範馬刃牙 第36話 オリバとゲバル



刃牙がいない間にゲバルは真価を発揮している。
脅威的な打撃を見せるわ、放尿するわ、ライバルとして相応しい実力者であることをアピールしている。
刃牙も主人公に相応しいアピールをお願いしたい。
…アイアン・マイケルを助けるとか。

ゲバルは化粧をバンダナで拭いとって戦闘モードを解除する。
同時に表情もいつも通り柔らかくなる。
ゲバルの化粧はハッタリ以上の暗示があるのだろうか?
「船出の刻」と場所と空気を読んでいない発言をしたから、きっとそうに違いない。

ゲバルの強さに部長は大驚きだ。
アイアン・マイケルを完封したマウスを、たった一撃で倒したほどだ。
だが、いかんせん比較対象が悪い。
そもそも、アイアン・マイケル自体、一撃で倒して当然のレベルだ。
現に刃牙は一撃で倒している(妄想体だけど)。
なんかこの展開は板垣先生がアイアン・マイケルをいじめたかったようにしか思えないのは私だけか?

「あんなビッグパンチ」
「お目にかかったことねぇ」


世界級ヘヴィチャンピオンこそがヘタれの代名詞だ!!
まさかこの男がゲバルと会話するとはッッ アイアン・マイケル!!!

先週まで忘れ去られていたのが嘘のようにアイアン・マイケルが出てきた。
見えないところでボクサー生命を断たれているかと思いきや、普通に無事だった。
しかも、ゲバルの戦いぶりまで見ていたようだ。
きっと、放尿シーンを見て「これだ!」と思っただろうな。
プロのリングに復帰した時にリング上で放尿して、再度刑務所に入れられることになるのは確定的に明らか。

そんなアイアン・マイケルのことを救世主ゲバルは見事に忘れていた
名前の思い出すのに「ン〜〜……」と数秒かかってしまう。
これにはさすがのアイアン・マイケルも「ワスレテタンカイ」と突っ込む。
アイアン・マイケルはすっかり面白い人になってしまった。
刑務所に現れた時の場違い感はもうない。
お笑いキャラとしての地位を築け…って、あれ?


「2代目(セカン)」
「アンタと同室だったことを神に感謝している」


そんなわけで無事部屋に戻ることに成功するアイアン・マイケルだった。
ゲバルには最大のリスペクトを込める。
もう今のアイアン・マイケルはゲバルにデレデレ状態だ。フラグ立ちすぎです。
もはや、このままアイアン・マイケルエンドを迎えるより他ない。

「アリガトウボス……」
「退屈だった眠れぬ夜に 極上のレクリエーションをサプライズボーナス」
「お礼を言うのはむしろ俺ほうだ 兄弟(ブラザー)」


それに対して、ゲバルもまた感謝の意を見せる。
うん。
アイアン・マイケルが過去の威光をまったく感じさせず踏んだり蹴られたりする様は極上のレクリエーションをサプライズボーナスだろうな。
退屈だった眠れぬ夜も飽きさせない素晴らしい見世物だ。
きっと、アイアン・マイケルの頭髪を剃ったのもゲバルに違いあるまい。
極上のレクリエーションをサプライズボーナスだ。

アイアン・マイケルにしてみれば、自分を散々弄ったゲバルが助けに来てくれたなんて予想外だったんだろうなぁ。
私語を言わせて看守に殴られるいじめとかやられている以上、ゲバルは信用のならない存在だったはずだ。
でも、これはきっとゲバルの周到な駆け引きなんだろうな。
普段弄っている分、危なくなったら助けてあげて好感度アップ作戦だ。
いわゆるアメとムチ、ツンとデレッッ。

「べ、別にあんたのことなんか好きじゃないんだからね!わたしに近寄らないでよ!」

「ふ、ふん…しょうがないやつね!あたしがいないとあんたは全然ダメみたいだから、側にいてあげるわよ!」

――こんな感じに常時と非常時で態度を使い分けて、アイアン・マイケルのハートをゲッチューラブラブモードじゃん!

ともあれ、いい感じに友情した二人は眠ろうとする。
その時、ゲバルはある人物の存在に気付く。

「ミスターゲバル」

範馬刃牙の登場だッ!!
正座しての登場に、ゲバルもアイアン・マイケルも驚く。
って、こいつら気付くの遅ぇ!!
部屋に入った時点で刃牙に気付いてやってください。
刃牙がかわいそうだ。

というか、刃牙は極上のレクリエーションをサプライズボーナスとか怪しい英語を言っている間も、ずっと正座していたのか?
これはきっと愛しのアイアン・マイケルの心がゲバルに傾いたショックで何もできなかったからに違いあるまい。
というか、こいつ、起きていたのか?
アイアン・マイケルを助けに行けよ!!

「あなたがオリバに勝とうが敗けようが どちらでもいい」
「明後日の試合のあと」
「どうか俺と――――――――――――」


とにもかくにも、刃牙はゲバルに挑戦状を叩きつける。
頭を下げて、丁寧に、叩きつける。
ゲバルがオリバに勝とうが負けようが戦おうとする刃牙の態度は素直に好感を持てる。
勇次郎のいる場所に辿り着くために、やるべきことをやろうとしているのだ。
これが「バキ」時代だったら、ゲバルがオリバに敗北した時点で雑魚扱いして戦わない
というか、そもそも戦いすらしない。梢江とイチャイチャするだけだ。

「俺と闘いたいのならいつでも」
「たとえ風がなくとも…」
「たとえば… 今この場でも…」


ゲバルは刃牙の挑戦を真っ向から受ける。
しかも、今すぐ戦う覚悟ありだ。
刃牙は思わずつばを飲みこむ。
こっちも今すぐ始める覚悟があるようだ。
刃牙VSゲバルの始まりか?
アイアン・マイケルは刃牙に投げられたりゲバルに殴られたり二人がかりで放尿されたりと、とばっちりを受けるのは間違いない。

緊張漂う部屋に怪しい人物が声をかける。
ドアの小窓からゲバルの姿を探す。
そして、ゲバルの姿を発見次第、鋼鉄性のドアをねじり始める
囚人の脱出を防ぐ強固なドアがアメのようにねじれ、破壊されていく。
当然、出てきたのはオリバだ。
相変わらずの筋力でその存在感をアピールだ。
この荒業にゲバルを除く皆が冷や汗を流す。
なお、冷や汗を流した人物には刃牙が含まれます。
…ついさっきいいところを見せたのに、いきなりヘタれてどうする。

「い〜〜〜い面構えだ…………」

何のためにやってきたのかわからないが、オリバとゲバルが対峙する。
試合前の様子見だろうか?
何によせ油断のできない展開だ。

ここでアイアン・マイケルがオリバに飛びかかったら、その地位を不動なものにするに違いない。
「俺が相手だゴバッ!」
うん、勝つ姿がまったく思い浮かばない。


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