範馬刃牙 第279話 父の上
虎王完了!
ついに、刃牙が勇次郎の上を行った。
かつては敗北したカウンター勝負を刃牙は見事に上回って見せた。
刃牙は成長している!
今のうちに格好良いことを言えば好感度を得られますよ。
大チャンスだ!
[快挙!!!]
勇次郎が虎王の前に、刃牙の前に倒れ伏せている。
連載史上初の完全な形での勇次郎のダウンだ。
それは今まで誰もが成しえなかった。
中国武術最高峰の郭海皇でさえ、スリップ同然のダウンしか奪えていない。
本当に快挙である。
やはり、範馬の血は侮れない。
勇次郎に一矢報いるほどである。
あ、勇次郎の範馬の血の持ち主だったな。
じゃあ、刃牙が凄いのか?
刃牙が凄いんだな。
観客たちも大盛り上がりだ。
独歩やピクルの強者も驚く。
それほど予想外の出来事のようだ。
この出来事をビルの一室で震えながら見守る新たなグラップラーがいた。
虎王が炸裂したのだ。
当然、この男の出番である。
アメリカ最強の男、ビスケット・オリバだ!
本部ェ……
「あんな古流(クラシック)の合戦の技術に不覚を取るなんて………」
「ヤキが回ったかオーガ……」
あ、オリバさんが解説してくれた。
オリバはこう見えてバキ世界最高峰のインテリで実際博学だ。
虎王は古流めいているとしっかり解説した。
本部の役割、いらないな。
虎王の発祥までよく知っているオリバであった。
虎王を武器とする流派、竹宮流は柳生新陰流から派生したものだ。
である以上、合戦の技術として用いられたこともあるだろう。
まぁ、竹宮流になって以後のものかもしれませんが。
よくわかりませぬ。
ともあれ、オリバを唸らせる一撃であった。
心憎いセレクションである。
オリバの時に虎王をやれば良かったのに。
「バキめ………」
「強すぎだぜ
少年……」
オリバは刃牙を見上げる立場になっていた。
その実力は既にかけ離れているのだろうか。
オリバは勇次郎にまったく敵わなかった。
その勇次郎相手に刃牙は一本取った。
見上げるのも致し方なしか……
[親父は今―――――― 確かに俺の下にある!!!]
刃牙は人類史上初の快挙を成し遂げた。
その実感に震える。
念願も念願で悲願も悲願。
誰も刃牙を責められまい。
全格闘家はオーガにスペシャルホールドを決めるのが夢。
かつての猪狩の言葉だ。
刃牙はその夢を叶えた。
齢18にして夢を叶えるとは……
「オーガよ」「油断がすぎるっつーの」
[刃牙はアンタの血を引く怪物(モンスター)なんだぜ 嘗めすぎだっつーのッッ]
独歩にダメ出しされてしまった。
まぁ、勇次郎は油断しすぎた。
ヨーイドン勝負をしなければ勝っていたかもしれない。
それでなくとも普通に殴っていたら決まったのかもしれない。
勇次郎は遊んでしまって手痛い反撃を受けた。
インガオホー!
「何をしてくるかと思えば」
「いかにもキサマらしい小細工よ」
「親父ィ………」
「そんな台詞も」「この体勢からは言いにくいよな」
〜〜〜〜ッッ。
勇次郎の顔真似と台詞真似が炸裂した。
刃牙が勇次郎を小馬鹿にしている!
いや、小馬鹿にしているのはわりといつものことか。
その直後に手痛い反撃を受けてきたのもいつものことだ。
だが、今は刃牙が圧倒的に上だ。
馬鹿にしても怒られない。その資格もある。
刃牙の憎たらしさが珍しく頼もしく見える。
それに対し勇次郎の動きはまったくない。
未曾有の出来事なのに沈黙を維持している。
ま、まさか、これで決まったのか……?
