範馬刃牙 第286話 勇一郎
勇次郎の父親、勇一郎が現れた!
超大物だよ。
その格を裏切らず実に強そうだ。
勇次郎の父親ということを考慮すると今は最低でも老体、最悪鬼籍に入っている可能性もある。
だが、それでも見たいし、劉海王の件を思い出すと年齢なんてさほど問題なかった。
さて、徳川光成が範馬勇一郎を語る。
年齢的に考えれば同世代くらいだ。
勇一郎の噂もよく知っているというものなのだろう。
「範馬勇一郎」
「勇次郎の実父じゃ」
「………………」
「…………………いたんですか……」
神崎首相と交代した謎の男が素っ頓狂な返答をする。
いたんですかって、勇次郎も人間なら親がいるに決まっている。
決まっているが、たしかにいたんですかと問いたくなる。
勇次郎は知らぬ間に母親を孕ませて生まれさせたくらいの印象がある。
父親という存在がなくとも生まれてきそうな気さえしてくる。
勇一郎はやがて地上最強と畏怖される自分の子をベテラン産婆に出産を手伝ってもらっている。
意外と慎重を期しているのか?
いつか自分と戦うかもしれないと思うと慎重を期すか。
で、刃牙は生まれてすぐにコンクリートに叩きつけられた。
このエピソードは1回しか出ていないので、刃牙が事実を誇張している気もする。
さて、太平洋戦争沖縄戦。
第二次世界大戦における日本国内最大にして最後の戦闘である。
4月1日に始まり9日7日の降伏で終わった戦いかと思われたが、事実は違っていた。
9月7日以降も戦いは続いており、その舞台は沖縄本島から12km離れた1kmほどの孤島であった。
「そんな小さな空間に」
「延べにして」「実に1000トンを超える弾薬を使用している」
「帝国陸軍にではない」「地元民にでもない」
「範馬勇一郎 ただ一人に対してじゃ!!!」
勇一郎は弾薬1000トンに及ぶ危険性を孕んでいると認定されていた!
時勢からして当たり前のことだが、戦争の中で生きてきたようだ。
勇次郎もベトナム戦争で傭兵として戦っていた。
範馬一族は戦場で生きている常在戦場の一族だ。
範馬一族はこの身を鬼と鍛えた戦士か。
海上からの艦砲射撃、上空からの爆撃。
徹底的な攻撃を行い、それは島の地形が変わるほどだった。
地形が変わるどころか島そのものがなくなりそうなんですけど……
ともあれ、ぺんぺん草一本たりとも許さない覚悟だ。
その戦力を他のところに回せばいいのに……
やはり、勇一郎はそれだけの戦力を傾ける価値があるということか。
そして、米軍兵士が上陸する。
任務は単純。
勇一郎の遺体を確認することだ。
これほどやれば遺体なんてバラバラだと思うけど……
そのこともあってか、兵士たちの緊張は緩んでいた。
そこを勇一郎は見逃さずに突いた。
「その右手には不自然に首を折り曲げられた」
「最後尾の隊員がブラ下げられていたという」
勇一郎はボロ雑巾のようになった兵士を片手に持って登場だ。
無傷な上に服装はズボン以外何もなしだ。
ナイフどころか靴さえもない。
勇次郎もナイフくらいは持っていたというのに……
自分の肉体への自信と自負の現れだろうか。
兵士は首が折られている他に、右脚が折れている。
というよりも、骨が剥き出しになっている。
開放性骨折ではなく、むしろ破壊されたという表現が似合う。
一瞬で破壊する筋力と残虐性だ。
まさしく勇次郎の父である。
しかし、いつの間にか首を折っているというのは勇次郎に類似している。
もしかして、勇一郎編が始まるのか?
いや、それはそれで面白いので是非どうぞ。
「カービンが振り向くより速く」
「味方の肉弾が叩きつけられたという」
「その“投げ”の威力は凄まじく」
「一投げで最低3人以上は死傷したという」
そして、人を投げつける!
