範馬刃牙 第6話 幻影闘争(ファントムマッチ)
刃牙とルミナの目の前にアイアン・マイケル(刃牙妄想体)が現れた。
曰く、暴走族に負けた男。
曰く、勇次郎に秒殺された男。
曰く、テコンドーにしか勝っていない男。
とんでもないくらいに立ち位置がやばい男だ。
いっそのこと、出てきたのは兄であるブロード・マイケルだったという展開はどーよ、ハンマバキ。
まぁ、バキ世界において、ボクシングというのは常々立ち位置が危ない。
全格闘技中最速の攻撃を謳っているジャブはあっさり見切られる。
ロシア人がボクシングをやってしまったことでかませ犬になってしまう。
特にすごいところを見せることもなく乱入者に生け贄になってしまう。
不勝格闘技として有名なテコンドーにしか勝っていない(アイアン・マイケルの例)。
5ヶ月引っ張っておいて金的一発で敗北したボクシングを実戦格闘技として発展させた男。
…思い出してみるだけでボクシングってヤバい。
現実世界で活躍している格闘技を叩き潰すのが板垣イズムだ。
ムエタイなんかは好例。
連載開始から10年は経過したのに、いまだムエタイは勝利していません。
[鉄人マイケル………ッッ]
[ボクシングの歴史を全て知っているワケじゃない でも――――――]
[このマイケルこそが史上No.1だと言える時期が絶対にあった]
ルミナは冷や汗を流しながら解説する。
小学生とは思えない博識っぷりだ。
小学生ならムシキングでもやっておこう。
範馬キングなんてやっている暇じゃない。
そして、読者も冷や汗が尽きない。
あれ?マホメド・アライって何だったの?
彼がもっとも偉大なスポーツマンではなかったのか?
いつの間にかテコンドーにしか勝っていない暴走族に敗北した男に後塵を拝しているんだ?
刃牙とアイアン・マイケル(刃牙妄想体)は熱戦を繰り広げていた。
ルミナによると最盛期の動きらしい。
146歳の妖怪爺が現役で戦う中で最盛期という表現は、何だか微妙だ。
まぁ、いくら最盛期といえども、読者にとってはそんなのはとうの昔に過ぎている。
しかも、グラップラー刃牙時代に過ぎた。
まぁ、強いていえばロブ・ロビンソンを召還しなかっただけマシだ。
あれよりはアイアン・マイケルの方が強く感じる。
[まずいッ]
[マイケルのK.O.パターン]
刃牙がアイアン・マイケルのボディブローを食らった。
ルミナにはそれが見事に見えている。
お前こそまずい。
正気を保っている中にこんな幻覚が見えるようだと危ない。
というか傍目から見れば、すごく怪しい光景なんだろうな。
普通人にスタンドは見えないし。
ボディブローの次はアッパーだ。
この連携はボクシング通のルミナにはハッキリと見えていた。
そして、このコンビネーションは柴千春に繰り出したコンビネーションと同じものだ。
有名な「ナナハン食らった時と同じだ…だったらイケるぜ!」の時のだ。
つまり、今の刃牙にはナナハンを食らった時の同等のダメージ、があると思われる。
おそらくは大ダメージだ。
さすがの刃牙もダウンする。
どれほどのダメージが刃牙にあるのだろうか?
「だいじょうぶ」
ちょ、それだけかよッッッッ。
やっぱり、アイアン・マイケルだとダメだ。
全然ハンパだ。
適当じゃない。
「そろそろ………」
「終わらせる」
いきなり決着宣言だ。
すげえ、速い。
こんな短期決戦で終わる(だろうと思われる)相手とスパーリングするなよ。
まぁ、数ヶ月アイアン・マイケルと戦うのもどうかと思われるけど。
アイアン・マイケルは刃牙めがけて右フックを放つ。
そこに刃牙のハイキックがカウンターで決まった。
アイアン・マイケルは一発でダウンした。
…あのぉ…一発、ですか?
やっぱりこいつはハンパだ。
断じて適当なんかじゃない。
適当だとしてもテキトーかてきと〜だ。
「適」切な部分に「当」てるという意図が全く伝わってこない「適当」なのだろう。
………
そんなわけで今まで観戦していたいじめっこ3人が刃牙の元へやってくる。
あんな痴態を見るとイヤでも興味がわくのだろう。
当然、一般人に近いいじめっ子3人は刃牙のスタンド能力について疑問に思う。
そこで刃牙は口の中にウメボシとレモンがいっぱいの光景をイメージしろという。
これで実際にダメージを受けるシャドーの原理を説明するつもりらしい。
いわゆるウメボシを見るとよだれが出るというヤツか?
無理だ。
パブロフの犬とスタンド能力を一緒にしてもらいたくないのだが。
「すッッ…ッぱいッ」
そんなこんなで刃牙は本当に酸っぱそうな顔をする。
ものすごい演技力だ。
本当に酸っぱそうだ。本当に一流役者だ。
悪いことは言わないから、拳を捨てて役者になった方がいい。
身体能力も抜群だし、ヒーロー物で大活躍できるはずだ。
そんな一流の演技に思わず子供たちはよだれをたらす。
うん、あんな顔されると思わずつられるな。
誰だってつられる。無理もない。
「人体の不可思議」
「君らの口の中にはなにもない」
「なのに口の中は唾液でいっぱいだ」
それは条件反射というものだと思うがどうだろうか?
スタンド能力とは少し違うだろう。
なんかものすごいペテンだ。
地球を逆回転させれば時間が戻る並みの理屈だ。
そんなわけで次回へ続く。
なんか太平洋のど真ん中に何の道具もなく浮いている、って感じに話が進んでいる。
ここからどこへ辿り着くのだろうか?
いつの間にか30年前の火星にいそうで怖い。
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