範馬刃牙 第4話 小さな親友(だち)
新年初「範馬刃牙」だ。
今年中に勇次郎との決着は着くのだろうか。
――間違いなく着かないな。
多分、勇次郎と刃牙が会話するのが精一杯だ。
それ以上は知らん。
1発キャラかと思われた鮎川ルミナ(だッらァァッッッ)は川原に刃牙と一緒に座っていた。
ルミナはてっきり使い捨てキャラかと思ったら違った。
これからも登場するつもりらしい。
まぁ、だッらァァッッッだし将来性がある。
そして、将来は「キャオラッッ」や「救命阿(ジュウミンア)」などの奇怪な言葉で刃牙を応援することだろう。
間違いない。絶対にそうだ。
「思いきり叩いた」
「……え」
「小学生の君を……………鮎川ルミナを」「俺は全力でブッ叩いた」
前回のお尻叩きは全力だったらしい。
いや、あのフルスウィングで全力じゃない方がおかしい。
そう思う反面、もし刃牙が全力で尻を叩いていたら、骨折していてもおかしくない気がする。むしろ、おかしい。
真実はいったいどちらなのだろう。
まぁ、見栄えよく飛ばすことに全力を傾けた可能性がなきしもあらずだ。
水切り&回転吹き飛ばしだ。
ガイアが見せた妙技を見事に体得している。
これが地下闘技場だったら水切り&回転でギャラリーが沸いていたところだ。
まぁ、そんなことはともかくルミナと刃牙は親しげに語り合う。
たしかに親友(ダチ)の関係になっている。
華の高校生のダチが屈強な格闘家たちと小学生しかいないのは多少アレだが気にしてはいけない。
…そんな夕焼けのちょっと爽やかで、ちょっとエゲツなくて、ちょっとだッらァァッッな一時にある人物が現れる。
「オーーーーッCP(キャプテン)ストライダムッッ」
勇次郎と言ったら俺を呼んでこいッッッ。
いつでもどこでも勇次郎を語ってやるッッッ。
キャプテンストライダムだッッッ。
懐かしくて嬉しい人が出てきた。
登場するのはドイルとホテルで会話していた時以来だ。
キャプテンストライダムは勇次郎と多くの接点を持つ密かにバキに欠かせない人物だ。
あと良い場面がまったくない点も特筆すべきである。
予想は必ず外れ、知識はあてずっぽう、そして勇次郎にいつも冷や汗を流す。
このどうしようもなさはムエタイやテコンドーに通じるものがある。
というか軍人も地雷のような気がしてきた。
何はともあれ日本の川原に軍服で登場するのは止めた方がいいですよ、キャプテンストライダム。
明らかに日常が壊れている。
こんなある意味、ヤクザよりも怖いおじさんの登場により、ルミナは「〜〜〜〜ッッ」「…………ッッ」と、「範馬刃牙」には欠かせない驚き方をする。
そりゃあ驚く。
というか一般人なら即8mくらい距離を開ける。
[まるで御伽噺……………]
[地球上で一番強いバキさんの父親………………]
[その父親が恐竜のようなゾウを殺したという……]
第1話の怪獣象退治が地球を半周して刃牙の元へやってきた。
御伽噺というか、むしろ特撮ものだな。
あのアフリカ象、どうみても宇宙怪獣だし。
「アノ勇次郎(オーガ)ガ君ヲ挑戦者(チャレンジャー)トシテ認メタノダ」
「君ハ…ソレニドウ応エル」
刃牙のスパーリング相手にあの巨大象ッッッ。
勇次郎には本気を出す時は一級品の前菜を喰う習性がある。
古くは本部、最近では劉海王が喰われている。(前者はやや微妙だが無視)
幼年時代は大統領襲撃だったが、今回は象退治。
一応、レベルが上がっている。
刃牙の実力を評価したために、スパーリングのレベルを上げたのだろう。
まぁ、勇次郎のことだから何も考えていない可能性も高いが。
「キャプテン…………」
「これは単純な親子喧嘩だ」
「どこの家庭にだって起こるよくある問題」
「アメリカ人のアンタが首つっ込んでんじゃねェよ」
刃牙はあくまで私闘であると断言する。
誰にも関与してほしくないのだろう。
だから、恋人である梢江をもフった、のかなぁ。
どうにも範馬の考えることはよくわからない。
複雑なロジックに包まれている。
まぁ、何にせよ刃牙は自分の決闘にあれこれ言われるのが嫌らしい。
負けた時はひっそりと負けたいのか?
こんなツンバキにより、ストライダムは踵を返す。
どうにかこうにか川原に平和が戻りそうだ。
範馬がいるかぎりダメっぽいけど。
「刃牙ヨ……」
「私ハ首ヲツッ込ムヨ」
「単ナル親子喧嘩ダナドト…」
「トンデモナイ誤解ダ」
「コレハ一国ト一国ノ喧嘩ニ匹敵スル問題ナノダ」
勇次郎の敗北は勇次郎の絶対性の崩壊を意味する。
一国に匹敵する暴力を持つ男が、まったく同じ力によって陥落するのだ。
世界情勢が大きく変わることは間違いない。
ストライダムの言う通り、国と国との喧嘩、つまりは戦争に等しい。
でも、ユウジロウ国家はともかくとして、バキ国家はかなり不安がある。
むしろ、バキ国家を国家として認めていいのだろうか?
「なァキャプテンッ」
「とりあえず俺もスパーリングぐらいはやっとくよ」
「てきとうな奴と」
ストライダムの言葉が聞いたのか。
刃牙がスパーリング宣言ッッ。というかしないとおかしいッッ。
でも、すごい嫌味な顔だ。
主人公がこんな顔をするのはどうだろう?
「範馬刃牙」でも人気絶不調は確定か。
川原にやってきた軍人は帰った。
ルミナと刃牙も帰路に着く。
すっかりダチだ。
もしかして、ルミナが「範馬刃牙」における驚き役になるのだろうか?
加藤と末藤のことも忘れないでください。
特に後者。
「アフリカ象よりも強いお父さんが相手なのに…」
「てきとう……って」
「てきとうと」「ハンパは違う」
「恐竜相手に負けない適当な相手ってこと」
ルミナの疑問に刃牙と言葉的に答える。
うわー誤魔化しに聞こえる。
なんか騙された気分になる範馬一族の言葉には要注意だ。
「見にくるか?」
「これからそいつと闘(や)るんだ」
え?ルミナを観戦させるつもりか?
やっぱり驚き役らしい。
いや、論点はそこじゃない。
問題は誰が刃牙と戦うのか、だ。
勇次郎と戦う前に春成やJr.と戦っていてはスパーリングにならない。
相応の実力者でないとダメだ。
オリバや郭海皇クラスならスパーリングとして十分なので、彼らを相手にするのだろうか?
まぁ、新キャラの可能性もあるが。
[その時だった]
[ボクの前にとんでもないものが現れたのはッッ]
ルミナ大驚愕。
もしかして、パンツ一丁のムエタイ戦士が現れたのか?
とんでもないものと言うからには見た目がすごい人が現れるはずだ。
無闇にデカかったりとか。かませ犬度が飛躍的に上昇する可能性があるのが難点。
とにもかくにも、新連載4話目。ついに話が動き始めた。
刃牙はどれくらいスパーリングをするのか。
また、勇次郎のスパーリングが描かれそうなのも注目するべきところだろう。
そして、こんな調子に5年くらいスパーリングする。
いざ決戦になると刃牙は「強イナァ…親父…」とか世迷い言をほざいてくれること嬉しい。
5年かけて敗北するのが「範馬刃牙」の物語なのだ。多分。
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