勇次郎の人を盾にするよりも凄まじいエピソードだ。
いわば重さ数十kgの弾丸だ。
そりゃあ人が何人も死ぬ。
このパワーは確実にオリバ以上だ。
肩幅の広さにそぐわぬ恐るべきパワーである。
そして、統率も取れないまま、一個小隊は全滅する。
砲撃からの白兵戦を繰り返すが結果は同じだった。
しかし、白兵戦は範馬筋力で圧倒できるのはわかったのだが、砲撃はどうやってやり過ごしているのだろう。
勇次郎が度々発揮する瞬間移動まがいの高速移動は勇一郎譲りだったりして。
勇次郎が勇一郎から受け継いだものがたくさんあるのはわかるが、刃牙が勇次郎から受け継いだものはあまりないような。
範馬の血は薄くなっているのだろうか。
「あの戦艦大和でさえ」「撃沈までに要した犠牲者は12名だぞ!!!」
「たった1匹のモンキーに何てザマだッッ」
「効率の問題ではない」
「これは我が誇り高き海兵隊の威信の問題なのだ!!!」
指揮官のジェームズ・ボンド少将は叫ぶ。
勇一郎を倒すのはいわばガンダムを倒すようなものなのだろう。
なるほど、威信がかかっているし躍起になるわけだ。
ただ相手が悪かった。
1年戦争にユニコーンガンダムを投入されたような状況だよ。
勇一郎の力をもってしても日本は負けた。
局地戦においては絶大な力を発揮するが大局を左右する力はないのか。
あるいは勇一郎が本気で戦争に勝ちに行っていなかったからか……
ともあれ、ジェームズ少将の作戦は間違えてはいない。
超戦力を持つ個体を相手に安全な位置から爆撃するのは効率の悪さを除けば正解だ。
間違ってはいないが、それなら少しは学べばいいのに。
学んだところで出る結論は諦める以外にないんだろうけど。
最終的には原子力爆弾の使用さえも考慮されていた。
いや、もう攻撃力の問題じゃないと思うのですが。
爆撃が行われているうちに別の場所に逃げられているだけじゃないのか?
だが、既に終戦していたため、許可が下りることはなかった。
やがて、対勇一郎作戦は中止を命じられる。
戦争は終わり、多大な費用を費やしても遂行できなかった。
大局とはある種無関係だ。
当然の帰結か。
「作戦中止を命じられたその夜」
「事件は起こった」
「衝撃音を耳にした 隊員達が眼にしたものは」
「甲板に深々と突き刺さった」「ジェームズ少将の亡骸だったという」
だが、ジェームズ少将の人柱が完成だ!
この一族は相変わらず器用なブッ倒し方をする。
勇次郎といい、勇一郎といい……これ、遺伝だな。
雄弁なまでに範馬一族だ。
「凶悪極まる「ONI」の姿を…ッッ」
唯一の目撃者は勇一郎の鬼の貌を目撃していた。
勇一郎も鬼の貌の使い手なのだった。
なるほど、強いわけだ。
そして、鬼の貌を持たないジャックは血が薄いと揶揄されるわけだ。
勇一郎は単身で艦隊に乗り込み指揮官を倒す力を持つ。
無駄かと思われたジェームス少将の作戦だったが、時間稼ぎという点では戦局に貢献していたと言える。
あれがなければ勇一郎が指揮官の暗殺を繰り返したのかもしれない。
まぁ、ワガママな範馬一族が国のために働くとも思えないけど。
勇一郎は絶大な戦力を持つことがわかった。
まさしく勇次郎の父だ。
勇一郎と現代の格闘家を見てみたい。
ピクル並みの逸材になれますよ。
でも、勇一郎が刃牙と勇次郎の戦いにどう絡んでくるんだ?
二人の戦いには関係ないですよね。
あるいは本人が現れて刃牙・ピクル・勇次郎・勇一郎の史上最強4つ巴バトルが始まるとか。
とりあえず、語りたかったから語っただけなんだろうな。
相変わらず次回がどうなるか読めないバキでした。
次回へ続く。
勇一郎は勇次郎の父に相応しい実力者だった。
格闘家のレベルじゃない。超生物だ。
どちらかと言えばピクルに近い立ち位置なのかも。
真っ当な格闘家なだけでは強くはなれど最強にはなれないか。
勇一郎は太くてデカい。
体格はオリバに似ている。
勇次郎から刃牙へと血が受け継がれていく度に小型化していることが伺える。
ドラゴンボールの敵役のような、宇宙世紀のような。
そんな太くてデカい上に勇一郎は鬼の貌を持つ。
質も量も最高峰であることがわかる。
勇次郎でさえも手こずりそうだ。
刃牙なんて一瞬でジャガられる。
筋肉界の秘密兵器だ。
ところで勇一郎は髪を後ろに束ねている。
ベトナム戦争時の勇次郎と同じだ。
勇次郎は父親をリスペクトしていたのかもしれない。
ベトナム戦争後に父を上回ったから、髪型を今のにしたのではなどと妄想が浮かんでくる。
何だか刃牙と勇次郎よりもエピソードがありそうだなー。
偉大な父の上には同じくらい偉大な父がいた。
刃牙がグレてもおかしくはない。
というか、刃牙はどうするんだ?
勇一郎が助けてくれるかと思ったら、自分のエピソードを膨らませた。
何か範馬一族って今も昔も変わらない。
それが範馬の血か……
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