範馬刃牙 第310話 巨凶からの贈り物
最終回まであと3話!
3話にして急展開を迎えるのか、どうなるのか。
思えば超展開がバキの持ち味である。
メチャクチャな展開になっても誰も文句は言えない。
「おい」
「蹴ったな」
姿勢を変えた刃牙に対し勇次郎は呟く。
蹴ったとは何か。
勇次郎の提案を蹴ったのか。
物理的に蹴るのは無理だ。
その真相が明らかになる。
「歩き去る 俺の横ッ面に一パツ」
「見舞いやがった」
真相はリアルシャドーで勇次郎を蹴ったのだった!
何を言っているのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった……
関節を増やすとか最終形態とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ……(あれはあれで凄かったけど)
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
そんなわけで刃牙はリアルシャドーを出して、それで蹴ったのだ!
何と精神的な攻撃だ。
この漫画、タフでしたっけ。
妖術的な描写は抑えられていたはずだが……(ないとは言わない)
最終回3話前にして精神攻撃を武器として使うようになった。
刃牙の目は完全に死んでいる。
体位を変えたものの肉体は既に死んでいる。
だが、心は折れていない!
折れていないのでリアルシャドーを出して攻撃開始だ!
心は折れていないってそういう意味じゃねえよ!
とにかく、刃牙はリアルシャドーもといスタンドを出して攻撃する。
スタンド名はアンリミテッド・SAGAにしておこう。
ともあれ、飛び蹴り!
廻し蹴り!
この連撃に勇次郎は感心する。
(闘志………なお衰えず)
(見るに堪えん)
そんな刃牙の最終兵器、スタンド攻撃であった。
だが、独歩からの評価はあまりよろしくない。
もう悪あがき以前のものなのだろう。
相手の悪口を言っているようなものだ。
独歩は気付けたからまだいいが、観客に至ってはちっともわかっていない。
あまりにも玄人向けすぎる攻防についてこれていない。
普通、ついていけません。
ゴキブリダッシュの時点でついていけません。
「刃牙……」
「もういい」
勇次郎にさえダメ出しされてしまった。
その闘志は評価されなかった。
しかし、赤子さえ叩き潰すというのが勇次郎の趣旨だったはずなのに……
やはり、刃牙が相手では勝手が違うということか。
勇次郎も父親なのだ。
刃牙を制止した勇次郎は両手を胸の付近に下ろして何らかの動作をする。
それは戦いにしては穏やかで緩やかすぎる動きだ。
だが、その動きに梢江は落涙する。
梢江が出ましたよ。こちらとしては血涙したいくらいだ。
梢江は勇次郎の動作に気付いた。
そして、それは泣いてしまうほどのインパクトがあった。
その正体は意外だった。
(あれは…ッッ)
(豆腐!!?)
そう、リアルシャドー豆腐だった!
何を言っているのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった……
カマキリと戦うとかアイアン・マイケルを出すとかそんなチャチなシャドーじゃあ断じてねえ……
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
勇次郎は前代未聞のリアルシャドー料理を行っていた。
リアルシャドーで豆腐を鍋に入れ、お玉で鍋をかき回し、ネギを刻んで入れる。
観客たちが料理の匂いを感じるほどに完璧なリアルシャドーであった。
スタンド以外使いには気付かれなかったアンリミテッド・SAGAとは大きな違いだ。
勇次郎が料理を作った。
それは刃牙の目的であった。
リアルシャドーであるとはいえ成就した。
リアルシャドーで成就させるとは思わなかったけど。
思えば「範馬刃牙」はリアルシャドーで物語が始まった。
リアルシャドーで物語を締めくくるのも道理か。
しかし、料理にあたって勇次郎が調理器具を使っているのは意外だ。
少なくとも包丁とお玉は使っている。
何か何でも素手でやっている印象が……
ついでに豆腐を切る動作を見る限り、まな板は使っていないらしい。
それは使わないのかよ!?
「出来たぞ」
「起きろ」
勇次郎は出来上がった(リアルシャドー)味噌汁を(リアルシャドー)お椀に入れる。
これにて鬼の料理完成!
いやいや、味噌汁だけですか。
それでも料理完成!
これには起きるしかないのか、起き上がる。
……食えないぞ、それ。
いや、リアルシャドー同士なら食えるのか?
[先生!! 打ち合わせと全ッ然違うじゃないですか!!?(担)]
連載史上2回目の打ち合わせと違うシリーズだ!
おそらく打ち合わせでは刃牙が逆転するはずが、原稿をもらったら何故か味噌汁を作っていたのだろう。
そりゃあ担当も何か言いたくなる。
そんなわけで残り2話となる。
残り2話でまた爆弾が投げつけられた。
しかし、これで親子一緒にリアルシャドー食事を取ればなかなかに感動的な終幕を迎えるのではないだろうか。
あまりの感動に夜明けと同時に刃牙が死んじゃいそうだけど……
次回へ続く。
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