範馬刃牙 第42話 刑務所(プリズン)
[伝説の恋人マリア…………その姿は――――――――]
[4000人に達する受刑者………彼ら全員が同じ思いに捕われた]
[後の人生で誰かにこのマリアの姿を伝えるとき]
[いったいどう伝えるべきなのか………?]
[ハッキリとしていることが一つある]
[「肥満(ふと)ってる」という程度の表現では到底伝わらない]
うん、俺も伝える術を持たない。
身体が四角形、それも3m四方はありそうなベッドを埋め尽くすほどの肉の量と紙面の絵を忠実に文字化してみる。
マリアの身体構造がいったいどうなっているのか非常に疑問だ。
というか、骨格とか内臓があるのか?
肉だけで身体が構成されていそうな迫力がある。
ゲイラ@北斗の拳くらいかと思ったら、それ以上だ。
息をするのが面倒などころか、重力すらわずらわしそうだ。
「なに見てンのよ………」
そりゃあ見るよ、マリアさん。
宇宙人が出てくれば人はそれを見るに決まっている。
オリバはすかさず「見とれているんだよ」とフォロー、あるいはノロケだ。
それに対して「ペッ」と唾で吐きつけて反撃するマリアさんはツンデレ。
「バカ言ってんじゃないよッッッ」
「どこをどう見たら美しいってんだッッ」
ごめん、ツンデレじゃなくてヒステリーだこれ。
自分の容姿の醜さをマリアさんは認識しているのだろう。
でも、それをオリバは一生懸命持ち上げる。
雑巾を痛めつけるには飾るのが一番と板垣先生は読みきり漫画でやったよね?
オリバのはいじめなのか愛なのか判別がつかない。
「どこからどう見たって美しい」
「誰にも異論をはさませない」
「ここにいる4000人全員が」
「君の美しさを認めている」
「そうだよなみんな…」
(え〜〜〜?!!)
4000人全員が同時に疑問を頭に浮かべた。
「!」よりも「?」が先に出ている。
さすが、アンチェイン。
みんなの心も己が自由にしている。
でも、みんなの心は非アンチェイン!
しかし、そんなことをいつまでもやっていられないと思ったのか、オリバは息を大きく吸い込み始める。
オリバの胸が一段膨らむ。
膨らむと言っても松山せいじ漫画みたいになるのではないと一応忠告。
そして、両腕を大きく上げ、振り下ろす。
着ていたタキシードが破けた。
筋肉の膨張で引き裂いたこの荒業にさすがの刃牙もギャラリーの一員となって驚く。
それだけでなくオリバは次の瞬間にはパンツ一丁になって空中に舞っていた。
すごく…高いです…
パワーだけでなく意外な俊敏さを見せた。
だが、オリバの芸はまだ続くのであった。
「タキシードがそのまま…ッッ」
「まるでセミの抜け殻みたいにッッ」
「ありえねェッッ」
「やっぱりオリバだッ」
「誰も勝てねェッッ」
破けたタキシードがオリバが破いた時の形のままで残っていた。
ありえねェッッ。
でも、だからなんだ。
すごいけどすごいだけのパフォーマンスっぽいが、見事に観衆は騙され、「オリバは強い」という方程式が生まれてしまった。
さすが、4000人の受刑者のトップに立つだけあって、人心掌握術は天才的だ。
なお、刃牙はこのパフォーマンスをお前何やってんだ的な笑みで見ている。
無性にこの主人公を殴りたくなったけど別にいいよね?
やっとオリバとゲバルが対峙する。
ちょっとした挨拶を交わした後、ついにゲバルが少年からもらった瓶を開ける。
その瞬間、嵐がゲバルを襲った。
と思ったらそれはゲバルのイメージだけらしい。
とりあえず、勇気はINしたようだ。
「十分だ……開始(はじ)めようか」
次回、ついにオリバVSゲバルが始まるッッ。
刃牙がまったく関与してきていないのは気になるところだけど。
やっぱり解説するのかなぁ。
それとも、勝負で弱りきったところを叩く作戦か?
一時期の刃牙ならやりそうな勢いだ。
今の刃牙は弱ったところを襲っても普通に負けそうだけど。
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