範馬刃牙 第41話 愛
結局、刃牙がオリバとゲバルに何の影響を与えないまま、決戦が始まろうとしていた。
決戦の日、刑務所には一切の監視がいなかった。
全ての受刑者が刑務所中央の広場に集まっていたからだ。
その様を看守は見物している。
オリバとゲバルのどちらが勝つかを賭けてるあたり、かなりのんびりしている。
これだけの受刑者を自由にしておきながら、絶対に脱走しないという確信があるのだろう。
刑務所最強を決めるこのイベントがどれだけのウェイトを誇っているのかがわかる。
「Mr.オリバが恋人を連れてくるって………」
「………いたの?恋人……」
そんな4000人の受刑者の中で、刃牙はひっそりと長老と話す。
すっかりモブになってしまった。
表情からはライバル同士の戦いに置いていかれた焦燥感は感じ取れない。
余裕綽々に観戦する気だ。
それでいいのか主人公。
「きたッ」
「きたぞッ」
「2代目(セカンッッ)」「大統領ッッ」「バカッまんまじゃん」
「ベストパイレ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ェェツ」
立ち合い次第、金的しまくってやる!
純・ゲバルだァッ!!
前回少年からもらった瓶を携えての登場だ。
結局、巨漢に渡してもらうとかそういうのはなかったことになったらしい。
ゲバルの表情はムエタイ選手のようにいいよ俺負けるからというものではなく、実に静かなものだった。
その間実に2秒で敗北するような表情ではない。
期待できそうだ。
「一つだけ断言できる もし仮に今脱走者が出たとしても」
「俺はここを一歩も動かんッッ」
ゲバルの入場で興奮は絶頂に達する。
所長も職務放棄の覚悟で観戦するようだ。
これはもう地下闘技場のアナウンサーの人を連れてこなければ損だ。
そして、さりげなく徳川のご老公も観戦する。
「きたァッッ」
「オリバだッ」
今度はオリバが入場するッ。
場はさらに盛り上がるが、同時に困惑が包み込む。
オリバは幅3mはありそうな特大ベッドを持って入場したからだ。
軽く300kgはありそうなベッドを背中に担いで歩く。
オリバならではの超筋力だ。
汗ひとつ流していないことから、オリバにとってこの程度日常茶飯事なのだろう。
「バカな… つれてきたのか… あの恋人を」
所長は特売ベッドを担ぐオリバの筋力よりも、恋人を連れてくるという行為に驚いていた。
そんなにやばい人なのだろうか。
バキ世界の女性は雌ばかりなので、あまり出てきてほしくないのは同感だ。
例えるならゾクセイに出てくる奇形巨乳のように。
オリバはベッドを空中3mくらいの高さまで放り投げる。
そして、落下際をチャッチ、衝撃を抑える。
自慢の筋力を惜しげもなくアピールしている。
そして、ついに恋人が姿を現す。
「始めなさいよはやく………♡(はぁと)」
なんてこったいシィィィットッッッ。
首が肉で包まれるほど、豊満な女性が出てきてしまった。
あごもどうにか見える程度だ。
肉、ありすぎ。
前回のバキを読み返してみると、たしかにあごが描写されていない。
輪郭を描かず唇だけを描写したのはこういうわけだったのか。
バキに出てくる女性にロクなモノは本当にいません。
衝撃的恋人の登場により、場は揺れそうだ。
とりあえず、誰か一人は失言して、オリバにジャガられるな。
間違いない。
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