範馬刃牙 第30話 チームワーク
今のアイアン・マイケルはみどろに登場する並みに厄い。
死亡フラグ立ちまくりだ。
問答無用に殺されるぞ。
「3.2とは………」
「元高い身体能力を持っているが骨格(フレーム)による筋量に限界がある
4.0に届くことはあり得ない」
[一般成人男子の3.2倍……… それがこの男の戦力だ]
マウスたちはご丁寧に前回の「2.5、多くても3.0から3.2」という言葉について解説してくれる。
誰も解説をお願いしていないけど。
とりあえず、解説で先手を取った。
アイアン・マイケルにはその必要は実になさそうだけど。
ところで[一般成人男子の3.2倍……… それがこの男の戦力だ]のコマのアイアン・マイケルは実に貧相だ。
金玉打たれたサムワンって風貌だ。
アイアン・マイケルが一般人の3.2倍という戦力は妥当…いや、意外だ。
今のアイアン・マイケルはただのチンピラにすら勝てそうにないが…
いや、ヘヴィ級チャンピオンが一般人の数倍程度の戦力しか持たないのは意外な事実だ。
マウスたちは空手やボクシングなど、各種格闘技を一通り経験しているようだ。
しかし、黒帯クラスの実力はないらしい。
バキ世界において黒帯のウェイトは小さいが、各種格闘技をかじった程度というのはまずいだろう。
単体の戦闘能力はあまり高くなさそうだ。
だが、マウスたちが言うには「それ以上は必要ない」らしい。
マウスたちはどんどん解説していく。
世界チャンピオンクラスの格闘家でも一般人と比べて2.5倍程度の戦力しか持たないようだ。
だが、数人がかりで襲いかかっても勝てない例がいくつもある。わずか数倍の戦力差を埋めることができないのだ。
「何故……?」
「カンタンなこと…」
「3人で闘うことに慣れてないからです」
1対多数の際、多数側にはチームワークができていないようだ。
チームワークが形成されている格闘技は競技とは呼べないプロレス程度と指摘。
…とりあえず、マウスたちは話が長い。
相手が刃牙だったら、話している間に一人はやられている。
アイアン・マイケルも不意打ちを仕掛ければいいのに。
まぁ、アイアン・マイケルが不意打ちしても、通用しそうにないけど。
マウスたちはアイアン・マイケルを囲むように陣取る。
…動けよ、アイアン・マイケル。
アイアン・マイケルは持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあないですよ!
ヘヴィ級チャンピオンなんですよ!?
ヘヴィ級チャンピオンは戦わなきゃ!
さあ、さっさと戦って、さっさと負けて下さい!…あれ?
とにかく、アイアン・マイケルは立ち位置からして不利になる。
そこでマウスの一人が指を鳴らす。
それにアイアン・マイケルはついつい反応してしまう。
ああ…絶対罠だよ、アイアン・マイケル…
そんなわけで反応した瞬間に殴られた。
この一撃を食らったことで準備ができたのか、アイアン・マイケルは構えた。って、遅えッ!!
ムエタイ選手が試合開始してから金的対策するようなものだぞ!
選手入場の時点で金的対策をしろ!多分、無駄だけど。
アイアン・マイケルは自分を殴ったマウスにつっかかる。
が、踏み込んだ瞬間、真後ろにいたマウスに足を引っ掛けられる。
態勢を崩したところに、顔面めがけて平手が入った。
絶妙のタイミングによる連携だ。
さらにふくらはぎを蹴られて、また態勢を崩される。
そこにパンチ!さらには三方向からパンチパンチキック!
まずい!勝てる予感がまったくしねえ!!
「ガアアエ」
アイアン・マイケルは叫ぶ。
俺はかませ犬じゃねえ!と言わんばかりに叫ぶ。
立派なかませ犬ですよと言われても叫ぶッッ!
叫んでとりあえず目の前にいるマウスに踏み込むが、迷うことなく逃げる。
アイアン・マイケル決死の抵抗もバックステッポで無力化されてしまった。
「こんな闘いがあるかッッ」
「あるさ」
マウスたちのわりと卑劣な戦い方に抗議をしたら、後頭部に飛び蹴りを食らった。
ボケとツッコミじゃあるまいし、こんな典型的な攻撃を受けてどうする。
も、もうダメだこの人…本当にダメダメだ…
ありとあらゆる部分で自分がダメであることを象徴している…
アイアン・マイケルは地面に倒れこむ。
が、マウスたちはそれを許すこと追い打ちをかける。
蹴り蹴り蹴り!
…いつの間にかアイアン・マイケルがいじめられっ子になってる…
(崩壊(こわ)れてゆく…ッッ)
(権威が……ッッ)
崩壊れてゆく…ッッ
アイアン・マイケルが……ッッ
まぁ、刑務所に登場した時点で何もかもが壊れていた気がするけど。
そんなわけでアイアン・マイケルが絶望的な状況を背負ったまま、次回へと続く。
前回の感想でジャブ一発でも当てられたら儲け物と書いたけど、本当にそうなってしまった。
マウスたちは個々の戦闘能力はあまり高くないが、コンビネーションに長けるようだ。
バキ世界には珍しいタイプといえるだろう。
ただ、刃牙の敵に相応しいかとなれば怪しい。
不良100人に敗北したもののやりあったこともあるし、軍人2人組みやシコルス&柳にも勝っている。
対多人数対策は完璧なのだ。
今のアイアン・マイケルには「Help
me
BAKI!!」と叫ぶしかないな。
最近の主人公らしい刃牙ならきっと助けに来てくれるはずだ。
SAGAモードになっていたら、あっさり無視するけど。
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