱られた……………………]
それでも「叱られる」という概念をピクルは理解した。
自然ではあり得ない概念だ。
だが、ピクルは心を持ち合わせている。
「叱られる」という概念は初めてではあれど、理解することはできた。
で、ピクルさんは凹んだ。
凹んだ!
この人、凹んだ!
日本語があればごめんなさいとかすみませんとか言っているくらいに凹んでいる。
悪戯っ子が親に怒られたみたいな光景だ。
ネオ・サイタマならアイエエエ……と嘆いていたな、こりゃ。
あ、可愛い。萌えー!
[ピクル……]
[生誕1億4550万年……………]
[社会を学ぶ]
ピクルは恒例の体育座りで座る。
しょぼーんとした表情と伴って、実に様になっている。
カワイイヤッター!
可哀想だが猛烈に可愛らしい。
これで背が高くてスタイルもいいけど落ち込みやすいお姉さんだと変換すれば、スゴイカワイイアトモスフィアが漂う。
酷い目にあったピクルだが、相変わらずの原始的な可愛らしさで読者のハートをキャッチだ。
これだからピクルは憎めない。
いっそのことスイートプリキュアに出てみてはいかがか。
可愛い可愛い連呼されますよ。
ともあれ、復活して刃牙と勇次郎が再び向かい合う。
勇次郎は笑みを浮かべていた。
刃牙が蘇って嬉しいらしい。
何せ刃牙は18年に渡って育成してきた珠玉の逸品だ(半分くらいは放置していたけど)。
ここでちゃんと戦っておかないと公開が残るというものだ。
でも、それならピクルは奇跡に巡り会えたかのような逸材だ。
もう宝くじですよ。
18年溜めてきた貯金を使うか、奇跡の確率を引き当てた宝くじを使うか……
貯金の方が愛着というか苦労が染みついているだけ、感情移入ができるか。
「息子よ」
「親友(ダチ)が現れなきゃ終了(おわ)っていたぞッッ」
この言い方、やっぱりというか、わざと刃牙の嫉妬心を煽るようなことを言ったようだ。
さすがの駆け引き上手だ。
老獪とさえ言える。
18年間溜め込んでいたし、とことんまでしゃぶり尽くす気なのか。
めっちゃ楽しんでいるなー、この人。
たしかにピクルが割り込む隙間がない。
早速と言わんばかりに勇次郎は踏み込む。
地面が砕けた。
オーガ脚力によるダッシュだ。
相変わらず本気のようだ。手加減ねえ。
[そうくることは――――――]
だが、刃牙は意識のトリガーを突くことができる。
勇次郎が突っ込むと思った瞬間!
既に勇次郎は気絶……
[知って
そう思わせて刃牙の上体が沈んだ!
勇次郎が0.5秒打撃で刃牙を迎撃していた。
0.5秒打撃は刃牙の専売特許ではなかった。
まぁ、勇次郎ならこれくらいやれて当然と言わんばかりだ。
勇次郎の瞬間移動めいた移動も意識の隙を突いているのかも。
いやー、無理か?
でも、勇次郎ならあるいは……
[近代初の 引き金(トリガー)勝負ッッ]
「そうくることは知っていた」
刃牙の言おうとしていた台詞を言って締めた!
実に勇次郎らしい返し技である。
相手の得意技を模倣する。
ただ勝つだけではなく、心さえも折ろうとしている。
まぁ、0.5秒打撃は勇次郎も元から使えたのかもしれないが。
むしろ、0.5秒の隙を突くことなど容易なくらいだろう。
勇次郎は人間の抱えているウィークポイントを見切れる。
ならば、0.5秒の隙もウィークポイントとして見えたりして。
意外と勇次郎はそのパワーで力押しするだけでなく、技や心理戦で細かく相手を追い詰める。
柳龍光に敗北を突きつけたり、消力を真似たり、消力を馬鹿にしたり、サムワンをなじったり、ストライダムを驚かせたり。
心を折ることがバキ世界における勝利だ。
その点においても勇次郎は抜かりない。
力と心の双方で屈服させる。
まさに地上最強だ。
さて、0.5秒打撃を受けた刃牙は……
はい、完全に目が死んでいます。
かろうじてとはいえ堪えた勇次郎とは大違いだ。
突くか、踏むか、勇次郎の思うがままだ。
復活したと思ったらいきなり勝負ありか?
独歩も唸る超一流の技術による駆け引きが行われた。
技の激突は次は力の激突か。
いよいよ鬼の貌の全面対決が行われるかも。
このまま刃牙が気絶して、勇次郎とピクルが戦い始めたらそれはそれで……
次回へ続く。
ピクルが怒られた!
(´・ω・`)という顔文字が似合う。
チャンピオン最萌なんじゃないだろうか。
りびんぐでっど!やてんむすに出ても違和感がないくらいだ。
ましののには元より出てきても違和感がないです。
ピクルは踏んだり蹴ったりだ。
かつては史上最強ともてはやされたのに……
でも、猛烈に可愛いから株が下がったという気はしない。
やっぱり、いい奴だ。
刃牙が叩き潰さなかったら……
勇次郎は0.5秒打撃を使った。
威力に差違はあるとはいえ、これでお互いに0.5秒の隙を突ける。
その場合はどうなるんだろう。
意識したと見せかけて実は意識しておらずそのフェイントに引っかかった意識の隙を突くといった駆け引きが行われるのだろうか。
……私は何を言ってんだ。
無意識で殴り合ったりして。
ナチュラルな反応の隙を突くことは不可能!