「フザケンナよ親父ィッッ」
「このまま終わる気じゃねェだろなッッッ」
「認めねェぞそんなこたァッッ」
「逆転してみろッッッ」
「それが範馬勇次郎ってもんだろがァッッ」
不甲斐ないとも取れる父に息子が吠えた。
それ以上いけない。
勝った気になるというのは致命的な敗北フラグですよ。
天内悠やオリバがそれで負けている。
締め方も刃牙らしいな。
刃牙としては勇次郎を手玉に取った以上に、手玉に取られた勇次郎が残念なのかもしれない。
憧れが自分の全力に屈した。
認めたくはない現実なのだろうか。
内心、全力で戦っても敵わないことを望んでいるのかもしれない。
刃牙にとっての勇次郎は偶像ですよ。ガンダムですよ。
そのうち、貴様は勇次郎ではないと怒り始める。
(図に乗っちゃイケねェ…)
(パパはそう弱かねェぞ)
観客たちは刃牙の檄に感心するが、ピクルはあくびをし独歩はダメ出しをする。
グラップラー一同にとっては茶番であった。
しかし、独歩ちゃん、忙しいですね。
勇次郎にダメ出しして、刃牙にダメ出しする。
仕事が多いこと多いこと。
誰か分業してくれる人が欲しいくらいだ。
「え……?」
その時、刃牙が見たのは勇次郎の手だった。
指で丸を描いている。
これは刃牙の虎王を褒めているのか?
褒めるだけの余裕が勇次郎にはまだあるのか?
虎王が決まったものの勇次郎にはまだ余裕がありそうだ。
やはり、ここからが本番だろうか。
しかし、大分長く続いている戦いですね。
5月に始まってもう12月である。
この調子だと1年以上は戦いそうだ。
来週は恒例の同時掲載だけど、最初の1本は解説で終わりそうだ。
で、2本目で刃牙が殴られてやっぱり強ェな流れになるのだろう。
そういえば、鬼の貌はどうしたんだったかな……
次回へ続く。
虎王こそ決まったものの勇次郎にはまだ余裕が見え隠れする。
次回、勇次郎による虎王の解説かな。
餓狼伝との繋がりがわかるかもしれないし、けっこう楽しみだ。
本部が沈黙した以上は勇次郎に期待したい。
そうなると刃牙は虎王をどこで覚えたのだろうか。
まぁ、昔からの疑問ではあったけれど、刃牙オリジナルではなく古式めいた武術の技らしいしその出自が問題となる。
実は鞭打と同じく勇次郎に教えてもらった技だったりして。
あるいは本部が……
元気のある勇次郎相手に刃牙はどう立ち回るか。
ここまでのパターンだと刃牙が技を見せて調子に乗る→勇次郎にやり返されるというのが定型文化している。
虎王をやり返されるか、虎王返しされるか……
虎王は派生や反撃技も多彩だ。
勇次郎がそれを見せつけるのだろうか。
ただ、それをやると話が進まなくなるんだよな。
勇次郎は親馬鹿だからって自分の凄さを見せびらかしすぎである。
読者の立場に立ってください。
刃牙も刃牙でそれに乗りすぎなんだよな。
こいつら、親子揃って楽しんでいる。
過激なスキンシップだ。
いつになったら戦うことやら。
そんな中で虎王は刃牙からの反撃らしい反撃だ。
新展開に繋がるかもしれない。
新展開は虎王覚醒編!と刃牙が虎王を身に付ける回想を始めたりして。
その中で様々な強敵と戦い、2年くらいしてやっと勇次郎との戦いに戻る。
そういえば、虎王は腕を極める技だけど勇次郎は大丈夫かな。
あまりの強さに脱臼や骨折をしたことなく、今は初体験の激痛にもがいていたりして。
勇次郎の顔を見てみると筋肉がフル稼働しています。
……あれ、またやらないかなぁ……
今回のバキどもえではやってたけど。
2回連続梢江ネタかよ。梢江って公式ネタキャラなんだな……
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