範馬刃牙 第289話 双節棍(ヌンチャク)



アメリカに勝った技、ドレスが刃牙に決まった!
明らかに危険度の高い技だ。
でも、刃牙もオリバに似たようなことはやられてた。
だから、平気か?
でも、やっぱりダメか?
今のところ、刃牙のタフネスは異常なところばかり見せているから、何だかんだで大丈夫なような……


ドレス……装いの名を持つ技……
手を握ってブン回し、足を握ってブン回す。
さながらヌンチャクのように刃牙を振り回す。
76kgの人間が縦横に振り回される異常な光景だ。
鬼の貌の筋力があって初めてできる技なのだろう。

それにしても巧みに装(ドレス)ってみせる勇次郎だ。
ぶっつけ本番じゃさすがに難しいだろう。
だが、その見事な(人間)ヌンチャク捌きは力強さと美しさを両立している。
実は戦場で練習したことがあるのか?
うっかりミスって人間ヌンチャクから人間砲丸になる。
いや、それはそれで致命傷だけど。

刃牙をブン回す勇次郎は実に楽しそうだ。
かつてドレスを使った時にそれに耐えられる人間はいなかったのだろう。
こんなことをやられれば、普通ならすぐ死ぬ。
だが、刃牙は生きている。
自分の全力を叩き込んでも死なないのだ。
そりゃ嬉しくもなれば楽しくもなる。

ただこんなことをやられれば刃牙は溜まったもんじゃない。
見ているもの全てが即記憶に変換される常時走馬燈状態だ。
死に際の集中力ダダ漏れってレベルじゃないぞ。
鬼の脳だって困り顔になるほどの状態ですよ。

[鼻][口][耳][目]
[それらの“穴”は]
[血液の脱出口として機能した]

血涙ッ!?
刃牙とて勇次郎の息子。
この程度で折れる剣……っぽいな。
血涙は刃牙世界でも重度のダメージ表現だ。
刃牙の危険度の高さが伺える。

さらに全てが赤く見えるレッドアウト状態だ。
遠心力で脳天に血が集まりすぎている。
これは確実に鬼哭拳よりもダメージがでかい。
鬼の貌を出したからと言って殴るだけではなく、鬼の貌の筋力を活かした技を使う時勢になってきた。
その他大勢が鬼の貌を出されただけで詰むご時世なのに……
範馬は範馬でしか止められない。あるいはピクルくらいか。

[突如眼前に発生した巨大なエネルギー]
[一目見て実感する][手に負えなさ]
[その危険度はまるで――]
[密室のハンマー投げ]


ドレスという惨劇を前に物好きな観客たちも一目散に逃げた。
もし勇次郎がコントロールをミスれば数十人は死ぬ。
それほどの勢いで振り回している。
密室でないのに密室のハンマー投げに匹敵する危険度の高さだ。
アイオワの乗員を責められない。
人間がヌンチャクになるほどの異常事態を見せられればそりゃ逃げる。
ドレスは戦略さえも揺るがしかねない大技か。

[父と子の半径100メートルは]
[ほぼ無人と化した]


観客が皆逃げた今では周囲にいるのは独歩とピクルと徳川光成の3人だけだ。
格闘家一同が集まっていると思いきや、関係者はこの3人とホテルから見ているオリバだけだ。
大一番なのにギャラリー格闘家が少ないのは寂しい。
本部なんて最大にして最後の出番かもしれないのに。
あるいは本部も観客に混ざって逃げてしまったか?

しかし、ぼっちになるとピクルの体育座りの可哀想さが際立つ。
せめてあぐらでもかけばいいのに……
こういうところが本当に憎めない原人だ。
刃牙も見習え。

「ナルホド」
「アイオワが空になるワケだ」


力の極致を見せつけられ、オリバも冷や汗を流す。
パワー自慢のオリバさえも驚愕させるド迫力だ。
噂だけは聞いていてそれをオリバも真似してみたのかもしれないが、本物の迫力にはさすがにビックリか。
ピラミッドの壁画に描かれるほどの厄さだ。

オリバは刃牙を上下に振り回した。
だが、勇次郎はヌンチャクすることでさらに左右の変化も加えている。
ドレスは力だけではなく技も用いていることで、同じような攻撃でも破壊力が段違いになっている。
まさに力と技の極致である。
勇次郎が認める価値は大いにありだ。

[だが………]
[人間双節棍(ヌンチャク)の双節棍(ヌンチャク)たる所以はまだ見せていない…]


しかし、ドレスの脅威はまだ終わっていなかった。
ここからさらに先があるのか?
末恐ろしいというか何というか……

ヌンチャクと言えば棍と棍を繋ぐ鎖が特徴だ。
その鎖によって独自の軌道を実現している。
ということは、刃牙の身体にも鎖となる部分が生まれてしまうのか?
骨が外れたり折れたりしてグニャグニャになる。
刃牙の受難はまだまだ続きそうだ。
次回へ続く。


ドレスの破壊力は規格外だった。
鬼哭拳が通じないからと引き出す価値のある技だった。
刃牙が明確なダメージを負ったし、そろそろ戦いも動き出すか?
そう考えていた時期が俺にもありました。
直後に膠着する流れが続いてばかりだよ。

脅威の遠心力で刃牙は血涙だばだばだ。
遠心力が有り余って血尿が出てくるかも。
いや、出ないか。
出て欲しいけど。
2回失禁したのなら3回失禁もできるはず!

鬼哭拳やドレスを超える必殺技を刃牙は持っているのか。
持ってないし、秘密兵器として用意していたゴキブリダッシュは既に見切られている。
この窮地を逃れても先が見えないのが困ったところだ。
まぁ、いつだってそうですが。
虎王で道が拓けるかと思ったら、あっという間に真っ暗だよ。

でも、勇次郎も勇次郎で鬼哭拳に耐えられた以上、ネタ切れっぽいしだからドレスを引っ張ってきたのだろう。
じゃあ、刃牙も他の格闘家から技を盗めばどうだろうか。
パクりは範馬一族のお約束だ。

ここで予想外にもドレスをパクってみるのはいかがか。
無論、刃牙が勇次郎にドレスを仕掛けられない。
そこでまずリアルシャドーで勇一郎を創造、その勇一郎にドレスをされる。
そうして加速した自らの肉体を勇次郎にぶつける!
勇次郎並みのパワーを持つであろう勇一郎の力を借りれば、勇次郎に致命傷を与えることも夢ではないだろう。
うん! イケる! これで行こう!
何もおかしくない。
親子共同ドレスに発展したら諦めな。



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