でも、格闘っていちいち考えたり意識したりしながらやるものじゃない。
身体が勝手に動くのを繰り返すものだ。
駆け引きが発達したが故に余計なことを考えていたりして。
オリバは0.5秒打撃を筋肉ボールで破った。
破ったというよりは駆け引きの支点を変えたという別だが……
ともあれ、それを真似たらどうだろうか。
筋肉ボールで待ち構える刃牙!
最強の打撃、鬼哭拳で挑む勇次郎!
無理!
殺される!
さて、今回は以前募集されていたベストバウト人気投票の結果が発表されていた。
何か目立たない発表だった。
せめてカラーでやればいいのに……
せっかくなので触れてみよう。
1位 範馬勇次郎VS郭海皇 1137票
力と技の頂点の激突だ。
ものすごいトンデモ展開が相次いだ大擂台賽を締めくくるに相応しいトンデモ勝負であった。
見栄えも良かったし、ツッコミどころが絶えなかったし、1位は妥当と言えるかも。
ついでに私がバキ感想を書き始めたのは、この試合のツッコミをしたいと思ったからです。
その意味でも印象に残っている。
……まぁ、始めたのは終わってからなんですけどね。
2位 花山薫VSスペック 1065票
死刑囚編のベストバウトにしてピークだ。
頬がはじけ膝が撃ち抜かれるという凄絶な描写が行われたまさしく死闘であり、
サプライズにサプライズが続いたバトル内容とシリーズ屈指の激戦だ。
納得の高順位である。
ついでに読者コメントは「黒マスクのエロさも含め、この闘いが大好きです」だ。
おいィ!?
エロさは関係ねえよ!
3位 範馬刃牙VSピクル 972票
ナンデ!?
刃牙VSピクルナンデ!?
あれって読者的には好評だったのか?
いや、ツッコミどころは盛りだくさんで感想を書いている身としては毎週楽しませてもらったよ。
しかし、持ち上げに持ち上げたピクルの株が刃牙の理不尽によって次々に潰されていったのは残念でならなかった。
うーん、刃牙って一般的には人気なのかなぁ。
あいつ、人気投票でも1位だったし。
4位 範馬刃牙VS範馬勇次郎(第2戦) 734票
現在進行形で行われているバトルだ。
イロイロな意味で目を離せないバトルではある。
これで本部がいればなー。
勇次郎が鞭打を喰らった時の反応が高順位に影響したのは間違いない。
5位 愚地克巳VS花山薫 573票
6位 渋川剛気VS愚地独歩 338票
クラシックな名勝負が続いてランクインだ。
どちらも最大トーナメントを代表する名勝負である。
根強い支持があり、それがランクインに繋がったのだろう。
7位 範馬刃牙VSジャック・ハンマー 274票
遅れて最大トーナメントの決勝が来た。
激闘に次ぐ激闘にだった。本部の解説の光ったし、コミックス1冊分の回想もあった。
最大トーナメントの最後を締めくくるには相応しいバトルだったと思う。
しかし、この頃の刃牙はけっこう好感持てたんですけどね。
バトルスタイルも格好良かったし、ジャックとの戦いも死闘に相応しかった。
ピクルとの戦いは……戦い方がセコかったし、死闘と呼ぶには刃牙さん怪我してないし……
8位 範馬刃牙VS花山薫 199票
今回、ランクインしたバトルの中ではもっとも古い一戦である。
この頃の刃牙は格好良かったんだけどなぁ……
何と言うか、刃牙は「バキ」になってから出番が途端に減ると同時になんか憎々しくなった気がする。
いや、憎々しくなったから出番が減ったのか?
真偽は誰にもわからない。
9位 ピクルVS愚地克巳 143票
愚地克巳、最後の死闘であった。
これはもうちょっと高順位でもいいと思うんだけどなー。
克巳の株が感動的なまでに上がったのはもちろん、
ピクルがただ対戦相手を喰らうだけの残酷ファイターではないことがわかったのもポイントが高い。
この勝負があったからこそピクルのキャラクターが確立されたといっても過言ではない。
表現がグロテスクだったのが難点か。
私事になると感想を書いていた時、ものすごく盛り上がりながら書いていたと思う。
感情移入もしていたし、今読み直すとちょっとキモかった。
10位 範馬刃牙VSオリバ 105票
何で刃牙が勝っちゃったのと昔聞かれたことがある。
感想を書いている身として恥ずかしながらも「わかんねえよ!」としか言えなかった。
刃牙は何でか勝っちゃう試合が何と多いことか。
そういう試合をやるようになってから憎々しく思えるようになってきた気がする。
インガオホー!
残念ながらサムワンとストライダムの試合はランクインしていない。
サムワンが9位、梢江が10位を戴冠した以前の人気投票と比べると比較的真っ当な結果になったと言える。
ツッコミどころは刃牙のランクインか。特に近年の刃牙。
うーむ、あいつ、人気なのかなぁ……
いや、今の刃牙も魅力的なキャラクターだと思いますよ。好きとは言えないけど、嫌いじゃないです。
ただし、どこまでもムカつくけど。
でも、ムカつく反面で完璧じゃなく確実にポカするから、それがムカつくけどそこが嫌いになれない理由なのかも。
ある意味でチャンピオンを象徴するキャラだなー。
存在感の薄さも含めて。
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