範馬刃牙 第49話 鉄(くろがね)
復ッ活ッ。
ゲバル復活ッッ。
ゲバル復活ッッ。
ゲバル復活ッッ。
ゲバル復活ッッ。
ゲバル復活ッッ。
ゲバル復活ッッ。
尿を漏らしていないのが惜しい。
尿を出していたら完璧な復活になっていたのに。
その復活ゲバルの力強い一撃でオリバは吹き飛ぶ。
威力はオリバの張り手と同等か。
底知れない潜在能力だ。
大盛り上がりする場に合わせて、すかさず囚人たちはゲバルコールを連発する。
我々の刃牙は「しょーがねェなァ…」とつぶやくだけだ。
お前、それでいいのか。
ライバルたちが戦いに少しは心を奮わせろ。
ス……ッ
さて、ゲバルの一撃を食らったオリバは…ほとんどダメージを受けていないようだった。
何事もなかったように軽やかに起き上がる。
だが、表情は今までと違って神妙だ。
「君を見くびっていた」
「いたわっていた
そして気遣っていた」
「本気で叩くには−――」
「小さすぎると…………」
今までは本気じゃなかった宣言だ。
ゲバルを評価していたようで、その実小物だと思っていたようだ。
本気でやる必要がないからこそ、ルーザールーズに付き合ったのだろうか。
一見ハッタリに聞こえるオリバの台詞だが、刃牙はハッタリではないと感じた。
刃牙はオリバの強さを十分に知っている。
オリバの立ち回りを見れば、今までの戦いがどこか抑えているものだとわかるのだろう。
二人の間に風が吹く。
マウス戦で起こったような激しい風ではない。
だが、その風を感じたゲバルは笑みを浮かべる。
「いい日だな」
「ああ…」
「死ぬにはいい日さ」
ラウンド2ゥ〜。
俺は登り始めたばかりなんだ、このオリバ坂をよ…と言わんばかりにゲバルが走った。
一瞬のうちにオリバの間近まで迫る。
そして、マウスに食らわせたような身体全体を振りぬくワイルドアッパーを放つ。
[ゲバルよ…………君には資格がある]
[ああ………………いったい何時以来だろう……]
[他人(ひと)を全力(ほんき)で叩くのは………………………]
オリバは真っ向からカウンターの張り手を顔面に命中させた。
全体重と全筋力を総結集させた決死の一撃だ。
オリバがいうには連載中において始めての全力の一撃らしい。
それだけあり、半端な一撃ではない。
地面に叩きつけられたゲバルによって、ちょっとしたクレーターを作ったほどだ。
オリバ恐るべし。
そして、この一撃と同時に世界中のカーナビが狂った。
いつか長老が語った時速4km以上で動くとカーナビが70mズレる現象だ。
オリバの全力はカーナビを狂わせる。
地球を揺るがす一撃だ。
やっぱり、オリバはどうしようもなく高いところにいる人だ。
刃牙に追いつけるのか?
その異常に車を運転していたボッシュ大統領も気付く。
恐らく、何が起こったのか、勘付いたのだろう。
後席に乗っていた勇次郎も意味ありげな笑みを浮かべる。
………
アンタ、何やってんだッ!
ここで勇次郎登場ですよ、皆さん。
大統領をタクシー代わりにするとかやってることは相変わらず豪快だ。
[俺だけ仲間外れかよ……………]
自分の知らないところで激闘が行われていることに勇次郎は率直な不満を覚える。
勇次郎でも寂しいと思う感情があるらしい。
普段はクールなあの娘も、一人きりになれば寂しい顔を見せる理論だ。
これは強烈な萌え要素になりかねない。
ともあれ、仲間外れにされたくない勇次郎はオリバー刑務所に向かっているのだろうか。
場がさらに混乱してしまうことは想像に難くない。
とりあえず、アイアン・マイケルをジャガる。
試合にはオブジェが必要なんすよ。
その後は刃牙と親馬鹿トーク炸裂だ。
うん!みんな、オリバとゲバルに注目しよう!
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